大槻ケンヂ
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大槻 ケンヂ(おおつき ケンヂ、男性、1966年2月6日 - )は、日本の東京都中野区野方出身のロックミュージシャン、作家、女性アイドル評論家であり。自称・史上最弱の空手家、ハードロッカー。日本SF作家クラブ会員。身長178cm。本名は大槻 賢二(おおつき けんじ)。愛称は「オーケン」。
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[編集] 経歴
父親は信用組合の元役員。東京都立田柄高等学校出身(1期生)、日本デザイナー学院中退、東京国際大学中退。
少年時代は漫画家を目指していたが、中学の同級生内田雄一郎と共にYMOに影響を受け、1979年にバンド「ドテチンズ」(ドンズ)を組んで音楽の世界へ(なお大槻は当時から現在に至るまで演奏できる楽器がなく、当時は健康器具の青竹を踏んで音を出したりしていた)。1983年にナゴムレーベルからカラオケユニット「空手バカボン」でデビュー。そして同時期に既に結成していたロックバンド筋肉少女帯のボーカル兼作詞家として1980年代後半からのバンドブームにのってメジャーデビューする。初期の売り文句は「親から革パンツを買ってもらうロッカー」。
レコード会社を数社移籍後、1999年に筋肉少女帯を脱退。新バンド・特撮を結成して活動を行っている。筋肉少女帯時代の一部のメンバーとは一時決別状態であったが、近年イベントなどを通じ「仲直り」し、2006年7月に復帰。12月に復活ライブを行う。
筋肉少女帯として活躍する傍ら文筆活動を始めた。小説に『新興宗教オモイデ教』『グミ・チョコレート・パイン』、『ステーシー』などがある他、『オーケンののほほん日記』雑誌『ぴあ』などのエッセイを多く著している。SFマガジン(早川書房)にて執筆していた「くるぐる使い」、「のの子の復讐ジグジグ」は日本SF大会日本短編部門「星雲賞」(各25,26回)を受賞しており、作家としても成功を収めている。
また、サブカルチャーに精通しており、多くの著作がある。特にUFOに関しては本人もマニアを自称するほど詳しい。プロレスファンでもあり、興行にも時折、足を運ぶ。WWF(現WWE)日米レスリング・サミット(1990年4月13日)では、当時の恋人と思われる女性との2ショットを写真週刊誌に掲載されたことがある。学研のアイドル雑誌『BOMB!』にて『大槻ケンヂのぼむ道入門』を担当。また、筋肉少女帯時代にアルバムに「パノラマ島」と付けたりするなど大の江戸川乱歩ファンでもあり、NHKの江戸川作品考察番組に出演(2005年)したり、同局の番組『名作平積み大作戦』で、江戸川乱歩作品のプレゼンをする(2006年)などもした。
[編集] 人物
一見穏やかそうだが、実はかなりの辛口で、相手を容赦なく徹底的に論破するなどの一面も持っている。
メジャーデビューの際、アポロン に『文化放送のレコード室にあるの全部ダビングしていいから』と口説かれたと語る(文化放送『A&Gメディアステーション こむちゃっとカウントダウン』2006年8月19日放送分など)。
マジックマッシュルームによって、数年間ノイローゼに悩まされる。その後、森田療法と出会い復活するが、その後の作品等は活動初期のボルテージよりトーンダウン気味である。大の快獣ブースカマニアで多数のぬいぐるみを所持しており寝食を共にするほど。現在の愛車はボクスター。
TV番組で共演していた菅野美穂との交際が噂された時期があったが、今も独身。一部では「1000人斬りの男」との異名を持ち非常なプレイボーイである事は有名。本人もエッセイのネタ(特にバンドブーム時代の追っかけギャル達の生態については彼のエッセイが詳しい)にしている。
[編集] 作品
[編集] アルバム
- ONLY YOU(1995年)
- (オンリーユー/タンゴ/もうがまんできない/未青年/ロマンチスト/カレーライス/
とん平のヘイ・ユー・ブルース/私はみまちゃん/メシ喰うな/屋根の上の猫/BYE-BYE/オンリーユー(アンプラグド))
- I STAND HERE FOR YOU (1995年)
- (青春の蹉跌のテーマ PART1/モンブランケーキ/猫のリンナ/青春の蹉跌のテーマ PART2/ののの唄/
FOOLISH GO-ER/青春の蹉跌のテーマ PART3/お世話になりました/天使たちのシーン/青春の蹉跌のテーマ PART4/あのさぁ)
- わたくしだから(1996年)
- (生きてあげようかな/プカプカ/ダレダレのブギ/海千山千/
天使/クレーター(食事のお礼)/おねむ派宣言zzz.../恋人よ逃げよう世界はこわれたおもちゃだから!)
- スケキヨ(1998年)…UNDERGROUND SEARCHLIE 名義
- (不必要にヒラヒラのついた服/少女はメッサーシュミットに乗って/君は千手観音/ワインライダー・フォーエバー/横隔膜節/Guru)
- アオヌマシズマ(1998年)…UNDERGROUND SEARCHLIE 名義
- (ジェロニモ/これが私の登山口/猿の左手 象牙の塔/埼玉ゴズニーランド/De Do Do Do, De Da Da Da (日本語版)/
がんばったがダメ/UNDERGROUND SEARCHLIE)
- (とん平のヘイ・ユー・ブルース/未青年/僕の宗教へようこそ!/私はみまちゃん/横隔膜節/猫見に行ったら犬がいた/
オンリー・ユー/恋人よ逃げよう世界はこわれたおもちゃだから/高円寺心中/パヤパヤ/とん平のヘイ・ユー・ブルース)
- 対自核自己カヴァー(2002年)…セルフカバー盤
- (Guru/ボヨヨン伝説~ボヨヨンロック~日本印度化計画~元祖高木ブー伝説~これでいいのだ~踊るダメ人間/
カーネーション・リインカネーション/風車男ルリヲ/詩人オウムの世界/あのさぁ/モンブランケーキ/少年、グリグリメガネを拾う/
孤島の鬼/夢見るショック!仏小僧/サボテンとバントライン/蜘蛛の糸/天使/Guru return/
【初回版 Bonus Track】機械/オッパイマンの唄(オリジナル盤))
- プライベート・アンプラグド(2004年)
- (猫のリンナ/町のスケッチ/犬を手離す/青ヒゲの兄弟の店/香菜、頭をよくしてあげよう/妖怪にご用心/おやすみ)
[編集] 参加作品
- ボヨヨンロック(1989年) …内田雄一郎とのユニットまんが道として。
- 神智学無き戦い(1993年) …アニメ『剣勇伝説YAIBA』のED。(作詞:大槻ケンヂ・作曲:崎倉一也・編曲/歌:カブキロックス)
- METAL DRAGON(1998年) …カンフー映画の曲のメタル・カバー・アルバムにアルバム内唯一のオリジナル曲『メタル・ドラゴン』にボーカルとして。
- 踊る赤ちゃん人間(2006年) …アニメ『NHKにようこそ!』のED。橘高文彦と再結成する。
- GO! リュウケンドー(2006年) …特撮テレビ番組『魔弾戦記リュウケンドー』のOP(30話より)にボーカルとして。
[編集] 出演
[編集] テレビ
- キモチいい恋したい!(フジテレビ・1990年)
- 世界まる見え!テレビ特捜部(日本テレビ・1990年代前半に不定期出演)
- モグラネグラ(テレビ東京・1993年~1995年)
- ボイズンガルズ(朝日放送・1994年~1995年)
- 熱唱オンエアバトル特別審査員(NHK・2006年)
[編集] 映画
- ファンシィダンス
- !(アイオー) 主演
- RAMPO ゲスト出演
- ステーシー 原作、特別出演
- シベリア超特急5
[編集] Vシネマ
- 空想科学任侠伝 極道忍者ドス竜 主演
[編集] ラジオ
- 大槻ケンヂのセニョール!セニョリータ!(ニッポン放送「三宅裕司のヤングパラダイス」内、1990年4月からは「内海ゆたおの夜はドッカーン!」内)
- 大槻ケンヂのオールナイトニッポン(ニッポン放送・水曜1部 1988年10月-1989年4月、月曜1部 1990年6月-1991年10月)
- 大槻ケンヂとタマゴのキミっ(TBSラジオ 1996年4月-1997年3月)
- デーモン・オーケンのラジオ巌流島(ニッポン放送「伊集院光のOh!デカナイト」内)
- そうよ!オーケンのどぼじでラジオ(東北放送 1992年ごろ)
- 大槻ケンヂのタングショー(CBCラジオ 2002年ごろ)
- 誠のサイキック青年団(ABCラジオ)※年に1~2回程度、ゲストとして。
[編集] 書籍
[編集] 小説
- 新興宗教オモイデ教(1992年)…処女小説。
- くるぐる使い(1994年)…短編集。表題作が第25回星雲賞日本短編部門受賞。2006年「ネムキ」にて大橋薫により漫画化。
- のの子の復讐ジグジグ(1995年)…短編集。表題作が第26回星雲賞日本短編部門受賞。
- ステーシー ―少女ゾンビ再殺談(1997年)…長田ノオトによる漫画あり。映画化している。
- リンダリンダラバーソウル(2002年)…エッセイに近い自伝的小説
- グミ・チョコレート・パイン(1993年~2003年)…自伝的3部作。佐佐木勝彦による漫画あり。ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督による映画化が決まり、2007年3月にクランクインを予定。
- ロッキンホースバレリーナ(2004年)
- 大槻ケンヂ短編集「ゴスロリ幻想劇場」(2005年)・・・短編集
- ロコ!思うままに(2006年)…短編集
- 縫製人間ヌイグルマー(2006年)
[編集] エッセイ
- のほほん雑記帳(1992年)
- 行きそで行かないとこへ行こう(1992年)
- ボクはこんなことを考えている(1993年)
- オーケンののほほん日記1992-1995(1996年)
- エッセイ・SR311(1996年)…文庫版では『猫を背負って街へ出ろ!』に改題
- オーケンののほほんと暑い国へ行く(1997年)
- 大槻ケンヂのお蔵だし(1997年)
- わたくしだから(1998年)…文庫版では『わたくしだから・改』に改題
- オーケンののほほん日記ソリッド(1999年)
- オーケンの散歩まん旅マン(1999年)
- のほほんだけじゃだめかしら?(1999年)
- 90くん(2000年)…文庫本では『90くんところがったあの頃』に改題
- 読みだおれ 大槻ケンヂのお蔵だしPart 2(2001年)…文庫版では『我が名は青春のエッセイドラゴン!』に改題
- オーケンのめくるめく脱力旅の世界(2001年)
- 神菜、頭をよくしてあげよう(2003年)
- オーケンの、私は変な映画を観た!!(2004年)
- 綿いっぱいの愛を!(2005年)
- 愛の履歴書(2005年)
[編集] 詩集
- リンウッド・テラスの心霊フィルム―大槻ケンヂ詩集(1990年)…筋肉少女帯の楽曲の歌詞を収録したもの。
- 大槻ケンヂ全詩歌集「花火」(2003年)…ナゴム~特撮、電車までの大槻ケンヂデビュー15周年の全詩歌集
[編集] 対談集
- 人生いろいろ大槻ケンヂ人生対談集(1991年)
- 超常事件簿(1995年)…大槻義彦と超常現象について語った対談集
- 直撃!強くなりたい道!こんな経験、ボク初めてなんです(1996年)…武道家との対談集
- トンパチ(1997年)…プロレスラー・プロレス関係者との対談集
- 偶像(アイドル)列伝オーケンの私はあなたが好きでした(2000年)…BOMBに連載された元アイドル達との対談集
- 大槻ケンヂのザ・対談猫対犬(2002年)…音楽雑誌uvに連載された、ミュージシャンとの対談集
- オーケンのほほん学校(2005年)…イベント・のほほん学校のベストトーク集
[編集] その他
- デーモン・オーケンのハッスル巌流島(1994年)
- 大槻ケンヂのプロレス・格闘技世紀の大凡戦(2005年)