震源
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震源(しんげん)は、地震(岩石の破壊)の発生した地下の場所を意味する。震央(後述)とは異なる。
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[編集] 震源と震源域
岩石の破壊は震源となる場所一カ所で起こるものではないので、岩石の破壊が最初に発生した場所を震源と言い、岩石が破壊した領域を震源域(しんげんいき)と呼ぶ。震源域はその規模によって大きく異なり、場合によっては数百kmにおよぶこともある。地震学においては、震源域と断層面はほぼ同義である。小規模な地震では震源域が極めて小さく、岩石破壊が震源に集中している場合も多い(ポイントソース)。
地震の規模と断層の長さの関係の目安を示す。
地震 | マグニチュード | 断層の長さ(km) | 断層の幅(km) |
---|---|---|---|
関東地震 | 7.9 | 130 | 70 |
昭和三陸地震 | 8.1 | 180 | 100 |
鳥取地震 | 7.2 | 33 | 13 |
東南海地震 | 7.9~8.0 | 120 | 80 |
チリ地震 | 9.5 | 850 | 130 |
日本海中部地震 | 7.7 | 120 | 30 |
長野県西部地震 | 6.8~6.9 | 15 | 10 |
兵庫県南部地震 | 7.3 | 40 | 10 |
[編集] 震源の決定
地震の発生場所は、地上の複数(3または4点以上)の観測点で得られた地震波形から、P波とS波の初動到達時刻を読み取り、決定する(グリッドサーチ法)。平面座標(緯度・経度)及び深さによって示される。気象庁では緊急地震速報を発表するために、1つの観測点で得られた波形だけから震源を一時的に推定することもある(BΔ法、テリトリー法)。当然、多くの波形が得られていたほうが震源の決定精度は高い。しかしグリッドサーチ法でも震源の深さを求めることは難しい場合があり、余震活動や、震源から数千km離れた観測点の波形を用いることで決定される。
[編集] 震源パラメータ
地震は地下の断層運動と考えられるから、地震を起こすことによってどれだけ断層が動いたかを示せば、地震の発生メカニズムを示すことになる。これを震源パラメータと呼ぶ。
震源パラメータも観測される地震波形から求められる。まず地震波の初動が「押し」であるか「引き」であるかを識別してこれを図に描き、震源球を作る。これは整理されてメカニズム解として表される。すなわち、断層の走向(strike)、傾斜(dip)、すべり方向(slip vector)である。このメカニズム解と、観測された地震波形の振幅から、断層がどれだけ動いたか(すべり量)を決定する。
このほか、震源パラメータとして重要な断層面の面積は、余震分布、地震後の地殻変動である余効変動、地震波の周波数の解析、津波などから求められる。
[編集] 震央
震源直上の地表部分を震央(epicenter)と呼び、これには深さのパラメータはない。マスコミなどで俗に震源地と言われているものである。
震源の深さの決定は難しいが、震央は比較的簡単に求められる。震央が海上にあった場合、津波の危険があるため津波警報発令等の対策を取るなど、まず震央を求めることが重要になる場合もある。
[編集] 転用
震源という言葉は、ものごと(とくに事件や騒動)の原因や渦中という意味で使われることがある。震央という言葉をなにかのたとえに使うことはほとんどない。
[編集] 参考文献
- 宇津徳治『地震学(第3版)』、共立出版、2001年
[編集] 関連項目
カテゴリ: 地球科学関連のスタブ項目 | 地震