ドラ (麻雀)
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ドラは、麻雀で使う牌のうち、これを使ってあがれば翻または加算点が与えられる牌のこと。どの牌がドラになるかは、規定による。古くは懸賞牌とも呼ばれた。「ドラ」という呼称は戦後アメリカから逆輸入された麻雀用語で、元来は白・發・中の三元牌をドラゴンとして指したが、次第に懸賞牌の意味となり、現在に至る。
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[編集] ドラ概要
和了時に手牌もしくは副露した牌の中に含まれる場合、一枚ごとに一飜が加算されることが多い。また加算点が与えられるルールもある。刻子などで持っているとそれだけで三翻になり、槓子(4枚ある場合)で持っていたらそれだけで四翻付く為勝敗に大きく影響する。ドラを一翻とするルールでも、縛りには無効とされることが多い、即ちいくらたくさんドラを持っていても何かほかの役が付いていない限り一飜縛りによってアガることはできない。また、二飜縛りがある場合はこれに対する飜数にも計数されない(ローカルルールで一飜と数える場合もあり)。あくまでも懸賞(ボーナス)として取り扱うということになる。偶然が作用するところから、麻雀の魅力のひとつ。逆に、実力を重視するルールではドラを認めないこともある。
[編集] ドラの決定
配牌のときに決まる王牌(山牌のうち、使わない14枚)から1枚(具体的には、割れ目の側から数えて3列目の上段)をめくって、出てきた牌(ドラ表示牌)次の牌(次位牌)がドラとなる。例えば、めくった牌が一萬だったならドラは二萬となるし、めくった牌が發だったらドラは中である。このようなドラ決定の方式をネクスト、もしくはネキストという。
次位牌の具体例は以下の通り。
- 一萬がドラ表示牌の時のドラは 二萬
- 五筒がドラ表示牌の時のドラは 六筒
- 九索がドラ表示牌の時のドラは 一索
- 風牌は次の順でドラが決定する。 東 → 南 → 西 → 北 → 東
- 三元牌は次の順でドラが決定する。 白 → 發 → 中 → 白
なおルールによっては「次の牌」ではなくドラ表示牌そのものをドラとする場合もある。
[編集] ドラの数え方
- 基本的にはドラと言う言葉を単位化してドラ3とかドラ4とか言うが、ドラ1やドラ2は言い方が違う場合がある。
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- ドラ1→ドラ
- ドラ2→ドラドラ
- ドラはわざわざ1をつける必要がないという事である。ドラドラは音の響きがドラ2より良いのでという理由がある。
[編集] ドラの種類
ドラと呼ばれる牌には、決定された理由によって幾つかの種類がある。
- ドラ
- 最初にドラ表示牌で決定したドラ。局ドラをルールとして採用している場合には必ず登場する基本的なドラである。
- 裏ドラ
- 立直をかけて和了った場合に限り、ドラ表示牌の下段にある牌も裏ドラ表示牌として扱うことができる。ドラが増えて点数がさらに増加することが期待できる。基本のドラと異なり、和了るまで何が裏ドラか判らない。
- 赤ドラ
- 一部の麻雀牌のセットには、赤で着色された数牌(通常は五筒、五索、五萬)が別に含まれていることがある。これらを赤牌という。赤牌をドラとするとき、赤ドラという。
- 極希に三筒・三索・三萬・一筒など、五以外の牌が赤牌になっている麻雀セットもある。
- 以前はそれほどポピュラーなルールではなかったが、雀荘やコンピュータゲームの麻雀で採用されるケースが多くなってきている。
- また、これを採用した場合は「七対子 ドラ1」がありうる。
- 槓ドラ
- 槓をした際にドラが増えるルールがあり、槓の際に増えた物を槓ドラという。これは、槓が行われた際に新しいドラ表示牌がめくられることで決定される。具体的には槓した場合、嶺山から牌を一枚補充するが、その時ドラ表示牌から反時計回りで次の上段の牌を表にする。
- 槓ドラ表示牌をめくるタイミングは、暗槓であれば槓した時点、明槓であれば不要牌を捨てた時点となる、とされた時代もある。現在は槓成立と同時とされることが多い。
- 槓裏
- 槓が発生し、槓ドラが増えた局で立直をかけて和了った者は、槓ドラ表示牌の下段にある牌を槓裏の表示牌として、ドラを期待できる。和了るまで何が槓裏になるか判らないのは裏ドラと同様。槓ドラ同様、使用しないルールもある(槓ドラともになしのルールも、槓ドラはあるが槓裏はないルールもある)。
- 花牌
- 春夏秋冬と書かれた牌のことで、これを使用する場合、牌の合計は140枚となる。この牌を自摸った場合は卓の右隅に晒して嶺上から一枚補充するが、花牌の補充牌と槓の補充牌が必要となるため、花牌を使うゲームでは、最初のドラ表示牌の決定時に、三列目ではなく、補充牌として八枚を残すため五列目をドラ表示牌とする。そのまま自摸るルールもあるが、自摸順が変わることを嫌う人もいる。現在はほとんど行われなくなったルール。中国麻雀では、晒す際にファ(花)と発声する。
- 白
- 白ポッチ(はくぽっち)と呼ばれる牌で、白の牌の中央に窪んだ点がある。立直をかけて一発でこれを自摸った場合に限り、オールマイティーとして、いかなる待ちでも和了ることができる上、ドラとして一飜が加算される。ジョーカーのようなもの。雀荘に多いローカルルール。
- 抜きドラ
- 三人麻雀において、北や萬子を自摸ったら卓の右隅に晒し、一枚一飜として数える。
既存のドラと偶然同じものが裏ドラ、槓ドラ、(五萬(五筒、五索)の場合は)赤ドラなどとして再度ドラに指定されればそれはダブドラで1枚2翻の価値となる。(さらに同じドラが出現すると当然1枚あたり1翻ずつ増えていく)
[編集] ドラと戦略
手作りにおいては、役をつけるのと同様にドラの利用も重要である。ただし、ドラも和了形の一部として持っていなければいけない以上孤立した形でドラを持ち続けるのも無意味である。利用できないドラは終盤になれば危険牌となって捨てられなくなる可能性があるため、利用に見切りをつける判断が必要となる。
また、対戦相手もドラを有効に活用しようとしているため、聴牌がドラを待つ形であるほかドラを含んだ面子で待っていることは十分にあり得る。そのため、ドラだけでなくその隣接牌(ドラそば)も危険牌と言うことができる。ただしドラそば牌も、持っていればドラを自模ったときに有効活用する種とすることができるため、持ち続けるか早めに捨てるかの判断を同様に迫られることになる。
[編集] 最大のドラ数
三暗槓でカンドラを3枚めくったあと、順子のテンパイになったらリーチでアガリ、裏ドラがすべて槓子と適合したらドラ32が成立する。槓子が五萬・筒・索で赤牌を使用するルールならドラ35。(13飜以上で数え役満(もしくは三倍満)となるため、一般的にはあまりドラが多すぎても意味はない。ただし青天井ルールの場合は別)
王牌
手牌
四槓子を雀頭まで完成させなければならないとするルールの場合、他家の四槓によるドラ40がありうる。
王牌
手牌
[編集] 関連項目
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