兵庫県競馬組合
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兵庫県競馬組合(ひょうごけんけいばくみあい)は、園田競馬場と姫路競馬場の2か所の地方競馬を主催する一部事務組合である。兵庫県、姫路市及び尼崎市の1県2市で組織されている。組合としての運営は1981年で、毎年11月(以前は10月)の園田開催では「組合設立記念シリーズ」として「兵庫ジュニアグランプリ」、「兵庫クイーンカップ」の2大重賞を柱にレースを組んでいるほかゲストを招いたトーク・イベントが行われている。
目次 |
[編集] 兵庫県で行われるサラブレッドの交流重賞
いずれも園田競馬場で開催される。
- 兵庫チャンピオンシップ(5月、3歳馬)
- 兵庫ジュニアグランプリ(11月、2歳馬)
- 兵庫ゴールドトロフィー(12月、3歳馬と古馬)
[編集] 兵庫県三冠
- 兵庫チャンピオンシップ(5月・園田、JRA、地方競馬全国交流)
- 兵庫ダービー(6月・姫路 但し2006年は園田)
- 菊水賞(7月・園田)
※兵庫ダービーは2005年まで園田競馬場で「園田ダービー」として開催されていた。
※菊水賞は2002年まで姫路競馬場で開催されていた。
[編集] 馬券発売種類
※フルゲート12頭立て
- 単勝式
- 複勝式
- 枠番連勝複式(9頭立て以上のみ)
- 馬番連勝複式
- 馬番連勝単式
- 拡大馬番連勝複式(ワイド)
- 三連勝複式(3連複)
- 三連勝単式(3連単)
- ※ワイド、3連複は全レース、3連単は当面の間最終レースから数えて後半の4レースのみ発売。(3連単対応の他場場外発売についても同じ)
[編集] 調教場
- 園田競馬場
- 西脇馬事公苑(西脇トレーニングセンター)
[編集] 特徴
- 競馬競走の体系としてはかつては「アラブのメッカ」と呼ばれたその名が示すとおりアラブ専門だったが、アングロアラブの生産頭数減少と、1999年にJRA(中央競馬)との交流を促進するためサラブレッドを導入。JRAとの交流レースを盛んに実施するようになった。
- また、アラブ在籍馬が減少したことに伴って段階を追ってアラブ限定重賞レースが廃止されてきたが、2003年度に唯一残っていた「楠賞全日本(兵庫)アラブ優駿」が廃止され(楠賞のタイトルについては2004年からサラブレッド競走=兵庫県競馬でデビューした競走馬限定=に移管)、2004年6月限りでアラブ系単独競走も休止。また2004年度からはアラブ系2歳新馬の入厩も停止された。現在はアラブ系はサラ系と同じ競走に出走することになっているが、サラ系と同じ土俵で闘うには不利があることから、アラブ系として走ることのできるレースを求めて他のアラブ系競走を開催している競馬場に移籍していく例が後を絶たず、2006年には1頭も在籍していない。
- 1974年1月30日、園田競馬場で発走に不備があったレースの中断の処理を巡り、怒ったファンが暴徒化して投票所を襲い売上金の一部を奪った上、放火するという「園田焼き討ち事件(園田騒擾事件)」が発生した。この事件により兵庫県競馬は数ヶ月にわたって開催中止を余儀なくされた。また、再開に際しては周辺住民との間で「将来的には園田競馬は廃止する方向で検討する」という覚書を交わしてようやく再開に漕ぎつけたという経緯がある。
- ここの専属実況・吉田勝彦アナウンサーは50年に渡って数多くの名勝負を見続けている。開催日ごとのサンテレビの深夜放送「園田・姫路競馬ダイジェスト」でも解説を担当している。現在同番組は開催日の月曜と金曜は(翌日未明)0:40 - 0:55、火曜、水曜、木曜は23:30 - 23:45に放送している。(野球シーズン中は試合展開によって時間が遅れる。その項参照)。また、ラジオ関西で毎日夕方に放送される「競馬リポート」にも出演しているほか、2005年5月29日に放映されたサンテレビのドキュメンタリー「スペース2005」の主人公として取り上げられた。(朝日新聞の関連記事参照)
- 毎週水曜日にサンテレビジョンで放映されていた中継番組は2005年3月限りで休止。2005年4月からはSKY PerfecTV!のB241ch(ハッピー241)において全開催日・全レースを中継している(前述のサンテレビジョン・ダイジェスト番組は従来どおり放送する)。2005年9月27日からはインターネットライブ中継がスタート。画面サイズは地方競馬のネット中継では最大の560×420である(500kbps)。
- また1997年からJRAのウインズ神戸のB館で場外発売を実施している(=神戸場外。原則として毎週火~木曜日開館。但し規定により12月28日~1月4日の間は閉館)。
- 2005年の秋より、ウインズ難波が行われている。2005年は名古屋競馬場でのJBC競走の開催日および園田でのダートグレード競走開催日の3日間のみの試験的な発売だったが好評だったことから、2006年からは週に1回、原則水曜日に発売されている。ウインズ難波での発売はJRAとの交流競走が行われる日に行うという取り決め[1]があり、祝日やダートグレード競走が行われる場合にはその日に発売されることがある。競馬組合としては、将来的には神戸場外と同じように毎週火~木曜日の発売をしたい意向を持っているとされる。(こちら参照)
- 2003年からは姫路競馬場でJRAの場外発売も行っている(=姫路場外。2003年度は毎週日曜のみであったが、2004年から土日に拡大された)。
- 中央競馬では日曜日の重賞レースに限り行われている前日発売が、ここでは翌日のメインレースで重賞である・なしに関係なく連日開催の最終日以外は発売されている。但し天災による開催中止が生じた場合は前日発売も中止となる。前日発売が実施されながら本番のレースが中止・延期となった場合には出馬投票やり直しとなるため馬券は無効=返還となる。
- 競馬新聞は競馬キンキ・園田ニュースの2つが発売されているが、競馬キンキが9割以上と他を圧倒している。園田ニュースの馬柱は競馬キンキのものを使用している(ホースニュース・馬は2004年秋に休刊)。
- 電話投票は「テレジョッキー園田・姫路」のみで、長らくD-Net(全国統一電話投票システム)に加盟していなったため購入できるのは園田競馬場と姫路競馬場のレースのみであったが、2005年8月2日よりD-Netでも購入できるようになり、12月21日よりテレジョッキー園田・姫路もD-Netに移行して廃止された。なお統一交流重賞すべてと一部のブロック交流競走についてはSPAT-4(南関東4会場の電話投票システム)でも購入することができる。
- 2004年度の中央競馬新規騎手試験に合格した小牧太・赤木高太郎、2006年度試験に合格した岩田康誠の3騎手は、この兵庫県競馬の主軸ジョッキーとして活躍していた。
- その一方で、他の地方競馬から兵庫県競馬へ移籍してきた騎手に対しては、一旦騎手免許を返上した上で、厩務員として約1年間(廃止された競馬場の場合は6か月)従事した後に、騎手免許を再取得しないと騎乗を認めないという、独特のしきたりがある。中津競馬場のトップジョッキーだった有馬澄男、高知競馬場のトップジョッキー北野真弘も例外なくこのしきたりに従った。2006年4月からは、高知競馬場に所属していた中越豊光が厩務員として従事し、兵庫県競馬での再デビューを目指している。
- 全レースがアラブ系で施行されていた頃は、菊水賞・楠賞・六甲盃を兵庫三冠と称しており、三冠馬にはアサヒマロツトとケイエスヨシゼンの2頭がいる。
- 会員制のカードを発行し、来場ポイントに応じて景品がもらえるサービスも行っている。 ただし、カードリーダーは園田競馬開催中の園田競馬にしかなく、姫路競馬の切捨てとも言える。
[編集] 脚注
- ↑ 交流競走の開催は兵庫県競馬組合主催のレースに限らず、他場でのJRA交流競走・ダートグレード競走の場外発売を行う場合でもよいという解釈である。