清音
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清音(せいおん)とは、広義では、日本語のモーラのうち、撥音と促音を除き、濁点も半濁点も付けない仮名で表されるモーラであり、狭義では、濁音と対立する無声子音をもつモーラのみを指す。清音は清直音と清拗音に分類される。
清音・濁音の区別は中国の伝統的な言語学である音韻学の清濁に由来している。
清直音は仮名1文字で表される清音である。現代の日本語では、清直音は日本語音の仮名表記の基本となる五十音と呼ばれる44個のモーラである。具体的な清直音の各音は次の通りである。
- あ - い - う - え - お
- か - き - く - け - こ
- さ - し - す - せ - そ
- た - ち - つ - て - と
- な - に - ぬ - ね - の
- は - ひ - ふ - へ - ほ
- ま - み - む - め - も
- や - ゆ - よ
- ら - り - る - れ - ろ
- わ
「を」や歴史的仮名遣いの「ゐ」、「ゑ」を五十音に含めることがあるが、これらは表記は独立しているが、現在の発音によるモーラとしては「あ行」の「お」、「い」、「え」と重複しているので独立した清直音には含めない。
清拗音は清開拗音、清合拗音およびその他の清拗音に分類される。清開拗音は清直音の「あ」行を除く各行の「い」段音に小文字の「ゃ、ゅ、ょ」のうちの1文字をつけて2文字で表され、清合拗音は「く」に小文字の「ゎ」をつけて「くゎ」と表される。清開拗音には以上のほかに外来音などを表記するため、清直音の「あ」行を除く各行の「い」段音に小文字の「ぇ」をつけた「きぇ」などのモーラを含めることがある。またその他の外来音、方言音、慣用音などを表記するため、「いぇ」、および「い」段音以外の清直音に小文字の「あ」行音や「や」行音を付けたものもその他の清拗音として清拗音に含める。以上のすべてを含めた清拗音の各音は次の通りである(「てぁ」などの使用頻度の低いものは除いた)。
- きゃ - きゅ - きぇ - きょ
- しゃ - しゅ - しぇ - しょ
- ちゃ - ちゅ - ちぇ - ちょ
- にゃ - にゅ - にぇ - にょ
- ひゃ - ひゅ - ひぇ - ひょ
- みゃ - みゅ - みぇ - みょ
- りゃ - りゅ - りぇ - りょ
- くゎ
- いぇ
- うぃ - うぇ - うぉ
- すぃ
- つぁ - つぃ - つぇ - つぉ
- てぃ - てゅ
- とぅ
- ふぁ - ふぃ - ふゅ - ふぇ - ふぉ
[編集] 清音の種類
清音は、その頭子音によって、次のように分類できる。
- 頭子音なし: あ行
- 無声破裂音: か行 た行(ち つ を除く) きゃ行 くゎ てぃ てゅ とぅ
- 無声破擦音: ち つ ちゃ行 つぁ つぃ つぇ つぉ
- 無声摩擦音: さ行 は行 しゃ行 ひゃ行 すぃ ふぁ ふぃ ふゅ ふぇ ふぉ
- 鼻音: な行 ま行 にゃ行 みゃ行
- 半母音: や行 わ行 いぇ うぃ うぇ うぉ
- 流音: ら行 りゃ行
[編集] 清音と濁音、半濁音
清音と対立する概念は濁音と半濁音である。これらはいずれも清音の各音から派生したものと考えられ、熟語で、後半の語の最初の音が清音から濁音、半濁音に置き換えられる連濁(例:きり+はな→きりばな(切り花))が見られるなど、対応するもの同士の親和性が高い。
ある音が清音であるかどうかは、日本語話者集団の主観や文法的用件に依るところが大きい。たとえば、清音であるな行やま行と同じ鼻音を持つモーラでも、鼻濁音と呼ばれる が行の各音は、鼻音でない有声子音の が行の各音と意味上の違いなく使われるため、独立した清音でなく、か行の濁音に分類される。無声子音で始まる ぱ行の各音は、は行の各音との交換があるため(2ほん(本)→1ぽん)、は行の半濁音とされる。