感謝祭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
感謝祭(かんしゃさい、英語:Thanksgiving Day)は、アメリカ合衆国とカナダの祝日のひとつ。Thanksgivingと略称されたり、あるいは七面鳥の日(Turkey Day)と呼んだりもする。アメリカでは11月の第4木曜日、カナダでは10月の第2月曜日になっている。
感謝祭は、イギリスからマサチューセッツ州のプリマス植民地(Plymouth Colony)に移住したピルグリムファーザーズの最初の収穫を記念する行事であると一般的に信じられている。ピルグリムがプリマスに到着した1620年の冬は大変厳しく、大勢の死者を出したが、近隣に居住していた北米先住民ワンパノアグ族(Wampanoag)の助力により生き延びることができた。翌1621年の秋は、とりわけ収穫が多かったため、ピルグリムファーザーズはワンパノアグ族を招待し、神の恵みに感謝して共にご馳走をいただいたことが始まりであるとされる。しかし、イギリス人の入植者もワンパノアグ族も秋の収穫を祝う伝統を持っており、この年のこの出来事は特に感謝祭と位置づけられてはいなかった。プリマス植民地で最初に祝われた1623年の感謝祭は食事会というよりもむしろ教会で礼拝を行い、神に感謝を捧げる宗教的な意味合いが強かった。
[編集] アメリカ合衆国の感謝祭
現代の感謝祭では、宗教的な意味合いはかなり弱くなっており、現代アメリカ人の意識の中では、たくさんの親族や友人が集まる大規模な食事会であり、大切な家族行事のひとつと位置づけられている。
感謝祭の朝には、大統領が二羽の七面鳥を屠殺される運命から恩赦する(Turkey Pardon)という行事がホワイトハウスで行われる。ニューヨーク市の百貨店メイシーズでは、1924年から毎年(第二次世界大戦のために1942年から1944年まで中断されたことを除き)巨大な風船を用いたパレード「Macy's Thanksgiving Day Parade」が恒例行事となっている.また、通常は日曜日と月曜の夜しか行われないNFLの試合が3試合(ダラス・カウボーイズとデトロイト・ライオンズのホームゲーム2試合が行われるのが通例だったが、2006年からはもう1試合増加した)行われる.
州によっては感謝祭の翌日の金曜日もThanksgiving Fridayとして祝日扱いとなっており、また祝日でない州においても企業が独自に休日を設定している場合もあるため、感謝祭が4連休の祝日となる場合が多い。感謝祭が過ぎるとクリスマスまで約ひと月となり、クリスマスプレゼントのショッピングが激化するため、小売店のほとんどは客足をあてこんで金曜日から特別セールを行う。金曜日のセールで小売店の収支が黒字になることから感謝祭の翌日を「ブラック・フライデー」、週明けの月曜日に職場の高速回線を利用してウェブ通販でプレゼントを購入する人が多いことから感謝祭休み明けの月曜日を「サイバー・マンデー」と呼ぶ習慣がある。感謝祭からクリスマスまでのひと月は、小売店の年間の総売上の約半分を占めるという。
[編集] カナダの感謝祭
カナダの感謝祭も、プリマス植民地での出来事を記念するものと考えられており、独立戦争後にアメリカ合衆国から英領カナダに移住した王党派(ロイヤリスト)が持ち込んだ習慣である。カナダの感謝祭は10月の第2月曜日なので通常3連休だが、金曜日も休日として4連休とする州もある。
[編集] 感謝祭の食事
伝統的な正餐のメインディッシュとはなるのは、角切りにしたパンを用いた詰め物(「スタッフィング(stuffing)」または「ドレッシング(dressing)」と呼ばれる)を詰めた大きな七面鳥の丸焼きである。そのため、感謝祭の日は「七面鳥の日」(Turkey Day)と口語的に呼ばれることもある。ベジタリアン向けには、七面鳥を模し豆腐や麩で作った食品(トーファーキーなど)も市販されている。切り分けた七面鳥にグレービーソースとクランベリーソースを添えて供する。
副菜には、マッシュポテトとグレービーソース、オレンジ色のサツマイモの料理、さやいんげんのキャセロールなどが一般的である。デザートには、アップルパイやパンプキンパイが供されることが多い。
感謝祭の伝統的な食事をいつ摂るかは、昼食、夕食、午後4時ごろなど、家庭によって異なる。また、ほとんど同じ献立をクリスマスの正餐に用いる家庭が多い。
![]() |
この「感謝祭」は、キリスト教に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。 |