ダイハツ・ミラ
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ミラ(Mira)は、ダイハツ工業の生産する軽自動車である。現行型は通常モデルと、上級モデルの「ミラカスタム」、クラシック仕様の「ミラジーノ」、4ナンバーのバン仕様「ミラバン」の4タイプの設定となっている。
ムーヴが登場するまでは、ダイハツの看板車種だった。
[編集] 歴史
[編集] 初代(L55V/L56V、1980年-1985年)
- 1980年6月登場。当時の名称は「ミラ・クオーレ (Mira Cuore)」で、クオーレの商用車バージョン(軽ボンネットバン)であった。物品税がかからなかったのでクオーレより売れていた。当時のCMキャラクターは女優の岡田奈々。
- 1982年5月 マイナーチェンジ。車名を現在の「ミラ」に変更。フルAT登場。
- 1983年10月 ターボ車及び4WDの追加。4WDの形式はL56V。
[編集] 2代目(L70S・V/L71V、1985年-1990年)
- 1985年8月登場。新開発のEB型3気筒エンジンを搭載した軽量の車体は、メーターが振り切れるほどの元気の良さを見せた。モデル中期から女性仕様車の「ミラ・パルコ」シリーズが登場。エアコン、パワーステアリング、パワーウインドウ、サンルーフ、ATなど、当時の軽自動車には不要と考えられていた豪華装備車が登場した。
- 1985年11月、初代TR-XX登場(バンモデルのみ設定)、阪神タイガース優勝記念車「タイガースミラ」限定発売。
- 1986年1月 5ドア車追加。
- 1987年8月 マイナーチェンジ。
- 1987年10月 TR-XXにEFI車追加。フルタイム4WD車追加。
- 1988年10月 EFIターボ車が64馬力に馬力アップ。
[編集] 3代目(L200S・V・W/L210S・V/L220S、1990年-1994年)
- 1990年3月登場。1989年に物品税が廃止されていた為、乗用モデルの「クオーレ」と「ミラ」が統合された。一般に認知度の高い「ミラ」が優先され、乗用型が「ミラ・セダン」となった。なお、「クオーレ」の名称は現在でも輸出用に使用されている。「ミラ・ニッポン」を謳い、新規格軽自動車の新しい基準の先駆けとなった。また変速機に軽自動車初の4ATもラインアップされた。TR-XXは5ナンバーセダンモデルも設定され「アヴァンツァート」、「アヴァンツァートR」の名称もこのモデルから登場した。また、一部機種には4WS機構やリアブレーキのみのロック防止機構アンチスピンブレーキシステム(ASB)も搭載された。モデル途中から「ミラ・モデルノ(Mira Moderno)」という派生モデルも登場した。また、当時全日本ラリー選手権で無敗を誇っていたアルトワークスの牙城を崩すために開発されたラリー仕様車X4Rを1991年に販売。翌年のチャンピオンマシンとなった。
- 1990年9月 5ドア車にターボ追加
- 1990年11月 X4追加。
- 1991年2月 X4R追加。
- 1991年5月 セダンTR-XXのATが4速化。
- 1991年9月 4WDにATが追加されフルタイム化(NAのMTはパートタイムのまま)。
- 1992年8月 マイナーチェンジ。RV-4追加。
- 1993年1月 モデルノ追加
[編集] 4代目(L500S・V/L502S/L510S・V/L512S、1994年-1998年)
- 1994年9月登場。イメージキャラクターにタレントの森口博子が採用され、活発に走る予感を意識させた。このモデルではダイハツの軽自動車としては初となる4気筒DOHC16バルブエンジンJBシリーズがラインアップされた。また、TR-XXは登場初期こそ販売は好調であったが、ムーヴ等のトールワゴンに人気が集中し苦戦。次期モデルにはターボモデルは存在するが、TR-XXシリーズはこの代で幕を閉じる事になる。
- 1995年10月 一旦消滅した派生モデル「ミラモデルノ(Mira Moderno)」復活。
- 1996年5月 モデルノのみマイナーチェンジ。
- 1997年5月 マイナーチェンジ。
- 1997年8月 現在のミラ・ジーノの源流となった「ミラ・クラシック」追加。
[編集] 5代目(L700S・V/L710S・V、1998年-2002年)/初代ジーノ(1999年-2004年)
- 1998年10月登場。エンジンはEF-SE型直動式OHC、DVVT可変バルブタイミング機構付EF-VE型DOHC、インタークーラーターボEF-DET型DOHCのいずれも3気筒のみが用意された。変速機は3AT、4AT、5MT。
- 1999年3月 クラシックスタイルの「ジーノ」が追加となる。エンジンはミラシリーズと同じくEF-VE型、ターボのEF-DET型の2種が用意された。「ジーノ」シリーズは2001年に大規模なマイナーチェンジが施され、ターボ車の変速機が電子制御4ATとされた。また、これに伴いストーリアと共通の1000cc3気筒DOHC12バルブエンジンを搭載した「ミラ・ジーノ1000」も加わった。また、光岡自動車レイ(3代目)のベースモデルでもあった。意外にもパトロールカー等の業務用車としての採用例もある。余談ではあるが、初代ジーノのフロント周辺のモチーフとなったのはかつてダイハツで1963年から1969年まで販売されていた登録車「ダイハツ・コンパーノ」(前期型)である。しかし、皮肉な事に「MINIに似ている」という声も聞かれる。
[編集] 6代目(セダン・L250S/L260S、2002年-2006年【福祉車両は除く】 / バン・L250V/L260V、2002年-)
- 2002年12月登場。「革新的パッケージ」を謳い文句に、広い室内と高品質な仕上がりで安定した販売台数を得る。また、外観及び内装を更に高品質に仕立てた「ミラアヴィ(Mira AVY)」を同時ラインアップ。エンジンは基本的に5代目と同様となる。ただし、ジーノはそのスタイルが人気なことから、しばらく継続発売された。
- このモデルでは一時期ヴィクトリア・ベッカム(デヴィッド・ベッカム夫人)やペ・ヨンジュン、乙葉がCMに出演していた。また、CMソングにはTommy february6の「je t'aime ★ je t'aime」が起用された。
[編集] 2代目ジーノ(L650S/L660S、2004年-)
- 2004年11月登場。ベースとなった6代目ミラ同様、従来よりキャビンが大きくなりパッケージングが進化した。エンジンはNA・ミッションはATのみ。外装は上質でクラシカルなスタイルを継承。内装も非常に高品質な仕上となっている。初代とは異なり、ミラとボディを共用せずオリジナルにデザインされた(形式が分かれているのはそのため)。
- 2006年の第76回ジュネーブモーターショーで、欧州仕様車が「トレヴィス」(Trevis) の名称で公開される。
- 広告キャラクターには森山未來、コマーシャルソングにはキンモクセイの「夢で逢えたら」(吉田美奈子のカバー)が起用された。
[編集] 7代目(L275S/L285S、2006年-)
- 2006年12月18日登場。通常モデルと、ミラアヴィの代わりとなる上級モデルの「ミラカスタム(Mira Custom)」の2種類をラインアップ。アルト同様、3ドアモデルは廃止された。エンジンは既にエッセ、ソニカ、ムーヴで採用されている新開発のDVVT可変バルブタイミング機構付KF-VE型DOHC12バルブエンジン、インタークーラーターボ付KF-DET型DOHC12バルブエンジンを搭載(これに伴い、既存のEF-SE型、EF-VE型、EF-DET型エンジン搭載車は消滅)。変速機は従来からの3AT、4AT、5MTに加えて、ソニカとムーヴで採用されている新開発のCVTが追加された。ミラセダンの福祉車両およびミラバン(なおミラジーノは車体形式番号が異なる)は当面の間、先代モデルのまま継続販売される。
- 広告キャラクターには、映画「誰も知らない」で母子役で共演した、タレントのYOUと俳優の柳楽優弥を起用。
[編集] 外部リンク
- ミラ DAIHATSU @ WEB(ダイハツ工業)