特殊捜査班
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特殊捜査班（とくしゅそうさはん）は正式には「特殊犯捜査係」のこと。「特殊犯」と略される。道府県によっては「特殊犯捜査班」「特殊捜査班」の場合もあるが少数。
- 警察庁では、1970年に「よど号ハイジャック事件」などを受けて刑事局捜査第一課に「特殊事件捜査係」を設置した。通称「SIT」と呼ばれている。1995年にオウム真理教の地下鉄サリン事件を受けて「特殊事件捜査室」になった。
- 警視庁では、これより早い1964年４月１日に、前年に発生した「吉展ちゃん誘拐殺人事件」の反省から「警視庁刑事部捜査一課特殊犯捜査1-4係」として誕生。英称のSpecial Investigation Teamの略からSIT(エスアイティー。シット)という通称を持つ。(単にSousa Ikka Tokusyuhannの略称と言う説もある)
- 大阪府警察では大阪府警察刑事部捜査第一課特殊犯係、通称「MAAT」（マート;Martial Arts Attack Team―直訳すると、格闘攻撃班？）と呼ばれている。
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[編集] 特殊捜査班の概要
特殊捜査班は警備部に所属する特殊急襲部隊（SAT）や、銃器対策部隊などのSWAT系部隊と装備が似通っており、強行突入も行うため混同されがちであるが、実行部隊を持つ捜査部門であり、特殊部隊と分類されないこともある。
特殊急襲部隊がハイジャックやテロ事件に際して、強襲して現場を制圧することを目的とする部隊であるのに対し、特殊捜査班は主に国内の誘拐や人質を取った篭城事件、企業恐喝、業務上過失事件などに出動し、犯人を逮捕することを目的とする部隊である。その為、犯人との交渉も任務に入っており、SATに準じた突入訓練だけでなく、交渉術の訓練も行っている。
各都道府県警察の刑事部捜査第1課に編成されており、特殊急襲部隊が存在しない県警では、ハイジャック事件などにも出動し、銃器対策部隊とともに初動体制を整え突入を行う場合もある。 ただし、ハイジャックの場合は、近隣の警察よりハイジャック対策を主任務とするSATが派遣されるため、特殊捜査班はその指揮下に入り、突入の支援作業を行うのが現状である。
通常は様々な事件を想定し、車両を使用した追跡、捜査訓練、特殊通信、電話記録取得などの訓練を各都道府県通信部などと協力して実施している。
警視庁の特殊犯捜査係は、全国の道府県警察と比べ体制が充実しており、1992年に発生した町田市民家立て籠もり事件で、犯人を逮捕し、人質を救出している。
また、1995年の東京都大田区で発生した幼児人質篭城事件の時にも、犯人逮捕のため、所轄の警察署の捜査員と共に突入している。
1998年に発生した、東京証券取引所の籠城事件の際は、三菱自動車製のトラック「キャンター」の荷台を改造した専用車両（資器材搬送車）やトヨタ「ランドクルーザー」に突入用の梯子を装備した、突入支援車両で出動した（月刊ラジオライフ掲載の写真で確認されている）。
また、2004年5月18日に栃木県宇都宮市で発生した、人質立て篭もり事件に出動し、栃木県警の突入部隊（当時は機動隊銃器対策部隊と刑事部機動捜査隊が担当。後に捜査第一課にTSITが編成される）を支援している（SATマガジン第4号掲載の写真で確認）。
武器に関しては、専用のものは未だ確認されておらず、警察の一般装備である自動式拳銃（S&W社製 M3913）を使用している。
[編集] 編成されている地域
警視庁を始め、全国の警察に設置されているが、規模の小さな県警察では、他の係と兼務している場合もある。
警視庁のSITと大阪府警察のMAATは、他の道府県警察よりも体制が充実しており、警察庁の方針により、この2隊に関しては、管轄に関係なく全国に緊急展開し、地元警察の特殊捜査班を支援する事が可能である。
この制度は「タスクフォース制度」と呼ばれている。
SITとMAATに所属する警察官は地方公務員であっても、特例的に全国規模での警察権行使が可能であるが、あくまで「地元警察の支援」に任務が限定されている。
- 指揮班 - 管理官（警視）
- 各班長（犯長）（警部）
- 各係長（警部補）
[編集] 警視庁SIT編成内容
- 専任管理官 2名
- 特殊犯捜査第1係-3係（第一特殊犯捜査）
- 特殊犯捜査第4係（第二特殊犯捜査）
警視庁では1係-3係が逆探知、通信傍受、潜入捜査、篭城突入などで現場に出ることが多い。主に誘拐・篭城事件を担当するのが1・2係であり、大挙して現場に押し寄せてくることが多い為、特に「SIT」と呼ばれる傾向が強い。
3係は業務上過失事件を主に担当する。 業務上過失事件は、警察署の刑事課でも取り扱うが、3係が扱うのは、その中でも、規模が大きな事件である。
本来は、1係から4係の、全ての係を総称して「SIT」と呼ぶのだが、4係は少人数で現場に出ることが多い為、1・2係より目立たない。 4係の担当は「特異事件」という、あまり外部に担当内容が分からないような事件を主に扱っており、SITの中でも特に機密性が高い。
[編集] ドラマ等に登場したSIT
- 「QUIZ」 財前直見主演
- 「犯罪交渉人 ゆり子」 市原悦子主演
- 「リミット もしも、わが子が…」 安田成美主演
- 「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」 織田裕二主演
- 「警視庁特殊部隊512」 財前直見主演
- 「交渉人 真下正義」 ユースケ・サンタマリア主演
- 「逃亡者 木島丈一郎」 寺島進主演
- 「交渉人」 三上博史主演
- 「交渉人」 椎名桔平主演
等
