テイルズオブジアビス
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テイルズ オブ ジ アビス | |
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ゲーム | |
ゲームジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | ナムコ・テイルズスタジオ |
発売元 | ナムコ (現・バンダイナムコゲームス) |
プロデューサー | 吉積信 |
キャラクターデザイン | 藤島康介 |
メディア | DVD-ROM 1枚 |
プレイ人数 | 1~4人 |
発売日 | 2005年12月15日 |
販売価格 | 7,140円(税込) |
売上本数 | 44万本 |
レイティング | CERO: 全年齢 |
キャラクターボイス | フルボイス (一部サブイベント除く) |
小説 | |
著者 | 矢島さら |
イラスト | 中嶋敦子 |
出版社 | エンターブレイン |
レーベル | ファミ通文庫 |
巻数 | 既刊4冊 |
小説 | |
著者 | 結城聖 |
イラスト | 松竹徳幸 |
出版社 | 集英社 |
レーベル | スーパーダッシュ文庫 |
巻数 | 既刊4冊(全6巻予定) |
漫画 | |
原作 | ナムコ |
作画 | 玲衣 |
出版社 | メディアワークス |
掲載誌 | 電撃マ王 |
巻数 | 既刊1巻 |
『テイルズ オブ ジ アビス』 (TALES OF THE ABYSS) は、2005年12月15日にナムコ(現・バンダイナムコゲームス)から発売されたプレイステーション2用RPG。テイルズシリーズの第8作目であり、“シリーズ誕生10周年記念ソフト”として発売された。テイルズ独特の固有ジャンル名は今作では『生まれた意味を知るRPG』。
キャラクターデザインは藤島康介。主題歌はBUMP OF CHICKENが歌う『カルマ』。
略称は「アビス」(「ジアビス」)、もしくはタイトルの頭文字をとって「TOA」。
The 9th CESA GAME AWARDS FUTUREを受賞(詳細)し、その後日本ゲーム大賞2006優秀賞(詳細)を受賞した。
目次 |
[編集] 概要
スタッフは『テイルズオブシンフォニア』を担当したメンバーで構成された。本作の最大の特徴として、世界観に“音”が深く関わっている。このため、本作では従来のシリーズ作よりも音楽の比重が増している。その事は本作のジャンル名「生まれた意味を知るRPG」が、主題歌「カルマ」の歌詞の1節から採られている事からも判る。またBGMの一部はBUMP OF CHICKENの藤原基央が手がけており、それらの評価も高い。
内容自体の評価も高く、10周年の肩書きに恥じない物であった。藤島の描くキャラクターの人気もシリーズ中で高い。電撃プレイステーション誌上の2006年ソフト大賞で第2位、ストーリー部門では第1位、サウンド部門では第2位、キャラクター部門では主人公のルークが第1位を獲得した。また公式HPでの第3回人気投票でも本作のキャラクターは、ベスト5に3人がランク入りをした。
シンフォニアで導入された3D技術が向上され、前作で問題視されていた演出面も過去シリーズと比較すれば派手になっているが、製作期間が約1年と短く、更に早い段階で詳細な発売日が決まっていたために調整不足で見切り発売され、バグ(操作で進行不可能になるものや、最悪の場合最初からやり直しになる場合もある)や誤植が非常に多い。さらにロードがシリーズ中でも特に長いものになってしまい、その点を批判するユーザーが非常に多い。ストーリーの評価が高いだけに、利便性の低さは残念なことであった。
なお、米国版は2006年10月10日に発売。OPテーマがインストメンタルのカルマに変更、一部キャラクターに新技が追加される等、日本版にはない新要素がみられるため、一部ファンからは米国版の要素を追加したインターナショナル版(もしくは完全版)の発売が望まれている。なお、先述の秘奥義は一部改造ソフトによって日本版でも技名とカットインのみ(技によっては作りかけのモーション)を見ることができる。
[編集] シナリオ
作品のテーマは「生まれた意味を知るRPG」とあるように、死生観を含め生きる意味・生命の価値を扱う等、ライトRPGに分類される本シリーズの中では異彩を放っている。
シナリオでは外界から隔絶された環境で育った主人公が、世界の存亡を賭けた対立の中で成長し、世界を知ると同時に自分自身を知っていく過程が描かれている。 序盤、無知故に傲慢な子供として描かれていた主人公が、契機となる重大な事件を経る事で己自身の変化を望み、挫折や絶望を体験しながらも成長していく。
プロデューサーの吉積信氏は雑誌のインタビューで、ルークは現社会で問題になっているニートや引きこもりを題材とした、と語っている。
また今作は今まで以上に勧善懲悪的な展開を廃すため、敵陣営の描写にも力が入れられており、プレイヤーが主人公達と共に常に迷いながら成長していく作りを意識している。
[編集] 世界観
『テイルズオブファンタジア』、『テイルズオブシンフォニア』は北欧神話を題材としているが、今回は旧約聖書を題材としている場面が多くある。その例としてセフィロトと魔界(クリフォト)の存在があり、この二つは旧約聖書の有名な用語である。
世界「オールドラント」は二つの国家「キムラスカ」と「マルクト」に二分され、唯一の宗教「ローレライ教」を信仰している。 「預言」を信仰するローレライ教は、政治経済はもとより人々の生活の末端までを予測し、人々はこの預言に従い生活する事を善とする風潮がある。 又、預言を信仰するあまり、保守的なローレライ教団の派閥の一部は、預言に詠まれた通りの事実を捏造する為、世界各国への影響力を行使し、戦争や政争を起こし、預言通りの多くの犠牲を生んできた。
キムラスカとマルクトは近年長く紛争中で、ゲーム開始時期では開戦を間近にした極度の緊張状態であり、冷戦のような状況となっている。
[編集] ストーリー
[編集] プロローグ
今より2000年の昔。第七音素(セブンスフォニム)の発見により、惑星の誕生から消滅に至る未来までを記した「星の記憶」の存在が確認された。そして星の記憶を巡って惑星オールドラントの戦乱の時代が始まる。
長きに渡る戦いは大地を疲弊させ、毒を含む障気を生み出した。人々は、星の記憶を読み取る譜術士ユリア・ジュエの詠んだ預言に従い、大地深くに障気を封じ込めた。
時は流れて、現代。
世界はキムラスカ・ランバルディア王国とマルクト帝国の二大国に分割され、危うい平和の均衡を保っていた。だが本当に人々の心を支配していたのは、両国の王ではなく、ユリアの教えを守護するローレライ教団によって、世界に発せられる「預言(スコア)」であった。
キムラスカ王国のファブレ公爵の一人息子ルーク。彼は幼い頃マルクト帝国に誘拐されかけたショックで記憶喪失となり、以後は屋敷だけの生活で軟禁状態になった。退屈な毎日だったが、ヴァンとの剣の修行だけが唯一の楽しみだった。ある日、ヴァンと剣の修行をしていたとき、ティアが現れヴァンを殺そうとする。止めようとしたルークは偶然(擬似)超振動が起き、ティアと一緒に外へ飛ばされてしまう。
ティアと出会い外の世界に足を踏み入れたことで、ルークの運命は大きく変わることになる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 外殻大地の旅
ティアと共にバチカルへ帰りはじめるルーク。今までバチカルを出たことがないルークには全てが驚きに満ちていた。途中で導師イオンと導師守護役アニスと出会う。その後、マルクト帝国軍のジェイドにつかまり、イオン、アニスとともに2人は陸上装甲艦タルタロス内に連行される。マルクト側から終戦のための親書について話され、協力を頼まれる。ルークが渋々了承したところを、タルタロスが六神将達に乗っ取られる。何とかタルタロスから脱出し、成り行きでジェイド、助けに来たファブレ公爵家の奉公人ガイ、そしてイオンとアニスを連れ、六神将の妨害もありながらもなんとかこの小さな使節はバチカルにたどり着く。
バチカルにたどり着いたルークたち。インゴベルトによって見事に親書は承認された。そして、ルークの出生についての預言「ND2000、ローレライの力を継ぐ者、キムラスカに誕生す 其は、王族に連なる赤い髪の男児なり 名を聖なる焔の光と称す。彼は、キムラスカ・ランバルディアを新たな繁栄に導くだろう」が告げられ、それによりルークは親善大使に任命される。その初仕事は、親書にも記述されていた現在マルクト領で障気に満たされている鉱山の街アクゼリュスへ向かい、人々を救出すること(預言にも「ND2018、ローレライの力を継ぐ若者、仲間を引き連れ鉱山の街に向かう」とある)。渋々引き受けるルークだが、ヴァンからルークに先程の預言の続きには、「そこで若者は力を災いとし、キムラスカの武器となって」とありそのまま救出してしまうとルークは超振動能力から一生兵器として扱われるということを話される(余談だが、さらにその預言の続きは「街とともに消滅す」である)。そこで、そうならないために障気を超振動によって中和するということを話される。これによってルークは「英雄になれる」と。ルークはそれを妄信し、ヴァンと別れ、途中強引についてきた、キムラスカ王国王女ナタリアを仲間に加えてアクゼリュスに向かう。だが、ヴァンは超振動を利用してアクゼリュスをセフィロトごと破壊するつもりであり、その準備を着々と進めていたのだ。途中、コーラル城で操作されたルークの肉体に変化が起きる。六神将の「鮮血のアッシュ」から脳に直接話しかけられ、操られることがあるようになったのだ。そして、今まで仕方なく他の六神将とともに行動していたがアッシュがアクゼリュス崩落を食い止めるべく動きはじめる。しかし、ルークはまったく応じず、ヴァンの言葉を鵜呑みにし、アクゼリュスを崩壊させてしまう。
[編集] 外殻と魔界、戦争
謎の場所にたどり着いた一行。そこは明らかに今までの世界とは異質な世界だった。その名は魔界(クリフォト)。街をひとつ崩壊させたこと、その原因・責任をヴァンに押し付ける発言などで仲間の信頼をすべて失い、見放されるルーク。
魔界を知るティアに導かれユリアシティという街にたどりつく。そこでアッシュと出会い、自分は7年前に誘拐された目の前にいる本物の「ルーク・フォン・ファブレ」のレプリカであることを聞かされる。ここにルークは信じているものすべてに裏切られたことを悟り、心が壊れる上意識を失う。
一方ルークに引導を渡したアッシュは再びある目的のため動きだす。ルークにはヴァンの野望と目的を知らしめるべく、コーラル城で仕掛けておいたフォンスロットの回線を繋ぎ、ルークの精神をアッシュの肉体に一時的に同居させる。仲間達もティアとミュウを除いてアッシュに同行し、外殻へと帰ってしまった。アッシュはヴァンの目的を知るためベルケンドへ向かうが、かつてのルークと再開できたことを喜んでいるナタリアと裏腹にアッシュ合流時より険悪な態度をとっていたガイは「アイツが待っている」とアッシュから離脱、レプリカのルークが通るであろうアラミス湧水洞へ向かう。一行はワイヨン鏡窟へ向かい、そこでヴァンの行おうとしていた一部を垣間見る。鏡窟を出る際、アッシュは『セントビナーがまもなく崩落するだろう』と言い残し、再び単独行動に戻るためルークとの回線を切った。
この状況を見、そして目覚めたルークはその間に自分について考え直し、自分も世界を救うため動きだすことを決意する。そして長髪を切り、ティアに変わるまで見ていてほしいと頼む。ここからルークの変わるための物語として、第二幕が始まる。まずは手がかりを得るべくティアの養祖父でユリアシティ市長のテオドーロに話を聞くものの、テオドーロはアクゼリュスの崩壊は秘預言(クローズド・スコア)にあるものだったこと、世界の人々がユリアの預言に従わせるためにユリアシティは預言から離れていないかを監視する機関であること、セントビナーの崩落は預言に無いから杞憂だという答えだった。これに逆上しそうになるルークとティアだが、ユリアシティではこれ以上の情報は得られないと二人はユリアロードを用いて外殻へ向かう。ルークとティアはアラミス湧水洞にて待っていたガイと再会。続いて再会、合流したジェイドから、神託の盾騎士団が預言どおり戦争を起こすための理由としてナタリアと、戦争を止めるべく導師詔勅を発動しようとしたイオンを軟禁したことを聞かされる。3人はダアトにてアニスとも合流し、囚われたナタリアとイオンの救出のためダアトの神託の盾本部へ向かい、無事二人を助けだす。
そしてアクゼリュスの崩壊を受け、預言には無かったセントビナーの崩落が起きる。ルークたちは飛晃艇アルビオールをシェリダンにて手にし、セントビナーの人々を辛くも救出する。しかしこれが契機となり、外殻大地そのものの耐用年数が尽きて全世界の崩落を避けられないことを知る。そこで各地のセフィロトを回って、外殻大地の降下準備を行う。しかし、キムラスカ・マルクト両国は戦争へと向かっていった。
キムラスカ・マルクト両国も外殻大地の魔界崩落を受けて、休戦へと方針を変更する。平和条約の締結も無事完了し、両国が協力して魔界に立ち込める障気を止めるべく、その原因であるオールドラント地核の振動を止めるためにタルタロスを沈め、振動を止める。しかし、この地核の停止と降下作業を快く思わぬヴァンとそれに連なる六神将がルークたちを妨害する(シェリダンでの虐殺や、地核でのシンクの急襲など)が、これを撃退し、ついにはアブソーブゲートでヴァンを打倒する。ルークたちは世界を魔界へ降下させ、オールドラントに平穏が訪れた。ヴァンの野望と真意がつかめなかったものの、仲間達はそれぞれ故郷へと戻っていった。
[編集] レプリカと被験者、預言のゆくえ
外殻降下も終了し、世界に平穏が訪れたかと思われた。が、突然再び障気が現れ、街にレプリカがあふれ始める。更にはローレライより栄光を掴む者…ヴァンが生きている叫びを聞くことにより、物語は第三幕を開ける。
元の生活に戻り家で退屈していたルークだが、外出許可が出たので早速皆との再会のため、シェリダンで再びアルビオールを借り、ユリアシティ・ダアトを巡り、ティア、アニス、イオンと会う。しかし、ダアトに現れたガイから、捕らえられたはずのディストが脱走し、査問会にかけられるはずのモースを救出するなど、六神将の暗躍を聞かされることとなる。崩壊セントビナーではマルクト軍が「キムラスカの旗を掲げた兵士」たちによって襲撃を受け、瀕死の重傷を負ったフリングスは「我が軍を襲った兵士は、目に生気がない…あれは死者のようなものだった」とルークやジェイドたちに伝え、息絶えた。ジェイドはその兵士は「レプリカ」によるものではないかと疑いを向ける。バチカルに戻ると、慰問から戻ったナタリアと合流するが、ナタリアはキムラスカがそのようなことをするはずがないとジェイドに強く抗議した。このことより、この一連の事件の背後には預言の遵守のため、戦争を起こすべきと言うモースが糸を引いている疑念がルークたちによぎる。
それを確かめるべくダアトに向かったが、突然アニスがイオンを拉致し、ザレッホ火山奥地にある預言を詠ませるべくモースと共にザレッホ火山へ向かってしまう。同時にリグレットも現れ、「モースと手を組んだ」旨をルークたちに言い放つ。そこにアリエッタが現れ、『今の状態のイオンに預言を詠ませたら死んでしまう』と言い、ルークたちにイオン救出を頼む。そしてザレッホ火山奥地に辿り着くルークたち。しかし、預言を詠まされ、もはや虫の息だったイオンは、ルークたちに瘴気の中和の方法を探すならベルケンドに向かうようにと最後の預言を残し、ティアに蓄積された瘴気を受け取り、亡くなる。これを見たモースはイオンを罵るばかりか、レプリカの兵士を用いて再びマルクト・キムラスカ両国間で戦争を起こしてみせるとルークたちに豪語し、悠然と引き上げていく。
アニスは両親の莫大な借金をモースに肩代わりされており、事実上モースの奴隷扱いであった。今回のイオン拉致も両親が人質に取られていたために起こしたことで、敬愛するイオンを死なせてしまったと自責の念に陥る。また、イオンを死なせたことでアリエッタは激しく罵り、決闘でお前だけは倒すと言われることとなる。
イオンの遺言に従い、ベルケンドに向かうルークたち。そして街の入口で見たのは、人の突然死する姿だった。兵士によれば最近では預言を詠むのを取りやめているのに関わらず、旅の預言士に預言を詠まれた人間が、突然死する事態が起きているとのことだった。その後、第一音機関研究所に行き、瘴気中和についてスピノザから話を聞くと、超振動を使えば瘴気を消せるかもしれないとの可能性を示される。しかし、そのためには大量の第七音素とそれを術者の周囲に集めることが必要で、それを可能にすることは不可能だということだった。またスピノザの話によると、アッシュがここに来て、ロニール雪山での第七音素を調べていたという。その話を聞いてルーク達はロニール雪山に向かうことを決める。 スピノザとの話を終え、研究所の入り口まで来るとルークはジェイドと瘴気中和についての話をする。ルークはスピノザの言った「超振動を使えば瘴気を消せるかもしれない。」をいう話をずっと考えていたのだ。ルークは、アッシュの持つローレライの鍵を使えば第七音素を術者の周りに集めることが出来るから瘴気を消すことが出来るのではないか、とジェイドに問いかける。しかしジェイドに、「あなたには無理です。能力が劣化していて完全な超振動を制御することが出来ないでしょう?」と一蹴される。そう言われてもなお、ルークはジェイドに食い下がった。「俺には無理だとしても、オリジナルのアッシュなら瘴気を消せるのではないか?」と。そんなルークに、ジェイドは説明を再開する。「ローレライの剣があったしても、大量の第七音素を得るための方法がない、第七音符士をざっと一万人位殺せば何とかなるでしょうが。それに、もし瘴気を消すなどということを行ったら、オリジナルのアッシュであっても大きすぎる力を使った反動で、体内の音素が崩壊する。」 瘴気中和のための大きすぎる犠牲を考えると、もうルークは黙るしかなかった。しかしこの「超振動で瘴気を中和するという考えはその後もルークの中に根強く残っていた。 ロニール雪山ではアッシュと再会したが、アッシュは瘴気が再び起きたのはヴァンがローレライを取り込んだためと言う。アッシュはローレライより受け取った「鍵」で、見つかっていない「ローレライの宝珠」を探す為再び旅に出る。
これより前、雪山で以前ラルゴたちと戦った場所付近でロケットペンダントを拾ったルークは、その中に写っている赤子と誕生日を見て、ナタリアではと訝る。そこで伯父であるインゴベルト王に会う為バチカルに戻ったところ、捕らえられたモースが脱走した騒ぎが起きていた。モースを追ったところ、ディストに出くわし、モースはディストによって素養のない第七音素を取り込み、いずこへと飛び立つ。その後インゴベルトに会ってロケットペンダントを見せると、この赤子はナタリア本人であることを伝えられる。その真相を知る乳母がケセドニアにいるとインゴベルトから伝えられ、そこに向かうルークたち。そして、ルークたちがケセドニアで見たのは、旅の預言士がかつてタルタロスを地核に沈める際に倒したはずのシンクで、彼はモースが立ち上げた「新生ローレライ教団」の預言士だと言い放つ。
そして間もなくかつて滅びたホドが浮上し、同じ頃、モースが全世界に恫喝する。
[編集] 最終決戦
ヴァンが生み出したホドのレプリカ、栄光の大地エルドラントへアルビオールで突入するルークたち。一方アッシュもまた先に突入していた。エルドラントではヴァンの腹心でありティアの教官であるリグレット、タルタロスを地核に落とす際に倒され、その後復活したシンクを破るルークたち。そしてアッシュとの1対1の対決に勝ち、ローレライの解放を託されたルークたちはついにヴァンとの最終決戦へ挑む。
[編集] キャラクター
詳しくはテイルズオブジアビスの登場キャラクター一覧を参照のこと。 以下はパーティメンバー
- ルーク・フォン・ファブレ
17歳 171㎝ 68㎏
- 声:鈴木千尋
- 主人公。ファブレ公爵家の一人息子。
- ティア・グランツ
16歳 162㎝ 50㎏
- 声:ゆかな
- ローレライ教団所属、第七音譜術士。
- ジェイド・カーティス
35歳 186㎝ 74㎏
- 声:子安武人
- マルクト帝国軍第三師団所属階級は大佐。
- アニス・タトリン
13歳 152㎝ 42㎏
- 声:桃井はるこ
- 導師守護役。
- ガイ・セシル
21歳 184㎝ 79㎏
- 声:松本保典
- ファブレ公爵家に仕える奉公人。
- ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディア
18歳 168㎝ 53㎏
- 声:根谷美智子
- キムラスカ王国王女。
[編集] システム
[編集] 戦闘システム
新戦闘システムFR-LMB(フレックスレンジ-リニアモーションバトル)。
基本的なシステムはテイルズオブシンフォニアのML-LMBS(マルチライン-リニアモーションバトル)だが、今作では、さらに戦闘フィールドを思いのままに駆け回れる"フリーラン"というシステムが追加され、戦略等における自由度が増している。
技に関しては、3Dの戦闘システムであることを利用し、攻撃や効果範囲に特徴があるものが多い。自分を中心として、一定半径の円中を攻撃する「守護方陣(しゅごほうじん)」や、扇状→直線状に矢を発射する「ブレイブフィード」など。 また、属性攻撃を行った後に一定時間発生する「FOF(フィールド・オブ・フォニムス)」上で術技を使用すると、一段階上の術技に変化する「FOF変化」というシステムを搭載している。(「魔神剣(まじんけん)」→「魔王炎撃破(まおうえんげきは)」(FOF:炎)や「サンダーブレード」→「グラビティ」(FOF:地)) ダメージを受ける、敵を攻撃する、などの条件でゲージが増加し、完全に溜まると、「オーバーリミッツ」が発動できる。この状態では、敵の攻撃によるダメージを軽減し、仰け反りを回避させる。また、「奥義」や「FOF変化技」中に○ボタンを押していると、「秘奥義」と呼ばれる強力な術技を使用することが出来る。
また、アディショナルスキル(以下、ADスキル)という要素も加えられている。ADスキルとは、レベルアップやC・コアのレベルアップボーナスによる能力の上昇で習得できる戦闘時のみの特殊な能力のこと。冒険が進むに連れてADスキルが増えてゆき、戦略の幅が広がる奥の深い仕様となっている。
[編集] フェイスチャット
最近では定番となりつつあるキャラ同士の会話が楽しめるシステムの一つ。場所や時などの条件に応じてに発生し、ボタンを押すことで見ることができる。ストーリーに関係するものから雑談まであり、その数は計り知れない。特にシンフォニアの「スキット」と違いは無い(余談だが、シンフォニア時代からのファンは「フェイスチャット」だと長いのでシンフォニア同様「スキット」と呼んだり、はては「フェイスチャット」と名称変更されたことを知らない人もいる。ちなみに、公式サイトには「スキット」とあるので、もともとはスキットの名前のままの予定だったようだ。)。会話のほとんどはパーティメンバーの6人+ミュウやイオンだが、場合によってはヴァンやアッシュが会話に加わることもある。最大で8人の会話がなされるが(ルーク、ティア、ナタリア、ガイ、ジェイド、アニス、イオン、ミュウ)その時は画面が人でいっぱいになる。
[編集] 称号
初代以降の御馴染みのシステム。ストーリー進行や条件、サブイベントによって手に入る。今回はこれまでのようなパラメータ変化ではなく、それぞれに特殊効果が付加される形になった。中にはテイルズオブシンフォニア同様キャラの服装が変わるものがあり、それで楽しむこともできる。その称号専用のフェイスチャットも存在する。
[編集] タウンリンク
従来のゲームだと、大概物価は固定されているが、本作では物価は戦時中などの状況によって常に変動しており(売り切れていることもある)、街によっても異なっているため、見極めが必要である。また、プレイヤーの起こした行動によっては物価が下がったり、売り切れ品が発売されるようになることがある。さらに、街同士の輸出入関係などが絡んであるため、街の物価を下げたら輸出入関係のあるほかの街の物価が下がることもある。当然、売値も変化するため、どこで売るかも良く考えなければならない。しかし、これを利用すれば状況によっては買値以上で売ることも可能になることがあり、簡単に金が稼げるようになったりする。ただ、基本的にはタウンリンクによって操作することが前提となっているため、序盤では物価が高めになっており、「シビアすぎる」との声もある。
[編集] キーワード
[編集] 音素
音素(フォニム)は世界を構築する元素の一端。また、元素から離脱した存在と考えられることもある。音素はその性質ごとに第一音素から第六音素までに分類され、それぞれ順に闇・地・風・水・火・光の属性を持つ。各音素の量や割合が違えど、この世の全ては例外なく音素を内在しており、内在された音素はそれぞれ固有の振動と音を発する。別の存在に内在された音素の振動数が一致する事は極めて稀であり、音素の振動数は物質の些細な個性にも大きく影響しているものと思われる。
音素は一定以上の量が集まると自我を持つとされており、その存在は確認されている。自我を持った音素は意識集合体と呼ばれ、それぞれ第一音素シャドウ、第二音素ノーム、第三音素シルフ、第四音素ウンディーネ、第五音素イフリート、第六音素レム、と言う名前で呼ばれている。
後に“音”の属性を持つ七番目の音素、すなわち第七音素(セブンスフォニム)の存在が明らかになったが、第七音素は比較的新しく(およそ2000年前)発見された音素で、まだ詳細は分かっていない。第七音素も一定量以上が集合すると自我を持つとされているが、存在は確認できていない。集合体名としてローレライと呼ばれている(詳しくは下記)。
余談だが、音素及びフォニムは実在する言葉である。しかし、上記の通りテイルズオブジアビスの世界観ではどちらからも違う意味で使われている。
[編集] 譜業と譜術
譜業とは音素を用いた科学技術の総称であり、その中でも特に音素を原動力とした機械を音機関と呼ぶ。熱エネルギーとして利用可能な火の属性を持つ第五音素が主に原動力として用いられるが、種類によっては光属性の第六音素が用いられる事もある。また、創世暦時代の音機関には第七音素を原動力とする音機関も多々存在している。現在、キムラスカ・ランバルディア王国のベルケンド・シェリダンで譜業の研究・製造が盛んである。ジェイドが理論を開発したフォミクリーも譜業の一種である。
音素を原動力とする譜業に対し、音素そのものに干渉する事で魔術的奇跡を起こす技術が譜術である。譜術は何の道具も用いずに人間の思考・集中のみで行使することも可能だが、何かしらの媒体を介して行う事でより強力かつ大規模な譜術を行使することも可能(音素で描かれた譜陣を介する方法などがある)。キムラスカ王国では譜業が盛んなのに対し、マルクト帝国では譜術が盛んである。現に、マルクト兵には比較的譜術士が多い。譜術を使う者は譜術士(フォニマー)と呼ばれる。
特に第七音素を扱う譜術士は第七音譜術士(セブンスフォニマー)と呼ばれるが、第七音素を扱うには特別な素質が必要で、その素質を持つものは少ない。第七音素には癒しの力や同じ第七音素である預言(スコア)を読み解く力がある為、素質を持った人間の少なさと相まって第七音譜術士は特に重宝される。また第七音素を使う術の中でも特殊な譜術として、代々ローレライ教団の導師に受け継がれるダアト式譜術がある。ダアト式譜術は譜石のかけらからその譜石の全ての預言を詠む、星の存亡に関わる特殊な預言(惑星預言(プラネット スコア))を詠む、などが可能。戦闘面においては格闘技と譜術を組み合わせた譜術で、詠唱無しでの瞬時の譜術の発動(一例としてアカシック・トーメント)、他人の体にある譜陣を刻むことでその者の殺意をかきたて意のままに操る(カースロット)などが行える。いずれも体中の第七音素を使用する為疲労が激しく、ダアト式譜術を行える素質があるか否かが、導師として選ばれる条件の1つとなっている。
[編集] 超振動
同一の振動数を持つ音素同士が干渉しあう事で発生する、ありとあらゆる物質を分解し再構成する現象。同位体の音素同士が干渉しあう事で発生するが、完全同位体が存在する確率は極めて低いので超振動はそうそう発生する事はない。また、超振動と第七音素は密接な関係にあるようで、第七音素を媒体とすることで超振動の規模を拡大する事が可能である。物語終盤では、ルークがローレライの剣によってレプリカから収束させた第七音素を使い、オールドラント全土の障気を消滅させる事に成功している。
なお、振動数が同じでなくとも、第七音素同士が干渉しあう事で超振動に似た現象が発生する場合がある(ゲーム開始直後のティアとルークの間に発生したもの)。この現象を擬似超振動と呼ぶ。その規模や分解の度合いは超振動に比べ六割減と言われているが、物質を消滅させるには充分過ぎる程の巨大な力である。擬似超振動はレプリカを作る際に一瞬第七音素を共有する事によっても起きる。
超振動同士が干渉しあう事で発生し、全ての音素の力を無力化する力があるとされ、この力を第二超振動と呼ぶ。
[編集] ローレライ
一定量以上集合して自我を持った、第七音素の意識集合体の存在。他の意識集合体と違いローレライの存在は未確認であるが、第七音素にも他の六音素と同様に一定量以上集合すれば自我を持つ性質があると考えられている。ルークとアッシュはローレライ、即ち純粋な第七音素と同じ音素振動数を持っており、その為かしばしばローレライからのテレパシーを受けていた。又、ルークとアッシュが単独で超振動を起こせる理由も、第七音素と同一の音素振動数を持つ事にあると思われる。余談だが、その数値は3.14159265…で円周率と同じである。
[編集] ユリア・ジュエ
およそ2000年前に起きた譜術戦争末期に生まれたホド出身の天才譜術士。ヴァンやティアの先祖で、第七音素から惑星オールドラントの運命を未来視し、7つの惑星預言(プラネット スコア)を詠む。波乱に満ちた一生を送り、最期はホドで亡くなったとされる。ちなみに最終ダンジョン、エルドラントにはユリアの墓がある。
[編集] ローレライの鍵
ローレライはかつてユリア・ジュエに力を貸し、世界を救ったと言われている。その時ユリアが用いたのがローレライの鍵である。
ローレライの鍵は第七音素で出来た剣と宝珠(響律符(キャパシティ・コア))からなる、譜術の触媒の一種である。剣には第七音素を収束する力が、宝珠には第七音素を拡散させる力があり、ユリアは剣で大地を切り裂いて譜陣を描き、プラネットストームを発生させたらしい。
[編集] 預言
預言(スコア)は譜術戦争末期、ユリアがローレライとの契約により導き出した預言。
戦争の様な大規模な出来事から個人のある1日の夕食の献立まで、2000年間に渡るオールドラントの歴史が事細かに詠まれている。預言は譜石に刻まれ、そこから第七音素を用いて詠むものであるが、ユリアの預言が刻まれた譜石はその内容の膨大さゆえに山ほどの大きさの譜石7つにもなる。
ユリアの預言が刻まれた譜石全てが発見された訳では無いため、その詳細な内容は不明であるが、一般的に預言が詠まれた時代から2000年後に訪れる大繁栄を予知したものとされている。ユリアの預言が大繁栄を予知したものであるというのを前提として、預言を用いて人々を大繁栄に導く為に設立されたのが「ローレライ教団」である。
[編集] フォミクリー
第七音素を利用することにより物質のレプリカを創り出す(複製する)技術。第七音素を被験者(オリジナル)のフォンスロットに注入し、被験者を構成する音素を人為的に粒子レベルで揺らぎをおこさせる。この揺らぎに生じるレプリカ情報をフォニミンという薬品で抜き取り、音機関を使用してレプリカを創り出すことができる。
フォミクリーは無生物に限らず、生物(即ち人間)のレプリカを創り出す事も可能である(この場合「生体レプリカ」と呼ばれる)。ただし、フォミクリーによって創り出せるものは本物に限りなく近い模造品なので、被験者とレプリカを比較した場合、レプリカは明らかに能力が劣化しているほか、被験者の記憶や経験などを引き継がせることはできない。また、レプリカ情報を引き抜かれた被験者に副作用が発生する場合があり、最悪、音素乖離を引き起こし、死亡する可能性もある。この異変が発生するのは無機物で10日以内であり生物の場合はさらに早い。
もともとジェイドが譜術を用いた理論を考案したものだったが、レプリカネビリムによる惨劇が起こったため、マルクト軍にてディストと共に研究を進め、改良と譜業化に成功。これが現在のフォミクリーになる。ちなみに、ジェイドの「戦場で死体を漁る」と言う噂や「死霊使い(ネクロマンサー)」の二つ名は、この研究の際に必要なレプリカ情報を戦場で瀕死の人体から抜き取っていた事に由来するもの。しかし、後にフォミクリーにかけると被験者の体に悪影響が出ることが判明し、これにより実用性には程遠いと研究を放棄。生体フォミクリーを禁忌とした。
[編集] 同位体
全く同じ音素振動数を持つ2つの存在。完全同位体とも。同位体によって引き起こされる超振動はその圧倒的破壊力から戦争での使用が期待されている為、フォミクリーによる同位体の作成はキムラスカ・ランバルディア王国、マルクト帝国の両国がもっとも力を注いでいる研究対象である。ただし、今の技術では被験者と同じ音素振動数を持つレプリカを意図的に創り出すことは不可能であり、生体レプリカが禁忌とされているのでこの先には実証不可能となる。
また、フォミクリーによって同位体が生まれた場合、被験者とレプリカの間に「大爆発(ビッグ・バン)」という現象が起こる可能性があると考えられている。この現象は被験者にゆるやかな音素乖離が発生し、それによって被験者が死亡したときに被験者とレプリカの間に特殊なコンタミネーション現象(ある物質が音素レベルにまで分解し、別の物質と融合する現象)が発生して被験者がレプリカと融合するというもの。被験者と融合したレプリカは被験者とレプリカの両方の記憶を持ち、人格は被験者のものとなる。つまり、実質的には被験者がレプリカを吸収する形になる。
ただし、完全な大爆発を発生させるにはコンタミネーション現象が起きる際に、他の物質や音素が混じらない様な特殊な力場が必要で、その力場は人為的に作らなければ実現は到底不可能と言われるなど非常に厳しい条件を揃えなければ発生しない。そもそも同位体が滅多に存在しない為、大爆発が起こりうる確率は限りなく0に近い。
[編集] フォンスロット
生物、無生物を問わずあらゆる物質に存在する、音素の要点(ツボ、もしくは急所の様なもの)。音素の働きは音素を内在した物質の働きと密接に関係している為、フォンスロットに干渉する事で物質の活性化、もしくは弱体化を図る事が可能。
[編集] 響律符
響律符(キャパシティ・コア)は譜石を削って作られた装飾具。装着するもののフォンスロットに干渉し、身体能力の向上や譜術能力の強化などと言った付加効果を発揮する。装着者にどの様な効果が表れるかは、響律符に刻まれている譜の内容によって変化する。ミュウが身に着けているソーサラーリングも響律符の一種。 ちなみに、響律符は広く一般的に流通しているが、これらの響律符は戦闘用の響律符とは違い、装着者への付加効果は無いに等しいアクセサリーである。
[編集] 封印術
封印術(アンチフォンスロット)は、対譜術士用に開発された譜術兵器。見た目はサイコロに似ている。対象のフォンスロットを閉じる事で音素の働きを抑え、譜術の威力を格段に抑える力がある。また、音素の働きが抑えられた副作用として、運動能力も低下する。ジェイド曰く「重りを付けられて海中散歩させられている様な感覚」らしい。作中では、本来はイオンに使用する予定だったようだが、結果的にはジェイドに使用された。
運動能力も低下させる事も出来るため、譜術士に限らず対人用兵器として非常に有効だが、封印術(アンチフォンスロット)1つ作成するのにマルクト帝国の国家予算の10分の1の費用が掛かるらしく、実戦投入はされていない。
[編集] セフィロト
大地にあるフォンスロットの中で最も強力な十箇所の事。最大のセフィロトは「アブソーブゲート」と「ラジエイトゲート」。セフィロト内にはパッセージリング と呼ばれる古代の音機関が設置されており、これが記憶粒子(セルパーティクル)の圧力によって外殻大地を支えるセフィロトツリーを作り出している。パッセージリングの耐用年数は約二千年とされており、アグゼリュスから瘴気が溢れ出したのはリングの耐用年数が過ぎた為と考えられる。
全てのセフィロトは創世暦時代に考案された三つの防衛機構で護られている。第一段階はダアト式封咒と呼ばれ、これはローレライ教団の導師にしか解呪できない。第二段階はアルバート式封咒と呼ばれ、第八セフィロトであるホドのセフィロトと第五セフィロトであるアグゼリュスのセフィロトによってすべてのセフィロトのパッセージリングを操作できないようにした物である。(劇中では結果的にヴァンによってホドのセフィロトが、ルークによってアクゼリュスのセフィロトが消滅したため無効化されたのでシュレーの丘を訪れた時点でははじめから解かれている。)第三段階はユリア式封咒と呼ばれ、ローレライ教団の始祖ユリアがセフィロト内に様々な仕掛けを作る事によって施した。また、すべての封咒を解除してもパッセージリングはユリアの血を引くものしか起動させることができない。
余談だが、実際のセフィロトは旧約聖書のカバラの書に登場する重要な単語であり、その名前のほぼすべてが都市名に使われている(「コクマ」、「ホド」など)。 ちなみに、「ダアト」は別次元に存在するセフィロトで、他のセフィロトの深淵(アビス)の上に存在するといわれ、2番目のセフィロト「コクマー」と3番目のセフィロト「ビナー」(セントビナーの元となった名前。意味は「理解」)を結合する役割を持つとされる。なお、実際のダアトのセフィロトの意味は、「知識」。
[編集] クリフォト
[編集] 障気
[編集] 言語
昔は「古代イスパニア語」という言語が用いられていたが、単語の変化が起こり、言語もろとも変化し現在の「フォニック言語」と化した。よって、古代の遺跡には基本的に古代イスパニア語で記述されており、古代イスパニアで動作する譜業も存在する。単語が変化しただけなので古代イスパニア語は現在の言語と文法は大差はなく、習得は容易である。よって、現在オールドラントでは当たり前のように学ばれており、自分の子の名前に古代イスパニア語を利用することも多い。
ちなみに、余談ではあるが「イスパニア語」とはスペイン語の別称である。
[編集] 国家・勢力
[編集] オールドラント
恒星レムの第二惑星であり、衛星にルナを持つ星である。
直径は約11470キロメートル(ちなみに、地球の直径は12756.3キロメートル)、自転周期は約24時間、公転周期は約765日である。1時間は60分60秒、1週間は7日、1ヶ月は58日(最後の月にあたるローレライデーカンのみ60日)、1年は13ヶ月としており、各月と曜日には音素集合体(レム、シャドウなど)の名を用いた、独特の名称がある。また、1年分のカレンダーは全年共通である。
開発者のインタビューによると、オールドラントの人間の平均寿命は地球人の約2倍とのことである(例を挙げると、ジェイドはオールドラントの数えでは35歳だが、地球の数えに直すと単純計算すれば70歳前後になる)。つまり、これは地球人より歳をとるのが約2倍遅くなるということである。
[編集] キムラスカ・ランバルディア王国
キムラスカ・ランバルディア王国は、いまでこそ世界にその名をとどろかせているが、遥か昔にイスパニア国を破るまでは名もない国であった。キムラスカは譜業と音機関を中心に発展してきた。そのため、バチカルをはじめ領内のあちこちに様々な譜業や音機関を見ることが出来る。
首都バチカルは、イスパニア国を破った際に奪い取ったもので、その構造は他に類をみない。譜石の落下によってできた窪みを利用し、そこに住居、施設などが点在している。穴の内壁が城壁となっている要塞都市である。町は垂直状に数段階に分かれ、上は貴族の居住区、下は一般人の居住区となっている。王宮が構えられている頂上は一般居住区から仰ぎ見れば霞がかるほど高い。高低差のはげしい街中は天空客車と昇降機を使って移動する。天空客車は世界でもバチカルにしかない貴重な音機関である。他にも戦士たちが腕を競う闘技場や、ローレライ教団修道院などがあり、世界最大の街として観光客の足が絶えることは無い。
キムラスカは王政で、国王には代々赤い髪と碧の瞳を持つものが即位するという掟がある。赤い髪と碧の瞳こそが王族の他ならぬ証であり、正当な王位後継者の印である。国王は王室に連なる婚姻関係を持ち、後継者同士を結婚させて王位後継者をもうけて血筋を守ってきた。
なお、キムラスカに存在するアクゼリュスを含む都市のほとんどは、旧約聖書に存在する、実際のクリフォトの名称からきており、第一クリフォトである「バチカル」の意味は「無神論」と言う意味である(ちなみに、キムラスカの名前の由来である第十クリフォトの「キムラヌート」の意味は、「物質主義」である)。
[編集] マルクト帝国
ジェイドが所属する国。現皇帝は、ピオニー・ウパラ・マルクト九世。 古来より譜術を中心に発展し、軍隊も譜術士の割合が高くなっている。 首都のグランコクマは「流麗なる水上都市」とも言うべき場所で、都市全体が海の上に位置している。譜術を利用して水を低い場所から高い場所へ引き上げている様な場所もあり、初めて訪れたルークを驚かせた。
かつてはキムラスカの属国に過ぎなかったが、独立し発展、キムラスカに及ぶ大国に成長した。 保持する戦艦タルタロスは物語で重要な役割を担う。
余談だが、マルクトの名の由来は、ホド同様に旧約聖書に登場する10番目のセフィロトの名であり、意味は「王国」である(ちなみに、グランコクマの由来にあたる2番目のセフィロト、「コクマ」の意味は「知恵」)。
[編集] ホド
かつてマルクト帝国の領土にあった島。ガイ、ヴァンたちの生まれ故郷で、かのユリア・ジュエの最期の地とされる。ガルディオス伯爵の領地で、長年フェンデ家がユリアの譜歌と第七譜石を密かに守ってきた。創世暦時代にはプラネットストーム構築に大きく貢献したが、一度は譜術戦争で滅び、その後ユリアの力で復興した。およそ15年前のホド戦争の最中、地殻変動によって魔界へ落ち消滅した。この地殻変動はキムラスカ軍の譜業兵器によるものとされているが、実際はホドで行われていたフォミクリーの研究の成果が漏洩するのを防ぐ為に、マルクト軍が擬似超振動によって引き起こしたものである。ちなみに、ホドを魔界に落とした擬似超振動は被験者とレプリカの第七音素を干渉させる事により引き起こされた。この被験者として選ばれたのが、当時11歳だったヴァンである。
物語終盤にてヴァンによって未完成のホドのレプリカが「栄光の大地エルドラント」として登場するが、ルークの超振動によって崩壊する。また、このエルドラントは本作のラストダンジョンでもある。
ホドの文化についての詳細は不明だが、ホド特有の剣術「アルバート流」が盾を持たない剣術である事や、カタナ、ハマユミなどの武具の説明などから、テイルズオブデスティニー、及びテイルズオブデスティニー2のアクアヴェイルの様に和風な一面を持つ文化だったと思われる。
余談だが、ホドは旧約聖書に登場する8番目のセフィロトの名であり、意味は「栄光」である(さらに付け加えると、ホドは作中でも「第八セフィロト」となっている)。また、エルドラントはエル・ドラードからきていると思われる。
[編集] 流通拠点 ケセドニア
二国の国境上に位置し、ローレライ教団の許しを得て中立を取っており、商人たちの自治が行われている。事実上の代表はアスター。 どちらの勢力にも影響されないという点から国をまたいだ貿易の中心地となっている。
なお、ケセドニアの名前の由来は、マルクト帝国同様、旧約聖書に記載されている4番目のセフィロト「ケセド」から来ており、意味は「慈悲」となっている。
[編集] ローレライ教団
ユリアの預言を詠むことで、人々を繁栄と英知に導く教団。預言を詠むと言う立場からキムラスカ・ランバルディア王国、マルクト帝国双方に対し強い影響力を持ち、今日両国の均衡が保たれているのはローレライ教団あってのものである。また、独自の軍事力として「神託の盾(オラクル)騎士団」を有する(詳細は次項)。
本部の教会はパダミヤ大陸のダアトにある。なお、パダミヤ大陸は、キムラスカ、マルクトのどちらにも属さない中立地帯となっており、事実上ローレライ教団が統治している。
ローレライ教団員は上から順に導師、大詠師、詠師、律師、唱師の肩書きを持ち、その下に一般の信者がいる。また、神託の盾(オラクル)騎士団に所属する教団員の中には、騎士団員としての肩書きを持つ者もいる。
近年、教団内では預言を未来の選択肢の一つとして捉える導師派と、預言の内容の是非を問わず預言を徹底的に信じるべきとする大詠師派に分かれ、水面下で派閥争いが繰り広げられている。なお、人数に関して言えば、ただの信者を含め、圧倒的に大詠師派が多数である。なお、少数派であるが神託の盾騎士団主席総長のヴァン・グランツが提唱するレプリカ計画に賛同する者もいる。
[編集] 神託の盾騎士団
神託の盾(オラクル)騎士団は、ローレライ教団が軍事力として擁する騎士団。およそ3万名のローレライ教団員で構成されており、キムラスカ・ランバルディア王国やマルクト帝国の正規軍に比べれば少数であるが、騎士団員一人ひとりの練度は決して低くない。
騎士団は1~6の師団に分けられ、各師団の師団長がそれを統括する。また、特殊な任務を主とする特務師団や、導師の身辺警護を主任務とする導師守護役(フォンマスターガーディアン)も騎士団の所属にあたる。騎士団の最高責任者は大詠師モースであるが、実質的な総指揮官は主席総長のヴァン・グランツ。
以下は主要構成員。
- モース 元帥
- ヴァン・グランツ 主席総長
- リグレット 総長副官(第四師団師団長兼任)
- シンク 参謀総長(第五師団師団長兼任)
- ラルゴ 第一師団師団長
- ディスト 第二師団師団長
- アリエッタ 第三師団師団長
- カンタビレ 第六師団師団長(忠実な導師派であるため、モースによって地方に送られている)
- アッシュ 特務師団師団長(後に解任)
[編集] 主題歌
オープニングテーマ:「カルマ」
BUMP OF CHICKENが本作のために書き下ろしたものである。他にもボーカルの藤原基央がゲーム中の音楽を9曲書き下ろし(※)、ゲーム音楽に本格的に取り組んでいる。『テイルズオブデスティニー』で主題歌を歌ったDEEN以来、テイルズシリーズでは約8年ぶりとなる男性ボーカル曲となった。
- (※) 書き下ろしの中の1曲である、譜術の一種である譜歌のうちゲーム中に登場する、『ユリアの譜歌』の作詞も担当。この曲で使用された言語は音階英語名(C,D,E...)をフォニスコモンマルキス(フォニック言語の文字)に対応させ、スタッフのみが知る読みを与えたもの。
[編集] サウンドトラック
- テイルズオブジアビス オリジナル・サウンドトラック
- 発売元:キングレコード
- SONG FOR TALES OF THE ABYSS
- アーティスト:MOTOO FUJIWARA
- 発売元:トイズファクトリー
[編集] 漫画
2005年10月27日発売の電撃「マ)王創刊号より連載開始。作画は玲衣。
[編集] 小説
著:結城聖 イラスト:松竹徳幸 スーパーダッシュ文庫 全6巻予定
- テイルズ オブ ジ アビス 1 ~聖なる焔と七ノ歌~ ISBN 4086302810
- テイルズ オブ ジ アビス 2 ~愚かな焔と崩れる世界~ ISBN 4086302918
- テイルズ オブ ジ アビス 3 ~さまよう焔と割れる世界~ ISBN 4086303019
- テイルズ オブ ジ アビス 4 ~地に行く焔と師との道~ ISBN 4086303108
- テイルズ オブ ジ アビス 5 ~惑う焔と蘇る死者たち~ 2006年12月20日発売予定
- テイルズ オブ ジ アビス 6 2007年2月発売予定
- 参考 - シリーズ一覧
- テイルズ オブ ジ アビス 緋色の旋律 上 ISBN 4757726651
- テイルズ オブ ジ アビス 緋色の旋律 中 ISBN 4757728018
- テイルズ オブ ジ アビス 緋色の旋律 下 ISBN 4757728700
- テイルズ オブ ジ アビス 真白の未来 上 ISBN 4757730055
- テイルズ オブ ジ アビス 真白の未来 下 2006年12月25日発売予定
[編集] ドラマCD
- ドラマCD「テイルズ・オブ・ジ・アビス」Vol.1 9月22日発売
- ドラマCD「テイルズ・オブ・ジ・アビス」Vol.2 10月25日発売
- ドラマCD「テイルズ・オブ・ジ・アビス」Vol.3 11月22日発売
- ドラマCD「テイルズ・オブ・ジ・アビス」Vol.4 12月22日発売予定
[編集] 関連書籍
- テイルズ オブ ジ アビス 公式コンプリートガイド ISBN 4902372096
- テイルズ オブ ジ アビス パーフェクトガイド ISBN 4757727607
- テイルズ オブ ジ アビス はじまりの預言(スコア) ISBN 4087793524
- テイルズ オブ ジ アビス イラストレーションズ 藤島康介のキャラクター仕事 ISBN 4758010587
[編集] 外部リンク
カテゴリ: テイルズシリーズ | プレイステーション2用ソフト | 2005年のコンピュータゲーム | 漫画作品 て | スーパーダッシュ文庫 | ファミ通文庫