小松政夫
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小松政夫(こまつまさお、本名・松崎雅臣(まつざき・まさおみ)1942年1月10日 - )は日本のコメディアン、タレント、俳優。愛称は親分さん、小松の親分(自らのコントから)。
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[編集] 来歴
福岡県福岡市博多区出身。福岡県立福岡高等学校定時制卒業。
1961年に俳優を目指し上京する。
魚河岸をはじめとしてなどさまざまな職業を経験し、トヨタ自動車の販売ディーラー・横浜トヨペットのセールスマン時代に公募により植木等の付き人兼運転手となり、その後芸能界入りを果たす。なお、セールスマン時代の成績はめざましく、初任給1万円の時代に月給12万円を稼いでいたという。それを生み出す顧客とのセールストークや会社内での上司との丁々発止のやりとりは周囲の人気者に押し上げて(さらに後に数々のギャグの礎となり)、芸人を志すに踏み切った。ちなみに、植木等の付き人兼運転手時代の給料はわずか6千円だった。
デビューは「シャボン玉ホリデー」。その後キャバレーのホステスの会話や学校の担任など、身近な人からヒントを得たギャグや、レギュラー番組のコーナーからヒットした「電線音頭」(1976年発売)「しらけ鳥音頭」(1978年発売、60万枚を売り上げた)、物真似(十八番は淀川長治)で一躍人気コメディアンとなる。
正式なコンビというわけではなかったが、伊東四朗との息のあったコンビは有名である。「みごろ!食べごろ!笑いごろ!」や「笑って笑って60分」では「小松の親分さん」など数々の名コントを演じた(先の「電線音頭」や「ずんずんずんずん~小松の親分さん♪(ニントス~はここから)」など)。
植木等の代表的なギャグである「お呼びでない」が生まれるきっかけを作ったのも、この小松政夫。
植木等の付き人時代、植木が出演していた生放送の「シャボン玉ホリデー」でのショートコントの最中、勘違いして出番前ではないのに「出番です」と植木に言ってしまい、植木がつい出てしまった。当然周囲は植木の登場に唖然としたが、その瞬間に植木は機転を利かせて「お呼びでない・・・こりゃまた失礼致しました」とアドリブを放った。傍で見ていたプロデューサーは大爆笑し、以後、毎回のように使われるようになった。
一言で「お笑い」といっても、彼の携わった笑いは時代と共に若干変化している。
1960年代はクレージーキャッツの取り巻きの一人として活躍した、テレビ歌謡バラエティ全盛時としての笑い。
1970年代は本来畑違いである軽演劇出身の伊東四朗との掛け合いによる、B級テイスト溢れるコント系バラエティとしての笑い。
1980年代はタモリ、団しん也、イッセー尾形等といったピン芸人達との交流で培ったサブカルチャーの要素が入った、一風洒落た感じの笑い。
1990年代以降は笑いそのものからは遠ざかり、本格的な俳優路線に入り現在に至る。
現在もバラエティやテレビドラマ、舞台など多方面で活躍中である。伊東四朗が小松を「こんなに引き出しのある人はいないんだから」と評したことがあるが、数多くのギャグの引き出しも健在である。
[編集] ギャグ
- 「どうして!どうして!おせーて!」(ホステスの会話より)
- 「もーイヤ、もーイヤこんな生活!」(ホステスの会話より)
- 「どうかしとつ、ながーい目で見てください」(ホステスの会話より、目を横に引っ張り長く延ばしながら)
- 「もー知らない!知らない!知らない!」(セールスマン時代にいた厳つい風貌の上司の会話より)
- 「ニントスハッカッカ、マー!ヒジリキホッキョッキョ!トーベトベトベガッチャマン~、ガ~ッチャマンニマケルナ、マケルナガッチャマン、ワ~!」(小学校時代の担任の女の先生が小松を励ました時の言葉より)
- 「表彰状、あんたはエライ!」
- 「悪りーね、悪りーね、ワリーネ・デイートリッヒ」
- 「よーやる、よーやる、よーやるゼリー」
- 「上手だね、上手だね、西方じょうずだね。東方xxxxだね。福岡県出身、鼻くそ部屋」(xxxxはシーンによって異なる)
- 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク!」(モーツァルトの曲より)
[編集] 主な出演作品
[編集] テレビドラマ
- 前略おふくろ様
- はるちゃん5
- 大岡越前第12~15部
- 江戸を斬るⅦ~Ⅷ
- Age,35 恋しくて
- 必殺仕置屋稼業
- 西遊記
- 総理と呼ばないで
- 走らんか
- ハケンの品格(2007年、日本テレビ) - 小笠原繁 役
[編集] 映画
[編集] テレビコマーシャル
- 石村萬盛堂・塩豆大福(CM内では昭和30年代に石村萬盛堂で働いていたことが表示されている)
- 新生住宅・ロワールマンション(福岡ローカル。RKBニュースワイドの提供スポンサーだった)
- フンドーキン醤油・ゴールデン紫
[編集] 吹き替え
- アルフ(ウィリー・タナー役)
- トッツィー(ダスティン・ホフマン扮するマイケル=トッツィー)
- 案山子男(レイ・ボルジャー役、NHK吹き替え版)
[編集] 舞台
- イッセー尾形と小松政夫の二人芝居
ほか
[編集] 関連項目
カテゴリ: お笑い芸人 | 1942年生 | 過去の渡辺プロ系列所属者