確率
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確率(かくりつ、probability)とは、ある現象が起こる度合い、ある試行が行われたあとある事象が現れる割合のことをいう。偶然性を含まないひとつに定まった数値であり、発生の度合いを示す指標として使われる。
P(B)
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確率の数学的な定式化は確率論を参照されたい。数学においては、主にある事象の確率から他の事象の確率を求める方法を記述することと、統計的な確率の正当化が中心となる。
( ※ この条項は書きかけです。)
[編集] 確率と観測
確率は、推定値を与えるだけであり、現実の事実とは関係がない。このことに注意しよう。
たとえば、コインをトスして、手で伏せる。表と裏の確率はそれぞれ50%である。その後、手を除けて観測すると、表か裏かは判明する。このとき、観測によって推定値が(0%または100%へ)一挙に変化したわけではない。確率は理論的な推定値を与えるだけである。一方、観測によって現実の事実が判明するが、それは理論的な推定値とは別のことである。
二重スリット実験でも同様だ。電子を一つずつ発射して、スリットの向こうの写真乾板に到達させる。どの位置にどのくらいの頻度で到達するかは、理論的な推定値が与えられる。一方、観測によって現実の事実が判明するが、観測によって理論的な推定値が一挙に変化したわけではない。推定値と現実とは別のことである。
[編集] 量子論と確率
量子論では、確率という概念は決定的に重要となる。古典物理学の世界では、事象は決定的であるが、量子論の世界では、事象は決定的でなく確率的に決まるだけだ。
量子論の世界で事象が確率的に決まるのは、なぜか? その理由は、よくわかっていない。事象が確率的に決まることは、実験結果からわかったことである。わかっていることは確率が確率振幅の自乗に比例することのみであり、それは量子力学の基礎原理のひとつである。別の何かの原理から導くことはできない。
[編集] 客観確率と主観確率
確率(客観確率)を拡張してできた、主観確率という概念もある。これについては、該当項目を参照。
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