麻雀の得点計算
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麻雀の得点計算(まあじゃんのとくてんけいさん)
麻雀は一局ごとの勝敗で点数をやりとりして勝者を決めるが、この点数の決定は麻雀のルールの変遷を反映して複雑な計算を必要としている。ベテランならば瞬時に計算することもできるが、初心者には正しく計算することさえ難しいことも多い。
こうした事情から、点数は計算間違いをした場合についてもルール化されており、一旦同意の上で点数が授受され次局が始まってしまったときには、計算間違いが発覚しても取り消しはできないこととなっている。
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[編集] 何故得点計算が初心者には難しいのか
得点計算の方法は後述してあるが、初心者にとって翻数を何とか数えられるのが関の山で、符の計算がまったくできないという人が圧倒的に多い。 初心者にとっては、麻雀特有の独特の得点の数え方が大きな壁となっている。 また、TVゲームの麻雀ゲームやインターネットの麻雀ゲームが盛んであり、本来道具や人数そして「軍資金」が必要なものをそれらが省略でき、初期投資のみで(ゲーム機やゲームソフトを購入、など)とりあえず役を少し覚えてしまえばあとはコンピューターが勝手に計算してくれるので役はそこそこ覚えているが計算が全く出来ない、という人が誕生している。 一時期廃れかけた麻雀の普及に一役買った格好のTVゲームやパソコンゲームが逆に「役は知ってるのに点数計算できない人」を生み出したのは皮肉なことであろう。
もちろん実際に人とやる場合は得点計算ができなければならない(理論上は全て役満で上がれば点数計算は不要となるが、実際にはそのような事はまず不可能である)。
[編集] 計算方法の概説
点数計算は
- 符の計算
- 符を翻数だけ倍々する
- 親だった場合の補正
- ツモあがりの場合の、各自の払い分の分配
- 本場数による補正
- (ワレメによる補正)※採用しない場合も多い
の流れで行う。あがり手に含まれる面子の種類・あがり方などによって符が決まり、さらについている役によってこれが倍々されていくが、ある程度以上役が多いと点数が指数関数的に増大してしまうため、一定以上の翻数では満貫といい点数が固定される(後述の青天井は固定されない特殊なルールである)。 これがさらに状況によって(親であったり本場が進んでいたりなど)補正を受けて点数が決まるということである。
なお、実際には符と翻数が決まれば授受される点数は確定する。これをまとめたものが後述の早見表である。
以下、点数の決定手順に沿って詳細を解説する。
[編集] 符
符とは、役とは無関係に、手牌の構成や和了の状況により計算されるもので、役(翻数)とともに得点計算の二大要素となる。符は、以下の各項目をすべて加算し、その合計を10符単位で切り上げたものである。たとえば、合計が34符なら(切り上げて)40符とする。このとき、42符→50符など2符があったために切り上げられたことをテンパネと呼ぶ。
なお、切り上げの手順については異論もあり、翻数計算したのちに切り上げるという説もある。
このほか、七対子であがった場合は以下の計算には当てはめられないため、25符(関西ルールでは50符)が符になる。25符として扱う場合には七対子の役高は2翻、50符なら1翻である(結果として同じ点数になるが、役が多く複合した場合の満貫の適用条件が異なる)。
[編集] 副底と加符
- 副底(フーテイ、または符底)は、あがりの際に必ず与えられる20符のことである。よって、符の計算は必ず20符からスタートする。
- 門前加符(メンゼンカフ)とは、門前かつロンあがりであった場合に与えられる10符のボーナスのことである。
このため、面前ロンの場合は30符、それ以外は20符から計算が始まる。
[編集] 面子の構成による符
和了時の面子の構成により、4つの面子それぞれに対し以下の符が割り当てられる。幺九牌の刻子は中張牌の刻子に比べ、2倍の符が得られる。
明刻子 | 中張2符、幺九4符 |
暗刻子 | 中張4符、幺九8符 |
明槓子 | 中張8符、幺九16符 |
暗槓子 | 中張16符、幺九32符 |
順子 | 0符 |
[編集] 雀頭による符
雀頭となった牌が、三元牌・場風・自風の場合に2符加算される。場風と自風が重複している場合(いわゆるダブ東やダブ南)には4符とするルールもある。
[編集] 待ちによる符
聴牌時の待ちにより、以下の符が加算される。
両面待ち | 0符 |
嵌張待ち | 2符 |
辺張待ち | |
単騎待ち | |
双碰待ち | 0符 |
[編集] あがり方による符
ツモあがりであった場合、2符が加算される。ただしツモ平和ありのルールにおいては平和であった場合は加算されない。したがってツモでありながら20符を基本として計算することになる。
[編集] 喰い平和の特例
副露していて、両面待ちで、面子が全て順子で、雀頭の符がなく、ロンであがったとき(いわゆる喰い平和の形)は、ここまでの計算によると20符になる。しかし、この場合は特別に30符とすることが多い。喰い平和の一翻を廃止した代償である。これを平和加符の10符と考える説もある。
[編集] 飜数の計算
成立した役の高さ(翻数)の合計があがりの翻数となる。たとえば、立直・平和・三色同順の場合、1飜+1飜+2飜=4飜となる。
なお、一部の役は副露があった場合に、飜数が1減ったり(喰い下がり)、あるいは役そのものが成立しなかったりするので注意が必要である。
翻数1翻につき、基本点は倍になる。例えば、30符あって翻数が4翻あれば 30×2×2×2×2=480点である。ただし、この計算法では翻数が大きくなると点数が爆発的に大きくなってしまうため、飜数が一定以上になると得点が一定となることになった(満貫)。特に、難度の高い役では翻数さえ設定されずあがった時点で満貫というものがあり役満貫=役満と呼ばれるようになった。満貫・役満の点数については後述する。
[編集] ドラ
ドラは、それを使用してアガると翻数または点数が追加される牌のこと。通常はドラ1枚についき1飜加算される。どの牌がドラになるかは、局によって違う。(詳細はドラを参照)
[編集] 場ゾロ
現在の麻雀のルールでは、役による飜数の計算とは別にどんな和了でも2飜与えられることが多い。歴史的には、開局時の賽の目によったが現在はほぼ固定されている。先に挙げた30符4翻の例でいうと、さらに2翻追加されることで480×2×2=1920点となる。この2飜を場ゾロ(リャンゾロ、デンデン、バンバンとも)という。役の飜数とは別に扱うことが多く、以下においてもそう扱う。早見表における計算では場ゾロはすでに組み込まれてしまっており、あまり表には出てくることがない。
[編集] 基本点の計算および最終的な得点の授受
後述の青天井ルールを採用しておらず満貫以上にならなかった場合(それぞれについては後に示す)、以下の手順で算出されたものが基本点となる。
- 基本点=符×2(飜数+2) (ここで+2は場ゾロの分)
これは、「子が和了した場合に子一人から受け取る点数」を意味するため、一般の4人打ち麻雀では、和了者が親か子か、及びツモであったかロンであったかにより、以下のいずれかの形で得点の授受が行われる。なお、得点の授受に当たって100点未満の端数は100点に切り上げる。
- 親のツモあがり:基本点×2を子3人からそれぞれ受け取る。
- 親のロンあがり:基本点×6を振り込んだ者から受け取る。
- 子のツモあがり:基本点×2を親から、基本点を他の子2名からそれぞれ受け取る。
- 子のロン上がり:基本点×4を振り込んだ者から受け取る。
上記の30符4翻の例では、子が自模であがったのならば子からは2000点(1920を切り上げ)ずつ、親からは3900点(1920×2=3840を切り上げ)を受け取ることになる。子のロンあがりなら7700点(1920×4=7680を切り上げ)である。
[編集] 基本点の計算における特殊な場合
一定以上の飜数であがった場合、一般的なルールでは以下に示すように得点が一定になる(この打ち切りなしで計算を行うルールについては後述「青天井」参照)。なお、この場合も積み符によるボーナスは加算される。
以下の説明は、場ゾロあり・満貫基本点2000点の解説であり、場ゾロ別の翻数である。
[編集] 満貫
3飜(70符以上)、4飜(40符以上)、5飜の場合を満貫と呼び、基本点2000点。よって積み符によるボーナスを除いた合計は親12000点、子8000点となる。
以下の場合は本来満貫とはならないが、3.の場合を満貫に切り上げるケースが増えてきている。
- 20符4飜(親7700点、子5200点)- 40符3飜、80符2飜と同じ点数。
- 25符4飜(親9600点、子6400点) - 50符3飜、100符2飜と同じ点数。
- 30符4飜(親11600点、子7700点) - 60符3飜と同じ点数。
[編集] 跳満
6~7飜の場合、合計点数は満貫の1.5倍(基本点3000点。合計点数は親18,000点、子12,000点)。これを跳満という。
[編集] 倍満
8~10飜の場合、合計点数は満貫の2倍(基本点4000点。合計点数は親24,000点、子16,000点)。これを倍満という。 地域によっては、8~9飜が倍満、10飜は三倍満としている。
[編集] 三倍満
11~12飜の場合(数え役満なしの場合は13飜以上も)、合計点数は満貫の3倍(基本点6000点。合計点数は親36,000点、子24,000点)。これを三倍満という。
[編集] 数え役満
13飜以上の場合、合計点数は満貫の4倍(基本点8000点。合計点数は親48,000点、子32,000点)。これを数え役満(四倍満という場合もある。)という。ただしこれを採用しないルールもあり、その場合は三倍満として扱う。
ロン
リーチやドラを用いずに、手役のみで数え役満を達成した例である。三暗刻(2翻)・対々和(2翻)・混一色(3翻)・混老頭(2翻)・小三元(2翻)・白・中(各1翻)で13翻・数え役満となる。
もっともこれでは、門前である必要がある(混一色が喰い下がりするため)ことや、使用できる牌が極端に限られるため、下手な役満よりも難易度は高く、あまり現実的とはいえない。実際は刻子や槓子がダブドラになったときなど、大量のドラが乗ることで数え役満に届く例が多い。
[編集] 役満
通常、役の価値は翻数で表されるが、難度の高い一部の役は役満として点数で表される。基本点は8000点で、合計点数は親48,000点、子32,000点(ここから、13翻以上の4倍満貫が「数え役満」と呼ばれる)。もっとも、役満貫を3~5倍満貫とすることもある。
役満の中でも特に難度の高い一部の役(一般には純正九蓮宝燈、国士無双13面待ち、四暗刻単騎待ち、大四喜)は、ルールによっては大満貫あるいはダブル役満と称してさらに倍の点数がつく。このほか、役満が複合した場合には点数を合算することを許す場合がある。
例:
字一色+四槓子+四暗刻(四槓子の聴牌形の関係上必ず単騎待ちとなる)+大四喜が複合した形となる。四暗刻単騎待ちおよび大四喜によるダブル役満を認めるなら6倍役満、認めない場合でも4倍役満となる。
[編集] 積み符
連荘があった場合及び流局した時に親が不聴で親が変わった場合、親はその目印としてその回数分100点棒を場に出しておく。これを積み符(または場棒)といい、1本につき和了時の得点が300点加算される。場ゾロありの麻雀では1500点とすることも多い。自模あがりなら全員に100点ずつ加算となる。
[編集] ワレメ
標準的なルールではないが、点数授受をさらに引き上げるルールとして知られているのがワレメ(割れ目)である。 これは、局の開始時に牌を取り始めた山(ワレメ)の位置のプレーヤーは授受する点数が自動的に倍になるというものである。倍になるという点で親と似ているが、ワレメは積み符計算まで済んであとで機械的に点数を倍にするものである。ワレメが親であれば容易に高得点が実現され、リスキーなルールである。
近年では、フジテレビで不定期に放送される麻雀番組「THEわれめDEポン」でこのルールが採用された事から、このルールの知名度が高まった。
[編集] 青天井
特殊ルールとして、青天井と呼ばれる以下のような点数計算法が採用される場合がある。通常は前節の通り飜数に応じて、満貫・跳満・倍満・三倍満・数え役満の点数が適用されるが、青天井ルールではこの満貫以上の打ち切りをせず、本節の計算式に基本点および飜数を厳密にあてはめて計算する。すなわち、1飜上がるごとに得点は倍になっていく。変哲のない手でも通常の役満以上の点数が続出する超インフレルールであり、普通はこのルールが採用されることはまずない。
(例)子の40符8飜で163,900点、同じく40符10飜で655,400点。数え役満ともなれば500~600万点を優に超えるような膨大な点数となる。
[編集] 点数の早見表
一般的には、上記のような基本点からの計算は煩雑であるため、計算結果は早見表となっている。これを用いると符と翻数だけ数えれば、自動的に点数が算出できる。一般的に、点数計算のできるプレーヤーはこれをほぼ暗記しているため、素早く、正確に計算できるのである。
- 平和でない20符(門前でなく全て順子で頭の符もなくロンあがり)の形は30符とするので、20符1飜は存在しない。
- 120符以上の形は必ず少なくとも3飜付くので最低でも満貫である。
[編集] 親
括弧内はツモの場合の子1人あたりの払い分。30符4飜および60符3飜は満貫に切り上げられることがある。
20符 | 25符 | 30符 | 40符 | 50符 | 60符 | 70符 | 80符 | 90符 | 100符 | 110符 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1飜 | - | - | 1500 (500) |
2000 (700) |
2400 (800) |
2900 (1000) |
3400 (1200) |
3900 (1300) |
4400 (1500) |
4800 (1600) |
5300 (1800) |
2飜 | 2000 (700) |
2400 (800) |
2900 (1000) |
3900 (1300) |
4800 (1600) |
5800 (2000) |
6800 (2300) |
7700 (2600) |
8700 (2900) |
9600 (3200) |
10600 (3600) |
3飜 | 3900 (1300) |
4800 (1600) |
5800 (2000) |
7700 (2600) |
9600 (3200) |
11600 (3900) |
満貫 12000 (4000) | ||||
4飜 | 7700 (2600) |
9600 (3200) |
11600 (3900) |
満貫 12000 (4000) | |||||||
5飜 | 満貫 12000 (4000) | ||||||||||
6-7飜 | ハネ満 18000 (6000) | ||||||||||
8-10飜 | 倍満 24000 (8000) | ||||||||||
11-12飜 | 三倍満 36000 (12000) | ||||||||||
13-飜 | 数え役満 48000 (16000) |
[編集] 子
括弧内はツモの場合の子・親1人あたりの払い分。30符4飜および60符3飜は満貫に切り上げられることがある。
20符 | 25符 | 30符 | 40符 | 50符 | 60符 | 70符 | 80符 | 90符 | 100符 | 110符 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1飜 | - | - | 1000 (300,500) |
1300 (400,700) |
1600 (400,800) |
2000 (500,1000) |
2300 (600,1200) |
2600 (700,1300) |
2900 (800,1500) |
3200 (800,1600) |
3600 (900,1800) |
2飜 | 1300 (400,700) |
1600 (400,800) |
2000 (500,1000) |
2600 (700,1300) |
3200 (800,1600) |
3900 (1000,2000) |
4500 (1200,2300) |
5200 (1300,2600) |
5800 (1500,2900) |
6400 (1600,3200) |
7100 (1800,3600) |
3飜 | 2600 (700,1300) |
3200 (800,1600) |
3900 (1000,2000) |
5200 (1300,2600) |
6400 (1600,3200) |
7700 (2000,3900) |
満貫 8000 (2000,4000) | ||||
4飜 | 5200 (1300,2600) |
6400 (1600,3200) |
7700 (2000,3900) |
満貫 8000 (2000,4000) | |||||||
5飜 | 満貫 8000 (2000,4000) | ||||||||||
6-7飜 | ハネ満 12000 (3000,6000) | ||||||||||
8-10飜 | 倍満 16000 (4000,8000) | ||||||||||
11-12飜 | 三倍満 24000 (6000,12000) | ||||||||||
13-飜 | 数え役満 32000 (8000,16000) |
[編集] 得点計算の例
以下の計算例では、青天井なし・ワレメなし・次ドラ(指標牌の次の牌がドラ)・平場(積み符なし)とする。
[編集] 基本的な計算例
東場の東家が、 で立直しを引いた場合(ドラ表示牌は、裏ドラ表示牌は)を例に挙げる。
聴牌形は順子が3つと数牌の対子、そして嵌塔子1つであった。このため、符は副底の20符に嵌張待ちの2符とツモあがりによる2符が加えられ合計24符。これを10符単位に切り上げて30符となる。
役としては断ヤオ九(1翻)・一盃口(1翻)が発生し、立直してツモなので立直(1翻)と門前ツモ(1翻)の分も加算して4翻となる。
この結果、基本点は30×24+2=1920となり、あがったのが親であるため子はそれぞれ1920×2=3840を100点単位に切り上げた3900点を支払い、親は3900×3=11700点を受け取る事になる。
[編集] 平和の計算例
東場の南家が、 で立直し、次の手番でを引いてあがった場合(ドラ表示牌に、裏ドラ表示牌が)を例に挙げる。
まず、立直しているという事は門前である事になり、ツモあがりのため加符は発生せず得点計算の基本は20符となる。聴牌時には3つの順子と客風牌の対子、そして両面塔子があったため、牌の組み合わせや待ちによる符は加算されない(3つの順子・客風牌の対子・両面待ちそれぞれ0符のため)上、この形式は平和が成立するためツモあがりの2符も加算されない。これにより、20符で計算される。
立直している事により1翻、更に立直した次の手番で和了牌を取ってあがったので一発および門前ツモとして計2翻、更に平和の1翻により4翻となる。
これにより基本点が20×24+2=1280となるため、以下の点棒のやりとりが行われる。
- 親(東家)は1280×2=2560、これを100点単位で切り上げた2600点を払う。
- 子2名(西家、北家)はそれぞれ1280を100点単位に切り上げた1300点を払う。
- あがった南家の得点は2600+1300×2=5200点となる。
[編集] ドラが絡む例
東場の東家が で立直し、南家がを振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌は、裏ドラ表示牌は)。
この事例は待ちの形としては3つの順子+客風牌の対子+両面塔子であり、先の事例同様平和が成立している形である。この状態でのロンあがりは副底+加符の30符となる。
この形式も先の事例同様立直と平和のみというシンプルな形ではあるが、ドラと裏ドラが1枚ずつ含まれている。このためこの役は4翻となる。
基本点は30×24+2=1920となり、親のロンあがりなのでこれを6倍し1920×6=11520を100点単位に切り上げた11600点が南家から東家に移動する事になる。
[編集] 副露している例
東場の南家が で聴牌した状態で、東家がを振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌が、裏ドラ表示牌が)。
面子は4順子(内3つはチーによる物であるが、これは得点計算上は影響しない)と客風牌の単騎待ちとなり、符は副底の20符に単騎待ちの2符が加算されるため、これを10点単位に切り上げて30符とする。
成立している役は一気通貫のみである。これは本来2飜の役であるが、副露している場合は1翻として扱う。また、ドラであるが1枚あるため、これの1翻が加えられ2翻となる。
ここから、基本点は30×22+2=480点となり、子のロンあがりなので振り込んだ東家が480×4=1920点を100点単位に切り上げた2000点を支払う事になる。
[編集] 七対子の例
南場の東家が で聴牌した状態で、を引いた場合(ドラ表示牌は、裏ドラ表示牌は)を例に挙げる。
この形式は七対子なので、符は25符で固定されている(関東ルール)。単騎待ちや飜牌の対子は符には考慮しない。
成立している役は七対子(2飜)に門前ツモ(1飜)を加え合計3飜である。一盃口は成立しないことに注意せよ。
ここから、基本点は25×23+2=800点となり、親のツモあがりなので、子三人がそれぞれ800×2=1600点を東家に支払うことになる。
[編集] 満貫以上の例
南場の東家が で立直し、北家がを振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌が、裏ドラ表示牌が)。
この形式は門前で刻子3つ(中張牌の刻子が2つとヤオ九牌の刻子が1つ)と対子2つ(中張牌の対子が1つ、和了時に刻子となったヤオ九牌の対子が1つ)で聴牌とした物であり、ロンあがりなので加符も発生する。よって符は20(副底)+10(加符)+4×2(中張牌の暗刻子が2つ)+8(ヤオ九牌の暗刻子)+4(ヤオ九牌の明刻子:ロンで取った牌により成立したため)+0(数牌の対子)+0(双ポン待ち)=50符となる(実際のところ、ここで行う計算は次に行う飜数の計算により無意味になる)。
一方、役は立直(1翻)・飜牌(中の刻子による1翻)・対々和(2翻)・三暗刻(2翻)と、ドラとしてが3枚あるため、1+1+2+2+3=9翻となる。このためこの和了は倍満となり、振り込んだ北家は和了した東家に24000点を支払う事になる。ちなみに、立直・対々和・三暗刻の双ポン待ちという点からもわかるように、この事例はツモであれば四暗刻で役満となる事例でもある。
[編集] 役満の例
東場の南家が で聴牌した状態で、西家がを振り込んだ場合を例に挙げる(ドラ表示牌が、裏ドラ表示牌が)。
この例では大三元が成立している。大三元は役満なので、振り込んだ西家は和了した南家に32000点を支払う事になる。
符を計算すれば副底にヤオ九牌の暗刻2つ、明刻1つと辺張待ちを加えた42符を切り上げた50符で、役は他にも混一色(喰い下がり2飜)、全帯ヤオ(喰い下がり1飜)、飜牌3つ(各1飜)とドラ3枚があるが、一切考慮しない。役満はこれら全てに優先するものである。
[編集] 備考
- 「一旦同意の上で点数が授受され次局が始まってしまったときには、計算間違いが発覚しても取り消しはできない」というルールを悪用して、意図的に誤った点数を申請するというテクニックさえ存在する。勿論、本来はルール違反である。
- 政治家になる以前の菅直人が、麻雀の点数計算の複雑さに目を付けて麻雀の点数を自動的に計算する機械を発明して特許を取ったが、実用化はされなかった。