FEBC
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FEBC(Far East Broadcasting Company)は、世界各地でキリスト教に関連した放送を専門に行う団体。スローガンはそのように、信仰は聞くことから始まり、聞くことは、キリストについてのみことばによるのです。(ローマ人への手紙 10章17節)
アメリカ合衆国に本部があり、大韓民国、フィリピン、サイパン、セーシェルなどに放送局がある。各国内向けの放送も行われている。日本では日本福音同盟に加盟している。
かつて沖縄にあった極東放送 (日本の民放ラジオ局)も、もともとはFEBCによって開設されたもので、沖縄の本土復帰に伴い(日本の放送法では宗教放送局が認められていないため)、1973年宗教放送局としての機能は韓国の済州島に移され、亜細亜放送(HLDA、現HLAZ)が開設された。
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[編集] 日本語(日本国向け)の放送
「宗教法人日本FEBC」(FEBC東京支局)の本部兼スタジオは、当初東京・御茶ノ水のOSCCビルにあったが、1989年に東京都武蔵野市の現在の場所へ移転した。日本語放送はAMラジオ(HLAZ 1566KHz、毎日21:30~22:45に放送)とインターネット(2001年4月1日より開始)で放送を行っている。番組内容はすべて宗教番組であり、毎週日曜には礼拝の模様を録音した番組も放送されている。
沖縄・極東放送で前述したように、日本の放送法では宗教放送局が認められていないため(かつての文化放送は例外的)、ラジオの電波は韓国・済州島のHLAZ局の送信所から放送されている。2000年頃からラジオ番組はインターネット経由で日本FEBCからHLAZ局へ送られている。
[編集] 各局からの日本語放送
かつての日本語放送は済州のHLAZ(旧HLDA)の他にも、フィリピンのマニラ(マニラ・コーリング、後のマニラ・エコー)、アメリカのサンフランシスコ(友情の声:呼出符号KGEI)からも放送されていた。この頃は、単にFEBCというとマニラからの放送を指すことが多かった。当時、番組は全て東京のスタジオで録音され、番組テープが各局に空輸されていた。当時の放送時間(JST)は、KGEIが17時~18時、マニラが19時~20時と22時~23時(再放送)、済州のHLDA(当時)が21:30~22:30で、1日あたり合計4時間のFEBCの番組が日本宛に海外3拠点から放たれていた。
また、フィリピン、アメリカからの放送が廃止された後の1986年ごろにはサイパン島のKFBSが日本語放送を開始したが、こちらは宗教色を控え「コンテンポラリーミュージックステーション」という音楽専門に近い内容の放送が、日本時間の夕方(当初は16:30-18:00、後に17時スタートに短縮変更された)に行われたがわずか数年で廃止された。
[編集] BCLブーム時代
1970年代のBCLブーム時には、FEBCの3系統の日本語放送は多くの聴取者を獲得していた。FEBC東京支社は会員誌「わかぎ」を発行、会員(ファン)の集いも定期的に行っていた。当時の人気DJは、兼松豊。性格的に厳格なキリスト教放送を行う中で、親しみが持てるキャラクターで人気を博した。兼松が出演する番組はマニラ及びサンフランシスコから放送され、HLDA(当時)は専属パーソナリティーを吉崎惠子が務めた。吉崎は1970年に日本FEBCに入社し、それ以来四半世紀以上も同局での放送伝道に携わり、現在も番組出演している。2005年4月には日本FEBCの代表に就任した。
また、BCLマニアの間では、ベリカード(受信確認証)がなかなか取得できない放送局の一つとしても知られていた。2日または1週間を通しての番組記録と共に、感想を添付したレポートを送らないと、ベリカードでなく「受信記念カード」が発行された。このべリカードには、日本支社発行のものと、各放送局が独自に発行するものと、2種類が存在した。各放送局への直接のレポートの場合、1回だけの聴取でもベリカードが発行され、取得が容易であった。日本支社のベリカードはシリーズベリで、送信所がある済州島の自然シリーズ・送信所シリーズ・日本支社シリーズなどあり、ベリカードと同時に「受信報告結果表」が発行される。「受信報告結果表」にある「ベリカード ○-○を発行しました。」の部分を切り取り、2日または1週間を通しての番組記録と感想を添付したレポートと「受信報告結果表」にある「ベリカード ○-○を発行しました。」の部分を一緒に送ると次のシリーズベリカードと同時に「受信報告結果表」が発行されるシステムがあり、シリーズベリカードはI-1からVI-4まで20種類あった。(I~IVは3まで、VとVIは4まである。但し、1990年のときは、I-1~II-1のべリカードの在庫がなかったため、II-2からのスタートとなった)また、イースターの時期になると「イースターベリ」が発行されることもあった。(発行基準は、シリーズベリと同じ)
宗教法人日本FEBCでは、1995年12月からベリカードの発行が中止されたが、FEBC-Korea(ソウル局)では、HLAZの受信報告に対しても引き続きベリカード(HLKXとHLAZの受信報告に対するベリカードはそれぞれ違った図柄)が発行されている。
[編集] 宗教法人日本FEBC
- 〒180-0001 東京都武蔵野市吉祥寺北町四丁目13-2
[編集] FEBC-Korea
大韓民国国内向けの宗教番組専門の放送はソウル特別市、済州市、大田広域市、木浦市、昌原市、蔚山市、浦項市、束草市から行われている。HLKX(ソウル)とHLAZ(済州)の中波放送では朝鮮語、中国語、英語、ロシア語(HLAZでは先述した日本語も)の言語の番組も放送されている。
[編集] 極東放送(ソウル特別市)
住所:P.O.Box 88, Mapo, Seoul 121-707,KOREA.
(서울特別市麻浦郵逓局私書函88号)
HLKX 1188kHz Output:100KW/FM106.9MHz Output:5KW.
[編集] 大田極東放送(大田広域市)
住所:233-15, Chijok-dong, Yuseong-gu, Daejeon 305-711,KOREA.
(大田広域市儒城区知足洞233-15)
放送時間:24時間
FM93.3MHz Output:5KW
[編集] 嶺東極東放送(束草市)
住所:500-1, Jangsa-dong, Sokcho-si, Gangwon-do 217-130,KOREA.
(江原道束草市章沙洞500-1)
放送時間:19:00~17:00
FM90.1MHz Output:3KW
[編集] 浦項極東放送(浦項市)
住所:164-11, Daedo-dong, Nam-gu, Pohang-si, Gyeongsangbuk-do,KOREA.
(慶尚北道浦頃市南区Daedo-dong[製鉄洞?]164-11)
放送時間:24時間
FM90.3MHz Output:3KW
[編集] 蔚山極東放送(蔚山広域市)
住所:459-7, Yaeum 2-dong, Namgu, Ulsan-si,KOREA.
(蔚山広域市南区也音2洞459-7)
放送時間:24時間
FM107.3MHz Output:3KW
[編集] 昌原極東放送(昌原市)
住所:117, Jungang-dong, Changwon-si, Gyeongsangnam-do 641-030,KOREA.
(慶尚南道昌原市中央洞117)
放送時間:24時間
FM98.1MHz Output:5KW
[編集] 木浦極東放送(木浦市)
住所:878-9, Sang-dong, Mokpo-si, Jeollanam-do 530-822,KOREA.
(全羅南道木浦市上洞878-9)
放送時間:24時間
FM100.5MHz Output:1KW
[編集] 済州極東放送(済州市)
住所:2761, Hagwi-ri, Aewol-up, jeju-si Jeju-do 695-750,KOREA.
(済州特別自治道済州市涯月邑下貴里2761)
放送時間:4:00~3:00(4:00~20:00は朝鮮語、20:00~21:30と22:45~2:30は中国語、21:30~22:45は日本語、2:30~3:00はロシア語とそれぞれ放送される)
HLAZ 1566kHz 250kW,100kw
- この済州だけはFM放送が行われていない。
- 済州極東放送に、受信報告書は送らないこと。ソウル特別市の本局へ国際返信切手券1枚を同封の上、郵送すること。
現在の済州極東放送の呼出符号は1980年頃までHLDAで、1980年頃に韓国の逓信部のコールサインの一斉変更業務がありHLAZに変更され、現在に至る。
[編集] 国内向け番組
[編集] 備考
FEBCシンガポール(FM102.3MHz “Voice of Graee”)で毎週土曜日23時00分から30分間(シンガポール現地時 間)から日本語放送を行っている。内容は、「恵子の郵便ポスト」と「いつも、そしてともに - マタイによる福音書 - 」の放送をしている。