春の坂道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
春の坂道(はるのさかみち)は、1971年(昭和46年)1月3日~12月26日まで放送されたNHK大河ドラマ第9作。全52回。平均視聴率21.7%。最高視聴率27.5%。初回視聴率19.1%。
「徳川家康」で知られる山岡荘八のオリジナル書き下ろし原作を、杉山義法が脚色。泰平の世を築くために遠くて険しい「春の坂道」を歩んでいく剣術家・柳生但馬守宗矩の生涯を、家康・秀忠・家光の徳川三代の時代を背景に、「一紙半銭も私せず」の剣禅一如の精神とともに描いた作品。
[編集] 概要
「三姉妹」に続く大河ドラマオリジナル企画の第2弾であるが、実際に原作小説が書き下ろされたのは、この「春の坂道」が最初である。
主役の中村錦之助(後の萬屋錦之介)は山岡の指名によるものであり、既に内田吐夢監督の「宮本武蔵」5部作で相当の殺陣を見せていた中村錦之助は、この作品で尾型伸之介の指導により柳生新陰流を体得している。
収録開始にあたって、出演者の中に「大坂の陣で秀頼を死なせたのは家康の責任」という考え方の人間がいたのを山岡が知ったため、出演者を集めて原作の主旨を説明、歴史観などを周知徹底せしめた。
柳生石舟斎の鬼気迫る演技は、芥川比呂志の「石舟斎の死が、芥川比呂志の死につながっても」という意気込みの表れであったともいわれ、村松弥三を演じる長門勇の飄々たる演技とともに話題になった。
歴代大河の中で唯一、全く映像が存在しない作品といわれていたが、モノクロで録画されたVTRが寄贈され、現在では最終回のみNHKアーカイブスで視聴が可能である。
[編集] スタッフ
[編集] キャスト
- 柳生宗矩:中村錦之助
- おりん:小林千登勢
- 烏丸順子:松本留美
- 七郎丸→柳生十兵衛:岡村清太郎(現・清元延寿太夫 (7代目))→原田芳雄
- 柳生石舟斎:芥川比呂志
- 春桃御前:京塚昌子
- 村田弥三:長門勇
- 村田弥五:頭師孝雄
- おさめ:倍賞美津子
- 沢庵宗彭:田村高廣
- 服部丑之助→荒木又右衛門:若林豪
- 柳生左門:山下雄大→田村亮
- 柳生又十郎:毛枝美路→清水紘治
- 兵助→柳生兵庫介:吉田次昭→村野武範
- 柳生厳勝:内藤武敏
- 柳生宗章:天野新士
- 豊臣秀吉:中村芝鶴 (2代目)
- 淀の方:岸田今日子
- 北政所→高台院:奈良岡朋子
- 豊臣秀次:伊藤孝雄
- 日秀:村瀬幸子
- 豊臣秀頼:片岡孝夫(現・片岡仁左衛門 (15代目)
- お万の方:上月晃
- 浮田左京亮→坂崎出羽守:高橋英樹
- お福:司葉子
- 竹千代→徳川家光:岡本隆成→市川海老蔵 (10代目)(現・市川團十郎 (12代目))
- 松平忠長:舟木一夫
- 徳川秀忠:青山哲也
- お江与:岩崎加根子
- 千姫:木村菜穂
- 徳川家康:山村聡
- 松平忠輝:石立鉄男
- 徳川義直:川代家継→花ノ本寿
- 徳川頼将:古関八州夫
- 石田三成:中村敦夫
- 島左近:北村和夫
- 小西行長:草薙幸二郎
- 安国寺恵瓊:内田朝雄
- 大谷刑部:土屋嘉男
- 小早川秀秋:石橋正次
- 増田長盛:田島義文
- 前田玄以:森幹太
- 真田幸村:島田正吾
- 片桐且元:小山田宗徳
- 木村重成:島田順司
- 大野治長:山下洵一郎
- 松平長四郎→松平信綱:大出俊
- 本多正信:巌金四郎
- 本多正純:御木本伸介
- 土井利勝:江守徹
- 酒井忠世:石濱朗
- 青山忠俊:志村喬
- 鳥居元忠:黒川弥太郎
- 鳥居新太郎:石田太郎
- 鳥居成次:城所英夫
- 大久保彦左衛門:清水元
- 阿部重次:小林昭二
- 伊達政宗:垂水悟郎
- 前田利家:加藤嘉
- 浅野長政:清水将夫
- 池田忠雄:片山明彦
- 福島正則:和崎俊哉
- 吉川広家:西沢利明
- 朽木民部:佐竹明夫
- 久世大和守:河村弘二
- 三浦正次:秋元羊介
- 黒田長政:高橋悦史
- 加藤清正:瑳川哲朗
- 鍋島三平:押方了
- 成瀬正成:高桐真
- 安藤直次:浅野進治郎
- 蒔田淡路守:安井昌二
- 一の御台:岩本多代
- 河合又五郎:入川保則
- 河合甚左衛門:西村晃
- 不破伴作:田村正和
- 渡辺数馬:村井国夫
- 岩本孫右衛門:坂口芳貞
- 安藤治左衛門:渥美国泰
- 原三郎左:金田龍之介
- 俵春之助:橋爪功
- 小浜七之助:小坂一也
- 烏丸光広:菅野忠彦(現・菅野菜保之)
- 藤原惺窩:観世栄夫
- 木食上人:大滝秀治
- おこう:坪内ミキ子
- おくに:太地喜和子
- お藤:島かおり
- おたき:奈美悦子
- やなぎ:林寛子
- その他:北村総一朗、佐々木功、下川辰平
- 語り:福島俊夫