有間川駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
有間川駅(ありまがわえき)は、新潟県上越市大字有間川字平浜1075にある西日本旅客鉄道(JR西日本)北陸本線の駅である。
目次 |
[編集] 駅構造
相対式ホーム2面2線をもつ地上駅。北陸本線複線化の際に海岸沿いの難所に作られたホームである。駅舎に接するホームに直江津方面の列車が発着し、反対側のホームには富山方面の列車が発着する。跨線橋はなく二つのホームはホームの直江津方にある構内踏切で連絡している。この構内踏切には警報機および遮断機が設置されている。
駅舎は木造平屋建てで古くからのものである。駅舎内部では駅事務室も残るが無人駅であるため使われていないだけでなく各種窓口は掲示板でふさがれている。駅舎内部にはそのほかに待合所がある。待合所の内部には椅子は一切設置されていない。
ホームには駅舎のほかに構内踏切から直接外に出るものや富山方面ホームから直接駅舎とは反対側にでるものなど多数出入り口がある。国道から駅舎へ行くためには細い坂道をしばらく登らなければ成らないためこれらの出入り口のほうが利便性は高い。
ホームが日本海沿いを走る国道8号よりも高い位置にあるため、駅舎出口からは日本海がよく見える。
[編集] 駅周辺
上越市有間川にある駅で、有間川漁港も近い。直江津方面ホームのあちこちから出る出口から、坂を下って海側を走る国道8号に出ることができる。
- 有間川漁港
- くわどり湯ったり村(桑取温泉)
- 駅から桑取川をさかのぼることおよそ8キロメートルほどのところにある温泉である。
- 上越市立潮陵中学校
- 上越市立谷浜小学校
- 国道8号
[編集] 歴史
明治35年(1902年)に北陸線敷設の測量が始まり、鉄道の到来が現実のものとなりつつあった時期には、長浜(谷浜)の停車場が既に決定しているとの情報が流れて、有間川住民は駅の設置を鉄道当局に約束させるべく運動を展開したが、鉄道当局は次の二点をあげて難色を示した。
- 先行している長浜駅(谷浜駅)と有間川は4kmと全国に例のない短区間であること。
- 駅を設置するために必要な土地の確保が難しいこと。
次に住民たちは陳情を行うが、これも功を奏することなく終わった。昭和19年(1944年)、最後の手段として住民は運輸通信省次官長崎惣之助に面接陳情したが、当時は大戦中でもあり、長崎も駅設置の陳情などに応える余裕が無く結局駅の設置は見送られることとなった。
戦後、周辺村の協力を得て、長い年月をかけ地域を挙げた陳情の熱意が通じ、新潟鉄道局の正式な認可を得る。そうして昭和21年(1946年)の9月1日にこの駅はついに開業を見た。
ちなみに有間川駅の昭和36年(1961年)の1年間の乗客数は112,195人、降客数109,302人、旅客収入3,150,217円、貨物収入2,700,155円と記録されている。
昭和44年(1969年)、北陸線の複線電化工事が完成した段階で、国鉄は厳しい世論を受け徹底した合理化を実行することとなった。沿線住民は首長を先頭に反対運動を起こし、国鉄労働組合もこれに呼応して合理化反対に立ち上がり、大きな社会問題へ発展していったがこの駅も結局昭和45年(1970年)3月に無人駅となった。