市川團十郎 (12代目)
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12代目市川 團十郎(いちかわ だんじゅうろう、昭和21年(1946年)8月6日 - )は、歌舞伎役者、日本の俳優。本名は堀越 夏雄(ほりこし なつお)。俳名は柏莚(はくえん)。
スケールの大きい骨太な芸格が魅力。重厚な存在感と独特な愛嬌を併せ持つ。家の芸の歌舞伎十八番はもとより、荒事、世話物、義太夫狂言、新歌舞伎と多彩な役々を演じ分ける。円熟期を迎えて、歌舞伎界の柱として期待されているが、近年は白血病を罹患するなどの不安を抱えている。
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[編集] 年譜
- 1946年8月6日 東京都に生まれる。市川團十郎 (11代目)の長男。
- 1953年10月 歌舞伎座にて『大徳寺』の三法師公で市川夏雄を名のり初お目見得。
- 1958年5月 歌舞伎座にて『風薫鞍馬彩』の牛若丸で六代目市川新之助を襲名。
- 1969年3月 日本大学芸術学部を卒業。
- 1969年11月 歌舞伎座にて『助六由縁江戸桜』の助六、『勧進帳』の富樫などで十代目市川海老蔵を襲名。
- 1985年4月~6月 歌舞伎座の3ヶ月に亘る襲名披露公演にて『勧進帳』の弁慶、『助六』の助六ほかを勤め、十二代目市川團十郎を襲名。
- 1986年1月 日本俳優協会の理事に就任。
- 1999年4月 伝統歌舞伎保存会理事に就任。
- 2002年 文化審議会委員に就任。
- 2002年11月 歌舞伎座にて『義経千本桜』の三役を演じる。
- 2004年 長男の市川海老蔵 (11代目)襲名前後に白血病に罹患、治療に専念。治療後半年で復帰する。
- 2005年 再び白血病が再発、療養生活に入る。「無間地獄」と表現されるような壮絶な闘病生活を味わう。
- 2006年3月 歌舞伎座で復帰会見。5月復帰。
[編集] 受賞歴
- 1986年3月 第7回松尾芸能大賞
- 1988年6月 日本芸術院賞
- 1995年 眞山青果賞大賞
- 1998年 歌舞伎座『極付幡随長兵衛』にて芸術祭賞演劇部門優秀賞
- 2000年 博多座『恋湊博多諷』、国立劇場『本朝廿四孝』、歌舞伎座『大杯觴酒戦強者』にて第7回読売演劇大賞優秀男優賞受賞
- 2000年 歌舞伎座『江戸城総攻-麟太郎と吉之助』にて第19回眞山青果賞大賞
[編集] 主な出演作
[編集] 歌舞伎
[編集] 海外公演
- 1982年6月~7月 アメリカ公演(ニューヨーク)
- 1985年7月~8月 アメリカ公演(ニューヨーク・ワシントン・ロサンゼルス)
- 1988年7月~8月 オーストラリア公演(ブリスベン・メルボルン・バース)
- 1989年9月 ヨーロッパ公演(ブリュッセル・東ベルリン・ドレスデン・ウイーン)
- 2004年10月 パリ公演
[編集] その他の舞台
- 『華岡青洲の妻』 - 華岡青洲役
- 『眠り王』 - 月の大王実は日本の帝役
[編集] テレビ
- テレビ東京ドラマ『天下の副将軍 水戸光圀』 - 水戸光圀役
- NHK大河ドラマ『花の乱』(1994年) - 足利義政役
- テレビ東京ドラマ『炎の奉行 大岡越前守』 - 大岡忠相役
- 朝日放送第8回時代小説大賞スペシャル『仲蔵狂乱』 - 中村仲蔵役