トヨタ・プロボックス
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トヨタ・プロボックス | |
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製造期間 | 2002年 – |
ボディタイプ | 5ドアライトバン 5ドアステーションワゴン |
エンジン | 2NZ-FE型ガソリンエンジン 1300cc 1NZ-FE型ガソリンエンジン 1500cc 1ND-TV型インタークーラーターボ付ディーゼルエンジン 1400cc 1NZ-FNE型CNGエンジン 1500cc |
全長 | 4195mm |
全幅 | 1695mm |
全高 | 1510mm |
車両重量 | 1040kg |
先代 (バンのみ) |
カローラバン |
姉妹車、OEM | サクシード |
車台が共通の車種 | ヴィッツ |
同クラスの車種 (バンのみ) |
日産・ADバン マツダ・ファミリアバン ホンダ・パートナー 三菱・ランサーカーゴ |
この表は自動車のスペック表テンプレートを使用しています |
プロボックス (Probox) は、トヨタ自動車が製造するステーションワゴンおよびライトバン型の自動車である。カローラバン、カルディナバンの統合後継車として製造された。
目次 |
[編集] 概要
初代ヴィッツの車台を元に作られ、乗用5ナンバーモデルとしての役割を持つワゴンモデルと商用バンモデルが設定されている。姉妹車にサクシードがある。
エンジンは1300ccの2NZ-FE型ガソリンエンジンと1500ccの1NZ-FE型ガソリンエンジン、更に1400ccの1ND-TV型インタークーラーターボ付ディーゼルエンジン、環境に配慮した1500ccの1NZ-FNE型CNGエンジンもプロボックスの商用モデルに設定。(但し、ワゴン用は1NZ-FE型ガソリンエンジンのみ)。
開発の背景としては以下のものが挙げられる。
- 前モデルであるカローラバンが、モデルチェンジ後10年目の節目となったこと。
- カローラフィールダーの生産開始のため、カローラバンのベース車であるカローラワゴンの生産が終了。
- 対抗車種の日産・ADバンのフルモデルチェンジによる、商用車市場でのシェア低下。
開発コンセプトとしては以下の通り。
- ADバンを凌駕する性能を確保。
- 商用車バン(4ナンバー)をメイングレードとして、使い勝手のよさを追求。
- 「シンプル イズ ベスト」。無用な加飾の排除による徹底したコストダウン。
フロントプラットフォームはコストを考慮した結果、カローラ系ではなく初代ヴィッツ系のものを流用し、衝突性能向上のため前端部を延長した。リヤプラットフォームは、荷室を最大限確保するため、床下にショックアブソーバー等の足周りを配置できる様に、専用プラットフォームを新開発。後輪の足回りには、プロボックス&サクシード専用に開発された4リンク式トーションビームアクスルを採用し、積載物による車高変動や、側方からの入力時にも、安定走行ができる様に配慮がなされている。前輪の足回りはヴィッツを流用している。
インテリアについては、カローラバンの大口ユーザー等へのリサーチの結果、営業マンの使い勝手が追求されている。A4ファイルやノートパソコンが入る大型ポケットや、カードホルダーやペンホルダー、大容量の灰皿、パソコンや弁当を置くための格納式テーブル、長距離走行でも疲れにくいシートなど、乗用車の派生ではない、商用バンをメイングレードとした、よい意味での割り切りが感じられる。
安全性については、他のトヨタ車同様GOAボディーが採用され、国土交通省の自動車アセスメントで最高レベルの星6つとなっている。環境性能は、全グレードで超低排出ガス車認定を受けている。商用車には欠かせないディーゼルエンジン(1ND-TV、コモンレール式1400cc直列4気筒SOHC8バルブ)は、ターボが残念ながらNox・PM法の規制対象である。 改造ではない量産CNG車も設定されこちらは当然超低排出ガス車の認定を受けている。
開発は、カローラワゴン・カローラバン同様にダイハツ工業との共同開発である。また、生産はダイハツ工業の京都工場で行われている。
[編集] サクシードとの相違
- フロントグリル、フロントバンパー、フェンダー、クウォーター、リヤバンパー、テールゲート、テールライトが異なる。
- ボンネット、フロントガラス、ヘッドランプ、ルーフ、ドアは共通。また、全長が105mm短く、その結果最大積載量が50kg少ない400kg(カローラバンと同じ)となっている。
- 装備については、プロボックスではオプションのものが、サクシードでは標準装備であったりしている。(調節式間欠ワイパーや、分割式ヘッドレスト、サクシードワゴンの最上級グレードに限り14インチスチールホイールの採用など)
サクシードの方が、同じ型式でありながら10万円程度高いのは、これらが理由の様である。この格差は、販売チャンネルごとの性格付けとされている。
[編集] 取扱い販売店
- トヨタカローラ店のみ取扱い
- 発売当初、従来のカローラバンを取扱っていたカローラ店と、スプリンターバンを取扱っていた旧ネッツ店との併売であった。
- 後にメーカーの政策上によるレクサス店の発足で、旧ネッツ店とトヨタビスタ店が統合されて新ネッツ店として発足し現在に至っているが、新ネッツ店では旧ネッツ店で取扱っていたプロボックスの取扱いが廃止されており、現在、プロボックスはカローラ店のみの取扱いとなっている。
- 特に、前身のトヨタオート店時代からスプリンターバンやプロボックスを取扱っていた旧ネッツ店では、スプリンターバンやプロボックスを既納している法人オーナーの顧客を数多く抱えており、メーカーの政策上での取扱車種の再編成でプロボックスの取扱いが廃止された事に、ネッツ店の販社からはもちろんの事、前身のトヨタオート店時代からの顧客からもプロボックスの取扱い復活を望む声が続出しており、現在も、メーカーに対してプロボックスのネッツ店での取扱い復活を望む声が根強くある。
- なお、一部のネッツ店では、母体がトヨタ店やトヨペット店のネッツ店では姉妹車のサクシードを、母体がトヨタカローラ店のネッツ店ではプロボックスを、母体に関係なく地域のトヨタディーラー同士で協力し合って、プロボックスを斡旋販売するネッツ店が存在していたりなど、前身のトヨタオート店や旧ネッツ店時代から、スプリンターバンやプロボックスを既納している顧客に対しての営業努力も見られる。
[編集] 車名の由来
- 英語で「プロフェッショナル」と言う意味の「Pro」と「箱」を意味する「box」を組み合わせ、「プロフェッショナルのための箱」と言う意味込めて作られた造語。
[編集] 外部リンク
- プロボックス・ワゴン(トヨタ自動車)
- プロボックス・バン(トヨタ自動車)