中道政治
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中道政治(ちゅうどうせいじ)は、右派や左派あるいは保守や革新のどちらにも偏らずに中正の政策を行う政治。このような政治勢力は中道派と呼ばれ、フランス革命では、平原派あるいは沼沢派などと呼ばれた。中道主義ともいう。
[編集] 日本における中道
冷戦下の日本政界では、市場経済志向・親米の保守と、社会主義志向・親ソの革新とにはっきり分かれていた。
保守にも革新にも与せず、イデオロギーに捉われない政策を実施しようとしたのが中道であった。具体的には、公明党・民社党・社会民主連合が中道主義を標榜している。
1970年代半ばには、中道新党構想もあったが、冷戦下では保守と革新には越えられない溝があり、実現しなかった。
なお、現在では広く左や右に偏っていない意見や団体に対して用いられることが一般的であり、「平均的」や「標準的」という意味合いが強い。この場合にはやや左寄りの場合を中道左派、やや右寄りの場合を中道右派と称することがある。この場合、保守政党の自民党や民主党も中道に含まれることがあり、また上記の中道を標榜していた政党が外されることもある。ただどの意見が標準的かは人によって見方が違い、「自分は偏っていない」ということを装う手段として「中道」を自称することもあるため、保守や革新という概念とは違い、どこまでが中道か、どういう意見が中道左派かということは一概に言えない。