西湖 (杭州市)
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[編集] 起源
地質学的には、一万二千年程前に形成された潟である。秦の始皇帝が銭唐に至り浙江を臨むとの記述が史記に見えるが、これが史書に見える西湖に関する初出であるといわれる。当時、まだ淡水化していなかったこの潟は銭塘江の下流、三角州の一部の干潟であったと考えられる。
[編集] 地理
- 位置:杭州市西郊にあることから西湖と呼ばれている。北緯31度25分18秒、東経120度43分10秒
- 水深:干潟であったことを示すように、西湖の水深は平均1.8m、最も深いところでも2.8mしかなく、非常に浅い湖である。
- 大きさ:南北3.3km、東西2.8km、外周15km、水域面積5.66平方km。
[編集] 名称
この干潟も漢代に淡水化し、武林水・時聖湖などと呼ばれた。西湖という名称が用いられるようになったのは唐代に入ってからだが、同時に銭源、銭唐湖などとも呼ばれており、固定していない。また、唐代にそれまでの銭唐から銭塘へ用字の変更がおこなわれた。西湖の名称が固定したのは宋代に入ってからである。
[編集] 伝承
西湖にまつわる伝承は多い。京劇白蛇伝の白素貞が入水したといわれる白堤、蘇軾の造営によるという蘇堤など、西湖十景と呼ばれる観光資源が豊富である。
中でも有名な伝承は中国四大美人の一人、西施入水にまつわるもので、この故事により西湖の名称が定着したというものである。しかし、呉越の時代にはまだ西湖は淡水化しておらず、漢代でも尚西湖とは呼ばれていなかったことから、この伝承は後代のものであろう。
[編集] 資源
西湖では現在漁業は行われておらず、湖水は灌漑にも用いられていない。このため、観光が唯一にして最大の資源である。周囲には六和塔、岳飛堂、銭塘江、龍井などがあり、龍井茶の産地としても知られる。
このうち、銭塘江は毎年中秋のころに潮汐の関係で大逆流を起こすことで知られる。
[編集] 西湖十景
断橋残雪、平湖秋月、曲院風荷、蘇堤春暁、三潭印月、花港観魚、南屏晩鐘、雷峰夕照、柳浪聞鶯、双峰挿雲