アグネスデジタル
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性別 | 牡 |
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毛色 | 栗毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1997年5月15日 |
死没 | (現役種牡馬) |
父 | クラフティプロスペクター |
母 | チャンシースクウォー |
生産 | ケイツビー W.クレイ &ペーター J.キャラハン |
生国 | アメリカ合衆国 |
馬主 | 渡辺孝男 |
調教師 | 白井寿昭(栗東) |
競走成績 | 32戦12勝(うち海外3戦1勝) |
獲得賞金 | 9億4889万2700円 |
アグネスデジタル(香港表記:愛麗數碼)は日本の競走馬。アメリカ合衆国で生まれ、日本で調教された外国産馬である。芝・ダート、良馬場・道悪、国内・海外、短距離~中距離までの、馬場状態・距離適性・環境を選ばない万能的な活躍をした。現在は、新冠のビッグレッドファームにおいて種牡馬として過ごしている。
目次 |
[編集] 戦績
デビューは1999年9月12日阪神競馬場の新馬戦。このレースではマチカネランの2着に敗れたが、折り返しの2戦目で勝利を挙げる。その後、5戦目となる500万下条件戦で2勝目を挙げると、次走の川崎競馬場で行われた交流GIIの全日本3歳優駿で重賞制覇を成し遂げる。
年が明けて3歳になると勝ちきれないレースが続くが、名古屋競馬場で行われた名古屋優駿を1分59秒8のレコードタイムで優勝し、交流重賞2勝目を挙げる。その後、ユニコーンステークスを勝ちJRA重賞初制覇、武蔵野ステークスでも2着に入る。
このようにダートで優秀な成績を残しており、芝のレースは4戦未勝利であったが、アグネスデジタル陣営は次走にマイルチャンピオンシップを選択する。18頭中13番人気という低評価であったが、レースでは直線大外から一気に1番人気のダイタクリーヴァを差しきり初GI制覇。勝ちタイムは1分32秒6というレコードタイムであった。
マイルチャンピオンシップを制した後、4歳春は芝のレースに出走するが、勝てないレースが続いた。この間、主戦騎手は的場均の引退により四位洋文に替わる。秋になると実績のあるダートの日本テレビ盃、マイルチャンピオンシップ南部杯に出走して連勝。芝のマイルチャンピオンシップに続き今度はダートでもGI制覇となった。
マイルチャンピオンシップを制しているものの、ここまでの芝での成績は8戦1勝、ダートでは12戦7勝(重賞5勝)であったが、次走にJRAの国際化計画によって前年から外国産馬に一部開放された天皇賞(秋)に出走。これによりNHKマイルカップ優勝馬のクロフネが除外されてしまったことから非難の声も上がったが、連覇がかかっていたテイエムオペラオーをゴール直前で差し切って優勝した。
陣営が次走に選んだレースはジャパンカップやマイルチャンピオンシップや東京大賞典ではなく、香港の沙田競馬場で行われる香港国際競走のひとつ、香港カップであった。初の海外レースとなったが見事に優勝。2001年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬に選出された。
翌年、5歳になるとドバイワールドカップへの出走を表明し、年明け緒戦のフェブラリーステークスを1番人気に応えて優勝し、GIの連勝記録を4と伸ばした。ドバイワールドカップは勝ったストリートクライから2.6秒離された6着と敗れてしまうが、次走の沙田競馬場で行われたクイーンエリザベス2世カップではエイシンプレストンの2着と意地を見せた。その後は脚部不安のため休養を余儀なくされてしまう。
6歳になり、かきつばた記念で復帰するも4着。しかし安田記念ではレコードタイムでアドマイヤマックス以下を差しきり優勝し、GI6勝目を挙げた。その後は5戦して未勝利で、有馬記念を最後に引退、種牡馬入りすることとなった。
[編集] 主な勝ち鞍
- マイルチャンピオンシップ(2000年)
- マイルチャンピオンシップ南部杯(2001年、統一GI)
- 天皇賞(秋)(2001年)
- 香港カップ(2001年、国際GI)
- フェブラリーステークス(2002年)
- 安田記念(2003年)
[編集] 表彰
2001年 JRA賞 最優秀4歳以上牡馬
[編集] 競馬開放時代の嚆矢
アグネスデジタルが勝利を挙げた競馬場は9場にも達し、天皇賞が外国産馬に開放された翌年の2001年に天皇賞を制覇(過去に外国産馬の出走が認められていた時代があるため史上初ではないが)、中央・地方交流競走・海外での活躍と、その昔海外との競走馬の行き来は皆無であったばかりか、日本国内でも中央競馬と地方競馬、中央競馬の中での関東と関西(アグネスデジタルの主戦は的場均がつとめていた時期があるが、関西馬の主戦騎手が関東所属であることさえ1970年代中頃までは考えられなかった)の間の壁、地方競馬の各競馬場間の壁が厳然として存在し鎖国競馬、箱庭競馬といわれた時代では存在しない競走馬であった。このため、最強馬を議論する時に、アグネスデジタルを挙げる競馬ファンも存在する。
[編集] オールラウンダー
南部杯→天皇賞(秋)→香港カップ→フェブラリーステークスのGI4連勝にみられるように芝・ダート、距離、中央・地方・海外を問わず活躍した日本の競走馬としては稀有な存在であった。また、3歳~6歳まで4年連続でGIを制覇するなど息の長い活躍を見せた(4年連続GI優勝は他にはメジロマックイーン、メジロドーベル、アドマイヤドン、ユートピア)。さらに安田記念、マイルチャンピオンシップをレコードタイムで制するなどのスピードも見せた。また、当時に国内で行われていた芝・ダート1600mの古馬のGI・統一GIを全て制覇していることになる。なお、現在ではかしわ記念がこれに加わっている。
[編集] 血統表
アグネスデジタルの血統 (ミスタープロスペクター系/アウトブリード(アウトクロス)) | |||
父
Crafty Prospector 1979 栗毛 |
Mr.Prospector 1970 鹿毛 |
Raise a Native | Native Dancer |
Raise You | |||
Gold Digger | Nashua | ||
Sequence | |||
Real Crafty Lady 1975 栗毛 |
In Reality | Intentionally | |
My Dear Girl | |||
Princess Roycraft | Royal Note | ||
Crafty Princess | |||
母
Chancey Squaw 1991 鹿毛 |
Chief's Crown 1982 鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer |
Pas de Nom | |||
Six Crowns | Secretariat | ||
Chris Evert | |||
Allicance 1980 鹿毛 |
Alleged | Hoist the Flag | |
Princess Pout | |||
Runaway Bride | Wild Risk | ||
Aimee F-No.22-d |
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