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LPG自動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

LPGエンジン(3Y-PE)
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LPGエンジン(3Y-PE)

LPG自動車 (LPGじどうしゃ) とは、LPガス(液化石油ガス)を燃料とするオットーサイクルエンジンを主とした低公害車のこと。LPG車プロパン車LPガス自動車とも呼ばれる。

LPガスは液化石油ガスと呼ばれるが、実際にはプロパンブタンから構成され混合利用されるガス体燃料である。液化石油ガスとは言うものの実際には、石油随伴・天然ガス随伴・石油精製・天然ガス生成など石油以外のソースも持つガス体燃料である。2気圧から8気圧という低圧で液化し、体積が250分の1となり携帯性に優れ、圧縮天然ガス車(NGV・CNG車)の200気圧と比較して積載性に有利である。オクタン価は、ブタンで約90RON、プロパンで130RONとなり実際に流通しているブタン 8:プロパン 2 の比率では約105RONとなり、ハイオクタンガソリン(プレミアムガソリン)並みのオクタン価である。

欧州では、自動車燃料をガス体の代替燃料に転換する際の「ガス自動車入門編」的な役割も持ち、天然ガスとの同時産出、石油との同時産出、石油精製からの産出などマルチソースであることから天然ガス等とともに石油代替としての位置づけが諸外国ではされている。


目次

[編集] LPG車の仕組み(従来型・ガスミキサー方式)

LPG車の性能は、ガソリン車並またはガソリン車以上である。仕組みもエンジンに燃料を供給する燃料供給装置が「ガスミキサー」と呼ばれるガソリンのキャブレター方式に似たものである。(バイフューエルと呼ばれる複数燃料切替方式もある)。

ガスミキサー方式では、十分な効率が得られない場合もある。これはガスミキサーはガソリン車のキャブレターと似たシステムの為、運転に即した燃料供給が難しく運転性の向上が難しい。日本ではタクシー・トラックの自動車メーカー量産車は電子制御のガスミキサーを採用しているがあくまでも「クローズドループフィードバック」の為の電子制御化(排出ガス対策)だけで、運転性能向上には結びつかない。

ミキサー方式とインジェクション方式の比較
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ミキサー方式とインジェクション方式の比較

[編集] LPG車の仕組み(次世代先進型・インジェクション方式)

ガソリンのEFI・EGIのようなマルチポイントインジェクションを持つタイプが登場してきている欧州や韓国ではガソリンと同様な電子制御噴射方式が主流となり、大幅な出力性能の向上を見ている。 出力は、同一のベースガソリンエンジンと比較して、LPG液体噴射方式では同等(燃焼だけでなく、LPGを液体のまま噴射する際に蒸発時の膨張圧力<体積で250倍>の利用も含む)、気体噴射方式で約97~100%となり出力的にはガソリン車とかわらない。

日本では、平成13年に発表された「低公害車アクションプラン」国土交通省・経済産業省・環境省合同発表・低公害車開発普及アクションプランの末尾に次世代型LPG車を開発するとなっており、これに沿った形で、日本でもインジェクション方式のLPG車の開発が進みつつある。

次世代先進型LPG車の定義 電子燃料噴射方式を採用し、ガソリン車と同様なメンテナンスフリー性能や自己診断機能、精密燃料噴射による低排出ガス性能・低CO2性能を満たしたLPG車を「次世代先進型LPG車」と呼んでいる。

代表的なシステムとしては

1)液体噴射方式=LPガスを液状のまま噴射し、LPガスの膨張特性と蒸発冷却を利用した高効率方式

主要サプライヤー:オランダ・ヴィアーレ社(市販中)、日本・愛三工業(開発中)・ニッキ (開発中)、韓国・モトニック社(ヒュンダイ・キアOEM向け、レトロフィット部品市販中)

2)気体噴射方式=LPガスを一度液体から気化させ、CNG車と同様なシステムを使用して制御する方式(近年CNG車の制御向上で同時にLPG気体噴射もガソリン車並になった)気体噴射では、LPG・CNGで噴射システムを共用できることから量産効果が高く、スウェーデンのボルボではLPG車とCNG車を同一システムで構築し量産効果を上げている。

主要サプライヤー:オランダ・ネカム社(現TeleflexGFI)(市販中・ボルボOEM採用ボルボ代替燃料車サイト)、日本・ニッキ(市販中)

[編集] 日本での次世代先進型LPG車の展開と経緯

日本の自動車産業の車両やエンジン開発ではハイブリッド燃料電池では先端を行くが、LPG車やCNG車などのコンベンショナルなガス自動車では世界最低レベルともいえる。 1995年には欧州では、TNO(オランダ応用科学機構)を中心に液体噴射と気体噴射が開発されている。ガソリン車の燃料噴射と同様に調整不要なシステムとなっている。99年に日本でも液体噴射方式のLPⅰ(ヴィアレ社)が新日本石油ガス(現:新日本石油)・生協のコープ低公害車開発(2006年3月末にて解散)・ボンベメーカーの中央精機・改造事業者の門倉商店により導入された。(レトロフィット)01年には田中モータース・ビーコムによるELPI、03年にはニッキグループのVPI、愛三工業の液体噴射のMPIが発表され、05年にはボルボの気体噴射システム搭載の量産車が日本でも試験走行しているが、日本国内の自動車メーカーの量産車(国内・輸出向け)で採用されたものは2006年6月現在存在しない。

[編集] 日本でクリーンエネルギー車としてLPG車2010年26万台普及計画

日本での低公害車の区分としては、次の2つに分かれる。

  1. 環境省を中心とした低公害車
  2. 経済産業省を中心としたクリーンエネルギー自動車


LPG車は、「ディーゼル代替LPG車」というカテゴリーでクリーンエネルギー車に入っている。 ただ、大気汚染問題が中心だった90年代は「デイーゼル代替」という意味合いはあったが、現在は低炭素燃料としての「低CO2代替」というべき存在になりつつある。

2004年の京都議定書の発効に合わせて、2012年の第一フェーズまでにCO2削減90年比6%削減が義務付けられ、クリーンエネルギー自動車としてのLPG車の役割は増大している。ちなみにクリーンエネルギー車の範疇ではLPG車は2010年現状の29万台に加え、26万台増加を見込んでいる。

低CO2代替としては、ガソリン車の代替が必要であるが、現状政府では認められていない。 しかし、低炭素燃料としてLPGやCNGは有力な燃料でありCO2削減に向けてマイカーや業務用ライトバン・軽自動車を含め「低CO2ガソリン代替」としてのお墨付きが必要な時期に来ている。

[編集] ランニングコストで有利なガス自動車

昨今の石油高騰で、ガソリンや軽油は急激に価格が上昇している。国の外郭団体である石油情報センター燃料価格情報で見ると、2006年9月現在でガソリンは140円、軽油は121円となっている。LPG車の燃料であるLPガスを指す「オートガス」では78円である。 同じガス体燃料であるCNG車の燃料「天然ガス」では78円であり、相対的にガス燃料が安い状況にある。


ガソリンや軽油の価格が高いと言われるが、日本・米国以外の欧州やアジアでは為替や政策的なこともあるが円換算でガソリン1L:200円、軽油は1L:160円程度が一般的であり、現地価格で70-100円のLPG、30-50円のCNGに転換する人々が多い最大の原因ともなっている。

[編集] 2005年現在で燃料噴射方式のLPG車を生産する自動車メーカー

  1. 現代自動車(韓国)グレンジャーNFソナタ
  2. 起亜自動車(韓国)オピラス・ロッツェ・新型カレンスCUV
  3. ボルボ・カー・コーポレーション(スウェーデン) S80・V70・S60(2005年モデルで一旦生産中止)
  4. ルノーサムスン(韓国)SM5
  5. GM大宇(韓国) トスカ(気体噴射方式)
  6. GMホールデン(オーストラリア) コモドア
  7. ルノー(フランス)ラグナ/ラグナエステート

このほかは全て、ディーラーや架装メーカーで改造される(レトロフィット)のLPG車である。 ヨーロッパでは、日本車のインポーターが独自にレトロフィットするケースも多く、マーケットの事情に応じて改造後の保証も含めてインポーターの責任で行い、OEMモデルと同等の扱いで市販するケースもある。 その代表例としてスバルエコマットがある。このドイツでのサイトを見ると富士重工が自ら設定しているように見えるが、現地インポーターの仕様である。 手間のかかることに、通常LPGキット汎用品の使われる切替スイッチがSIスイッチの上に専用で設けられる。(イメージ図あり)

この中で、日本国内ではボルボV70LPGバイフューエル/S80LPGバイフューエルが日本仕様の走行試験車がある。これはLPG車では燃料タンク・附属バルブ等の規格が欧州(ECE基準67号)と日本国内での規格(高圧ガス保安法容器保安規則)で異なるものを日本の規格に適合するかどうかの調査を行い、日本での認証を取得、本国メーカーの協力を得て日本での走行試験を実施すると同時に、全国の低公害車フェアなどでも展示されている。

また、06年10月30日にはヒュンダイモータージャパンより輸入量産LPG車として初めてグレンジャーLPIが日本でも販売開始された。この車両も前記ボルボと同時期に、法律的には似ているが相互認証のない韓国規格の日本認証を実施した結果、日本で初の量産輸入LPG車として発売された。

[編集] LPG 車の環境性能

LPG車の最大の特徴は、黒煙が全く排出されず、PM (粒子状物質)も測定限界以下、低NOx であることが最大の特徴である。LPガスのC分(炭素)が 3~4 と少なくCO2排出量も同一排気量エンジン・同一燃料供給方式では、ガソリンエンジンに比較して約12~15%、ディーゼルエンジンに比較しても約6%少ない。

CO2の排出量は自動車業界においては、一般的に「ガソリン車と同じ」と言われていた。 これは、自動車業界も「同一の車型・同一エンジン・同一燃料供給方式エンジンでのガソリン・LPGの比較」をした資料が殆どなく、また一般にも公開されていなかった。

だが、実際に「同一の車型・同一エンジン・同一燃料供給方式エンジンでのガソリン・LPGの比較」に加え、「同一車両(車体番号同一)で測定を実施した結果では上記の結果となる。CO2排出量の比較 測定も、国土交通省の認証機関である財団法人日本車両輸送技術協会で実施されており、サンプル数が不明ながらも数値として無視できない事実である。

しかし、燃料業界であるLPガス業界が自動車業界と共に過去約40年にわたり「LPGの優位点や低CO2特性」を研究したかと言うと上記レポートが唯一のものである。燃料業界としてのLPガス業界に更なる努力が求められる。

[編集] LPG車の普及状況

 日本では、約30万台のLPG車がある。うち24万台がタクシー(全タクシーの98%)3万台がライトバンと1~3t積載(一部4t積載もある)のトラック、マイカーなどの乗用車も 2万台ある。 しかし、軽自動車は長年にわたり燃料区分がされず、LPGの軽自動車が何台あるか不明であり、フォークリフト等の特殊車も産業機械として台数が明確でない。

 日本ではタクシー中心になっているが、世界LPG協会(WORLD LP GAS ASSOCIATION)が発刊した 2006 世界LPG統計資料では前年度に比べ10.5%増加し、1145万台を超えている。  その大半は乗用車(マイカー)が世界の中心であり日本のようなトラックは比較的珍しい。大型エンジンでは燃料組成をプロパンを多めにすることで利用でき、ヨーロッパや中国、韓国で9,000CC~12,000CCクラスのエンジンを搭載したLPGバスが実用化されている。

 日本では、1963年頃にタクシーや小型トラックで利用され始め、タクシーで急速に普及し1960年代には殆どのタクシーがLPG車となった。小型トラックは一時期急増したがデイーゼル車の普及で1970年代には減少した。その後、1993年に東京都での清掃車・生協向けにトヨタ自動車が共同開発し急増、1999年の東京都でのディーゼル車NO作戦で更に増加し現在3万台となっている。

全世界でのLPG車普及台数はヨーロッパ全体で約500万台を含み、1145万台が走行しており、第1位はポーランドの200万台、第2位が韓国が190万台(乗用車保有の20%)第3位がトルコの150万台、第4位イタリアの99万台、第5位メキシコ75万台、第5位がオーストラリアの51万台となっている。 普及割合は、韓国・欧州が多く欧州平均では総保有の1%~6%となっているが、近年はオーストラリアや東欧での増加が目覚しい。

[編集] 日本でのLPG車の燃料供給インフラ普及状況

歴史が古くタクシーに使われている燃料ということもあり、他の代替燃料に比較して日本だけでも全国に約1800ヶ所のLPGガススタンドが設置されている。タクシーの大半がLPG車ということは、タクシーのない町は殆どないため逆に「タクシーがある街にはLPGガススタンドは、必ずある」とも言える。タクシー車の97%がLPG車であることによる。しかし地方の一部地域においてタクシーの台数が少なくディーゼル車を使っている(最近減少しつつあるが)のでLPガススタンドが無い地域や自家用スタンドのみというところもあるので、気を付けて頂きたい。ある規模の都市部であれば殆ど問題なく利用できる。

日本でのLPGスタンド分布状況
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日本でのLPGスタンド分布状況

また「一部では背の高いトラックは利用できない」という風聞があるが、そもそもLPGスタンドには10トン積載の大型ローリーでLPG供給を行っており、余程のことがない限り一般的な2-4t積LPGトラックやマイクロバスで燃料補給が不可能なケースは少ない。 全国エルピーガススタンド協会

燃料の計量単位は「1リットル」である。これは僅かな加圧状態ではLPGは液体のため、ガソリン・軽油と同様に計量できることによる。 燃料単価は、1リットル当り60円~85円と安価である。またガソリン・軽油と同様に道路財源として税金(石油ガス税)が1リットル当り9円80銭徴収されており道路財源に貢献している。 ちなみに、天然ガス・水素には道路財源は課税されていない。

[編集] ガソリン車改造LPG車とは

LPG車でよく聞かれる「改造車」というのは、燃料供給方式をベースのガソリン車からLPG用に変更したもので、正式に国土交通省から公認改造を得るものである。海外では「レトロフィット」と呼ばれる。自動車メーカーがライン生産をしながら、台数が少ないため型式指定を取得しない場合にも書面上は改造車とされる。

前記した通り、LPG車の大半はガソリンエンジンをベースにしており、キャブレター(ガスミキサー)によって供給する方式は切り替え改造が比較的しやすいことから、国内でもかってはガソリン車のLPG車改造が盛んに行われていた。既にタクシー用のLPG車をメーカー設定していたクラウンセドリックルーチェ(中型タクシー)やコロナ(小型タクシー)の場合、当時メーカー設定が無かった高グレード車やAT車、フロアシフト車、及び4ドアハードトップを希望していた個人タクシーハイヤーで多くの改造実績があったのはもちろんのこと、やはり1970年代までLPG車のメーカー設定が無かったマークⅡローレルでも、地方(小型タクシー主体の道県)の個人タクシー主体に多数の改造LPG車が出ている。


現在はエンジンの排出ガス制御の精密化や直噴化により改造が不可能な車種が増加しているうえ、LPG車といえど排ガス規制が年々強化されていることから、容易に改造できる車種では、積載量300kg~1t級の小型トラック、ライトバン(現在発売されている車種ではプロボックスタウンエースハイエースバン、ADバンボンゴバン等)になってきている。しかし、ガスミキサータイプは経時変化によるアイドリング調整の煩雑さやバックファイヤの発生、性能維持に課題がある。 ガソリン車と比較した場合、燃料噴射のEFI・EGI・ECCI等が一般的になりアイドリング調整も自動調整されるようになりLPG車でも当然ユーザーは、最新のガソリン車と同等のメンテナンスフリー性能を求めるようになりガスミキサータイプの改造車は敬遠される傾向にある。いまどき「ガソリン車でキャブレター車が市販されていない」状況と同じで、LPG車だと言っても、「キャブレターと同等の手間のかかるガスミキサー方式」が求められるわけがない。

これらのマーケットニーズを受け、先行する欧州LPG車で採用されている「電子制御ガス燃料噴射(マルチポイント)」と同様なシステムが日本でも普及し始めている。 近年ではニッキグループの開発したニッキVPIシステムを採用した車両や、田中モータース・ビーコムの開発したELPIでの改造、LPG内燃機関工業会(HPが無く問合せは03-3529-0466)が欧州技術を導入して開発したFASTシステムでの改造キット開発が進んできている。

VPIなど電子制御ガス噴射システム採用の場合には、ガスミキサー方式のような、経時変化によるアイドリングや燃料供給量の調整や、性能維持もすべて現状のガソリン車と同様に自動化されており、全くガソリン車と変わらない同等のメンテナンス性や出力などを備え、市場の評価も高く急速に増加してきている。

改造費用は、車種によって異なるが排出ガス試験を終了した認証済車種では35~60万円程度となる。

ただ、タクシーの長距離走行(生涯25-50万キロ)の走行では、ガソリンエンジン用のバルブ・バルブシートでは、潤滑性のないLPガス燃料による磨耗、熱劣化が大きく、同様な性質を持つCNG車やアルコール燃料使用車と同じ強化エンジンバルブ・バルブシートが必要である。

面白いもので、国内メーカーの国内向けのガソリン車を改造するとエンジンバルブ系の問題が出るが、輸出向けのガソリン車ベースでは問題が発生しない。これは恐らく日本国内での走行距離を10万キロ程度と判断しているためと思われる。また、BMW・ボルボ等の欧州系輸入車で、もともと地域毎に異なるガソリン品質での課題や、北米・南米でのアルコール混合ガソリン使用の問題からベースガソリン車であっても強化エンジンバルブが使用されており問題が発生しない。このため欧州ではレトロフィットによる改造が盛んでディーラー等でカーステ取付並みに純正部品があり改造されている。

[編集] ディーゼルエンジン改造LPG車とは

ディーゼルエンジンからの改造は、エンジンを点火プラグを使用するガソリンエンジンと同様なシステムに改造し燃料供給装置をLPGにする必要がある。それはピストンの圧縮比の変更やプラグの新設等が必要で、事実上エンジンブロックのみを利用するような形態となる。

日本でも、いすゞ(4.6Lベース、CNGも共通)・三菱ふそう(3.9Lベース、CNGも共通)・トヨタ・日野(4.1Lベース、CNGも共通)が開発販売しているLPGトラックは前記のような作業を得てLPG化されている。メーカーがエンジン開発の一環としてベースとして使用している。

「LPGトラック」はガソリンエンジン改造だけでなく、CNG車と同様にディーゼルエンジンベースの車両も多数あるということとなる。こうしたLPGトラックは06年現在でCNGトラックより多い約3万台が走行している。

改造車では、NOx・PM法で使用できなるRVで改造の実例があるが改造費は1台当り100万円近い。CNG車でも同様なディーゼルエンジンからの改造を行っているが改造費は1台当り約200万円かかる。 ランドクルーザーの日本での改造例

 また、韓国ソウル市では規制対象となる使用過程車のディーゼルトラックをLPG化する改造が行われており、2005年度だけでも6000台が改造され、更に増加する見込みである。改造費は物価の違いもあり1台約40万円で行われている。  技術もミキサータイプだけではなくLPLI(LPガス液状噴射システム)も採用されており、日本でいう改造車の技術レベルを超えており、これからの発展が期待される。

[編集] LPG車に対する日本での大きな偏見と誤解

[編集] 国内のタクシーでの誤解

 日本では、タクシーが主であるためタクシードライバーの評価として「LPG車は力がない」といわれるが、タクシーは車両価格の経済性を優先する余り、数十年前のエンジンを今時ガソリン車でも使用しないキャブレターに近いミキサーを使用しているためである。ちなみにタクシー車はトヨタ・日産の2社が製造しているがトヨタは四気筒2000CCエンジンのみで79馬力、日産は四気筒2000CCエンジンで85馬力と六気筒2000CCエンジンで99馬力しかなく、この出力はガソリン車のリッターカーにも劣る。  しかしミキサー方式でもいすゞ・エルフLPG車などは、ディーゼルと同出力・同トルクを得て市販されており、このことはLPG車での高出力化が技術的に困難なわけでもなく単に開発を怠っている為とも言える。

同一排気量でのLPG・ディーゼルエンジン出力比較
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同一排気量でのLPG・ディーゼルエンジン出力比較

 日本ではタクシーが最大の保有台数を占め、そのドライバーが「車両は安ければよいというタクシー会社の都合」や「安ければシステムが古くても関係ない自動車メーカーの都合」で低出力な数十年前のベースエンジン搭載車を使わされているだけで、正しいLPG車の性能を理解していないための重大な誤解である。  最新の噴射システムを使用したLPG車では、ガソリン車と同等ないしは同等以上の出力・トルクを持っており、単に古いコストを安くするだけのタクシーと比較するのは技術上大きな誤解となる。  しかし耐久性の面では旧型の方がLPG専用のバルブシート対策や製造が行われており優れている面もある。これも「旧型だから」ではなく、「必要な対策を燃料に合わせて実施した」結果でしかなく、今の最新ガソリンエンジンをベースにして「不可能」と言うことでは決して無い。    現実に、量産車として欧州を中心に販売されるボルボのLPG車(バイフューエル)は、LPG使用時もガソリン使用時でも同等の140馬力を達成し(彼らはCNGでも同出力を実現している)、耐久性も50万キロ走行を前提としている。ヒュンダイのLPG車(グレンジャーLPI)も2.7Lエンジン同士ではガソリン仕様が167馬力、LPG仕様が164馬力とほぼ変わらず、こちらも耐久性能は50万キロ走行が前提である。

ボルボ量産車同一排気量でのLPG・CNG・ガソリン出力比較
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ボルボ量産車同一排気量でのLPG・CNG・ガソリン出力比較


 要はガソリン車と同等の電子制御燃料噴射で燃料のLPGの物性(液体気化膨張による過給、ガスでの精密制御)を生かした形であれば、ガソリン車並の出力を確保出来るという証明であると同時に、メーカーが耐久性を配慮した設計を行えば最新型でも十分な性能と耐久性を備えた車両が出来るということであり、一律旧型車が耐久性が高いということではない。

本来は、公共交通機関としてのタクシーは、適正な性能と耐久性、お客様を迎えるべき性能を備える必要がある訳でタクシー会社と日本の自動車メーカーの戦略性のなさが「旧型車は耐久性がある」というような誤った常識になるという好例である。

日本でも自動車メーカーがタクシーに使用する耐久性を考慮し、最新の燃料噴射技術を投入し、ドライバーや乗客にサービスしうる車両を販売することが必要な時期に来ている。


[編集] 燃料としての位置づけの誤解

 日本では、LPガスの直訳が「液化石油ガス」とされ、長い間「石油生成物」とされてきた。このため低公害性があるにもかかわらず「ガソリン軽油と同等の石油燃料車」とされてきた。諸外国では、LPガスのマルチソース性から天然ガス等と並ぶ「代替燃料」として位置づけられ政府レベルでの普及が図られている。

 日本でも2004年にエネルギー基本計画(閣議決定)で「LPガスは天然ガスとならぶガス体エネルギー」とされ、石油一辺倒から開放されたが、国の低公害車政策では「ディーゼル代替LPG車」のトラック・バス・ライトバン・特種車だけがクリーンエネルギー車とされる政策的な捩れがある。

 米国では連邦代替自動車燃料法でLPG車が代替燃料車とされ、韓国でも同様に扱われている。欧州でも国連欧州経済委員会で代替燃料車としてCNG車と同等の扱いがされている。

 LPガス=リキッド・ペトロリウム・ガス=液化石油ガスと訳されたことが、LPガスを「石油だけのガス」という誤解を生んでおり、こうした評価は世界的にも日本だけの特殊な評価で海外との意識差が大きい。諸外国ではLPガスを「リキッド・プロパン/ブタン・ガス」という評価をしておりガス燃料として天然ガスと同様な扱いをされている。  「液化石油ガス」と限定した場合、天然ガス随伴で産出されるLPGのプロパン・ブタンは「石油なのか」という議論にならないためである。

[編集] 燃料そのものに対する誤解

[編集] LPGに興味のない自動車関連学会

 CNG車の天然ガス=都市ガス13Aと同様にLPガスもプロパンガスとして流通し、家庭の台所で使用されるほどクリーン性があるにもかかわらず、「石油=ガソリン・軽油→だからLPガスもクリーンではない」という誤った知識が日本の自動車業界、特に国内の自動車エンジン開発エンジニアや、内燃機関系の学術経験者を中心に根強くある。    内燃機関の著名な学識経験者ですらCNGエンジンを知っていても、同様な構造を持つLPGエンジンに対しては全く興味を持たず、日本でのLPG車開発が進まない一因ともなっている。国際的な自動車系の学会のLPガス等ガス自動車に関連する部会には殆ど誰も参加せず、日本は諸外国の嘲笑を買っている一因ともなっている。                                                                          一例を言えば、日本の著名な内燃機関研究者DAI氏が海外で開発された大型LPGエンジンがあっても(この車両は2004年に日本で試験走行もした)「LPGエンジンの大型化は不可能である」と国内の学会や自動車業界団体で言い切ったり、燃料供給方式で出力が変わるものを「LPGは単位当り発熱量が低いため出力が出ない」「ノッキングが多い」等といったりしている事例がある。

 こうした日本の学識経験者は、既成概念で「LPGは大した燃料ではない」と思っているがために現物が目の前にあっても認めることができず、黙殺し、抹殺しようとするという形をとっている。  欧州や韓国では、自動車工学でガスエンジンやガス燃料の研究は、LPG・CNGとも行われ多数の論文も発表されている。                                                          最近では、自動車行政に長年携わり自動車環境行政にも明るいと言われるMIY氏は、国家備蓄もあるLPGを「国の備蓄もない」「あんなクルマは使えない」と自動車関連のセミナー等で言われ、諸外国の関係者はもとよりエネルギー関係者からも嘲笑を買っている状況もある。この二つは、自動車業界の不理解を表す事実である。

 しかし、自動車用のエネルギーは「何か1つにする」ではなく、「多数のエネルギーを上手に使い分ける」ことが必要であり、自動車工業先進国の日本がこのような「黙殺」をする事は問題であり、燃料業界たるLPガス企業(特に石油元売とLPガス元売は同一企業が多い)は、マルチソース化の為に働きかける必要があるが、これも不十分だったと言える。

 

[編集] LPGの物性の不理解

 また、LPG燃料に対する正確な理解もされていない。  通常、LPガスは重量単位(トン・キログラム)で業者間は取引され、家庭用は都市ガスと同様に気化状態のm3(リュ-ベ)単位で取引されているが、自動車用だけはリットルで取引される。  このことが正確に理解されていないため、発熱量や利用方法についても正確に理解されていない問題がある。

 LPGと一口に言っても、法律上ではプロパン・ブタンの総称をLPGというのであり、プロパンとブタンの発熱量も全く異なるし自動車用燃料として販売されているLPGも混合比により様々な種類があることを日本の自動車技術者の多くは理解していないのである。

 換算例 LPG1t=1000kg 1kg×比重0.56=1L 1kg=約2L 

 オクタン価 プロパン130・ブタン95(リサーチ法)

 また、液化→気化時の膨張特性も全く理解されていない。液状で噴射し、瞬時に気化し始める特性はロープレッシャーターボのような効果をもたらし、諸外国では「燃料カロリー以外の運動エネルギーとして利用できる」と広く理解されているが、日本では殆ど理解されていない。

[編集] LPG・CNGエンジンの共用性の否定

 そもそも、家庭用や工業用のガス消費燃焼機器では天然ガス用もLPガス用も、同一のシステムで構築され、単に熱量と空燃比の調整だけで、同一の機器が量産されている。  エンジン機器でも同様で、最近急増しているエコウィル(ガスエンジン給湯器)のホンダ製エンジンでは、噴射量と進角位置だけを変えて天然ガス向け(13A)用[1]とLPガス(プロパンガス)用[2]が同一システム・同一ラインで量産されており、日本での自動車内燃機関関係者の「CNGエンジンとLPGエンジンは全く別物」「共通生産や開発は不可能」という概念を持ち相当な誤解がある。

 一部の理解ある自動車メーカー技術者は、量産効果を上げるために共用化を進めている。  三菱ふそうでは、キャンタートラックで同一排気量・同型エンジンをピストン変更で圧縮比を変更するだけで共用量産しているし、ボルボもガソリン・LPG・CNGの同一排気量・同型エンジンの共用生産を行っており、自動車メーカーとしての量産効果を実現している。

 排出ガスについても同じガス体燃料であるCNGの方がNOx・HC・CO等が優れていると思っている人が多いが、同一条件(同一エンジン・同一排気量・同一圧縮比)ではNOx・HC・COは大差なく、CO2排出量についてはガソリン車ベースでの対比でCNG約20%減・LPG約15%減であり、「全く違う」という表現は適切とは言いかねる。

 「LPGは石油系燃料だから排気ガスはクリーンではない」という誤った常識を持つ自動車工学関係者も多数いる。LPGは前述したようにプロパン・ブタンの総称であり、天然ガス随伴も全世界では約40%のLPGがこれに当るが、果たしてLPGを「石油」と言い切ることが出来るか、はなはだ疑問である。  むしろ、LPG・CNG・水素・DMEを「ガス体エネルギー」としてくくる方が正しい。

 しかし、そもそもどちらも家庭用ガスエネルギーとしても使われており、例えば台所のガスコンロで「LPG=プロパンだから汚い、CNG=都市ガスだからクリーン」という議論が果たして成立するか考えれば明確である。  どちらもガス燃料として多数の世帯で使用されており、灯油・ガソリンが室内用のコンロとしての実用例が少ない例を見れば明らかである。  また、「LPG・CNGの共用化は不可能」という自動車メーカーが、CNGエンジンを開発する際に、CNGとオクタン価の近く、CNGより取り扱いやすいプロパンを使用する事例もあるが、こうした事実はなかなか表面化していないのが実態である。

[編集] エネルギー利用変遷の無理解

 諸外国では、自動車エネルギーが「固体(石炭)→液体(石油)→ガス(天然ガス・LPガス・水素)」に変わる一過程として、低圧(2気圧)なLPG車利用から始め、高圧なCNG(200-250気圧)・水素(200-350気圧)へ移行しようとしている。すなわち、低圧なLPガスで「ガス燃料に慣れさせ」徐々に高圧化していくという手法である。欧州や北米、豪州では確実にこの手法を実行している。  日本の自動車エンジニアや開発者、学識経験者はこのことを十分理解しないまま、いきなり水素350気圧での燃料電池車への移行を検討する愚挙を犯しているとも言える。  日本人の常識では「自動車は液体燃料」という心理的な常識が蔓延している。液体と気体を行き来する低圧なLPGすら十分に利用できないことは、ガス燃料を使用する心理的な安全性を確認しないままの普及施策させることとなり将来的な、水素や天然ガス・バイオガスへの移行を阻害する可能性のある重要な問題である。

 また、この心理的な常識が、ガソリン・軽油高騰の中で「ガス体燃料車」に移行しない最大の原因でもある。


[編集] 誤解によりLPガスの特性を生かしたLPG車開発がない

 欧州や韓国・中国では、LPガスの「液状→気体」の加給状態特性を利用した燃料供給装置や、高オクタン価を生かしたエンジン開発が政府・産業・研究機関合同で行われれており、日本の技術は、前述した背景からつい最近まで「数十年前のレベルの技術」だった。コープ低公害車開発株式会社や伊藤忠エネクス株式会社が海外の先進技術を採用した燃料供給装置や量産LPG車を輸入(ボルボV70バイフューエル・S80バイフューエル・ヒュンダイグレンジャーXG-LPI)し、技術開発や導入が一部進みつつある。  トヨタ自動車は、傘下の愛三工業と「液状噴射」を開発し2007年にタクシー・トラックで市場投入するといわれる。日産自動車は傘下のニッキ・ニッキソルテックが海外技術の動向から開発したVPIシステム(ベーパー・プロパン・インジェクションシステム)を日産特販を通じてADバン・ティアナ・ティーダラティオ等で市場投入しているが、日産自動車自身は市販も開発もしていない。  これは、学識経験者や自動車メーカーエンジン開発者の不理解も大きな原因である。

[編集] 日本の自動車メーカーのLPG車に対する不理解

 日本の自動車メーカーのすべてが「LPG車に対して理解がない」といっても過言ではない。大量に自動車を輸出する欧州でもLPG量産車はないが「ディーラーがオーディオのようにLPG化キットを売りガソリン車をレトロフィットでLPG車化」することに対して、日本の本社側では全く把握していない。欧州では、ディーゼル車が増加しているが未だに約4割はガソリン車を輸出しており、このガソリン車をディーラーやインポーターでLPG車やCNG車に転換している実態を把握していないためである。

 その一例として欧州で人気のあるマツダでは、ディーゼルエンジンの急増で輸出の50%も占めるが、残り50%のガソリン車が大量にレトロフィットされていることを全く日本の本社が知らないという椿事もあるぐらいである。アテンザ・アクセラ・MPVを中心にRX-8なども存在する。フォードグループの一員としてのマツダとしてみてもマツダ以外のフォードグループは明確な代替燃料車政策を持つが、マツダは水素エンジンや燃料電池車は開発しているが本格的なLPG車開発はメーカー自身としては行っているとは言えない。僅かに小型トラックの一部と最近子会社のマツダE&Tにアクセラ教習車でインジェクションタイプを開発しただけである。LPGロータリーエンジンコージェネを開発しているが自動車では展開しておらず、開発思想や連携性に一貫性は乏しいのは惜しいことである。同一のフォードグループ、それも同一ブランド集合体であるPAGグループ内でボルボが積極的に開発を進めているのとは対照的ですらある。

 しかしマツダだけでなく、日本の自動車メーカーは総じてこの傾向が非常に強い。 LPG車の完成車輸出を日本の自動車メーカーで行った例は、香港向けに右ハンドルのタクシー(日産セドリック・トヨタコンフォート)マイクロバス(トヨタ・コースターLPG)の例しかない。

 LPG車の普及を世界で見ると、年代により変化がある。1990年代はオランダ(ネザーランド)・フランス・イタリアが中心となり現在は飽和状態にあり、2000年代に入りイギリス(UK)・ポーランド・オーストラリア・韓国が急激に増加している。日本ではLPG改造車に対してメーカー系のディーラーでは取り扱わないケースも多数あるが、ヨーロッパのインポーターと販売店の関係では、一定の基準を満たしたLPG改造キットを「インポーター承認のあるディーラー純正部品」として扱う傾向が多い。

[編集] LPG車に対する意識・偏見・誤解が生む日本の代替燃料技術進化の停滞

 日本の自動車メーカー関係者はLPG車について質すと、「世界中にLPG車は殆どない」とよく言う。  LPG車自体の普及台数は1997年には全世界で730万台から2004年までに1050万台まで増加しており、これを持って「普及していない」と言い切るには決して少なくない台数であるが、こうした市場データすら持っていない。

 特にイギリス市場では、政府のパワーシフトプログラムから普及が進んでいる。燃料税の優遇の他、ロードプライシングの通行税の免除やバスレーン走行等の多数の優遇がありエネルギーの分散化の一手として行われており、周辺のオランダなどからLPG改造した車両の輸入も多い。 ロンドンでのLPG車優遇措置

 欧州での保有状況では、どの国でも保有台数の約5%はLPG車であるが、そのマーケットが把握されていないのと同時に「LPG車を輸出していない」ことに問題がある。

 本来は、ガソリン・軽油など純粋に原油のみから生成される燃料の自動車だけでなく、LPGのようなマルチソース燃料やCNGの技術開発を進め、これから自動車の普及の進む中国などの国々や、自動車燃料の多様化が進む欧州・豪州に対しても輸出すべきものだが、これほど代替燃料特にガス燃料を無視することが日本の自動車産業にとって将来のビジネス展開にどんな影響を与えるか大きな課題である。

'本来、日本の自動車産業は「海外に大量に輸出することで、開発コストを分散し、安価な車両生産を行う」ビジネスモデルのはずだが、LPG車やCNG車では「国内専用にして輸出なし→だから技術開発もしないし、CNG車のように2倍近い車両価格や、タクシーLPG車のように数十年でコスト回収する」という「通常の自動車産業の常識」からとても考えられないビジネスを行っている。事実欧州でも現地のインポータは現地で改造LPG車を作ることになり、欧州メーカーも日本へ輸出できない事実がある。'現実に、欧州だけでなく近年、中国市場で大口の普及がLPG・CNG車があるため、すべて韓国や中国勢に取られるという事態にもなっているが、日本では十分な代替燃料特に初歩的で低圧なLPG車やそれに続くCNG車のきちんとした技術開発がされていないためこのような事態が起こっているのである。

「たかがガス燃料、ガソリン・軽油の車だけ作ればいい」という発想は、石油自体の高価格化とともに日本の自動車産業を弱体化させる原因ともなりえる可能性もあり、また、自動車利用ユーザーも「自動車燃料の多様化」と同時に「低価格でクリーンなガス体代替燃料」に注目すべきである。

「小型車シフト」「ハイブリッドシフト」だけでは、ガソリン・軽油の呪縛からは逃れていない。今必要なのは「自動車燃料の多様化」それに付随する「二酸化炭素削減」である。

■中国のLPG車普及 ■グリーンカーモビリティ

[編集] 関連項目

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