アッガイ
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アッガイ | |
型式番号 | MSM-04 |
所属 | ジオン公国軍 |
開発製造元 | スウィネン社 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 19.2m(17mとする資料もあり) |
本体重量 | 91.6t |
全備重量 | 129.0t(98tとする資料もあり) |
ジェネレーター出力 | 1,870kW |
機関出力 | 80000馬力 |
スラスター総推力 | 109,600kg |
地上最大走行速度 | 80km/h |
水中最高速度 | 53kt(30ノットとする資料もあり) |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
武装 | 105mmバルカン砲×4 6連装ロケット弾ランチャー フレキシブル・アーム 機関砲 |
主な搭乗者 | 赤鼻 イワノフ クラフト マジソン |
アッガイ(ACGUY)は、アニメ『機動戦士ガンダム』や『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』などに登場する架空の兵器。ジオン公国軍の量産型水陸両用モビルスーツ(型式番号:MSM-04])。
目次 |
[編集] 機体解説
ジオン公国軍は水陸両用モビルスーツとしてゴッグ、ズゴックの開発に着手したが、これらは高出力の反応炉搭載のため生産コストが高いという問題点を抱えていた。そこでコストを抑えた廉価版の水陸両用モビルスーツを開発することとなった。ジオニック社(スウィネン社との非公式設定もあり)製の本機はズゴックより後の開発着手であったが、先に完成したためより若い型式番号となっている。
水冷式高出力熱核反応炉ではなく、生産コストを抑えるためザクIIのジェネレーターを流用・水冷式に改造した結果、発熱が抑えられパッシブ赤外線センサーに対するステルス性が高くなった。資料によっては装甲表面に電磁波吸収剤が塗布されていたともいわれる。
(なおこれらは元々『ガンダムセンチュリー』で作られた非公式設定であり、TV放映時にはアッガイに細かい設定は全く無かった。このムックではアッガイは基本的に複座練習機として開発され、潜入工作用の機体はF型と呼ばれ60機程の生産とある。)
巨大な頭部は固定されており、モノアイレールは横方向の全周ターレットに加え、上方向にも設置された。 武装は頭部に105mmバルカン砲を4門装備(劇中では未使用)。他の水陸両用モビルスーツと同様に腕部に伸縮性のフレキシブル・ベロウズ・リムを採用し、右腕のみ格闘戦用に6本のクローを備え、その中心に機関砲、左腕部には6連装ロケットランチャーを装備した。これら両腕の武装はユニット化による交換ができるようで、機体により左腕または両腕にクロー装備など仕様の異なるものもあった。右腕の武装をメガ粒子砲とする資料も多いが、劇中ではそのようには描写されておらず、ザクのジェネレーターではビームを使用できる出力を発揮できない(ゲーム中ではビームを撃つものもある)。しかしバンダイのマスターグレード・アッガイのプラモデルの設定ではジェネレーター二基装備にすることで出力の問題を解決(しかしそれでもメガ粒子砲装備ではない)、移動中は一基のみ使用で廃熱を抑えるということにしている。
水中よりも湿地を中心とした陸上における機動性が高く評価され、ジャブロー攻略用のアッグガイ、ジュアッグのベースとして用いられた。
[編集] 劇中での活躍
『機動戦士ガンダム』では第30話に登場。シャア・アズナブル率いる特殊部隊が連邦軍本部ジャブローを襲撃する際に使用された。ガンダムによって4機が撃破された。劇場版「哀・戦士」ではガンダムとの直接交戦は無く、脱出中に後ろから61式戦車に撃たれて1機が撃破された。
『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』では、右腕を失った状態でカレン・ジョシュアが搭乗する陸戦型ガンダムと交戦。カレン機の頭部を破壊し、善戦するも撃破されている。本作品に搭乗するアッガイはデザインがアレンジされている。
『機動戦士ガンダムΖΖ』ではサイド3タイガーバウムにてスタンパ・ハロイ所有の機体にハマーン・カーンが搭乗し、ズゴックを駆るジュドー・アーシタと交戦した。この機体は両腕が爪でホバリング出来る為、オリジナルならジャブロー潜入の機体と別タイプと思われるが、単にレプリカであるという説が有力である。
他にも漫画、岡崎優版『機動戦士ガンダム』にも出演。シャア・アズナブルが搭乗し、あろうことか宇宙を飛び回っていた。
安彦良和の漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、アニメ版同様にジャブローへの侵入部隊に使用されたが、「土木作業用の旧型MS」という設定になっており、むしろ同作でザクの原型として登場した「モビルワーカー」に近い。
[編集] アッガイの萌えキャラ化
[編集] 「昭和=SD・かわいい」
アッガイは、劇場版第2作『機動戦士ガンダムII哀・戦士篇』のパンフレット裏表紙に掲載された、安彦良和氏のイラスト『小さな防衛線』での「体育座りポーズ」により、もっともかわいらしいモビルスーツとしてファンの間で認知されるようになった。またイラスト中で2頭身にディフォルメされたことから、元祖SDキャラとも呼ばれる。また当時からガンダムには女性ファンが多く(最初にファンになってくれたのは模型マニアではなく彼女達だと富野監督がコメントしている)、アッガイは女性に受けるメカであったという認識も一部にはあったようだ。
1/100プラモには上記の事実を示すかの様に、あたまでっかち、涎掛けのような胴体(実際にはジオン軍ノーマルスーツがモチーフなのだが・・)、蛸のような口(ザクやグフも同様なのだが・・)といった妙なセールスポイントが記されている。
[編集] 「平成ひと桁 = ギャグメーカー」
上記のように元々ファンの間では「かわいいキャラ」のイメージが定着していたものの、アッガイを『いじられキャラ』として決定付けたのは、1994年に稼働したアーケードゲーム機動戦士ガンダムEX-REVUEに採用されてからである。アッガイは他の登場モビルスーツに比べ非常に弱いとされたが、その一方で挙動が非常にユーモラスであり、特に勝利ポーズは他のMSが銃を掲げたり、剣を振ったりするのに対して、まったく異なり「くるくるハッフンどすこい」と通称され、コメディリリーフとしての方向付けが固定化された。
また、漫画『いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!』(ことぶきつかさ著)に登場する「アッガイファイト」の影響も大きい。「ガンダム」という作品をガンダムファンだけに留まらずアニメファンにまで広く浸透させる事となった『機動武闘伝Gガンダム』の作品中に登場する格闘技「ガンダムファイト」のパロディであるこの作品で、アッガイは一気にアニメファンに浸透することとなる。このパロディシリーズはガンダムに女性ユーザーを取り込むきっかけとなった『新機動戦記ガンダムW』をも巻き込み、結果「ガンダムは見たこと無いけどアッガイは知っている」という女性ユーザーが増えるという現象を作り出した。また、この漫画の影響からか、後にゲーム『SDガンダム GGENERATION』ではシャイニングガンダムの設計にアッガイが必要となるケースも出るようになった。 余談であるがその続編『SDガンダム GGENERATION-F-IF』のガンダムファイトEXモードではオマージュとしてか『機動武闘伝Gガンダム』の主人公『ドモン・カッシュ』が大幅に改造、強化されたアッガイに搭乗している。
[編集] 「平成10年代 = 萌え」
近年アッガイの知名度が向上したのは、2001年にカプコンが開発、発売したアーケードゲーム『機動戦士ガンダム 連邦vsジオン』によるものが大きい。このゲームが発売された当初、弱いのは相変わらずながら、連邦軍鹵獲カラーリングがドラえもんに似ているという声が高くなったため、ドジだけど可愛い、いわゆる萌えキャラとしての側面も持つように見なされていった(機動戦士ガンダム 連邦vsジオンも参照)。 またその一般普及には漫画家・大和田秀樹の『機動戦士ガンダムさん』がその先鋒を担っている。 その後、アッガイを萌えキャラとして扱った二次創作物が同人誌やインターネット上で次々と発表され、萌えキャラとしてのイメージに拍車をかけた。
なお萌えキャラとして扱われる場合、アッガイは幼稚園児~小学校低学年程度の女児(いわゆる幼女)のように擬人化されている事が多い。また、2ちゃんねる特有の発音の変化により「アガーイ」、「アガーイたん」と呼ばれる事も多い。
これらの事態が今一つの人気でマスターグレード化の暁には、2万円位でないと商品化されないだろう(需要がなくペイ出来ないから、値段自体に根拠はない)と言われていたアッガイを表舞台へと引きずり出し、ファン待望のマスターグレードキットがリリースされるまでに至った。明確なデータはないが、下手なMSよりも売れているようである。