立直
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立直(りーち)とは、麻雀における役の一つで、聴牌(テンパイ)していることを宣言するものである。1飜役。立直を宣言することを一般に「リーチする」「リーチをかける」と表現する。
麻雀では手持ち牌が13枚、和了形は14枚で、和了する直前には手持ち牌には不要牌がなくなり、必要牌が後1枚くれば和了することができる状態(テンパイ)になる。この状態になると、不要牌を捨てる際に立直を宣言することができ、その後、手持ち牌を入れ替えることができないなどの制限が付くものの、点数上の優遇を受けられるようになる。
立直する際に、和了できる牌(待ち)を他家に公開する開立直(オープンリーチ)もある。
また、立直する際には場に千点棒を出すが、この点棒を立直棒(りーちぼう)と呼ぶ。
立直をかけた場合には、それが1飜役となるために、他に役がなくとも和了することができる。また、立直をすることにより、一発や裏ドラによる加点を得る可能性があるため、現代の麻雀では少しでも聴牌の確率・スピード(牌効率という)を高めて立直をかけようとする傾向が強い。
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[編集] 立直をかけられる条件
- 自分の番に、不要牌を出した時点で聴牌していること。
- 門前であること。すなわち、チー、ポン、明カンをしていないこと。
- 点数が最低1000点あること。立直棒として1000点を供託するので、これより持ち点が低いと立直をかけた時点で点数がマイナス(ハコ下)になってしまう。
- 立直を宣言する後にその者に最低一回のツモ番の可能性があること。すなわち、山牌の残りが王牌を除いて4枚以上ある状況であること。なお、ルールによっては、自分のツモ番がない状態での立直を認めることもある。ただし、自分の捨て牌が河底牌となる場合には立直は認められない。
- 聴牌していない状態で立直をかけること自体は認められている(ノーテン立直)ルールもあるが、その局であがる者が誰もおらず流局した場合(荒牌時)にはチョンボ扱いになる(立直をかけた者には手牌の開示義務があるため)。
[編集] メリット
主なメリットは点数の向上である。
- 立直をかけるだけで1飜が付く。満貫未満の手であれば点数を倍にすることに相当する。
- 元々役がひとつもなかった場合は、(立直という役が付くので)ロンあがりができる権利を得られる。
- ルールによっては、立直をかけて一巡以内に和了した場合には一発としてさらに1飜の役が付く。「一巡」とは他家や自分による鳴きが入らず、立直後1回目の捨て牌を行うまでである(ただし、自分による鳴き(暗槓)では一巡が継続するルールもある)。
- ルールによっては、立直をかけて和了した場合、表ドラ表示牌の下の牌もドラ表示牌(裏ドラ)となりドラが増える。また槓によりドラが増えていた場合、同様に槓ドラの下の牌もドラ表示牌(槓ウラ)とするルールもある。それにより、更なる点数の上乗せが期待できる。ただし和了するまでどの牌が裏ドラ・槓ウラになるかはわからない。
- 聴牌していることを周知するため、対戦相手はそれを踏まえて打牌をする事が多い。場合によっては振り込まないようにするため、おり打ち(和了することを諦め、メンツを崩すなどして安全牌を切る)ことも少なくない。そのため相手の手の進行を遅らせることができる。
[編集] デメリット
- 対戦相手に自分が聴牌していることを知られてしまうため、あがり牌が出されにくくなる
- 立直を宣言した後は手を変えることができない。自分の番で牌をツモった後は、あがるか、暗槓をするか、そのままツモ切るかの3択しかない。あがり牌以外の牌をツモった場合、それがどんなに有利な牌(または捨てたくない牌)でも他の牌を切る事はできない。ただし、元の状態から面子構成が変わらない(暗刻子がそのまま暗槓子になる)場合に限り暗槓は許される(ルールによっては認められない)。
- 一見のシャンポン待ちであるが、面子の組み換えによりのカンチャン待ちともみなせる。よって、この状況で立直をかけているとき、のツモで暗槓を行ってしまうと、待牌は変わらなくても待ちの形(この場合はのカンチャン待ち)が消滅してしまうため、チョンボになってしまう。
- 牌を切る場合は全てツモ切りでなくてはならないため、対戦相手のあがり牌である可能性の高い危険な牌でも、手の内に押さえ込むことができなくなる。したがって振り込む危険性が高まる。いわゆる「降りる」ことが不可能になる。
- 対戦相手が(振り込みを嫌って安全牌を切る事により)あがり牌を捨てる可能性が低くなる。さらに、立直をかけてから長い間あがれない場合、手を変えられないために捨て牌から危険な牌(場合によってはあがり牌)を読まれてしまうこともある(少なくとも、立直後に捨てられたことのある牌と同種の牌は、立直者へ絶対に振り込まない安全な捨て牌である)。そのため、他に役があって立直をかけなくてもロンあがりをすることが可能な場合は、立直をかけることによりあがる可能性は低くなる。
- あがり牌を一度でも見逃したら、もうロンあがりはできない。これはフリテンの一種である。すなわち、どんなに安目のあがり牌でも見逃したらもうロンあがりは出来なくなり、違反した場合はチョンボになる(立直をかけていなければ、一度自分の番が過ぎればロンあがりが可能である)。ただし、フリテンになっても自分のツモあがりでなら、あがりを認めるルールが多い。また、あがり牌のうち一種類でも自分で河に捨てていた場合もフリテンであるが、フリテンツモあがりを認めるルールの下では、リーチをかける以前から待ちがフリテンになっているのを承知でかける(自身のツモあがりに賭ける)ケースもある。
- 1000点を供託し、次に上がるのが自分でなかった場合には戻ってこないため、終盤などで順位争いに影響を及ぼすことがある。
[編集] 手順
- 牌を出す時に、「リーチ」とはっきり発声する。
- そのとき出した牌だけは、90度横倒しにして並べる(宣言牌という)。
- 場に1000点棒を出す。これは、その局にあがった人がとることができる。誰もあがらなかった場合は次局へ持ち越し(これを供託と呼ぶ)。ルールにより、立直をかけてあがらないとこの供託分を受け取ることができない場合もある。ただし、このルールでも、最終局のみは立直をかけなくてもあがりさえすれば受け取ることができると決められていることが多い。
なお立直は、宣言牌で誰もあがらなかった場合に成立するものとして、宣言牌で誰かが和了した場合、立直は成立せずに1000点棒は返却されるものとするルールが一般的である(「通らばリーチ」)。
[編集] 牌姿の例
以上の形では、で和了の形ではあるが、なにもしない状態では役が無いため、現行の一翻縛りのルールでは他家の打牌からはあがることはできない(自身のツモでは門前清自摸和という役であがれる)。しかし立直をすれば、立直という役がつくため他家の捨て牌からでもあがることができる。立直し、かつ自身のツモ牌であがった場合、少なくとも立直・門前清自摸和と二つの役が複合する。ただしこの牌姿ではかをツモることで一盃口、を刻子にすることで役牌のあがり役を付けることができるが、立直後それらの牌をツモったり、發を鳴く機会があったとしても手の内に入れる事は不可能なため、立直のタイミングには注意が必要である。
[編集] 立直のバリエーション
[編集] 引っかけ立直
立直を宣言した際に和了牌から3つ離れた筋(数牌を参照)にあたる牌が捨て牌に含まれる場合を引っかけ立直または引っかけという。これは立直をかけた以外のプレイヤーが両面待ちによる立直を想定した場合、3つ離れた筋にあたる牌が捨てられている数牌を安全牌として捨てやすくなるため(両面待ちの一方が捨てられているとなると3つ離れた筋の牌は振聴となり、ロンされることはない。)、つまり捨て牌に引っかかって和了牌を打牌しやすくなるため、立直を宣言した者にとってロンできる確率が上がるとされるためである。
[編集] 振聴立直
振聴の状態でかける立直を振聴立直という。基本的には通常のリーチと同じ扱いだが、振聴であるためにロン上がりができずツモで上がるしかない。なお、振聴立直を認めないルールもある。
[編集] 例
(自分の手牌)
(捨牌)
待ちであるを捨ててしまっているためリーチしても振聴立直となる。
[編集] その他
- 4人とも立直をかけた場合、流局となる(途中流局を認めないルールでは、続行することもある)。
- 立直をかけた巡でも、誰かがチー、ポン、カンをした時点で「一発」は成立しなくなる。
- 宣言牌がチー、ポンなどされてしまった場合は、次に出す牌を横倒しにして宣言牌の代用とする。
- 10000点や5000点棒しかない場合、それを立直棒とするが、マナーとして他家の人が1000点に両替に応じるのが好ましいとされている。
- チョンボ防止のために立直をかけたら和了しなくても手を公開させるルールを採用している所もある。
- 本来、立直後は理牌もしてはならないとされているので、手牌を公開する時のために理牌を行ってから立直を宣言するのが望ましい。
[編集] 転用
「立直」の語は以下に転用されている。
- パチンコで、図柄の変動によって大当たりを期待させるアクションを「リーチ」と呼ぶ。リーチ (パチンコ)を参照。
- ビンゴゲームで、ある1つのマスに印がつけば1列に印がそろうようになる状態を「リーチ」と呼ぶ。
- その他「落第にリーチがかかった」などと、ある状態が達成される寸前であることを「リーチ」と呼ぶ。
どちらも普通カタカナで書かれる。
[編集] 関連項目
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