イディ・アミン
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イディ・アミン・ダダ・オウメ(Idi Amin Dada Oumee, 1923年?- 2003年8月16日)はウガンダの軍人出身の元大統領。ムスリム(イスラム教徒)。身長2mを超す巨漢で、アフリカのボクシングヘビー級チャンピオンになったこともある。
1923年に出生したと言われるが、1925年生まれとの説もある。ウガンダ北西端に住むカクワ族出身。小学校を卒業後、イギリス植民地軍に炊事係として雇われた。その体格を生かし、部隊内の体育大会で活躍し、衆目を浴びる。ボクシングではヘビー級チャンピオンになったほか、白人ばかりのウガンダラグビーチーム唯一の黒人選手として活躍し、植民地軍中尉にまで昇進する。
軍参謀総長だった1971年1月に、クーデターでオボテ政権を打倒して政権を掌握。アドルフ・ヒトラーを尊敬し、1970年代のウガンダに独裁政治を敷いた。
反体制派の国民約30万人(40万人説もあり)を虐殺し、「アフリカで最も血にまみれた独裁者」と称された。ついたニックネームが「人食い大統領」。
1978年、隣国タンザニアに侵攻するも失敗、逆にタンザニア軍に首都のカンパラまで攻め込まれた。
1979年、反体制派のウガンダ民族解放戦線に攻撃されて失脚。リビア経由でサウジアラビアに亡命した。
2003年8月16日、亡命先のサウジアラビア、ジッダの病院で、多臓器不全による合併症で死去。
余談だが、ボクシングのヘビー級チャンピオンになった経歴から、日本のプロレスラー・アントニオ猪木との異種格闘技戦の計画が浮上したことがあり、1979年1月にアミンは猪木戦を承諾したものの、反体制派クーデターの影響でお流れになったことがある。