北村一輝
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北村 一輝(きたむら かずき、1969年7月17日 - )は、日本の俳優。元々は本名の北村康(きたむら やすし)名義で俳優活動をしていたが、出演していた作品で三池崇史監督から、「北村一輝」の名をもらった。思想家・北一輝とは関係がない。大阪府大阪市天王寺区出身。弓削商船高等専門学校中退。血液型はA型。
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[編集] 人物
『JOKER・厄病神』(1998年)では役作りのために抜歯するなど、平成の役者バカとして知られる。
端正なルックスにもかかわらず、悪役やアウトロー、異端・異形の役が多い怪優。その狂気じみた演技力は、役としての狂気だけでなく、「演技」への狂気などを容易に感じさせるものがある。
代表作は、「あなたの隣に誰かいる」『夜王~YAOH~』、『14才の母』、『北条時宗』など。
[編集] 主な出演歴
関西テレビで放送された単発ドラマシリーズ「横山やすし フルスロットル」では、漫才師の横山やすしを演じた。漫才だけでなく、競艇の選手としてのやすしの生き様にスポットを当てたドラマで、迫真の演技を見せた。
『北条時宗』では、主人公・北条時宗の個人的な側近平頼綱として、元からの政権の重臣である安達泰盛(柳葉敏郎)を徐々に追い落としていくという野心的な役どころを務めた。
『夜王~YAOH~』(TBS・聖也)では、妖しげなホスト姿が話題になった。この役どころで、実力派役者としての地位を世間に知らせることになった。
また、2004年に公開された『ゴジラ FINAL WARS』(東宝)で演じたX星人・統制官役は、そのハイテンションさや、役柄の破天荒さが広く評価されている。
2006年の10-12月期にはドラマに二つ出演しており、『14才の母』では主人公とその家族らを結果的に追いつめる役どころを演じるが、その後気持ちが揺れ動くという、難しい役を演じている。
深夜テレビでも放映された『アキハバラ@DEEP』(大根仁監督)は、『夜王』の撮影と同時進行というスケジュールにもかかわらず、シャアのコスプレができるという理由だけで出演を快諾。その昔はガンプラ好きで、ニチイのコンテストでジオラマを作って優勝したこともあると、雑誌の対談で語っている。 ちなみに趣味の一つが、日曜大工。
[編集] 生い立ちより芸能界へ
少年の頃は海賊になりたかったため、商船高専に進学したものの、高専に通っても海賊にはなれないと気づき、中退。せめて海賊の役をやりたいと思い、役者を志したと、「徹子の部屋」出演時に語る。
海賊に憧れたのは、子供のときにテレビで見たタイロン・パワー主演の海洋スペクタクル映画「海の征服者」がきっかけ。その後に深作欣二監督の「蒲田行進曲」を見て、映画俳優になりたいという思いをより強くしたという。
19歳で上京。事務所やオーデションを受けまくり、自力でエキストラなどの仕事を得る。売り込みのために、本人とマネージャーの一人二役を演じていたこともあるという。しかし、なかなか芽は出ず、いったんは俳優業をやめ、4年近くをオーストラリアを皮切りに、南アメリカ、東南アジアなど海外放浪に費やしてきた時期がある。
[編集] エピソード
おかまバーのママ役を演じた映画『鬼火』では、役作りのため何週間も新宿二丁目の通りに立って声をかけられるのを待ち、おかまバーに連れて行ってもらった。当時は自分でおかまバーに行く金銭的余裕がなかったからというのがその理由。その後、望月六郎監督に連れられて主演の原田芳雄のもとに挨拶に行くが、役に入り込み、黒のショートパンツ姿という出で立ちで現れた北村を見た原田は、てっきり本物のゲイを役に起用したものと勘違いしていた。
キル・ビル Vol.1では、彼自身がクエンティン・タランティーノ監督の大ファンで同監督が映画撮影の際に来日した時に出演を直訴しに行き、タランティーノ監督に「オマエ知ってるよ!」と言われ更には「脚本書き換えるけど、もし出番が無かったらごめんね」と言われてしまったものの、結局は一人二役(ボス小路とクレイジ−88構成員)として出演することになった。
大のカレー好きでもあり、あるカレー屋に行ったときに食べたカレーが不味かったために金は払わないと言い、カレー屋ともめ、警官まで来る事態になったことがあるとディスカバ!99、ズバリ言うわよ!内で語っている。ちなみに北村に勧められてカレーを食べた警官の感想は微妙だったという。
雨上がり決死隊の宮迫とは飲み友達。『北条時宗』(NHK大河ドラマ)で共演して以来、非常に仲が良い。
腹話術師のいっこく堂に似ていると言われることがあり、笑っていいとも!に出演した時には「似ている有名人は?」と聞かれて「あの人形使いの…」と答えた。
2006年7月にシティリビング主催で行われたトークショーで「仲が良い芸能人は小池徹平、松岡昌宏、長瀬智也」と答えている。小池とは『医龍-Team Medical Dragon-』、松岡とは『ゴジラ FINAL WARS』『夜王~YAOH~』長瀬とは「タイガー&ドラゴン」で共演。
雑誌のインタビュー(2005年)で、「自分の好きなところ、嫌いなところは?」との質問に「全てにおいて力加減が下手」と答えている。
[編集] 出演
[編集] 映画
- 1991年
- 雪のコンチェルト
- 1995年
- ヤンキー烈風隊
- 1996年
- LUNATIC
- 大阪最強伝説 喧嘩の花道
- 天然少女萬
- アタシはジュース
- 監禁「Higher Love」
- ロンタイBABY
- 恐怖! 寄生虫館の三姉妹
- 足を舐める男 Leg Lover The ぽち
- 新・悲しきヒットマン2
- FULL METAL 極道
- 1997年
- 1998年
- 1999年
- 完全なる飼育
- 共犯者
- 日本黒社会 LEY LINES
- 皆月
- 海賊版:BOOTLEG FILM
- きりとりブルース 新・極道渡世の素敵な面々
- DEAD OR ALIVE 犯罪者
- 難波金融詐欺 史上最悪の兄弟 慰謝料奪取
- 無頼 人斬り五郎
- 2000年
- 2001年
- 2002年
- 2003年
- 許されざる者
- あずみ
- Rodeo Drive -ロデオドライブ-
- ナイン・ソウルズ
- HOKURO~百発病伝説
- スカイハイ劇場版
- キル・ビル Vol.1
- 完全なる飼育 女理髪師の恋
- 実録・名古屋やくざ戦争 統一への道
- 2004年
- きょうのできごと
- 怪談新耳袋 劇場版 「重いッ!」
- 血と骨
- ゴジラ FINAL WARS
- 新しい風‐若き日の依田勉三‐
- 青×黒×白の女 黒の女
- 2005年
- 2006年
- 東京フレンズ The Movie
- 花田少年史 幽霊と秘密のトンネル
- SWEET DREAM(韓国映画)
- 武装戦線 政府軍VS革命軍
- 2007年
- 龍が如く 劇場版
[編集] テレビドラマ
- 金曜エンタテイメント『夏の恐怖ミステリー(1)女医レイカ』(1999年8月フジテレビ系列・佐々木直也)
- 『横山やすし フルスロットルシリーズ』(関西テレビ・横山やすし)
- 航跡
- 阿波鳴門純愛物語
- 『狂った果実』(TBS)
- 『北条時宗』(NHK大河ドラマ・平頼綱)
- 『リミット~もしも、わが子が…』(NTV・グレイ)
- 『神様のいたずら』(フジテレビ系列・本間翔太)
- 『春ランマン』(関西テレビ・真鍋丈二)
- 『水曜日の情事』(フジテレビ・沖野晶午)
- 『大奥』(フジテレビ・徳川家定/柳丈)
- 『恋する日曜日 ロンリィザウルス』(2003年6月8日 BS-i・タツヤ)
- 『探偵家族』(日本テレビ)
- 『ひと夏のパパへ』(TBS・桐嶋薪平)
- 『あなたの隣に誰かいる』(フジテレビ・澤村数馬/久遠駿介)
- 『大奥~第一章』(フジテレビ・山賊)
- 『水曜プレミア夜王~YAOH~』(TBS・聖也)
- 『タイガー&ドラゴン』(TBS・田辺ヤスオ)
- 『大奥~華の乱』(フジテレビ・柳沢吉保)
- 『医龍-Team Medical Dragon-』(フジテレビ系列・霧島軍司)
- 『電車男DX 最後の聖戦』(2006年9月フジテレビ系列・前園)
- 『アキハバラ@DEEP』(TBS・中込威)
- 『DRAMACOMPLEX 恋のから騒ぎ~LOVESTORIES~III』(2006年9月26日 日本テレビ・草柳明)
Episode1「十億の女」 Episode2「荷台に乗せられた女」 Episode3「元ヤンの女」
[編集] 舞台
- 月光のつゝしみ(2002年)
- 恋の骨折り損(2007年)