大阪電気軌道長谷線
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長谷線(はせせん)は、かつて近畿日本鉄道(近鉄)の前身である大阪電気軌道(大軌)が保有していた鉄道路線である。
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[編集] 概要
真言宗の古刹として知られる長谷寺は、古くから「初瀬(はせ)詣で」として多くの参拝客を集めていた。そのため国鉄桜井線の桜井駅より分岐して、長谷寺より1km手前の初瀬駅に至る鉄道を参拝輸送などの目的で建設することになり、1909年(明治42年)に開業した。
会社は当初「初瀬軌道」と称したが、後に「初瀬鉄道」と改称し、さらに大正になると「長谷鉄道」に再編するなど、改変を繰り返した。
その後、近鉄の前身である大軌が子会社の参宮急行電鉄(参急)を設立し、桜井駅から伊勢神宮へ向かう路線を建設することになったが、長谷鉄道ではこれが開業すると全線で並行する形になるため、会社では競争を避け補償も兼ねる目的から、1928年(昭和3年)に大軌へ合併することにして同社の長谷線となった。
その後、1929年(昭和4年)に参急線が開業すると、乗客も予想通り激減したため1938年(昭和13年)に廃止された。
[編集] 路線データ
- 路線距離:桜井-初瀬間5.6km
- 軌間:1067mm
- 駅数:2
- 停留所数:5
- 電化区間:なし
- 複線区間:なし
[編集] 運行概要
1933年12月20日当時
- 運行本数:6時から22時台まで日19往復(毎時ほぼ1本で、夕方2本)
- 所要時間:全線14分
なお当時、参急本線の桜井-長谷寺間は所要6分、終日1時間間隔
[編集] 沿革
- 1909年12月11日 初瀬軌道により開業
- 1912年 初瀬鉄道と改称
- 1915年4月13日 新設の長谷鉄道へ事業譲渡
- 1928年1月8日 大阪電気軌道に合併、同社の長谷線となる。
- 1929年10月27日 参宮急行電鉄が桜井-長谷寺間開業
- 1938年2月1日 廃線
[編集] 車両
開業時、初瀬軌道ではアメリカのフロンティア期における蒸気機関車のような「カウキャッチャー」(排障器)を取り付けた、日本では珍しい蒸気機関を使用した気動車を導入した(日本の気動車史も参照)。
この蒸気動車は長谷線の廃止後に余市臨港軌道・小湊鐵道へ渡り、そのうち1両は小湊鐵道で無動力の客車に改造されながらも1954年(昭和27年)まで使用された。
[編集] 駅一覧
- 桜井駅 - 北口停留所 - 外山停留所 - 宇陀ヶ辻停留所 - 慈恩寺停留所 - 黒崎停留所 - 初瀬駅
慈恩寺停留所は、1944年に開設された大和朝倉駅に近接。初瀬駅は長谷寺駅より大阪寄りにあり、現在は観光バス用の駐車場と化している。
[編集] 接続路線
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