二重語
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二重語(にじゅうご)とは同じ言語の中で、語源は共通でありながら異なる形態をとり、意味または機能も異なるものとして併用されている2つ(またはより多く)の語をいう。姉妹語ともいう(ただしこれは「姉妹言語」の意味に使うことが多い)。
借用語(外来語や古典語からの復活)が別の時代または経路によって導入されて生じたものが多いが、同じ言語の中で分化して生じたものもある。
[編集] 英語の例
- other と or :いずれも古英語に由来するが、後者は接続詞として分化した(文法化)。
- shirt と skirt :前者は古英語に、後者は古ノルド語に由来する(skという音結合は北ゲルマン語に由来し、西ゲルマン語ではこれがshに変化している)。
- custom と costume :前者はノルマンフレンチ(中世フランス語)、後者は近世フランス語に由来する。現代フランス語にも、これらに対応する coutume と costume がある。
[編集] 日本語の例
- わかりやすい例には漢字の音読みの違い(呉音、漢音、宋音)があり、これは導入された時代の違いによる。ただし、「楽」の「がく」と「らく」など、古代中国語ですでに分化していたものもある。
- 「あわれ」と「あっぱれ」:同語源だが、中世初期に分化した。