海西モンゴル族蔵族自治州
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海西モンゴル族蔵族自治州は、中華人民共和国が青海省に設置したプー族(蔵族)およびモンゴル族を自治の主体民族とする自治州（ランキョンクル）の一つ。
公用語の正式呼称は、チベット名ツォヌプ・ソクリー・プーリー・ランキョンクル(mtsho nub Sog rigs Bod rigs rang skyong khul)、中国名ハイシィ・モンクーズゥ・ザンズゥ・ツージーチョウ（海西蒙古蔵族自治州, Hǎixī Ménggūzŭ Zàngzŭ zìzhìzhōu）。
チベット名の「ツォ(mtsho)」、モンゴル名の「ノール」とは、モンゴル名「フフ・ノール」、中国名「青海湖」で名高いティショルギャルモ湖(mtsho khri shor rgyal mo)を、「ヌプ(nub)」「バロン」とは「西」を意味し、あわせて「ティショルギャルモ湖の西」を意味する。中国名「海西」はその逐語訳である。
チベット語の「プーリー」は「プー族(蔵族)」を、チベット語の「ソクリー」はモンゴル族を、「ランキョン」とは「自治」の意で、クルは「州」に相当する地区級の民族区域自治単位。チベット人の伝統的な地理区分ではアムド地方（a mdo phyogs）の北部に相当する。またモンゴル人が伝統的に「デート・モンゴル（高地モンゴル）」と称してきた地の大部分を占める。中国名漢字表記「海西蒙古族蔵族自治州」の音読みは「かいせい・もうこぞく・ぞうぞく・じちしゅう」。
面積325,800平方キロ、青海省総面積の45%を占める。人口約37万人。州都はデリンハ市。
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[編集] 地理
チベット高原北部、青海省の西部に位置し、西は新疆ウイグル自治区、北は甘粛省、南は青海省の玉樹蔵族自治州およびゴロク蔵族自治州、東は青海省の海北蔵族自治州および海南蔵族自治州と接する。また本州の西南方には、玉樹蔵族自治州と西蔵自治区のナチュ地区とにかこまれた飛び地がある。
自然地理的には中国四大盆地のひとつであるツァイダム盆地に所在し、北はアルチン山脈、 祁連山脈、南はバヤンカラ山脈に囲まれている。州内の平均海抜は3,000メートル前後、年平均気温は摂氏マイナス5.6度からマイナス5.2度で寒冷な大陸性高原気候である。州東部は農牧地帯、州西部は鉱工業地区となっているが、大部分は人煙稀な地域である。
[編集] 歴史
古代には西羌の地であり、東晋後期から隋唐時代には吐谷渾や吐蕃の支配下にあった。明初には東モンゴル諸部が進入し、1639年よりグシ・ハン属下のオイラト族が移住し、彼らはグシ・ハン王朝の権力基盤となった。
この地域シルクロードの間道にあたり、東西交通史で重要な役割を果たしている。中国が指定した国家重点文化保護単位として、都蘭県の熱水吐蕃古墓群などがある。
- 1954年海西蒙古蔵族哈薩克族自治区が成立し、都蘭に自治区人民政府がおかれた。
- 1955年自治州に改称。
- 1963年海西蒙古族蔵族哈薩克族自治州と改称
- 1966年自治州人民政府はデリンハ市に移転
- 1985年1930年代に新疆方面から侵入し、この地の住人となっていたカザフ族を新疆に再移住させ、海西モンゴル族蔵族自治州と改称して現在に至っている。
[編集] 行政区画
海西自治州は2市、3県、3行政委員会を管轄する。
- デリンハ市 - 面積27,613平方千米、人口 6万。
- ゴルムド市 - 面積123,460平方千米、人口10万。
- 鳥蘭県 - 面積 10,784平方キロ、人口10万。県人民政府は希里沟鎮に所在。
- 都蘭県 - 面積 50,000平方キロ、人口 5万。県人民政府は察汗鳥蘇鎮に所在。
- 天峻県 - 面積 20,000平方キロ、人口 2万。県人民政府は新源鎮に所在。
- 冷湖行政委員会 ―― 冷湖鎮に所在
- 大柴旦行政委員会 ― 大柴旦鎮に所在
- 茫崖行政委員会 ―― 花土沟鎮に所在
[編集] 民族
総人口37万人のうち、漢族が最多で30万人近く、モンゴル族2.5万人、チベット族4.1万人、残りは回族などわずかである。近年の移住によって漢族人口が増加した。
[編集] 関連項目
- チベット
- 民族区域自治
- 国家民族事務委員会
- 民族自治区の一覧
- 盟・自治州・地区・地級市の一覧
- 自治区・旗の一覧
【チベット人自身の伝統的地方区分】
[編集] 外部リンク
- 海西州紹介サイト（中国語）
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