国鉄1形蒸気機関車

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この項目では1909年に制定された鉄道院車両形式称号規程による1形蒸気機関車について説明しています。1872年の日本の鉄道開業時に使用された1号機関車については国鉄150形蒸気機関車をご覧ください。

1形は、1903年（明治36年）に、イギリスのバグナル社（バニャル、ベニェールとも。W. G. Bagnall Ltd., Castle Engine Works）で製造され、翌年に官設鉄道が輸入した新橋工場内の入換専用蒸気機関車である。

1両（製番1747）が輸入されたが、工場内専用の特殊用途機であることから、当初は形式も番号も付与されず、無形式無番号であった。1909年（明治42年）に制定された鉄道院の車両形式称号規程により形式番号を付与され、1形（1）となった。この形式称号規程では、小型のものから順に小さい形式番号を付与したため、最小の形式1を与えられた本形式は、当時最小の機関車であった。1067mm(3'6")軌間でこれより小さい国鉄蒸気機関車は、1922年（大正11年）に国有化された大湯鉄道（現在の久大本線の一部）引継ぎのクラウス製40形のみである。

本形式は、日本の国有鉄道が輸入した中では唯一のバグナル社製で、他には762mm(2'6")軌間で旧佐世保鉄道引継ぎののケ97、ケ98があるに過ぎない。同社の機関車は小型のものが多く、日本へは本形式を含めて7形式14両が青梅鉄道や中遠鉄道、陸軍鉄道連隊などによって輸入されているが、いずれも重量10t以下の軽便鉄道用や産業用のものばかりである。

[編集] 構造

車軸配置0-4-0(B)のタンク式蒸気機関車で、全長4693mm、全高3698mm、幅2025mm、運転整備重量10.11t、動輪直径は762mmの軽便鉄道用並みの小型機である。弁装置はスティーブンソン式で、ロッド類を避けるため、側水槽中央下部が切り欠かれており、その上に砂箱が置かれている。制動装置は手ブレーキのみであった。

[編集] 経歴

本機は、鉄道作業局の新橋工場内の入換用として約7年間使用された後、篠山鉄道に払下げられ、同社の1として使用された。その際に煙突を延長し、運転室後位の上部に張り出しを設けている。同社では1938年まで使用され、スクラップとして神戸製鋼所に譲渡された。神戸製鋼所では、L6に改番したが、ランボードより上の構造物の一切を全て作り替えてしまい、製造時の印象を伝えるものは足回りだけとなっていた。

[編集] 関連項目

• 国鉄B20形蒸気機関車 - 国鉄が製造した入換専用機
• 国鉄150形蒸気機関車 - 1号機関車