殿馬一人
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殿馬 一人(とのま かずと)は、漫画「ドカベン」に登場する架空の人物。アニメ版での声優は肝付兼太。
目次 |
[編集] 概要
- 誕生日は1月2日。
- 高校・プロを問わず一番背が低い。高2秋時点で163cm。
- 口癖は語尾につける「づら」、そのため山田太郎の妹サチ子からは「ズラ」とあだ名されている。
- 学秀院中等科でピアノをやっていた。指が短いために弾けない曲があったために指のマタを広げる手術をする。
- 後に、街で学校へと急ぐ山田を見て圧倒的な存在感に驚愕し、追うように学秀院を中退して鷹丘中に転校し、野球部に入部。類まれな野球センスの持ち主だが決して表に出さない性格で山田以外は誰も見抜けなかった。
- その名字から、とんまと呼ばれるが(特に岩鬼から)、実際は期末試験で学年で2位を取るほどの秀才(ちなみに、その時貼り出されていた「期末テストベスト20」の表の名前は「殿馬数人」となっていた)。
- 明訓高校進学後、さらに野球センスを開花させていくことになる。
- リズム打法による打撃を得意としていたが、パワー不足のために、秘打を用いることもある。
- 俊足でバント成功率が高く、守備もリズムを刻みながらこなし守備範囲が非常に広く上手い。勘の働きが鋭く、味方ですら読めない位置に守っていることが多く、幾多のピンチを救った。グラブ捌きも特筆ものでトスによる封殺が数多い。またエラーをサッカーのシュートのようにキックによる『送球』で封殺してカバーしたこともある。本来は右投だが、1~2塁間程度なら左でも投球できる。
- 一年の頃からレギュラーとして活躍。2番を打ち守備は主に二塁手だが投手の経験もある。投手の時は秘打ならぬ『秘投』を披露。
- 元々は音楽志望で野球部の活動が落ち着く時などにはピアノ発表会などに出場して、ピョートル・チャイコフスキー作曲の『白鳥の湖』を編曲し甲子園大会をモチーフにした『秘打・白鳥の湖』で最優秀賞を受賞したり、世界一の指揮者・アルベルト・ギュンターの目に止まり楽団への招聘を受けたりするほどの腕の持ち主で、音楽か野球かの進路に迷う。しかし、高校の先輩であり監督でもあった土井垣将がプロ入り初打席でホームランを打ち、野球の道を選ぶ。また、高校卒業後にも楽団への進路に迷うが、最後には一蹴。本人によると、「音楽はいつでも出来る。山田を敵に回してみたい」とのこと。
- 三年の夏の甲子園終了後、プロ野球ドラフト会議5位指名によって、高校卒業後にオリックス・ブルーウェーブ(現・オリックス・バファローズ)に入団。殿馬在籍時のオリックスは2回リーグ優勝し、1回日本一になっている。
- 作者が殿馬をオリックスに入団させたのは、イチローの強い希望があってのこと。イチローは「殿馬が好きだから、絶対オリックスに入れてください! 僕が一番、殿馬が二番!」と打順まで要望し、願い叶って二人は作中で名コンビとして活躍した。(『水島新司 夢の途中』より)
- イチロー在籍時のオリックスはイチロー・殿馬の1、2番コンビの1番イチローが出塁すると2番殿馬は一死からでもバントという野球をしていた。このふたりはイチローが2000年にメジャーリーグに挑戦するまで、プロ野球屈指のコンビ、そして毎年首位打者を争うライバルだった。
- 現在は土井垣将率いる東京スーパースターズに所属。
- 四国アイアンドッグスのマドンナとは恋人関係。
- 初期ではユニフォームのシャツを外に出していたこともあった。
- 仙石線を走る「マンガッタンライナー」のあおば通方面先頭車に水島新司のサインと、殿馬 一人のイラストが書かれた色紙がある。殿馬の台詞は「秘打・マンガッタンライナー」。
- 初期の名前は「かずひと」だった。
- 負傷の山田太郎に代わりサヨナラホームラン
[編集] 秘打
- 秘打・花のワルツ
- バットを地面に叩きつけながら打つ。すると打球が凄まじい回転を起こし、砂煙が花のように舞い上がる。野手が捕球しようとしてもその回転の凄まじさ故にすぐには捕球できず、その間に1塁へと駆け抜けてしまう。バットが必ず折れる。
- 秘打・白鳥の湖
- もっとも有名な秘打。白鳥の湖を踊るバレリーナを連想させる回転打法で、自身の非力を補うために速球投手、剛球投手を相手に多用した。変化球やチェンジアップに弱いという弱点を持ち、失敗例も多い。
- 秘打・白鳥の湖・編曲版
- 秘打・白鳥の湖の別バージョンで、回転しながらタイミングを図り打つ打法。
- 秘打・ポテトチップ
- 体を一旦キャッチャー側へ引き、勢いをつけてボールをカット。野手があと1歩というところで落ちるポテンヒット。
- 秘打・皇帝円舞曲
- 秘打・黒田節
- バットのヘッドでカットするバント。剛速球投手のボールを強烈にカットするために打球が逆回転しバウンドが変わる。投球リズムが黒田節の曲調だったので命名。殿馬自身2.5の視力ゆえの秘打。
- 秘打・G線上のアリア
- ファールライン上にボールが停止する、絶妙のセーフティバント。秘打名は、「野手がじーっと線上のボールを見る、そして、ボールが切れずに『ありゃ』」という語呂合わせから。2002年の最終戦で、プロ入り後初の首位打者獲得を決めた秘打でもある。
- 殿馬自身の使用は実は少ないが(失敗例としては多い)、「白鳥の湖」と並んで有名な秘打で、作中でも犬飼知三郎やドカベン山田が、あるいは狙ってあるいは偶然にファウルライン際の内野安打を放った時、「秘打・G線上のアリアだ」とおどける場面があった。
- 秘打・不死鳥
- 秘打・なすがまま
- 秘打・回転木馬
- 1度空振りしたバットが1周回ってきて左腕1本で打つもの。チェンジアップに対して有効な打法だが、小フライになるためにアウトになる可能性もある。
- 秘打・円舞曲別れ
- 特注の長尺バットを短く持ち、またピッチャーに背を向けることでそれを隠す、独特のフォームからの長打狙いの秘打。土佐丸高校との決勝戦で、明訓高校の甲子園夏春連覇を決めるサヨナラ本塁打を放った。タイトルに象徴されるように、ここ一番での隠し技的な秘打であり、その後用いられたことはない。
- 秘打・ハイジャック
- 独特のアッパースイングから打球にスライス回転を与え、平凡な二塁フライと見えた打球が大きく変化してポテンヒットとなる。2年夏の白新高校戦で使用、不知火守のノーヒットを破るとともに、有名な「ルールブックの盲点の1点」の伏線を演出した。
- 秘打・引き潮
- 秘打・くるみ割り人形
- 秘打・ツィゴイネルワイゼン
- 大甲子園の室戸学習塾戦で使用。本来右打席だが左打席に立ち、さらに目一杯まで投手よりに立って構えることで、相手守備陣にはレフト方向へ流し打ちしてくると見せかけ、しかしその実裏をかいてライト方向へ打つのではないかと思わせ右寄りのシフトをしかせておいて、やはりレフトへ打つ、という秘打。こう書くと訳がわからないが、室戸義塾の監督がかつての明訓監督・徳川家康であることも踏まえて、裏の裏のその裏を狙った秘打、ともいえる。結局、室戸義塾のエース・犬飼知三郎にもう一枚上手をいかれ、打席から足が踏み出していたために、反則打球でアウトとなる。知三郎によれば、ツィゴイネルワイゼンを作曲したサラサーテはバイオリニストで、殿馬にはピアノ曲でなくてはやはり似合わない、とのこと。殿馬が一本とられる非常に珍しいシーンを見ることが出来る。ちなみにこの試合で殿馬は犬飼にことごとく裏をかかれ、完全にバッティングを狂わされてしまった。
- 秘打・華麗なる大円舞曲
- 高校生活最後の秘打。セカンド強襲の内野安打になり、山田の決勝ホームランを呼び込んだ。
- 秘打・鑑賞
- 秘打・美しき青きブルーウェーブ
- 前述の「秘打・鑑賞」の次打席、打った打法。打った打球がセカンドへライトへと方向が変わる。結果は三塁打。
- 秘打・グリップバント
- 秘打・ロケットバント
- 秘打・オートマチック
- プロ野球編で使用。三塁ベースへ打球を命中させてヒットにする秘打。一塁手福浦和也から「お前の秘打はクラシック音楽じゃないのか?」と問われた殿馬は「最近は浜崎あゆみや宇多田ヒカルに凝ってる」とうそぶいていた。またこれに似た打法に秘打・こんぺいとうの踊りがある。
- 秘打・ウィンナーワルツ
- 秘打・冬のソナタ
- 秘打・ブルーマウンテンチェーン
- 「青い山脈」の英訳。投球前からバントで構えておき、ジャンプしてバントをする。小フライとなった打球がバントシフトからダッシュしてきたサードの頭上を越えポトリと落ちる。ランナーがいるとき内野安打を狙うもの。この秘打でオリックスの1試合11二塁打の日本記録を達成した。
- 秘打・マドンナ
- スーパースターズ編で使用。つま先立ちをすることで、低くなった球道を腕を目いっぱい伸ばした状態でさらに、バレエの回転で打つことにより驚異的な飛距離を出すことができる秘打。恋人であるアイアンドッグスのマドンナのバレエを見て思いついたことが名前の由来。
[編集] 略歴
- 球歴・入団経緯 明訓高校-オリックス・ブルーウェーブ(1995年~2003年)-東京スーパースターズ(2004年~)
[編集] 主な記録
[編集] 背番号
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