相鉄8000系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
8000系電車（8000けいでんしゃ）は、相模鉄道の通勤形電車。
1990年（平成2年）から2000年（平成12年）にかけて10両編成13本（130両）が製造された。
目次 |
[編集] 概要
開発コンセプトは「21世紀になっても通用する車両」。デザインは従来の車両と様変わりしたが、相鉄の伝統でもある直角カルダン駆動方式、ディスクブレーキ、電動車にパンタグラフを設置、車体や電装品はすべて日立製作所製などの特徴は従来と変わっていない。
制御装置は新7000系の実績を踏まえてGTO素子によるVVVFインバータ制御を本格的に採用するとともに、ブレーキも電気指令式とした。
前面は、従来の切妻形のデザインを一新し、くの字型となった。
また、新7000系で試験的に導入されたセミクロスシートも本格的に採用され、各編成に2両ずつ組み込まれている。9000系の増備と合わせて新旧の6000系を大量に置き換えた。
[編集] 編成
←横浜 海老名・湘南台→
クハ8700（Tc2）-モハ8100（M1）-モハ8200（M2）-サハ8600（T2）-モハ8100（Ms1）-モハ8200（M2）-サハ8600（T1）-モハ8100（Ms1）-モハ8200（M2）-クハ8500（Tc1）
[編集] 特徴
- 座席…横浜方から5両目と8両目はセミクロスシート、その他の車両はロングシート。
- 車いすスペース…8707F以降の両先頭車に設置。
- 行先表示器…本系列から側面表示は従来の種別表示のみから行先も表示する様になっている。8708Fまでは種別表示と行先表示が別の幕式、8709F以降は種別・行先表示を一体化したLED式。
- 車内の案内表示器…8709Fまでは車両妻部にLED式の案内表示器を設置（3行）、8710F以降はドア上に変更（1行、千鳥配置）、あわせてドアチャイムも設置。
- 内装…本系列は、9000系と並行増備されたが、比較的後期の車両で、蛍光灯配置などの共通化を行っている。
- パンタグラフ…8712F以降は新製時からシングルアーム式を搭載。菱形のパンタグラフを搭載して登場した車両の一部も後にシングルアーム式に変更されている。
- 誘導無線アンテナ…従来は、海老名寄り先頭車にのみ設置されていたが、8707Fからは、同時期に登場の9000系と同様、横浜寄り先頭車にも取り付けられている。
- ロゴ…2006年秋から車体前面および車体側面に、相模鉄道のロゴおよび"SOTETSU"文字列の記載を開始している。
[編集] 運用
10両編成のため、急行・快速を中心に運転されている。朝と夜には各停での運用もある。
[編集] 事故による廃車・休車
8707Fは2004年に発生したレール削正車との衝突事故により休車となり、横浜側先頭2両は修復されることなく、2006年3月31日付けで8000系初の廃車車両となり、6月に解体された。損傷が少なかった残りの8両は同年4月1日現在も休車中で、かしわ台の車庫に留置されている。
