新城藩
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新城藩（しんしろはん）は、三河国（現在の愛知県新城市字東入船）に存在した藩。藩庁は新城城。
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藩史
天正3年（1575年）の長篠の戦いで織田信長・徳川家康連合軍の勝利に貢献した奥平信昌は、戦後に信長と家康より賞賛された。そして信昌は家康の命により豊川沿いに新城を築城することを命じられ、天正4年（1576年）9月には完成させた。そして城下町の建設や領内の開発に尽力した。このことから、信昌によってこの地を新城（しんしろ）と名づけられたと言われている。
家康が小田原征伐後に関東に移ると、新城は吉田に入った池田輝政の支配下に入った。輝政が関ヶ原の戦いにおいて武功を挙げたため、播磨国姫路藩に加増移封となった後の慶長11年（1606年）、尾張国緒川藩より水野分長が1万3000石で入ったことにより、新城藩が立藩したのである。分長の後は子の水野元綱が継いだが、元綱は上野国安中藩に移封となる。
代わって慶安元年（1648年）に丹波亀山藩より菅沼定実が新城に入った。菅沼氏は丹波亀山で4万石を領していたが、菅沼定昭が嗣子無くして早世してしまったため、本来なら無嗣断絶となるはずであった。しかし菅沼氏の祖先である菅沼定盈の功績などを考慮した幕府は、特別の計らいで定昭の弟・定実に7000石、同じく弟の菅沼定賞に3000石を与えて菅沼氏の存続を許したのである。7000石と3000石、合計すれば1万石であるが、分裂していたために菅沼氏は大名としてではなく、1万石の交代寄合という異例の扱いを受けていた一族であった。ただし、幕府は1万石ということから、名目上は大名としては認めなかったが、実質的には大名として扱った。参勤交代の義務もあったし、帝鑑の間に詰めることも許されていたのである。
菅沼氏の政務は初代当主・定実の時代に整備された。川舟の中継地点であったことから新城は大いに繁栄し、ある史書では「山の中でも新城は都。月に一度は市がたつ」、「山の湊。新城」と評されている。
菅沼氏は教養に優れた人物も多く、菅沼耕月や菅沼曲水は松尾芭蕉の門下となった。また、第5代当主・菅沼定前は藩校・「有教館」を創設している。第11代当主・菅沼定長は幕末期の中で海軍奉行となり、幕府の命令でフランスにも留学している。
定長の時代に明治維新を迎えた新城は、三河県、伊那県、額田県を経て、愛知県に編入されたのである。
歴代藩主
水野（みずの）家
譜代。1万3000石。
菅沼（すがぬま）家
譜代。7000石と3000石（合計1万石）。
- 菅沼定実（さだざね）
- 菅沼定賞（さだよし）
- 菅沼定易（さだやす）
- 菅沼定用（さだもち）
- 菅沼定庸（さだつね）
- 菅沼定前（さださき）
- 菅沼定賢（さだかた）
- 菅沼定邦（さだくに）
- 菅沼定志（さだゆき）
- 菅沼盈富（みつとみ）
- 菅沼定信（さだのぶ）
- 菅沼定長（さだなが）
