気圧計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
項目一部転記の提案:この項目はアネロイド気圧計との間で記事内容の一部転記が提案されています。一部転記に関する議論はノート:気圧計を参照してください。 |
気圧計(きあつけい)とは、大気の圧力を測定する器具のことである。気圧は天候の変化に対応する重要な測定項目として、ほとんど全ての気象観測点で観測が行われているため、用途に応じた様々な種類の気圧計が用いられている。レーザー干渉計・航空機・GPSなどでは、大気(空気)の圧力に伴う物性の変化(密度、屈折率など)を原因とする誤差を補正するため、その目的に応じた気圧計が用いられる。
地上からの高度と気圧の間には一定の関係があるため、気圧計と同じ構造のものが高度計として用いられる場合がある。
目次 |
[編集] 水銀気圧計(フォルタン水銀気圧計)
一端を封じたガラス管の内部に水銀を満たし、水銀溜めの水銀に倒立させた構造である。ガラス管の内部の水銀の高さから気圧が分かる。気象観測における標準計器として用いられている。
水銀溜めの下部は、皮製の袋をネジで押し上げて液面の高さを調整する構造になっており、水銀溜め内部の液面が象牙の針の先端に接するようにして目盛りを読み取る。より厳密には、温度・重力加速度による補正が必要である。
高価であること、全長が長く重量が重いこと、衝撃等に弱く運搬に適さないことが欠点である。
[編集] アネロイド型気圧計
アネロイド(Aneroid)型気圧計は、内部の圧力を低くした、円筒形の金属の密閉容器(ベローズ)を大気圧でつぶれないように引っ張り、その力を測定して気圧に変換する構造である。語源は、ギリシャ語のa(否定の意味)とneros(湿った)から。構造が簡単なため、家庭用や携帯用として広く用いられている。温度計と兼用にした製品もある。水銀気圧計と比較して精度は劣るとされるので、気象観測用として検定の対象となるものは、2個のベローズを対称に設けたり、バイメタルにより温度補償を行ったりしている。気圧と高度の対応目盛りが付いたものは、登山などにおける高度の測定に用いられる。
アネロイド気圧計の一種として、ゼンマイなどの動力で回転するドラムに巻かれた記録用紙に、気圧の時系列を自動的に記録する自記気圧計もある。近年では、圧力センサの出力をアナログ-デジタル変換してコンピュータで記録する機器に置き換えられている。
[編集] ブルドン管気圧計
ブルドン管気圧計はCの形になっている密閉容器が圧力差によって変形するのを利用して指針を動かすようにした圧力計である。1852年にフランスのBourdonが発明した。構造が簡単であり、現在も工場などで安価な圧力計として用いられている。
[編集] 半導体気圧センサ
近年では、半導体を用いたセンサにより気圧を電気信号として出力し、デジタル信号として記録するすることが行われている。
静電容量式センサは、集積回路の技術を応用して、密閉した構造のシリコン製のコンデンサを形成し、気圧による電極間の距離の変化を静電容量の変化として記録するセンサである。加工の精度が非常に高いため、精度や安定性の点で優れている。
[編集] 関連項目