ジャブロー
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ジャブローは、アニメ作品の「ガンダムシリーズ」に登場する架空の地名、及び基地の名前。一年戦争以前~グリプス戦役初期までの地球連邦軍の総司令部である。
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[編集] 概要
南米アマゾン川流域にあるとされ、地下の巨大な鍾乳洞を利用している。なお、地下空洞は巨大な1個ではなく、大小複数の空洞を連結したものである。
ジャブローは広大な熱帯雨林のジャングルの中にあり、出入り口も植物などでカモフラージュしているため位置が特定しにくい。対空砲・迎撃ミサイル等防衛火器類も万全で、基地単独でも長期に維持できる物資と自給能力を持ち、強固な地盤の地下にあるため通常兵器は勿論、核兵器による爆撃でも陥落しないと、文字通り難攻不落の要塞として完璧な防御力を誇る。更には基地施設だけでなくMSや艦船の工場、艦隊クラスが停泊できるだけのドック、大規模兵器庫、参謀本部までも備えており、名実共に連邦軍の心臓部・頭脳部である。このため連邦軍高官の一部、特に守旧派・官僚主義者は、前線で指揮せず安全なジャブローに引き篭もっており、スペースノイドの指導者は無論として、連邦軍のレビル将軍ですらこのような連邦軍高官らを「(ジャブローの)モグラども」と蔑称している。
[編集] 作中での描写
[編集] 一年戦争時
一年戦争時の描写。
開戦当初、ジャブローはジオン公国軍によるコロニー落とし(ブリティッシュ作戦)の目標となった。この時は連邦宇宙艦隊の必死の抵抗によりコロニーは大気圏突入後に崩壊し、破片はオーストラリア大陸東海岸、太平洋、北米大陸に落下したため、ジャブロー自体は無傷だった。
一年戦争後期、それまで地球をほぼ1周してきたホワイトベースが到着する。(『機動戦士ガンダム』第29話「ジャブローに散る!」)この時、既にホワイトベースの行動を察知していたシャア・アズナブル以下の部隊に尾行され、宇宙船用ドックを発見されてしまう。
これを機にジオン軍は、オデッサ作戦の敗北以降劣勢となっていた地上でのミリタリーバランスを一変すべく、地上軍の殆どを投入してジャブローに総攻撃を敢行。シャア率いる工作部隊は潜入に成功するも、工場内に置かれていたモビルスーツ(これからの一大反抗作戦のため、ジムの初期生産型を改良した機体が量産され、待機していた)の爆破工作に失敗する。ホワイトベース隊の活躍もあり、シャアのマットアングラー隊はやむなく撤退するしかなかった。
また投入したMS部隊も、降下前に輸送機ごと又は降下中に対空砲火の餌食となり、侵入前から相当数を損耗。地上に降下できた戦力も大規模な侵入口は確保できなかった。侵入出来た一部部隊も、洞窟内や連結部の隘路ではMSの優位性がないことと、連邦軍防衛隊の必死の抵抗に攻めあぐねる。
この結果、ジオン軍は攻略の見通しが立たないままMSの半数を損耗、撤退を余儀なくされてしまった。この作戦で地上戦力をすり減らしたジオン軍は以後衰退し、連邦軍の本格的な反撃が始まることとなる。殆どMSが無かったにも関わらず、ジオン軍の総力を挙げた猛攻撃に耐え抜いた事からも、ジャブローの堅牢さと戦力の充実ぶりが伺える。
[編集] デラーズ紛争時
デラーズ紛争時(機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)での描写。
作中においては再度コロニー落としの標的にされるものと思われたが、コロニーは北米大陸の穀倉地帯に落着。コロニーを巡る攻防戦の最中、ジャブローの中では権謀術数が渦巻いていた。
[編集] グリプス戦役時
エゥーゴの襲撃を事前に察知したティターンズが本拠地を移動した上で地下に核爆弾を設置し、エゥーゴもろとも爆破しようとした。これによりジャブローは壊滅。以降の作品には登場していない。なおティターンズは核爆弾を使用したのはエゥーゴだと発表し、自分たちの行為を隠蔽した(真相を知っていたのはティターンズの上層部と同地にいた者のみで、ティターンズの大多数の人々はこの発表を信じてエゥーゴを危険視した)。
[編集] 備考
放映当時に富野監督が雑誌のインタビューで「最初は『シャングリラ』という名前にしようと思ったが、ある人に怒られたので『ジャブロー』にした」と語っている。なお「シャングリラ」は後に『機動戦士ガンダムΖΖ』でサイド1のコロニーの名前に用いられた。
安彦良和の漫画版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、所在地がギアナ高地に変更されている。またそれに合わせてガンダムエース誌上にて、前田建設ファンタジー営業部により建設費用見積もりがなされている。(ギアナ高地はGガンダムでも舞台として登場している)
[編集] 関連項目
- ガンダムシリーズ関連用語一覧
- アプサラス計画:ジオンのジャブロー攻略計画の一つ
- アッグシリーズ:ジオンのジャブロー攻略作戦用に開発されたMS