STUDIO 4℃
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STUDIO4℃ (すたじお よんど しー)は、アニメーション制作会社。
ミュージック・ビデオ、テレビ、CMやプロモーション映像、ゲーム内ムービー、映画を制作。田中栄子、アニメーターの森本晃司が中心となって設立。
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[編集] 歴史
[編集] 設立の経緯
1986年に設立。
当時スタジオジブリで『となりのトトロ』のラインプロデューサーだった田中栄子は、同時期に制作していた大友克洋監督のアニメ映画『AKIRA』の制作の遅れを知り、トトロ作画スタッフを『AKIRA』スタジオに出向させたというエピソードがある。(これを「猫の手」と呼んでいた)
その後、『AKIRA』の恩返しに森本晃司らが魔女の宅急便に参加したことから森本晃司と田中栄子の親交が深まり、「自分たちのパブリックスペースを作りたい」という森本晃司、佐藤好春に田中栄子が賛同し意気投合、STUDIO4℃の設立となった。
1995年公開の大友克洋総監督『MEMORIES』をきっかけにクオリティの高い映像を制作する精鋭クリエイティブ集団として名を馳せることとなる。
1996年にはジャパニーズテクノの先駆者ケン・イシイの「EXTRA」のミュージッククリップを森本晃司が手がけSTUDIO4℃が制作。日本の路地裏が広がる独特の世界観は今までに無い新たなアニメーションの新境地となり、ヨーロッパを中心にジャパニメーションブームが沸き起こった。
2002年、『マトリックス』のアンソロジーアニメーション『アニマトリックス』の制作によって、世界中にSTUDIO4℃の名が知れ渡る事となり、ファンだけではなく世界中の映像クリエイターからの注目される存在となった。
STUDIO4℃が制作する映像は「とんがった」イメージが強いが、『アリーテ姫』などが見せた世界観などはジブリからの流れを思わせる節がある。
2004年に公開された湯浅政明監督『マインド・ゲーム』は単館上映ながらファンからの強い支持を受け、2004年文化庁メディア芸術祭でみごと大賞に選ばれた。2005年カナダ・モントリオール映画祭では4部門受賞という快挙をなしとげたことでも、映像や作品のクオリティの高さがうかがい知れる。
[編集] 名称の由来
水の密度が一番濃くなるのは摂氏4℃であることから、常に「密度の濃い作品作り」を目指すSTUDIO4℃のクリエイティブポリシーである。
[編集] ビヨンドシティ
ネット上に存在するサイバー都市、ビヨンドシティはSTUDIO4℃が手がける実験的WEBプロジェクトである。
ビヨンドシティ内では不思議な「部屋」から始まり、便所、落書きの壁、稲荷町商店街、思いで中町といったアンダーグラウンドな裏路地をコンセプトにおいたWEBサイトとなっている。
ビヨンドシティ内で起こる様々な怪現象、殺人事件は「幸せの虫」というユーザー体感型FLASHアニメーションとして森本晃司が手がけている(最終更新2002年、現在第4章まで)。
[編集] 主な作品
[編集] ミュージック・ビデオ
- EXTRA (1996年 - ケン・イシイ)
- Four Day Weekend(1999年 - Blue Tones、イギリス)
- サバイバル(1999年 - GLAY)
- 次元ループ(2001年 - キセル)
- CONNECTED(2002年 - 浜崎あゆみ)
- ファーストスクワッド(2005年 - DETSL、ロシア)
- EXODUS(2005年 - Utada) FLUXアニメーション(アルバムEXODUS収録曲全14曲)
- Passion(2005年 - 宇多田ヒカル、アニメーションパート)
[編集] TV
- ピロッポ(2001年)
- 魔法少女隊アルス(2004年)
[編集] 映画
- MEMORIES(1995年)
- 音響生命体ノイズマン(1997年、劇場用ショートムービー)
- スプリガン(1998年)
- アリーテ姫(2001年)
- マインド・ゲーム(2004年)
- GENIUS PARTY(2006年公開予定)
- 鉄コン筋クリート(2007年公開予定)
- SACHIKO(2007年公開予定)
[編集] OVA
- デジタルジュース(2001年)
- Grasshoppa!(2002年)
- アニマトリックス(2003年)
- 土方歳三 白の軌跡(2004年)
- きまぐれロボット(2004年)
[編集] 参加/協力作品
- 天才ビットくん(NHK教育TV)
- エースコンバット04 シャッタードスカイ - ナムコのシューティングゲーム、ムービーパートの制作
- サモンナイト3 - バンプレストのゲーム、OPパートの製作
- 下妻物語(2004年) -
- NIKECM 恐怖の部屋(2004年、レブロン・ジェームス主演)
- ラクガキ王国2 魔王城の戦い(2004年) - タイトーのゲーム、OP&EDパートの制作。
- リンカーン(2005年 - ) - TBSの番組のオープニングアニメーション
- エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー - ナムコのシューティングゲーム、ムービーパートの制作
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- STUDIO4℃公式サイト
- ビヨンドシティ 森本晃司が中心となって制作している架空都市。