連雲港市
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江蘇省内の連雲港市の位置(オレンジ色、市中心部は二重丸の部分。大きな丸は省都南京) |
連雲港(れんうんこう、簡体字:连云港)は、中華人民共和国江蘇省の地級市。全国十大港湾の一つである貿易港を有し、中国に14ある沿海の経済技術開発区の一つでもある。
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[編集] 地理
江蘇省の東北部にあって黄海に面し、北は山東省日照、西は徐州、淮安、南は淮安、塩城に隣接。気候は海流の影響で温暖で、年平均気温は14℃、年間降水量は930mm。全体に海沿いの平坦な土地だが、西部には山地があり、その最高点である南雲台山の玉女峰(標高625m)は江蘇省の最高点でもある。
面積は7,444km²、人口は468万8100人。農業も盛んで、水稲や小麦、綿、大豆、落花生などが生産されている。
[編集] 沿革
連雲港の古い名は海州であり、秦朝以来のこの地区の中心で重要な港だった。清朝はこの地に税関を設けている。改革解放後、中国の最初の14箇所の経済技術開発区の一つになった。
[編集] 行政区画
市政府は新浦区にある。
- 区
- 連雲区、新浦区、海州区
- 県
- 贛楡県、東海県、灌雲県、灌南県
このほか、国家級経済技術開発区がある。
[編集] 経済
連雲港はシベリア鉄道に代わる中央アジア経由の大陸横断鉄道網「新ユーラシア・ランドブリッジ」の東の終着点にあたる、重要な交通の結節点である。日本や韓国はじめ多くの国からのコンテナ航路が連雲港に着き、ここからコンテナ貨物が大陸横断鉄道に載せかえられオランダのロッテルダム港をはじめヨーロッパ、中東など40以上の国や地域に発送される。また中国最初の沿海対外開放都市の一つとして発展し、国の経済技術開発区が置かれるなど、経済活動も活発。2000年11月には、味の素が連雲港味の素冷凍食品 (有) を設立。
[編集] 交通
- 鉄道 - 鉄道は、中国を東西に貫く隴海鉄道(徐州、開封、洛陽,西安をへて甘粛省蘭州に至る)の海側の終点であり、中央アジアを経てヨーロッパ各地を結ぶ鉄道につながっている。
- 道路 - 高速道路では、中国の幹線道路のうち二つ、同三高速公路(黒龍江省同江市~海南省三亜市を結ぶ南北の沿海高速道路)と連霍高速公路(連雲港と新疆ウイグル自治区霍爾果斯(ホルゴス)を結ぶ東西横断高速道路)が連雲港で交差している。