日本経済新聞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本経済新聞(にほんけいざいしんぶん。題字は日本經濟新聞)は、東京に本社を置く日本経済新聞社の発行する新聞(経済紙)である。略称は日経(にっけい)、または日経新聞。
目次 |
[編集] 特徴
経済紙である為、一般紙に比べて経済や産業関係記事の比重が高い。東京銀行と三菱銀行の合併など、経済関係の記事で新聞協会賞を数多く受賞している。このほか政治面・社会面も質が高く充実しており、近年ではより生活に密着した情報や女性向けの記事も増えている。
日経の記事によって株価や業績が大きく左右されうるため企業は日経の取材には神経を尖らせていると言われる。そのため、企業によっては日経記者へ度を超した懐柔工作を行うことで、提灯記事を書かせたり、不祥事をもみ消すことなどを行っている。2006年には日本航空の社長退任を巡る騒動に日経の記者が深く関与したことなどが、週刊文春によって報道されている。
本社屋は経団連会館と上層階で繋がっており、「財界機関紙」「日本財界新聞」「ニッポン株式会社機関紙」「株屋と金貸しの新聞」と揶揄されている。大企業の幹部社員には「読む文書は、会社の書類と日経だけ」と評される人が多いという。
記事中の数字表記については、大手新聞社が次々とアラビア数字表記に変更されていく中で、依然として漢数字表記中心となっている。また、他紙ではほとんどがアラビア数字表記のスポーツ面の記事中の数字表記も、一部を除いて現在も漢数字表記となっている。さらに、記事中のパーセント表記中の数字表記に至っては、漢数字表記は日経(グループ紙も含む)以外、ほぼ見られなくなっている。(ただし、インターネットのNIKKEI NETでは記事中の数字表記はほとんどアラビア数字表記となっている。)
社会各界において功成り名を遂げた人物の自叙伝である、「私の履歴書」は本紙の名物欄である。特に政治家の場合、割り引いて考えなければならない面もあるが、歴史上の事件の内幕を述べる場合が多々あり、資料的価値も高い。
[編集] 沿革
日本経済新聞社に関する沿革は同項目を参照のこと。
- 1876年12月2日:三井物産の発行する「中外物価新報」として創刊。週刊。
- 1885年7月:日刊化(日曜日・祝日の翌日は休刊)。
- 1889年1月:「中外商業新報」に改題。
- 1920年1月:ニューヨークに特派員事務所を設置。
- 1924年10月:夕刊を創刊。
- 1942年11月1日:政府の新聞統合令により、東日本の経済紙を統合して、「日本産業経済」に改題。
- 1946年3月1日:題字を「日本経済新聞」に改題。
- 1966年12月:創刊90周年。
- 1996年12月:創刊120周年。
[編集] 地方版
- 新聞は、テレビ面(朝・夕刊とも中面に掲載 夕刊は2006年1月14日までは最終面掲載)と地域経済面を除いて、東京本社発行の紙面を使用している(ただし、社会面と天気欄は各本支社別に差し替えあり)。朝刊のテレビ面は、地上波テレビ・ラジオの番組表と、衛星放送(BS、及びCSの日経CNBCなど)とで分割して掲載している。
- 地域経済面、番組表とも、他の全国紙よりかなり広いエリアを単位としている。また地域経済面は日・月曜日および国民の祝日の翌日は掲載されない。
[編集] 疑義が持たれた報道、スキャンダル
- 1999年11月、退職した記事審査部の元校閲記者が北朝鮮で「取材」中、スパイ容疑で逮捕され、2年に渡って拘束された後、国外追放の形で釈放された。この元記者は1986年の初訪朝直後に公安調査庁と内閣情報調査室の依頼を受け、以来訪朝のたびに現地で取材に託けた情報収集を行ない、入手した情報を日本政府に流していた事が判明している。
- 2003年、関連子会社の「TCワークス」に絡む不正経理・手形濫発事件で、事件を内部告発した大塚将司・ベンチャー市場部長を、当時の鶴田卓彦日本経済新聞社社長が「名誉を傷つけられた」として名誉毀損で告訴し、3月20日付けで懲戒解雇した。解雇された元部長側は株主代表訴訟で応じたことから、同社は内紛状態に陥り、社長は事実上の引責辞任に追い込まれた。
- 尚、大塚氏とは後に「和解」が成立、大塚氏が日経に復職し、現在は関連の研究センターで主任研究員を務めている。「TCワークス」は内装工事を手がける子会社であったが、日経本社は同社に対し74億2000万円の融資をしていた他、20億円の債務保証をしていた。「TCワークス」の社長ら3人は特別背任で逮捕された。最終的に日経側と元部長側は東京地裁の和解勧告に応じ、元部長の懲戒解雇処分を撤回、コンプライアンス(法令順守)向上のために、学識経験者などの第三者で構成する社長の助言機関を設置、その運営費用として10人の元・現役員が計2000万円、同社が1000万円を拠出する和解が2004年12月20日に成立した。(加筆希望)
- 2004年4月のイラク日本人人質事件で、取材で得た3人の詳しい住所をウェブ上に公開。読者からの指摘を受け削除したものの情報は各所に流布され、結果的にこれが家族への嫌がらせ・侮辱・中傷の一助になってしまった。
- 2006年2月、東京本社広告局の職員が、企業の公告の内容を事前に知る立場にある事を利用して、保有株を公示前に売り抜けていた事が判明。インサイダー取引の疑いで7月に逮捕される。広告担当常務が引責辞任、監督者の広告局長・広告部長を解任。なお、この常務は退任直前であったことからポーズの辞任とも批判された。
[編集] スクープ
[編集] 関連新聞
- 日経産業新聞
- 日経金融新聞
- 日経MJ(日経流通新聞)
- THE NIKKEI WEEKLY
[編集] グループ会社
「日本経済新聞社」の項目を参照されたし。
[編集] 関連項目
- 株価指数
- 日経平均株価
- 共同通信社 ‐ 共同通信を通じて全国に経済ニュースを配信している。
- デイリースポーツ ‐ 関東版が日経東京製作センター(旧千代田総業)の工場から印刷・発行している。
- 中日新聞社 ‐ 新聞配達店が同じ、テレビ愛知や中京テレビとの関係等、何かと関係が深い。
- 北海道新聞社 ‐ 系列の道新オフセットで委託印刷し、道内の道新販売店で委託販売されている。さらにテレビ北海道を合弁で開局させたり、新聞奨学会の提携など、こちらも日経との関係が深い。
- 西日本新聞社 ‐ 福岡県での日経の販売は一部で朝日新聞販売店に委ねているが、それ以外のほとんどの九州では西日本新聞販売店で行っている。また、TVQ九州放送設立でともに中心的役割を果たし、ローカルニュース制作に協力している。
- 私の履歴書
- 人間発見
- 交遊抄
- 失楽園 (渡辺淳一) ‐ もともと日経紙上の連載小説だった
- 武智幸徳
- 益田孝
- 野崎廣太
- 田中六助
- 水木楊
- 愛の流刑地
- 日経設備投資動向調査
- 日経QUICKニュース
- ラジオNIKKEI(旧ラジオたんぱ)
- テレビ東京
- 以下は、同社放送の番組で日経本体が制作に深くかかわっているもの。日経紙上で企画連携しているものもある。
- 美の巨人たち(土曜22:00~22:30)
- 日経スペシャル - BSジャパンでも放送されている
- ガイアの夜明け(火曜22:00~22:54)
- カンブリア宮殿〜村上龍の経済トークライブ〜(月曜22:00~22:54)