回文
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回文(かいぶん)とは、始めから(通常通り)読んだ場合と終わりから(通常と逆に)読んだ場合とで文字や音節の出現する順番が変わらず、なおかつ、言語としてある程度意味が通る文字列のことで、言葉遊びの一種である。
文字数が1字の場合や0字の場合(「空(くう、から)の文字列」)や、数字・記号だけでできている場合は回文とは呼ばれないことがほとんどである。
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[編集] 回文の例
[編集] 日本語
日本語回文のルールとして、濁音、半濁音、促音、拗音は清音と同一として考えることが多い。すなわち、「は行」と「ば行」と「ぱ行」、「つ」と「っ」、「や」と「ゃ」などは逆から読んだ際に発音が入れ替わっても問題はない。ただし、回文作家の中にはこれを嫌い、発音まで完全に回文にすることにこだわる者もいる。
[編集] かなの例
[編集] 10文字未満
- 歌歌う(うたうたう)
- 織り成したシナリオ(おりなしたしなりお)
- 柿の木か?(かきのきか)
- クラゲ、楽(くらげらく)
- ごまたまご(東京で売られている土産菓子)
- コナン変な子(こなんへんなこ)
- しめじ飯(しめじめし)
- 新聞紙(しんぶんし)
- 滝に来た(たきにきた)
- 田植え歌(たうえうた)
- 遠い音(とおいおと)
- 僕は久保(ぼくはくぼ)
- 雅子様(まさこさま)
- 僕大久保(ぼくおおくぼ)
- アニマル・マニア
- 烏賊食べたかい(いかたべたかい)
- 浦和で笑う(うらわでわらう)
- 鬘が落下(かつらがらつか)
- 亀田は駄目か(かめだはだめか)
- 薬はリスク(くすりはりすく)
- 車は丸く(くるまはまるく)
- セルフのフルセ(大阪府東大阪市にある菓子問屋。ちなみに社長の姓は「古瀬」であり、店内はセルフサービスとなっている。)
- タイヤを焼いた(タイヤをやいた)
- たい焼き焼いた(たいやきやいた)
- 竹藪焼けた(たけやぶやけた)
- 確かに貸した(たしかにかした)
- 男子が死んだ(だんしがしんだ)
- ダンスが済んだ(だんすがすんだ)
- 夏まで待つな(なつまでまつな)
- なるとを取るな(なるとをとるな)
- ねるねるねるね
- 予想は嘘よ(よそうはうそよ)
- 留守に何する(るすになにする)
- 冷凍トイレ(れいとうといれ)
- 俺と森本レオ(おれともりもとれお)
- 関係ない喧嘩(かんけいないけんか)
- 爺さん三歳児(じいさんさんさいじ)
- 象くんパン食うぞ(ぞうくんぱんくうぞ)
- 農家も芋買うの?(のうかもいもかうの)
- 洋服は工夫よ(ようふくはくふうよ)
- みがかぬ鏡(みがかぬかがみ)
- 安いイス屋(やすいいすや)
- 夜人参煮るよ(よるにんじんにるよ)
- リモコンてんこ盛り(りもこんてんこもり)
- 私負けましたわ(わたしまけましたわ)
- スマートなトーマス(すまーとなとーます)
- 新幹線監視(しんかんせんかんし)
- マジ?小島!(まじこじま)
- マジか?岡島!(まじかおかじま)
- 一塁に居る地井(いちるいにいるちい)
- マカオのおカマ(まかおのおかま)
- 時計屋行けと?(とけいやいけと)
- 武また負けた(たけまたまけた)
[編集] 10文字 ~ 19文字
- 相談とはとんだ嘘(そうだんとはとんだうそ)
- 肉の多い大乃国(にくのおおいおおのくに)
- 小力の添い寝磯野貴理子(こりきのそいねいそのきりこ)
- 鶏と小鳥とワニ(にわとりとことりとわに)
- 私タワシ渡したわ(わたしたわしわたしたわ)
- イカのダンスは済んだのかい(いかのだんすはすんだのかい)
- 宇津井健氏は神経痛(うついけんしはしんけいつう)
- お菓子が好き好きスガシカオ(おかしがすきすきすがしかお)
- 女子コンパにパン粉所持(じょしこんぱにぱんこしょじ)
- 任天堂がうどん店に(にんてんどうがうどんてんに)
- シナモンパンもレモンパンも無し(しなもんぱんもれもんぱんもなし)
- 世の中ね、顔かお金かなのよ(よのなかねかおかおかねかなのよ)
- 確かにこの八百屋の子に貸した(たしかにこのやおやのこにかした)
- 鯛に烏賊に鮭が今朝二階にいた(たいにいかにさけがけさにかいにいた)
- 手伝うよ何度もどんな用だって(てつだうよなんどもどんなようだつて)
- なんて躾いい娘いいケツしてんな(なんてしつけいいこいいけつしてんな)
- ヘアヘアリキッドけつにつけどっきりアヘアヘ(へあへありきっどけつにつけどっきりあへあへ)
- 品川に意外や意外庭がなし(しながわにいがいやいがいにわがなし)
- またたび飲み込み伸びたタマ(またたびのみこみのびたたま)
- いかりや農家で買うの槍かい(いかりやのうかでかうのやりかい)
- 住まいが近いな、都内か?違います(すまいがちかいなとないかちがいます) レム色作
- 悪い敵が来ているわ(わるいてきがきているわ)
- 美しい国は憎いし苦痛(うつくしいくにはにくいしくつう)
- やいKONISHIKI豆まきしに来いや(やいこにしきまめまきしにこいや)
[編集] 20文字以上
- 禁煙天童よしみ賞曇天延期(きんえんてんどうよしみしょうどんてんえんき)
- 弱虫のタモリが信濃での梨狩りも楽しむわよ(よわむしのたもりがしなのでのなしがりもたのしむわよ)
- 永き世の遠の眠りのみな目ざめ波乗り船の音のよきかな(なかきよのとおのねふりのみなめさめなみのりふねのおとのよきかな) - 初夢参照。
- 茂る葉もかざして石間闇くだく深山はいでし坂もはるけし(しけるはもかさしていはまやみくたくみやまはいてしさかもはるけし) - 藤原隆信作。
- 白雪は今朝野良草の葉にもつも庭の桜の咲けば消ゆらし(しらゆきはけさのらくさのはにもつもにはのさくらのさけはきゆらし) - 石田未得作。
- 戻ったぞ時鳥はや来つ鳴けな月やは杉戸とぼそ立つとも(もとつたそほとときすはやきつなけなつきやはすきととほそたつとも) - 正岡子規作。
- 鐘突き来ぬ。 叩けば社そおっと開く。 と、まこと色良き鎧と駒と鞍一つ。恐ろしや、化けた狸、狐か?(かねつききぬたたけばやしろそおつとひらくとまこといろよきよろいとこまとくらひとつおそろしやばけたたぬききつねか)
- 忍耐だ。証拠つかむ。黙って入れた白粉(しろこ)で殺した冷徹マダム格好よし、大胆に。(にんたいだしょうこつかむだまっていれたしろこでころしたれいてつまだむかっこうよしだいたんに)
- なるべく二匹の鹿肉と特に樫木火にくべるな(なるべくにひきのしかにくととくにかしのきひにくべるな)
- タケウチ失う夜、お好み焼きと鯛焼き焼いたとき闇の凍るような仕打ち受けた。(たけうちうしなうよるおこのみやきとたいやきやいたときやみのこおるようなしうちうけた)
[編集] ローマ字の例
訓令式ローマ字で回文を作成した場合、読み上げた声を録音し、これを逆再生しても同じように聞こえる特徴がある。
- asa(朝)
- nikkin(日勤)
- Akasaka(赤坂)
- Ura ni naru(裏になる)
- Osaka sakaso(大阪咲かそ)(大阪21世紀計画のキャッチコピー。正式な表記は「OSAKA咲AKASO」)
- Urawa kara kawaru(浦和から変わる)
[編集] 漢字・かな混じりの例
- 市川市・市原市
- 駅家駅(広島県・西日本旅客鉄道福塩線)
- 駅三駅(大韓民国ソウル特別市江南区・ソウルメトロ2号線)
- 駅村駅(ソウル特別市都市鉄道公社6号線)
- 道央道(北海道)
- 志布志(鹿児島県)
- 西葛西(東京都江戸川区)
- 川辺川(熊本県)
- 川内川(鹿児島県)
- 東関東
- 東国東(大分県の郡)
- 郡上郡(岐阜県)
- 町田町(町田市の旧地区名)
- 亜細亜(アジアの漢字表記)
- 山本山(食品会社)
- 一関一(岩手県の高等学校)
- 祭頭祭(鹿島神宮の行事)
- 東北東・東南東・西北西・西南西
- 刻一刻・日一日
- 水道水
- 比熱比
- 日曜日
- 馬車馬
- 味噌味
- 石灰石
- 弾道弾
- 文語文
- 劇中劇
- 屋根屋
- 風台風
- 月見月
- 人非人
- 適不適
- 運不運
- 時分時
- 化石化
- 体全体
- 屋上屋(~を架す)
- 筒井筒
- 閣内内閣
- 金賞の賞金
- 達人の人達
- 温室の室温
- 下手な手下
- 本日の日本
- 妻夫木夫妻
- 田町⇔町田(東日本旅客鉄道の定期券でこのようなものが発行できる)
[編集] 英語
- eye(目)
- noon(正午)
- refer(言及する)
- Madam, I'm Adam. (奥様、私はアダムです。)※この後、イブが「Eve.」と名乗り、二人揃って回文となっている。
- Was it a cat I saw?(私が見たのは猫でしたか?)
- Sex at noon taxes. (昼間のセックスは荷が重い。)
- "Nurses run." says sick Cissy as nurses run. (看護婦たちが走っているとき、病気のシシーは「看護婦たちが走ってる。」と言いました。)
- No lemon ,no melon. (レモンくれなきゃメロンはやらぬ)※lemonとmelonを入れ替えても成り立つ。
- A man, A plan, A canal, Panama! (人間、計画、運河・・・パナマ!)※この文を元に、さらに長い回文も色々作られている。
- Able was I ere I saw Elba. (エルバ島を見るまで、余は有能であった。)※エルバ島に流されたのちにナポレオンが言ったとされる。ere = before
- Step on no pets. (ペットを踏むな)
- Rise to vote, sir.(投票してください)
- Dee saw a seed. (ディーは種を見た)※Deeは人の名前。
単語単位で逆に読むものもある。
- Fall leaves as soon as leaves fall.(葉が散ると秋が過ぎる)
画像として回転対称のようになっているものもある。
- NOW NO SWIMS ON MON (現在、月曜日は水泳禁止)
[編集] スペイン語
- Dábale arroz a la zorra el abad (狐に米を貫主があげていた) スペイン語の一番有名な回文
- Oirás orar a Rosario (ロサリオが祈る事を聴く)
- Aman a Panamá (その人らはパナマを愛している)
- reconocer (見分ける)
- Ananá (パイナップル)
- Adán salta y Atlas nada (アダムが飛んでアトラスが泳ぐ)
[編集] 回文を題材にした作品
- 『土屋耕一回文集—軽い機敏な仔猫何匹いるか—』 土屋耕一(誠文堂新光社 1971年)
- 『つつみがみっつ』 土屋耕一(福音館書店こどものとも 1975年)
- 『まさかさかさま 動物回文集』 石津ちひろ(河出書房新社 1989年)
- 『またたび浴びたタマ』 村上春樹(文藝春秋 2000年)
- 『回文の国へようこそ』坂崎千春 (中公文庫 2003年)
- 『ダンスがすんだ』フジモトマサル (新潮社 2004年)
- 「回文 21 面相」:作詞:ビーンズ豆田、作曲:鈴木由花、歌:山崎清介
- 「ん?バナナのななばん」:作詞:里乃塚玲央、作曲:大森俊之
- 『笑いの文化人講座』
- 「ターン鳥チキン」 田中れいな・久住小春 (「ハロー! モーニング。」内コーナー: 2005年11月27日~)
- 『おもしろ回文集「野茂のものは野茂のもの」』 (斉藤洋美のラジオはアメリカン)
- 『喜劇悲奇劇』 泡坂妻夫
[編集] 回文の名前を持つ人物
[編集] かな
- 木ノ葉のこ(このはのこ)(タレント)
[編集] ローマ字
[編集] 漢字
- 公文公(数学者)
- 中村中(歌手・俳優)
- 日日日(小説家)
- 清家清(建築家)
- 茂山茂(狂言師)
- 豊岡豊(音楽家)
- 菜葉菜(タレント)
- 渡辺渡
- 佐藤藤佐(元検事総長)
- 三宅宅三(元プロ野球選手)
- 三善/善三(ラッパー)
- 三遊亭遊三(落語家)
- 三笑亭笑三(落語家)
- 笑福亭福笑(落語家)
- 一十三十一(歌手)
- 九十九十九(架空の探偵)
[編集] 英語
男性歌手グループのラッツ&スターの英語表記は「RATS&STAR」で、記号まじりの回文となっている。