SAAB
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SAAB (サーブ) は Svenska Aeroplan AB (スウェーデン航空機会社) の略であり、 スウェーデンの航空機と自動車のブランドである。現在は自動車部門である「サーブ・オートモービル」はゼネラルモーターズの100%子会社であり、オペルと統合される予定。
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[編集] 航空機
1937年にスウェーデンの国産航空機を生産するために設立した。第二次世界大戦中に自国の中立維持のため、軍用機を量産する一方、戦争終結に備えて自動車製造を計画していた。
民間機(旅客機)部門は主に小型プロペラ機を生産しており、日本でも日本エアコミューターや北海道エアシステム、国土交通省などが340や2000シリーズを導入しているが、競争激化による収益性の悪化により現在は民間機部門は廃止された。
軍用機
- サーブ 17 - レシプロ単発爆撃機
- サーブ 18 - レシプロ双発爆撃機
- サーブ 21 - レシプロ単発プッシャー双胴戦闘機
- サーブ 21R - 21のエンジンをターボジェットに換装した戦闘機/攻撃機
- サーブ 29 トゥンナン - ターボジェット単発戦闘機/攻撃機/偵察機
- サーブ 32 ランセン - ターボジェット単発攻撃機/戦闘機/偵察機
- サーブ 35 ドラケン - ターボジェット単発戦闘機/偵察機
- サーブ 37 ビゲン - ターボファン単発戦闘攻撃機/偵察機
- サーブ 39 グリペン - ターボファン単発戦闘/攻撃/偵察機
民間機・練習機
- サーブ 90 スカンディア - レシプロ双発旅客機
- サーブ 91 サフィール - レシプロ単発練習機
- サーブ 105 - ターボファン双発練習機/軽攻撃機
- サーブ 340 - ターボプロップ双発中型旅客機
- サーブ 2000 - 340の発展型
[編集] サーブ・オートモービル (自動車)
[編集] 概要
第二次世界大戦の終戦翌年の1946年には2サイクルエンジンを搭載した前輪駆動車「92001」を完成。水滴形のボディ、強固なモノコック構造等、航空機メーカーの特色が現れていた。その量産仕様「92」は1950年に販売が始まった。これ以後、「92」の発展モデル「93(3気筒エンジン搭載)」や「96(後にドイツフォードのV4エンジン搭載)」で国際ラリーでも活躍する一方、スポーツモデル「ソネット」シリーズも生み出した。これら一連の「92」発展モデルの製造は1980年まで続いた。
一方、1967年には現在のサーブデザインの源泉とも言うべき中型の「99」が登場。1977年に量産市販車で世界初のターボエンジンを搭載した「99ターボ」を発売し一躍注目される。直後に主力モデルを改良型「900」(1978年)に移し、1984年にはフィアットとの協力で開発(フィアット・クロマとランチア・テーマ、アルファロメオ・164との共同開発)した「9000」が登場、大衆車メーカーから高級車メーカーへと転身を図った。
1990年、乗用車部門がゼネラルモーターズ(GM)との折半出資会社「サーブ・オートモビル」に移管され、2000年にはGMの完全子会社となった。この間、オペルのプラットフォームを利用した新型「900」(1993年。後の初代「9-3」)や「9-5」などが登場した。
かつては商用車ブランド「スカニア」を所有し、エンブレムにも「SAAB」の下に「SCANIA」と併記されていたが、1995年に別企業に分離した(スカニアは後にボルボによる買収計画を経てフォルクスワーゲングループ入りしている)。
[編集] 現行モデル
[編集] 日本投入モデル
- 9-3(ナイン・スリー)
- 9-5(ナイン・ファイブ)
- 4ドアセダン
- エステート
[編集] 日本未導入モデル
- 9-2X (ナイン・ツー・エックス)
- スバル・インプレッサがベース
- 9-7X(ナイン・セブン)
- シボレー・トレイルブレイザーがベースのSUV
[編集] 旧モデル
- 900
- 初代と二代目の二世代はそれぞれClassic 900とNew 900と呼ばれる。Classic 900はその個性的なスタイルから日本でも人気があった。初代9-3はNew 900がベース。
- 9000
- 9-5が登場するまでのサーブのフラッグシップ。特徴のないデザインが日本では不評で、現在9000を見かけることはあまり無い。4ドアセダン(CD,Griffin)と5ドアハッチバック(CS、タラデガ、Aero)の二系統がある。
- 99
- 96
[編集] 日本での販売
日本ではシトロエン、プジョーとともに西武自動車販売(セゾングループ)が長く輸入していたが、1993年頃に当時ポルシェの輸入元であったミツワ自動車の子会社「ミツワインターナショナル (通称:サーブミツワ)」が輸入権が移行した。その後一時的に日本ゼネラルモーターズ (日本GM) が「SAAB JAPAN」として輸入したが、直ぐにヤナセに変更になり、現在では再び日本GMがサーブ車を輸入し、全国のヤナセの販売網で販売している。
[編集] 外部リンク
- Saab AB(英語) - 航空機
- Saab Automobile AB(英語) - 自動車
- Saab Automobile AB(日本語) - 日本ゼネラルモータースによる