不倫
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不倫(ふりん)
不倫は配偶者のある男や女が、配偶者以外の異性と恋愛し、性交を行うことをいう(配偶者のいない男や女が、配偶者がいる異性と恋愛し、性交を行う場合も含む)。古くは姦通、不義密通といった。くだけた表現では浮気という言葉も存在する。
TBSのテレビドラマ「金曜日の妻たちへ」(1983年)が、「不倫」という言葉を「男女間の不義密通」という意味に変化(固定)させたきっかけと言われている。それ以前のテレビドラマでは「よろめき」(主として、夫のある女性が、他人の男性に心を寄せる)という言葉が一般的に使われていたが、「金妻」以降はほぼ死語になっている。(なお“よろめき”は三島由紀夫が1957年に発表したベストセラー小説『美徳のよろめき』に由来する)
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[編集] 既婚者の同性愛
既婚者でありながら同性の恋人やセックスフレンドをもつ者もあるが、これについては不倫ととらえる人と不倫とは別物ととらえる人がいる。男性同性愛者には妻を持ちながら同性との性交渉を求める者も少なくない。夫がありながら女性の交際相手を求めるレズビアンも多いが、「主婦レズ」などと呼ばれ、女性同性愛者のコミュニティでは排除されがちである。同性愛者なのに結婚している事については「偽装結婚」「結婚相手がかわいそう」と非難する声もあれば、結婚せざるをえない事情を慮って、同情する意見もみられる。
[編集] 不倫にまつわる名言
日本で芸能人の不倫は毎週のように週刊誌をにぎわせているが、その中でも名言を残した人物を挙げる。
- 石田純一-「不倫は文化だ」との発言をしたと言われているが、実際は「日本には古来より忍ぶ恋というものがあり、そのような男女の思いが優れた文学などの文化、芸術を生み出してきたということもある」という婉曲的な表現であり、前述の発言はマスコミによってセンセーショナル伝えられた結果である。
- 布袋寅泰-マスコミへのFAXで「いやぁ、火遊びが過ぎました(笑)」とコメントを寄せた。
- 森本レオ-「メシ友」「異文化交流」などの言葉を残した。
[編集] 代償
最悪の場合、不倫の代償は非常に大きく、経済的・精神的に深刻な打撃を受ける。家庭や友人関係を一気に崩壊させる危険をはらみ、社会的信用をも失う危険を覚悟するべきである。家庭崩壊の場合は配偶者に訴訟を起こされる事もあり、実子がいる場合は子供(成人後も同様)の心を激しく傷付けトラウマを植え付けてしまう(子供が心身を激しく傷つけられた場合には不倫をした本人だけでなく、その相手の異性も訴訟を起こされることもある。また、その異性が損害賠償を支払わされた例もある)。重婚的内縁関係に於いては、実子を邪魔な存在と感じて児童虐待に及ぶケースも後を絶たない。
[編集] 不倫を正当化する主張
日本では、近代に入ってから近年までの間は、「浮気は男の甲斐性」などと男の不倫に限り、容認する風潮が長く続いていた。当時男性が愛人を持つことは容認されても女性が浮気をすることは容認されないとされており、女性の不倫は1947年までは姦通罪という罪に問われた(現在の法律では刑事的責任を問われることはない)。
日本では近世(江戸時代)以前には、婚姻者以外との性交渉は珍しいことではなく、近代に入っても戦前では特に農村などではその風潮が一部に残っていた。 古代においては、一夫多妻制の上に招婿婚という社会制度のため、夫が妻(正室)の家へといつもいる訳ではないこともあり、夫が他の女性の家へと行っている時には別の男性が来る事も普通にあったらしく、また男性が恋人の女性の家へと行くと、すでに他の男性が来ていたということもあった(「古今和歌集」に収録されている歌にも、多くその時に歌われたと思われるものがある)。ただし、その夫や恋人がそのことに対して声高に訴えたり、ましてや公にする事は、面子もあって滅多に無かったようだ。女性の姦通が破廉恥な行為だとする常識が定着したのは、刑法で姦通罪が定められてからのようである。
ごく近年になってからは、恋愛感情と結婚生活を一体のものと考えるロマンチック・ラブの思想が男女双方に受け入れられ、不倫を罪悪であると考える者は男女問わず多い。しかし、現在の日本では、中年の富裕な男性とそれより年下の独身女性による不倫はよく見られる。また、既婚者同士の不倫も広がりを見せている。最近の若い女性に人気の女性作家の作品の中には、こうした不倫をテーマにする作品が少なくない。こうした作品の中では、夫が妻の浮気を知りながら黙認したり、公認したりする夫婦が描かれることがある。「恋愛と結婚は別物」とする割り切った考え方も一部の女性には根強いし、「女性の不倫は男性の不倫とは違い、純愛であり美しいもの」とする、女性の不倫を擁護する一方、男性の不倫を非難する意見が一部の女性の間で高まっている。このような一部の女性は、女性の不倫を「婚外恋愛」と称して、男性の不倫と区別することが多いが、論理的・倫理的な正当性はまったくない。
[編集] 法律で言う不倫
法律上、不倫は「不貞行為」という。
- 夫婦がお互いに他の異性と性的交渉を持たない義務に反する行為である。
- 一度きりの性的交渉も不貞行為とされるが、離婚理由になるには反復的に不貞行為を行っていることが必要とされる。
[編集] 不倫がテーマとなった小説、漫画、TVドラマ等
古典的なものとしては、『源氏物語』や、中世ヨーロッパの『トリスタンとイゾルデ』物語が挙げられる。近代以降の作品には次のようなものがある。
- 『ボヴァリー夫人』(フローベール)
- 『緋文字』(ナサニエル・ホーソーン)
- 楽劇『トリスタンとイゾルデ』(リヒャルト・ヴァーグナー)、戯曲『ペレアスとメリザンド』(メーテルリンク)(トリスタン物語に基づく)
- 『クロイツェル・ソナタ』(レフ・トルストイ)
- 『暗夜行路』(志賀直哉)
- 『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(ジェームズ・M・ケイン)
- 『ユリシーズ』(ジェイムズ・ジョイス)
- 『人間失格』(太宰治)
- 『失楽園』(渡辺淳一)
- 『愛の流刑地』(渡辺淳一)
- 『金曜日の妻たちへ』
- 『東京タワー』(江國香織)
- 『海猫』(谷村志穂)