JR東海キヤ95系気動車
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キヤ95系気動車(キヤ95けいきどうしゃ)とは、東海旅客鉄道(JR東海)が保有する事業用気動車の1形式。車両先頭に黄色の塗装を施しドクター東海の愛称が付けられている。
従来の検測車の老朽化と、これまでJR西日本から車両を借り入れ、別々の車両で行っていた軌道関係と電気関係の検測を効率良く行うため、1996年に登場した3両編成である。2005年4月には第2編成(DR2・従来の編成はDR1)が登場している。
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[編集] 車両概要
基本はキハ75形気動車を元とし、エンジンはキハ85系気動車と同じカミンズ社製のものを搭載している。これにより最高速度120km/hでの運転が可能となり、営業列車運転中の時間帯でも他列車の運転に影響を与えることなく検測のための運転が可能となった。ただし高い測定精度の確保、非営業列車のため高速化を必要としないなどの理由から振り子装置は搭載されておらず、曲線が多いため運転速度が低くなってしまう中央本線では特急「しなの」に追い越されることもある。
車両にはパンタグラフが1基搭載されているが、集電用ではなく、架線との接触状態などを確認するためのものである。パンタグラフの近くには確認用のドーム型の小窓が付いている。
[編集] 各車両の編成と役割
- キヤ95-1/2
- 東海道本線東京方面の先頭車。架線測定など電気関係を担当しており、ここの上部にパンタグラフが搭載されている。非電化区間ではもちろん休業に近い。第2編成にはパンタグラフが設置されておらず、しばらくは電気関係の測定をしない予定である。
- キサヤ94-1/2
- 中間車。軌道検測を担当する車両。職員用の休養室が設置されている。
- キヤ95-101/102
- 東海道本線大阪方面の先頭車。信号・列車無線などの通信関係を担当する車両。ここに車内の電気を賄うディーゼル発電機が設置されている。
[編集] その他
- 気動車であるため、JR東海管内の電化、非電化路線問わず検測する。
- 樽見鉄道樽見線や愛知環状鉄道線内での検測も行う。
- 1997年、ドイツ鉄道より本形式と検測システムを導入したいという打診があり、交通新聞紙上において報じられたが、その後ドイツ側の事情により立ち消えとなっている。もしこの話が実現していれば、標準軌仕様の本形式がドイツ国内を走っていた可能性が高い。
[編集] DR2増備および新技術の導入
第1編成(DR1)の登場から10年、DR2の増備にあたっては、新たな技術の導入が行われた。この新技術は、旧来のDR1に対しても機器の更新が行われ、同等の検査精度を確保している。導入された新技術は以下のとおりである。
- 継目板監視装置
- 画像処理のデジタル化
- 位置精度の向上
- 軌道データ処理の精度向上
- レール遊間測定精度の向上
これらの新技術搭載にあたり、それぞれの編成において3ヶ月間の試験・確認・調整を行い、2006年4月から2編成体制による検査体制となった。これ以降、各路線において一ヶ月に2回(昼間・夜間各1回)の検測が実施されている。
[編集] 関連項目
- JR東海の在来線車両 (■国鉄引継車を含む全一覧 / ■カテゴリ) ■Template ■ノート
[編集] 参考文献
- 中澤 毅基 「在来線試験車2編成体制の確立」 『日本鉄道施設協会誌』 vol.44 pp.20-22、2006年