スバル・ヴィヴィオ
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ヴィヴィオ(VIVIO)はスバルの軽自動車。1992年3月に、レックスの後継モデルとして発売。 ネーミングの由来は、公式には英語のVIVID(鮮やかな、生き生きとした)からの造語であるとされているが、排気量の660ccをローマ数字読み(VIVI0)に引っかけたものであるとも言われている。デビュー当初のキャッチフレーズは「SIMPLE RICH」。シンプルでありながら高級なメカニズムを持つことを表す。 92年のパリ~モスクワ~北京・マラソンレイドに参戦し、プロローグランでワークスパジェロを上回るタイムを叩き出したり、93年のサファリラリーでは一時ワークスセリカを上回る総合4位を走行、A-5クラスで優勝したりするなど、モータースポーツの世界でもクラスを超えたポテンシャルの高さを見せつけた。
目次 |
[編集] 年表
1992年3月 発売[A型]
1993年2月 RX-RA,GX-R発売
1993年5月 T-Top発売
1993年9月 マイナーチェンジ(MC)[B型] 新冷媒採用
1994年2月 GX-T発売
1994年5月 MC[C型] NA車フロントフェイス変更 リアサスペンション形状変更 MSC車アルミホイール変更 カラードドアミラー,カラードドアハンドル廃止
1995年4月 バンのミッションをECVTから3ATに変更
1995年6月 M300発売
1995年10月 MC[D型] 3ドア車のリアサイドウィンドウを羽目殺しに変更
1995年11月 ビストロ発売
1996年10月 MC[E型] NA車フロントフェイス変更 ヒーターコアを抗菌コート済みフルエアミックスタイプに変更 リモコンドアミラーの鏡面積拡大
1997年5月 RX-SS発売
1997年9月 MC GX-SS発売
1998年10月 生産終了
[編集] メカニズム
[編集] エンジン・駆動方式
エンジンはレックスから引き続き、クローバーフォー(CLOVER4)と呼ばれる直列4気筒が搭載されている。これらのエンジンは全てEN07という型式を持つ。ラインナップにはSOHCのNAが二種類、アイシン製スーパーチャージャー(MSC)装着車にも二種類がある。エンジンは全て横置きでFF(フロントエンジン・フロントドライブ)を基本とし、パートタイム式及びビスカスカップリングを用いたフルタイム式の四輪駆動モデルも用意されていた。またRX-RAでは、リア機械式LSDを採用したフルタイム四輪駆動システムが採用されている。レックス同様オルタネータからの配線(B端子から伸びる線)とバッテリー端子を結ぶコネクタに問題があり、電圧不安定など発生する機体が稀にある。これは、レックス同様リコール対象になっておらず、当然のことながらオルタネータの不良でないので発見するのは難しい。ディーラーではB端子から直接電圧を測るため、このトラブルに気づかないのが実情だ。
[編集] 変速機
トランスミッションはスバル独特の無段変速機(ECVT)、5速MT、 モデルライフ途中に追加されたバン向けの3速ATが用意されていた。 ECVT車には後期になってティプトロニック風の6速マニュアルモードを備えるスポーツシフト(SPORTSHIFT)車も存在した。
・ECVT スバルがレックスやジャスティで採用した、独自の無段変速機である。これは入出力のための二つのプーリーをスチールベルトで繋ぎ、このプーリーの径を連続的に変化させることで無限の変速比を得るものである。スクーターでは遠心クラッチとの組み合わせですでに実用化されていたが、自動車ではオランダのDAFが販売していたもののごく少数にとどまる。CVTの構造上大きなトルクを与えることが難しく、スバルはヴァンドーネ社のパテントを取得してスチールベルトの採用に踏み切り、これに電磁パウダークラッチを組み合わせることで軽自動車向けに実用化にこぎつけた。 ECVTの採用により、従来のプラネタリーギア式のオートマチックトランスミッションには無い滑らかな変速フィーリングや低燃費、クリープ現象の追放が実現されたが、一方で耐久性に弱点があった。本体のスチールベルトは10万キロの保証パーツであったが、電磁パウダークラッチはユーザーの扱いによっては故障が発生しやすく走行不能となる。このトラブルは乗用メインのヴィヴィオセダンでは問題が起こりにくかったものの、商用車では問題視され、これらの車種には一般的なオートマチックが装備されている。スバルはECVTを次世代のスーパーオートマチックと位置づけ、拡販を試みた。1992年4月に発売された日産・マーチの1300cc車にもスバルの技術供与によりECVTが採用されていたが、電磁パウダークラッチの問題は解決されていなかった。ECVTがトラブルから解放されるには、1998年発売のプレオに搭載された、トルクコンバーター採用のi-CVTを待たねばならなかった。しかしトルクコンバーターを採用したことにより、クリープ現象の発生やリニア感の低下など、ECVTには無かった問題も浮上している。
・5速マニュアルトランスミッション ヴィヴィオのマニュアルトランスミッションは全車にOD付き5速マニュアルトランスミッションが採用されている。これは構造上低速トルクが不足しがちな4気筒エンジンの弱点を補う意味もある。C型で2速のシンクロ機構がダブルコーンタイプに変更され、耐久性・シフトフィーリングの向上が図られている。E型で、エンジンのハイオク化によって増加したトルクに対応する為、クラッチディスク径が変更されトルク伝達力が強化されている。またRX-RAには、1速~4速のギア比がクロスした専用ミッションが搭載されている。
・3速オートマチックトランスミッション 発売直後には全車にECVTを採用していたが、コスト面やフル積載状態での耐久性に疑問が残り、バンモデルではスズキ車用のオートマチックトランスミッションを採用することとなった。
・スポーツシフトマニュアルモード付オートマチックが流行の兆しを見せていたころ、ヴィヴィオのMSC車向けに6速マニュアルモード付きのECVTを採用した。スポーツシフトは1998年発売のプレオでは7段に改良された後、R2においても採用されている。(※スポーツシフト(SPORTSHIFT)はProdrive.Ltdの登録商標。) コンセプトモデルのRX-Tにはティプトロニック式コントロールのできるCVTipというシフトをポルシェと共同開発したのが搭載された。
[編集] サスペンション
サスペンションは走行性能の向上を目的としてコストのかかる四輪独立懸架のストラット型を採用。従来のレックスも四輪独立懸架を採用していたが、ヴィヴィオでは前輪サスペンションを従来のI型ロアアーム+テンションロッド方式からL型ロアアームの強固な方式とした上に、後輪サスペンションは従来のセミトレーリングアーム式から、ストロークの豊富なデュアルリンクストラット式となった。販売用カタログでは「レガシィと同じメカニズム」と謳われたが、確かに軽自動車にここまでのメカニズムを与えることはほかでは見られず、4気筒エンジンなどと合わせてヴィヴィオの本物志向を窺わせる。94年のマイナーチェンジでリアサスペンションの形状が見直され、よりニュートラルな特性に変更された。なお、DOHC MSC仕様では前後に、SOHC MSC仕様(一部DOHC MSC仕様も)では前に、ロールを抑制するスタビライザーが装備されている。またRX-RAでは、コイルスプリングのバネレートやショックアブソーバーの減衰力が専用にチューニングされている。
[編集] 主な特徴
[編集] レックスからヴィヴィオへ
先代モデルにあたるレックスは全高が1420mmであった。これは1980年代の軽自動車としては平均的な高さであった。当時の軽自動車は税制上の優遇措置があったため4ナンバー登録のボンネットバンの販売割合が大きく、車内の空間を少しでも広くするためにボディーデザインはスクエアで、テールゲートも平面的で大きいものを採用し、そのためにリアコンビランプも縦長で小型のものが主流だった。 ヴィヴィオは全高を1375mmとし、頭上空間は若干狭くなったものの、車体の重心位置が低くなったため走りの性能は向上した。レックスでは660ccモデルのリリースに際して、550cc時代のプラットホームを維持したまま全長を100mm延長させるため前後バンパー等を大型化するという変更が行われたが、ヴィヴィオは最初から全長3295mmのクルマとしてデザインされたためプラットフォームも、この全長を前提とした設計になっていた。レックスの最終型の意匠には細部に初期型ヴィヴィオとの類似点がある。丸みのある異型ヘッドライト、バンパーに埋め込まれた横長のフロントウインカーなどは初期型ヴィヴィオに似ている。ヴィヴィオは従来のボンネットバンのためのデザインではなく、5ナンバーの乗用車として角の取れた張りのあるボディーやレンズ面積が広いリアコンビランプをエクステリアデザインに取り入れ、塗色は商用車的なソリッドカラーよりも光沢感、高級感のあるメタリックカラーやマイカカラーを増やしてより高品質な新世代の軽自動車であることをアピールしていた。 なお、ヴィヴィオという車名は一代限りで終了している。レックスという車名が1972年から1992年まで三代も続いたことは、スバル360、スバルR-2と続いたスバルの軽乗用車の歴史の中で特筆すべきことであろう。ヴィヴィオは20年続いたレックスという車名を廃止し、その後のスバルの軽乗用車のネーミングの自由度を広げるきっかけを作ったクルマでもある。
[編集] CM
- CHAGE&ASKAを起用。歌も本人の「WALK」。またモデル中期にはキャシー・デニスのCHAGE&ASKAのカヴァー、「Love's a cradle」(天気予報の恋人)も使われた。
[編集] ボディータイプ
基本ボディーは3ドアハッチバック、5ドアハッチバックの2種類。後部ハッチを持つが、軽自動車業界の慣例として乗用車仕様はバンとの住み分けから「セダン」と呼んでいる。また、3ドアには商用車仕様としてバンがあり、後部の車体構造を専用に変更しているほか、欧州仕様のバンパーが装着されている。具体的にはリアコンビランプを小型化してその分リアハッチを大型化して積載性を向上させている。 94年にマイナーチェンジした際に後部の車体構造が小変更され、後席3点式シートベルトが装備された。 このほか、スバル40周年記念特別車として3000台の限定生産車種としてTトップ(2+2人乗り)と呼ばれるタルガトップ仕様もあった。 また、輸出仕様車も生産されて欧州に輸出されていた。国内仕様との相違点は、 リアセクション(車体、バンパーも含む)がバンと同じであること。(5ドアでもバンテール) また、方向指示器の色が一部クリア色となった他、サイドプロテクションモールも装備された点である。 なおMSC仕様は輸出されていない。
[編集] ドライバーズ・ミニ
前席は運転席側の空間を少しでも広くするため、助手席は左ドアに近い位置にオフセットされている。このためシフトレバーやサイドブレーキレバーが設置されているセンタートンネル(車内の床のふくらみ部分)も前席部では車体の中央を通っておらず、やや助手席側(左側)に張り出している。このおかげで運転席では従来の軽自動車に無い広さと、自然なペダルレイアウトが実現されている。1人乗車の機会が多い軽自動車の使用実態にあわせ、運転席の居住性を重視した車内空間であった。「ドライバーズ・ミニ」というコンセプトだった。 また、走りに関しては定評があり、軽自動車では異例となるニュルブルクリンクでのテストを行い、RX-R(FF)のベストタイムは9分54秒台であった(CARトップより)。また、筑波サーキットでのテストにおいても、RX-R(FF)が1分13秒35という他を寄せ付けない圧倒的なタイムを記録している。記事中のコメントに曰く、「いや、マイッタ。恐ろしいタイムで周回してしまったのが、ヴィヴィオである。13秒台・・・ついにきてしまったかという感じで、開いた口がふさがらない。」(K-CARスペシャルより)
[編集] グレード構成
ヴィヴィオの装備やエンジンの違いによるグレードの一覧を下に示す。 簡単な説明と主要装備を記した。
- ex:3ドア最上級モデル。電動カラードリモコンミラー タコメーター ピンストライプ D席SRSエアバッグ フル装備(AC/PW/PS) 。
- es5ドア最上級モデル。exに加えて ブロンズガラス チルトステアリング リアシートピロー 運転席ハイトアジャスターが付くが、SRSエアバッグはMOP。 中期型では装備水準が低下する。
- emフル装備の上級グレード。emまでがアナログクロックや電動カラードリモコンドアミラー、フルトリム内装が装備される。中期型からは装備水準が低下する。
- em-p特に女性を意識したグレード。emと比較して専用シート生地、SRSエアバッグ、UVカットガラスが装備される。
- em-s中期型のemにリアスポイラー(LEDハイマウントストップランプ付)と12インチアルミホイールが装備されたスポーティグレード。
- M300スバル軽自動車販売300万台達成記念のM300シリーズ。木目調オーディオパネル、フロントスポーティシート、SRSエアバッグ、12インチアルミホイール装備。
- M300 TypeSM300にタコメータ、SC系フロントマスク、リアスポイラーが追加される。
- M300 スーパーチャージャーM300 TypeSのスーパーチャージャー搭載バージョン。BBSアルミを標準装備。
- M300 エクストラ後期型にラインナップされたM300シリーズのお買い得グレード。CDプレーヤーや木目調パネル、キーレスエントリー装備。
- A11993年11月に発売された限定車。4WD+ECVTのみで、ABSを標準装備。
- サウンドスペシャル1994年1月に限定発売。KENWOODサウンドシステムを装備。
- Reebok1996年5月限定発売。スニーカーやスポーツウェアで有名なリーボックとのコラボレーションモデル。MSC車に準じたスポーティーな外観、ブルーの専用シート、ADDZESTサウンドシステム、SRSエアバッグ等を装備。
- 4WDリミテッド1994年1月に限定発売。エアコン、パワステを標準装備した、雪国向け廉価仕様らしい。
- 4WDスペシャル詳細不明
- Vシリーズ詳細不明
- カロスマツダオートラマ店(現日本フォードディーラー)で販売されていたらしい。スーパー大手のジャスコにディーラーが多かったこともあり、主婦層のユーザーが多い。
- リーパルJAが仲介して販売していた。専用ステッカー、フロアマット、サイドバイザー等専用装備が付く
- トランスケアシリーズ1997年5月発売。助手席回転シート等を装備した福祉仕様。
- el前期型ではお買い得廉価グレードとしてラインナップされた。エアコンは装備されているがパワステはMOP。布シートやホイールキャップが装備されている。販売の主流となったグレードであるが、中期モデルで装備が簡略化され、セダンの最廉価グレードとなる。
- el-s中期型で追加された廉価なお買い得グレード。布シートや12インチフルホイールキャップ等が装備され、前期モデルのelを受け継いだ内容となっている。
- elスペシャル詳細不明
- ef前期型にラインナップされた最廉価グレード。セダンとバンがある。プリントレザーのシート地となるが、カラードバンパー、エアコン標準装備が売りである。
- ef-sバンの上級グレードで、内容的にはバンefとさほど変わらないが、PSがMOPであるが後期型では標準装備される。
- ef-sII1997年11月に発売された。ef-sよりもちょっと豪華なバン最終進化型。
- ef-sスペシャル九州・中国地区限定で販売された豪華版ef-s。SRSエアバッグ付PSやFMカセットステレオ、布シート、ホイールキャップ、パワーウィンドウを装備。
- efスペシャル詳細不明
- eバンの下位グレードでプロユースに徹したつくりとなっている。素地色バンパー/ミラーやACが装備されないなど価格を意識している。
- 2シーター バンの最廉価グレードでMTのみの設定。その名の通り、後部座席を取り外しており、eから更にリアデフォッガーやリアゲートオープナーまで省略されている。
- 代行仕様運転代行業者向けのグレード。屋根の上に載せる行灯等専用のアクセサリを装備。
- NTT仕様その名の通りNTT向けの特別仕様車。NTTからの注文に応じた装備内容を持つ。電報配達用グレード?
- GX前期型に設定されたMSC(SOHC)を積む上級グレード。exに近い装備内容であるが、SC系フロントフェイスやサイドエアロ、デュアルマフラー、運転席ハイトアジャスター、ミシュランタイヤ、ピラーブラックアウトを装備する。ECVTのみの設定である。
- GX-R中期型で追加されたグレードで、GX系のパワートレーンにRX-Rに準じた内外装を与えたものである。後期型ではマニュアル仕様車が選べた(RX-Rがハイオクガソリン使用となった為)。
- GX-L中期型で追加されたグレードであるが、装備内容はほぼ前期型GXに準ずる。
- GX-L サウンドスペシャル1994年11月に限定発売。GX-LにCDプレーヤーを追加装備。
- GX-SSRX系のDOHCエンジンにSportShiftを組み合わせた仕様。5ドア車で駆動方式はFFのみの設定。
- RX-RMTのみのラインナップで一貫してヴィヴィオの最速バージョンであり続けた。MSC(DOHC)を積み、スポーツバケットシート、ポテンザタイヤ(4WD車はミシュランMXTがOE設定)、センターアンテナなどを装備している。後期型ではハイオクガソリン仕様となり、BBSアルミを履く(OP)。
- RX-R S1MSCを搭載したRX-Rの限定車。RX-Rでは初となるシルバーのボディカラーに、フロント熱線反射ガラス、サイドブロンズガラス、KENWOODサウンドシステムを装備し、1992年9月にスバル4WD20周年記念車として発売。その後1993年7月に富士重工40周年記念車として、新たにKENWOODサウンドシステムを装備し再び発売された。
- RX-R スペシャルバージョンサファリラリーでのクラス優勝を記念して1995年5月に発売されたRX-Rの200台限定車。STi/PIAA製のフォグランプ(H3-55W)にSTiロゴ入りのフォグランプカバー、藤壺製スポーツマフラー、KENWOODサウンドシステム等を装備。
- RX-RA競技用ベースグレード。フルタイム4WDのみでクロスミッション、強化サスペンション、リア機械式LSD等を装備。エアコン、パワーウィンドウ、リモコンドアミラー等が省略され、RX-Rより20kgもの軽量化が図られている。
- RX-SSRX系のDOHCエンジンにSportShiftを組み合わせた仕様。外見上の違いはステッカーとツートンカラー。但し黒はツートンではない物もある。
- T-TOP3000台限定の富士重工40周年記念車。タルガトップに電動リアウィンドウを組み合わせオープン仕様に仕立てた。カラフルな内装が特徴。ECVTと5MTを設定。
- GX-TT-TOP発売後1000台限定でMSC仕様として発売。パワートレーンはGXに準じてSOHC+MSCにECVTのみの組み合わせ。
[編集] ビストロシリーズ
- ビストロ中期以降のヴィヴィオの販売の中心を占めたグレード。往年の欧州製大衆車を意識した専用の内外装が装備されたグレード。
- ビストロ B-Customビストロに追加されたグレードで本革シートや、エアバッグ、専用ボディカラーが装備されたビストロの上級仕様。
- ビストロ シフォンそれまで5ドアだけだったビストロシリーズに追加された3ドア廉価グレード。専用のフロントマスク、ホイールキャップやシート地が特徴である。
- ビストロ Vシリーズ詳細不明
- ビストロ ホワイトエディションその名の通り、フェザーホワイトのボディを纏ったビストロ。ピンストライプ、専用ホワイトホイールキャップが装備される。
- ビストロ Lビストロのモデルライフ後半で追加された3ドア廉価グレード。
- ビストロ スポーツビストロにGXの装備内容を与えたモデル。専用の金色に塗装されたBBSアルミホイールが大きな特徴である。数少ないSOHC&MSC&MT設定も選べる。
- ビストロ SSRX-SSのビストロ版。FFと4WD両方の設定あり。
- ビストロ クラブミニライト社製アルミホイールを装備し、英国大衆車を意識したグレード。
- ビストロ TypeS詳細不明
[編集] 派生車種
派生車種としてはタルガトップ型の「T-TOP」とレトロスタイルを取り入れた「ヴィヴィオ・ビストロ」(1995年)が挙げられる。T-TOPは3000台限定販売車種として登場したモデルで、ルーフが取り外せるほか、リアウィンドウを回転式に格納できるため、普通のオープンカーに近い開放感を得ることが可能であった。だがオープン化によるボディ剛性の不足を補うために補強を加えてあることから重量が増加し、パワー不足である点がユーザーから多く指摘され、後に市場の要望を受けて増産した際には、スーパーチャージャーエンジンが搭載された。生産はオープン構造の車の生産を得意とする高田工業に委託されていた。 「ビストロ」は同社のワンボックス車サンバー・ディアスが最初に採り入れた手法で、市場にこれが好評であったことから、5ドアモデルの販売テコ入れ策として転用したものであった。「ビストロ」は、ヴィヴィオの基本車体形状を変えずに、前後バンパー・ヘッドライト、テールランプ、ホイール部分などを標準仕様のヴィヴィオとは異なる専用部品に交換し、レトロ調の外観を与えたものである。「他のクルマと違う」という雰囲気を出しつつ、ノーマルのヴィヴィオとの価格差はわずかであったことから、これが爆発的なヒットとなり、他メーカーも相次いで同様のグレードを発売するほどであった。「ビストロ」の登場により軽自動車業界にレトロブームを巻き起こした。
[編集] その後の歴史
1998年に軽自動車の規格改正が行われた。メーカー各社は主要モデルを一気にフルモデルチェンジした。スバルは1998年10月にヴィヴィオの後継モデルとしてプレオを発売し、EN07型4気筒エンジンや4輪独立懸架といったメカニズムはプレオにも引き継がれた。1993年に発売されたワゴンRの大ヒットにより1995年頃以降の軽自動車業界は、いわゆる軽トールワゴン型のボディーが主流となっていた。スズキやダイハツなど大手軽自動車メーカーでは軽トールワゴンと共にアルトやミラなどの従来型の背の低い軽自動車もラインナップに加える余裕があったが、当時、生産能力の弱かったスバルではそのような事は望めず、プレオは背の高いトールワゴン型(全高1700mm前後)と背の低い従来の軽自動車(全高1400mm前後)との中間に近い車高(全高1550mm前後)に落ち着いた。これにより室内空間は広くなり、特に後席の居住性は大幅に改善された。しかし、車両重量の増加や重心の上昇など、走行性能の面では不利な場面も多く、また初期のプレオはスーパーチャージャー車でマニュアルミッションが選択できなかった為、プレオ発売後もモータースポーツの世界ではヴィヴィオが第一線級のマシンとして使われつづけた。FIAのホモロゲーションは2006年まで有効(APRCに限り2010年までに延長)。スバルは近年になってR2やR1といったデザイン重視の軽自動車をリリースするようになったが、ヴィヴィオのようなシンプルでありながらリッチな機構を持った軽自動車は今後は生まれないであろう。