ゾイドバトルストーリー

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ゾイドバトルストーリーはタカラトミー（旧トミー）から販売されている玩具シリーズ『ゾイド』を元に小学館が刊行した架空戦記。

注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

[編集] 概要

ゾイドが誕生した頃、まだはっきりとしたストーリーは作られていなかったが、当時のトミー（現タカラトミー）が『HISTORY OF ZOIDS』と言う関連書籍を期間限定販売しており、小学館も『戦闘機械獣のすべて』というムック本を出していた。

1986年ごろ、小学館の学年誌（いわゆる小学○年生）にジオラマ写真を掲載したストーリーが連載され、これがゾイドバトルストーリーの原型となり、ムック本の形で編集、刊行された。著者は1巻から4巻までは立山誠浩が作中に登場したヘリック共和国軍の退役軍人である戦史研究家ロイ・ジー・トーマス元大尉という設定で執筆。続編である新ゾイドバトルストーリーも同様に三浦卓嗣が共和国軍中央研究所主任研究員である技術将校トミー・ミューラー大佐となって執筆された。最初はSF色の強いストーリー構成だったが、次第に泥臭いミリタリー調になり、どちらかと言えば第二次世界大戦後の近代戦に近い戦いのストーリーになっている。ちなみにジオラマ写真に登場する兵士の人形は田宮模型のミリタリーミニチュアシリーズのドイツ兵などを改造して用いている。また、ゾイドバトルストーリー1、2巻を元に漫画化した作品と小学館の雑誌にそれぞれ読み切りで掲載した漫画作品を再収録した「ゾイドバトルコミック」というコミック本も刊行されている。作者はたかや健二、田中てつお、石川森彦である。

惑星Ziは太陽系第三惑星（地球）からみて銀河系の正反対に位置する恒星系「ゾイドゾーン」の惑星で大気組成こそ地球と似通っているが金属鉱脈が多く露出し、金属イオン濃度の高い海から発生した生命は金属細胞をもつゾイドへと進化。旧シリーズは中央大陸デルポイにおけるヘリック共和国とゼネバス帝国との戦争（中央大陸戦争）及びヘリック共和国とゼネバス帝国滅亡後の残存勢力を吸収したガイロス帝国との戦争（第一次大陸間戦争）が描かれた。この戦争の最中、飛来した巨大彗星が惑星Ziの衛星に衝突、その破片が降り注いだ。これによってもたらされた大異変により両軍は継戦能力を失い戦争は決着のつかないまま終結した。

1999年のゾイド復活に合わせ、コロコロコミックでジオラマ写真を掲載したストーリーが連載され、これもムック本の形で4巻刊行された。著者は小学館のライターである窪内裕である。またゾイド製品の箱裏にもバトルストーリーのエピソードが書かれており、ゴジュラスギガからバトルストーリーのエピソードが書かれた小冊子「ゾイドオフシャルファンブックEX」が付属した。

2003年のゾイド生誕20周年記念企画として一万セットの限定発売品として販売された『ゾイド・コア・ボックス』にゾイドバトルストーリー全5巻の復刻版が収録、さらに「Ziヒストリーファイル」という設定資料集も付属された。なお、ゾイドバトルストーリーはゾイドオフシャルファンブックEXvol.8にてネオゼネバス皇帝ヴォルフ・ムーロアとヘリック共和国軍パイロットであるレイ･グレックとの因縁の対決の決着で締めくくられ、一応完結している。

[編集] あらすじ

中央大陸戦争

詳細は中央大陸戦争を参照。中央大陸を巡りヘリック共和国とゼネバス帝国との戦いが描かれた。

第一次大陸間戦争

詳細は第一次大陸間戦争を参照。ゼネバス帝国が滅び、新たに暗黒大陸のガイロス帝国との戦いが描かれた。

第二次大陸間戦争

詳細は第二次大陸間戦争を参照。大異変後、再び激突したヘリック共和国とガイロス帝国の戦いが描かれた。

[編集] 主な登場人物

[編集] ヘリック共和国

ヘリック大統領（ヘリック・ムーロア2世）

ヘリック共和国初代大統領。ゾイドバトルストーリー1巻から4巻、新ゾイドバトルストーリーの全作品及びゾイドコアボックス付属のZiヒストリーファイルに登場。8つの部族により群雄割拠の状態だった中央大陸を統一した風族の族長である英雄ヘリック・ムーロアの長男。時に自らもゾイドに乗り戦線で戦うなど勇猛さを持ち、将兵や国民に慕われ長きにわたる戦争を戦いぬいた。大異変後も生き延び大統領職を務めていたようである。

乗機：ケンタウロス

ロイ・ジー・トーマス

ゾイドバトルストーリー1巻の主人公。「ジー」（SEAY）のミドルネームの敬称が示すように中央大陸8つの部族の一つである海族の王家の血をひく。王立陸軍士官学校卒業後、技術将校としてカノントータスの開発に参加。ZAC2037年、レッドリバー上流にある基地で起こった帝国軍のスパイコマンド、エコー中佐によるウルトラザウルス強奪事件で見事ウルトラ奪回を成功させる。ZAC2037年、大氷原の戦いにおいてゴジュラスMk-IIに搭乗しエコー中佐の赤いアイアンコングMk-IIを撃破する。その後、大尉に昇進しカノントータス大隊を率いるが、ZAC2039年のゼネバス帝国首都攻撃の際、王宮前の戦いで帝国親衛隊と交戦し左足を失うほどの重傷を負ったため、野戦指揮官の夢を捨て陸軍を退役。その後、戦史研究家を志し、ゾイド戦役に参加。ゾイドバトルストーリーを著した。ちなみに4巻のエピローグでは共和国軍の捕虜となったマイケル・ホバート少佐の完成させた義足をつけて登場した。なお、新ゾイドバトルストーリーの主人公、ロイ・ジー・クルーガは彼の甥にあたり、共和国軍中央研究所主任研究員のトミー･ミューラー大佐とは陸軍時代の上官であった。

乗機：カノントータス、ゴジュラスMk-II限定型

ヨハン・エリクソン

ゾイドバトルストーリー2巻の主人公。ヘリック共和国陸軍大佐。ゼネバス皇帝とは共に王宮で育てられた幼なじみでもある。ZAC2039年のゼネバス帝国首都攻撃の指揮を取るが、ゼネバス皇帝を取り逃がしてしまう。皇帝を追撃するがダニー・ダンカン将軍操縦のサーベルタイガーに阻止される。その後、バレシア基地で大量に捕獲したサーベルタイガーを元にシールドライガーを開発し、ハドリアンウォールの戦いでシールドライガーの初陣を飾り、その後デスザウラーが開発されている研究所をコマンドウルフと共に襲撃の陣頭指揮を取る。ZAC2044年、共和国首都ヘリックシティを目指して進撃を続けるトビー・ダンカン少尉操縦のデスザウラーの前にウルトラザウルスをもって立ちはだかるがトビーの執念に敗北し戦死する。

乗機：ウルトラザウルス、シールドライガー

ローザ・ラウリ

ゾイドバトルストーリー3巻に登場。ヘリック共和国軍大統領親衛隊所属の女性士官で階級は大尉。ZAC2044年、首都脱出の際、病気の妹を助けてくれたヘリック大統領の人柄に触れ、大統領親衛隊に志願入隊した。ZAC2045年6月、教え子の仇討ちに燃えるゼネバス帝国軍コマンド、フランツ･ハルトマン大尉に大統領が拉致されるところをバトルローバーで追い、フランツと剣を交えて打ち負かし大統領を救出。ZAC2046年8月、劣勢の共和国軍援護のためヘリックと共にケンタウロスを操縦し、鬼神の如く奮戦。総司令部に帰還したがフランツの操縦するデスドッグが総司令部を壊滅させていた。ヘリックはデスドッグを迎え撃ち戦おうとするがローザはヘリックの身を案じて脱出させ、自ら身代わりになってフランツと再び戦い、空中でもつれ合って相討ちに持ちこんだ。フランツは空中から墜落寸前に脱出、ローザは脱出できなかったが、奇跡的に負傷しただけで助かった。ZAC2046年の大みそか、野戦病院に彼女を見舞いに来たヘリックのプロポーズを受け入れ結婚し、大統領夫人となる。ちなみに4巻の前書きにZAC2047年11月に長男誕生の記述がある。

乗機：バトルローバー、ケンタウロス

ハーバード・リー・チェスター

ゾイドバトルストーリー4巻に登場。ヘリック共和国に属する教授であり、20代前半の若い頃から第一級の科学者と認められて以来、共和国の殆どのゾイド開発に携わった。中でも彼の名声を決定的にしたのはZAC2037年に完成した超巨大ゾイドウルトラザウルスの開発であった。ZAC2044年のヘリックシティ陥落の際、どういうわけか軍や市民と共に脱出せずに留まったため、帝国軍の捕虜となり収容所に幽閉（その時、ホバート博士に会い、彼が開発中の精巧な義手と義足を託される）されていたが、ロバーツ大佐率いる救出部隊に救出された。その後、解放を祝うパーティが張られたり、国の祝典に出席したりしたが、実は帝国軍を欺く替え玉であり、本人は救出された直後から極秘の研究所に篭ってデスザウラーを撃破するための強力な新型ゾイドの開発を開始していた。しかし替え玉いえどもいつまでも帝国軍を欺き続けることは出来なかった。そんな時、ルイス大尉とマーチン少佐という変わり者の将校がチェスター教授を守るための作戦「かまどとツバメ」を提案し、チェスター教授は研究室に改造されたサラマンダーに乗り込み開発を続けることになる。そして完成したのがトリケラトプス型ゾイドマッドサンダーであり、あまつさえ軍人でもないのに同機に乗り込みヘリックシティ奪回に一役買った。その後、病に倒れ、病室で共和国軍の捕虜となったマイケルに一組の精巧な義手と義足を手渡した。それはマイケルの父、ドン・ホバート博士が完成させようとした義手と義足であった。

ロバーツ

ゾイドバトルストーリー4巻に登場。ヘリック共和国陸軍大佐。優秀なコマンドソルジャーであるため、奇襲作戦の教科書と謳われ、数多くの奇襲作戦を指揮。チェスター教授の救出部隊の指揮をとったのも彼である。ZAC2048年1月、爆撃機に改造した「デスバード」の基地を共和国軍の偵察機ステラスが発見、直ちにサラマンダーによる爆撃を行うところを彼は爆撃より空挺部隊を率いて夜襲した方が確実だと主張し、共和国軍司令部は空挺部隊による奇襲作戦を認可、発動した。そしてサラマンダーにゴジュラスの腕を装着した改造機「ガブリエーレ」とアロザウラーを両脇に抱えて運べるようにした輸送機「ランフォリンクス」を率いてデスバード基地を夜襲するが、改造デスザウラー「デスシャドー」の待ち伏せに遭い、夜襲は失敗。デスシャドーの電磁剣で彼の乗機は真っ二つにされて撃破、戦死する。

乗機：メガトプロス、ガブリエーレ

ロイ・ジー・クルーガ

新ゾイドバトルストーリーの主人公。ヘリック共和国空軍少尉（のちに中尉に昇進）元共和国陸軍大尉で戦史研究家であるロイ･ジー･トーマスの甥にあたる。無茶、無謀な行動と攻撃的な性格からクレイジーホースの異名を持つ飛行パイロットである。無頼のロック好きで作戦任務中でさえ機内でロックを聴くので上官のグラハム大尉からよくたしなめられているだの仲間のパイロットから「やつは棺おけめがけて突っ込んでいく」と評されているなどクレイジーホースの異名に相応しい逸話は事欠かさない。最初の愛機はレイノスだが、第二次暗黒大陸上陸作戦では空軍所属なのに何故か陸軍のガンブラスターを使用しており、ガイロス帝国（暗黒軍）の兵器工場襲撃作戦まで使用していた。ZAC2053年10月、新型飛行ゾイドのテストパイロットとしての任務に就くため本国に帰還するが、その時ギル・ベイダーがヘリックシティに襲来、クルーガはテスト段階にあるサラマンダーF2で出撃、たまたま本国に帰還中だったグラハム大尉と共にギルと戦うが、グラハム大尉操縦のガンブラスターがギルのビームスマッシャーの攻撃を受けて撃破され、グラハムは戦死する。その後、サラマンダーF2を愛機とし、ギル・ベイダーと戦うが、マッドサンダーをかばってビームスマッシャーを受けて撃墜、クルーガは墜落寸前に脱出に成功しており助かった。ZAC2054年6月、グラハムが生前に残した設計の原案を元にトミー･ミューラー大佐が完成させたオルディオスに搭乗し、暗黒軍を襲撃。そのまま超高空に撤退したように見せかけ、ギル・ベイダーを誘い出して戦いを挑み、相討ちに近い形で撃破に成功する。その後、彼はギルのパイロットを救い出した後、機密保持のため、大破したオルディオスを自爆させ、砂の地面に大きく「HERIC」の文字を書き込み、振り返らずにその場を立ち去った。そして第一次暗黒大陸上陸作戦で置き去りにした最初の愛機、レイノスを発見し、そのまま乗り込み中央大陸へ帰還した。

乗機：レイノス、ガンブラスター、サラマンダーF2、オルディオス

グラハム

新ゾイドバトルストーリーに登場。ヘリック共和国空軍大尉。部下のクルーガとペアを組んで戦い、多くの戦績を残した歴戦の勇士のみならず、ゾイド設計者としての顔を持ちペガサス型飛行ゾイド、オルディオスを設計した。暴走しがちなクルーガの抑え役でもあり、事あることにクルーガをたしなめている。ZAC2052年11月、暗黒軍の「最終兵器」が開発されている可能性ありと考えられた工場にマッドサンダーをおとりにして突入するという作戦を実行する。そしてハウンドソルジャーに乗りこみ、遠隔操作でマッドを操作しながら乗機のゾイドを操縦すると言う離れ業を行った。ZAC2053年10月、オルディオス開発のため、本国に帰還し中央研究所で開発を進めていた矢先、ギル・ベイダーがヘリックシティに襲来し、迎撃に出るが力及ばず戦死する。なお、彼は空軍所属なのだが、作戦上から陸戦ゾイドのハウンドソルジャー、ガンブラスターも使用した。

乗機：レイノス、ハウンドソルジャー、ガンブラスター

トミー・ミューラー

新ゾイドバトルストーリーに登場。ヘリック共和国陸軍大佐。王立工科大学を経て技術将校として共和国軍に入隊。陸軍を経て王立中央研究所主任研究員となる。ガンブラスター、サラマンダーF2を設計、開発し、さらに戦死したグラハムが残した設計の原案を元にオルディオスを完成させた。その後、ガイロス帝国（暗黒軍）との戦いである第一次大陸間戦争を描いた「新ゾイドバトルストーリー」を執筆した。なお、ヘリック記念戦史研究所の主任研究員、ロイ･ジー･トーマス元大尉とは陸軍時代の先任士官である。

エル･ジー･ハルフォード

ゾイドファンブック1の主人公。ヘリック共和国陸軍中佐。独立第二高速大隊を率いてオリンポス山山頂へ向かい制圧、もしくはいかなる犠牲を払ってでも山頂の古代遺跡破壊の任務を帯びる。山頂へ向かう途中、警戒部隊に発見されセイバータイガーと交戦、辛くも撃破した。そして山頂で密かに復活の研究をされていたデスザウラーを発見するが、本能による暴走を始めたデスザウラーの荷電粒子砲の攻撃を受けて乗機は半壊。しかし自己崩壊をはじめていたデスザウラーのコアを死力を振り絞って砕き、共に炎の中に消えていった。

乗機：シールドライガー

トミー・パリス

ゾイドファンブック1、4に登場。ヘリック共和国陸軍中尉（後に大尉に昇進）当初はハルフォード中佐率いる独立第二高速大隊に所属するコマンドウルフのパイロットでオリンポス山制圧の任務に従う。部隊は隊長のハルフォードを始め全滅してしまうが、彼はダブルソーダーに救出されて生還する。そしてオーガノイドシステムのデータを持ち帰り、その功績で大尉に昇進。その後、ロブ・ハーマン中佐の部下に配属され、シュバルツ中佐との会談の場である共和国軍陣営の守備隊の指揮を任されたが襲撃時に負傷し治療と静養のため本国へ送還される。ZAC2101年12月、ルイーズ・エレナ・キャムフォード大統領の首都脱出のパイロットに任命され鉄竜騎兵団の追撃を振り切るが、大統領本人は脱出途中で行方不明に。ZAC2104年末、大統領から託されたディスクに入っていたゾイドの設計図を元に開発されたゴジュラスギガが急ピッチで組み立てられていく作業を、彼は来るべき新たな戦いに想いを馳せながら見つめていた。

乗機：コマンドウルフ、コマンドウルフAC、セイバイリオン

アーサー・ボーグマン

ゾイドファンブック2に登場。ヘリック共和国陸軍少佐。シールドライガーなどライオン型ゾイドのエキスパートである7人のレオマスターの一人（他はレイ・グレック、セレス・アルドワーズ、シシリー・ヴォルタ、ピーター・アイソップ、ミズモ・トミィ、エミー・イシカワ、ジャッジ・ライア）でレオマスターを象徴する獅子の紋章の色は赤である。彼のキャリアと年齢上、とっくに将官になってもおかしくなかったが、昇進の話が持ち上がるたびにわざと問題を起こし、ふいにしている。それゆえ、いまだ少佐の地位なので軍の仲間内からクレイジー・アーサーと愛情をこめてそう呼ばれている。もっとも彼は「死ぬまで俺はゾイド乗りだ」と口ぐせにしているので部隊を率いる野戦指揮官などまったく興味なかったのであろう。ZAC2100年3月、帝国軍より先に古代遺跡のデータを持ち帰る任務を受け、ブレードライガーに乗ってガリル遺跡に向かった。そして遺跡の奥深くでリッツ操縦のジェノザウラーと遭遇し交戦。リッツが発見した未知のゾイド核の持ち出しを阻止しようとしたが逃がしてしまった。その後、共和国軍はジェノブレイカーに対抗するため、ブレードライガーの強化を計画。その強化計画のテスト中、破壊本能の奥に隠されたブレードの本質に初めてふれたのだった。ZAC2100年10月、ウルトラザウルスを中心とするデストロイヤー兵団が西方大陸における帝国軍本拠地であるニクシー基地へ進撃を開始。アーサーは決戦が近いことを知り、決死隊に加わったリッツのジェノブレイカーと遭遇し交戦。両者とも一進一退の激しい死闘を演じた。その時、無惨に破壊された両軍のゾイドの残骸が転がる異様な場所に迷いこみ、突如、残骸の山からデススティンガーが姿を現し、ブレードとジェノブレイカーに襲いかかった。二人は一致協力してデススティンガーと戦ったが、アーサーのブレードはコアを貫かれてしまう。それでも最後の力を振り絞り、ジェノブレイカーを守るようにエネルギーシールドを張ってデススティンガーの荷電粒子砲を防いだ。そしてデススティンガー目指して突撃を敢行したが、蜂の巣にされて返り討ちにあい、ブレードと運命を共にして戦死する。

乗機：シールドライガー　ブレードライガー　ブレードライガーＡＢ

レイ・グレック

ゾイドファンブック2、3、ゾイドオフシャルファンブックEXvol.8に登場。ヘリック共和国陸軍中尉。アーサー・ボーグマンに見出され、一兵卒から特殊工作師団独立第101高速戦闘中隊に転属、後にレオマスターの一人となる。獅子の紋章は青。新シリーズのバトルストーリーにおける主人公的存在で、ゼネバス帝国復活のために起こった争乱を憂い、旧ゼネバス系民衆出身ながら終始共和国軍の最前衛に立ち続けた。ネオゼネバス皇帝ヴォルフ・ムーロワとは因縁で結ばれ、幾度も死闘を繰り広げた。ZAC2100年6月、共和国が温存していた大統領親衛隊とともにエウロペ大陸へ出撃。途上のデルダロス海海戦で僚機とともにネオタートルシップ甲板上から砲撃を行いシンカー11機を撃墜。2100年10月、ニクシー基地攻撃に参加。ガンスナイパー小隊を率いて基地内の地下工場に突入。そこで未成状態のライガーゼロとバーサークフューラーを発見。居合わせたヴォルフ・ムーロワの駆るバーサークフューラーにより乗機とガンスナイパー部隊を失うものの、ライガーゼロの奪取に成功し窮地を脱する。これが後にネオゼネバス皇帝となるヴォルフとの因縁の始まりであった。ZAC2101年、新設された高速ゾイド特殊部隊、閃光師団（レイフォース）に配属。同年3月、ニクシー基地に実験機KFD（キラーフロムザダーク）小隊が襲撃の折、ライガーゼロ（タイプゼロ）の運動性能をフルに引き出してKFDを撃破している。2101年7月、暗黒大陸にて閃光師団と鉄竜騎兵団（アイゼンドラクーン）が激突。両軍死闘の末ヴォルフを追い詰めるが、腹心ズィクナー・フォイアーが実験機ブラッディーデーモンを駆ってヴォルフを逃がした。レイはヴォルフ追撃の命令を無視し、友軍の救出を優先。ブラッディーデーモンを撃破し、ズィグナーを捕縛しようとするが、引き返してきたヴォルフとの戦闘で相討ちになり、ズィグナーは救出されてしまう。それから8年後のZAC2109年早春。ヘリックシティを巡る両軍主力の激突において、ヴォルフ暗殺の特務を帯び、鹵獲機のライガーゼロイクスにて帝国側布陣へ潜入する。ヴォルフのエナジーライガーに肉薄し襲撃を敢行するが、圧倒的な性能差により窮地に陥る。しかし間一髪ライガーゼロファルコンへ換装したことで逆転勝利。その後、エナジーチャージャーの暴走によるオーバーロードの危機をヴォルフと協力して回避したシーンでゾイドバトルストーリーはひとまず終了となっている。

乗機：シールドライガーDCS-J、ライガーゼロ

ルイーズ・エレナ・キャムフォード

ゾイドファンブック2、4に登場。ヘリック共和国の女性大統領。実はゼネバス皇帝の娘であるエレナ姫である。父ゼネバスやゼネバス帝国軍共々暗黒大陸に連れ去られゼネバス将兵にとって共和国軍と戦わせるための人質でしかなかったが、戦争終結後、帝国と共和国との休戦の証として中央大陸に帰還した。中央大陸に帰還後、ヘリック大統領に庇護され側近となる。そして共和国と帝国の友好親善に尽力し、またヘリック系民衆とゼネバス系民衆との融和にも心を砕き、結果、大統領まで登りつめた。ZAC2101年12月、ヴォルフ･ムーロア率いる鉄竜騎兵団が共和国首都ヘリックシティに迫った時、トミー･パリス大尉の操縦するセイバリオンに乗って首都を脱出するが、隠し部屋のハッチが何らかの原因で開き、行方不明になる。以後も姿を消したようにストーリー上に現れないのでこの時点で死亡したものと思われる。

ロブ・ハーマン

ゾイドファンブック1、2、4に登場。ヘリック共和国陸軍大尉（後に中佐に昇進）第二次大陸間戦争勃発時は独立第11機甲大隊長でゴジュラスのパイロットだった。ZAC2100年9月、大統領専用機であるウルトラザウルスを中心とするデストロイヤー兵団が編成され、ウルトラザウルスのパイロットに任命された。。ZAC2101年9月、共和国と極秘会談を行っていたガイロス帝国軍将校カール・リヒテン・シュバルツ中佐を暗殺しようと襲撃を仕掛けてきたヨハン・ホルスト・シュタルフィン軍曹のライガーゼロイクスをケーニッヒウルフを駆って交戦し撃破する。その後、帝都ヴァルハラの戦いでいち早く敵の真意に気付き脱出を命令し、数多くの将兵を帝都自爆の被害から救う。ヴァルハラでの戦いの後、カールと皇帝ルドルフに見送られながら彼はウルトラザウルスに乗り、故郷中央大陸を目指してエントランス湾を出港した。なお、彼は共和国大統領ルイーズ・エレナ・キャムフォード大統領の息子である。

乗機：ゴジュラス、ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤー、ケーニッヒウルフ

ウィナー・キッド

ゾイドファンブック3、ゾイドオフシャルファンブックEXvol.3に登場。ヘリック共和国陸軍少佐。シールドライガーDCS-Jを除いたライオン型高速ゾイドを全て乗りこなした高速戦闘のプロであり、レオマスターに次ぐ実力を持つエースパイロット。ライガーゼロイェーガーに乗り、閃光師団の第三大隊を率いて暗黒大陸で戦った。ZAC2106年、幼なじみのバディター・ローエンの提案で命令違反を承知で中央山脈のライカン渓谷を通るネオゼネバス帝国軍の補給部隊にライガーゼロパンツァーを用いて奇襲をしかけるが、不意打ちを受け危機に陥る。その時、ゴルヘックスが割り込み自爆した事で救われる。

乗機：ライガーゼロ（イェーガー、パンツァー）

バディター・ロウエン

ゾイドファンブック3、ゾイドオフシャルファンブックEXvol.3に登場。ヘリック共和国陸軍伍長。第38独立重砲隊に所属。閃光師団を救ったガンブラスターのパイロットの一人。ちなみに彼はこの時、バーサークフューラーに最初の直撃弾を命中させた。ウィナー・キッドの幼なじみで士官学校も同期で入学しバディダーは優秀な成績を修めたが、二等兵を体験したいと言う理由で卒業間近に自主退学して任官拒否し、共和国軍に入隊した。ZAC2106年、対ダークスパイナー用の装備を完成させるため、クリスタルレーダーの出力を上げた増幅ブースターの試作を装備したゴルヘックスを用いてウィナーと共にライカン渓谷を通るネオゼネバス軍の補給部隊に奇襲をかけ、ウィナーの乗るライガーゼロパンツァーに砲撃の指示を下して誘導。そしてダークスパイナーのジャミングウェーブを相殺させるため、クリスタルレーダーの出力を最大まで上げたが、オーバーロードを起こしてしまう。その後ゴルヘックスは危機に陥ったウィナーをダークスパイナーから救うために割り込み自爆。もっとも、バディダーは遠隔操作でゾイドを操縦していたので無事だった。なお、彼は天才のデパートみたいなヤツだが子供並みの腕力しかなく自信家で一般常識が通じないとウィナーに評されている。

乗機：ガンブラスター、ゴルヘックス

[編集] ゼネバス帝国

ゼネバス皇帝（ゼネバス・ムーロア）

ゾイドバトルストーリー1巻から4巻、新ゾイドバトルストーリー、ゾイドコアボックス付属のZiヒストリーファイルに登場。風族族長ヘリック・ムーロアと地底族族長ガイロスの妹の間に生まれる。エリクソン大佐の幼なじみであり、幼い頃は無断でゾイドを操縦し遠乗りに出て事故を起こした兄ヘリックをかばいだてするなど兄思いの弟だったが、長じて軍を任されたものの軍を率いて戦うことが出来ない苛立ちで変わっていった。ZAC1978年、兄である大統領と共和国議会の認可を得ずに軍を動かそうとしたところを止められ、兄との間に決定的な溝が生まれてしまう。そして共和国の大陸統一記念日にクーデターを起こし中央大陸西部を制圧、反旗を翻す。それに対し共和国議会はゼネバスの国軍最高司令官の解任と国外追放を議決し、ゼネバスは自身を皇帝とするゼネバス帝国を建国した。ZAC1980年、国境線を巡って共和国と対立しレッドリバーで両軍が衝突、中央大陸戦争が勃発する。ZAC2039年、幾つもの戦いを経てゼネバス帝国首都が陥落。ゼネバスはトビー･ダンカン少尉と共に首都脱出に成功し、北のバレシア基地へ逃れ、さらに暗黒大陸ニクスへ亡命する。ZAC2041年、ガイロス帝国の援助を受け中央大陸へ帰還、帝国領土を取り戻し捲土重来を果たす。ZAC2043年、今度は逆に共和国首都ヘリックシティを陥落させるが共和国軍は首都陥落にも屈せず、各地に分散したため戦争は終わらなかった。ZAC2048年、マッドサンダーを完成させた共和国軍の反攻により形成が逆転し、ZAC2051年に再び帝都が陥落。ゼネバスは残存兵力を率いてニカイドス島に逃れ、島内の要塞に篭城しガイロス帝国の救援を待ったものの、当のガイロス皇帝に裏切られ、娘のエレナ姫共々暗黒大陸へ連れ去られる。その後はなんの実権も与えられず、旧ゼネバス将兵をガイロスのために戦わせる人質でしかなかった。ZAC2056年、惑星Zi大異変の最中、ひっそりと息を引きとった。

乗機：デスザウラー

コマンド“エコー”

ゾイドバトルストーリー1巻に登場。ゼネバス帝国軍最強の天才スパイコマンドで階級は中佐（ゾイドバトルコミック参照）“エコー”の名はコードネームであり、本名は誰も知らず、帝国軍の高官でさえ、彼の素顔を知る者は少ない。ZAC2037年、ハンマーロックを用いてたった一人で当時完成したばかりのウルトラザウルスを強奪しヘリックシティに迫るが、トーマス中尉操縦のカノントータスの砲撃でコックピットを破壊され小型ビークルでウルトラから脱出。強奪は失敗に終わるが、敵首都に迫り共和国軍を手玉にとった事が胸をすくような冒険劇として帝国国民の喝采を浴びた。その後、アイアンコングの改造機を製作し、寒冷地仕様のアイアンコングイエティと宇宙空間移動タイプのスペースコングを作り上げ、この二つの改造機を元にアイアンコングMk-IIを完成させる。そして赤く塗られたアイアンコングMk-IIを用いて中央大陸最北端、ザブリスキーポイントの大氷原にウルトラザウルスを誘き寄せ、あと一歩まで追いつめるが、救援に駆けつけたトーマス中尉操縦のゴジュラスMk-IIと戦って敗北し、その素顔をさらさぬまま戦死する。

乗機：ハンマーロック、アイアンコングMk-II限定型

トビー･ダンカン

ゾイドバトルストーリー2巻に登場。ゼネバス帝国陸軍少尉。バレシア基地司令官ダニー・ダンカン将軍の弟で優秀な飛行パイロット。ゼネバス帝国首都陥落の際、皇帝の首都脱出を助け共に暗黒大陸へ逃れる。バレシア基地で皇帝をかばって戦死した兄の仇である「Eのマークがついたウルトラザウルス」を執拗に追い求めた。ちなみにEのマークとはエリクソン大佐の頭文字のことである。ZAC2043年、デスザウラーのテストパイロットに選ばれるが、当初はさすがの彼もデスザウラーの操縦に苦戦していた。そこで発想を転換し、デスザウラーを陸戦ゾイドでなく飛行ゾイドとして操縦し、見事デスザウラーを乗りこなす。そして他のテストメカと模擬実戦を行って圧勝し、開発関係者から帝国軍一のエースパイロットの称号であるトップハンターだと言わしめた。その後創設された特殊部隊スケルトンの隊長に任命される。ZAC2044年、トビー率いるスケルトン部隊は共和国空軍基地を奇襲し、追撃に出たプテラスをデスザウラーで全滅させる。その後も単機でゴジュラスの部隊を撃破するなど圧倒的な戦果を残す。そして、Eのマークがついたウルトラザウルスと遭遇。激闘の末、コックピットをエリクソンもろとも握り潰し兄の仇をとった。そして兄の仇だと憎んでいた男が兄を褒め称える言葉を言い残したことに彼は強い衝撃を受け、エリクソンの亡骸を両腕で抱いたまま号泣した。それはバレシア湾のシンカーの甲板で流すはずだった涙、数年間歯を食いしばって我慢し続けた涙であった。

乗機：シュトルヒ、シンカー、サイカーチス、デスザウラー

ロバット

ゾイドバトルストーリー2巻に登場。ゼネバス帝国陸軍中佐（後に大佐に昇進）中央大陸戦争の中で最も激しい戦いと言われる国境の橋争奪戦にてアイアンコングMk－II部隊を率いてフロスト中佐の援軍に駆けつける。フロスト率いる空挺部隊は既にカノントータスの部隊により全滅してしまったが、カノントータス部隊を蹴散らし、橋を奪取した。その後、特殊部隊スケルトンのメンバーに選ばれ、隊長のトビー・ダンカン少尉をサポートした。ZAC2044年、トビーに率いられて共和国軍空軍基地を奇襲。散々に暴れて風のように撤退した。その後、ゴジュラスが駐留する基地を攻撃した際は弾薬庫に時限発火装置をセットして基地を爆破、その隙に退散するつもりであったが、既に自爆装置が作動し先を越されてしまったため、他の隊員に脱出を促し自身も脱出した。

乗機：アイアンコングMk-II、ロードスキッパー

フランツ・ハルトマン

ゾイドバトルストーリー3巻の主人公。ゼネバス帝国陸軍大尉。優秀なコマンドソルジャーでかつては特殊部隊スケルトンに所属し、ダンカン少尉の下で戦い、それ以前は帝国陸軍士官学校の教官を務めていた。アーノルド・シュワルツェネッガーよろしく長身で筋肉隆々の大男であり、巨大な手持ちミサイルランチャーを軽々と扱うので手持ちミサイルのフランツの異名を持つ。余談だが、フランツのイメージは映画『コマンドー』だと思われる。教官時代の教え子二人をヘリック大統領（の影武者）との戦闘で失って以来、教え子の仇討ちと戦争を終結させるために大統領を付け狙う。そして自ら提案した作戦をゼネバス皇帝に認めてもらい実行に移り、共和国軍兵士になりすまして共和国軍に潜入。デスザウラー捕獲で共和国軍の信用を得て大統領の潜む小島に向かい、大統領の拉致に成功するが、あとを追った大統領親衛隊員ローザ・ラウリ大尉に阻まれ失敗する。その後も大統領の拉致を諦めなかったが、不幸にも戦局はフランツに味方せず、窮した彼は優秀なコマンドソルジャーとしての過去と地位と名誉を捨て、自分の命を引き換えにしてでも大統領の殺害を目論み、改造デスザウラー「デスドッグ」もって単身、共和国軍の総司令部に殴り込みをかけて大統領を倒そうとした。だが、大統領を乗機から脱出させたローザにまたも阻まれ、空中でもつれ合って相討ちに持ち込まれてしまい、フランツは墜落寸前に小型ビークルで空中から脱出、大統領の殺害に失敗した。その後、中央大陸最北部の氷河地帯の国境の峠を横断して撤退する帝国軍兵士達と共に撤退する姿が目撃されたが、その後の消息は不明である。

乗機：ロードスキッパー、デスドッグ

マイケル・ホバート

ゾイドバトルストーリー4巻の主人公。ゼネバス帝国陸軍の技術将校で階級は少佐。チェスター教授と双璧をなすゼネバス帝国の科学者ドン･ホバート博士の息子。父の血を受け継いだ優秀な科学者であるが、同時に軍人として自らゾイドに乗りこみ最前線に立って戦うので技術将校と言うよりパイロットエンジニアに近い。ZAC2047年、父の病死後、ゼネバス皇帝の命令で父の役職を継ぎ、新兵器研究所所長に就任する。デスバード、デスシャドー、デスファイターなどデスザウラーの改造バリエーションの製作や帝国軍ゾイドの量産体制の改善などに尽力。一方、強力な新型ゾイドを開発したいという願望とは裏腹に実際に開発を許可されたのは超小型汎用歩兵ゾイド「ゴーレム」のみであった。ZAC2048年8月、ゴーレムの力を示すためにウルトラザウルスに挑み、小型である事を逆手にとって内部に侵入、爆薬を仕掛けウルトラを爆破し撃破に成功する。ZAC2048年12月、首都奪回を目指してマッドサンダーがヘリックシティに接近するなか、デスザウラーの最終改造タイプであるデスファイターを用いて戦いを挑むが撃破されてしまう。乗機は撃破されたがマイケルは生き残り、共和国軍に捕らえられ捕虜となる。その後、チェスター教授に出会い、父ドン・ホバート博士が開発を進め、チェスター教授に託された義手と義足の完成を託され、これを完成させる。ヘリック大統領はマイケルの努力と功績を認め、この人工四肢を共和国のみならずマイケルの祖国である帝国にも贈ることを許可した。

乗機：ゴーレム、デスファイター

[編集] ガイロス帝国

ガイロス皇帝

新ゾイドバトルストーリーに登場。ガイロス帝国皇帝。一代で暗黒大陸ニクスを統一した英雄である。冷酷かつ残虐な性格であり、一度決定したら決して考えを変えない鉄の意志を持つ。ZAC2039年、ゼネバス皇帝の亡命を受け入れゼネバスを援助する。ZAC2051年3月、ウラニクス湾とダラス海の間に浮かぶニカイドス島に追いつめられたゼネバス帝国軍の救援に軍を派遣。島を攻撃していた共和国軍を蹴散らすが、ゼネバスを裏切り帝国軍を拘束。ゼネバス自身も他の将兵や娘のエレナ姫もろとも暗黒大陸に連れ去られてしまう。そして共和国に対し宣戦布告し、第一次大陸間戦争が勃発する。彼の最終目的は豊かな中央大陸デルポイを完全支配し、惑星Zi全てを手に入れ大帝国を建設することであった。だが、第一次大陸間戦争とZAC2056年に起こった惑星Zi大異変により彼の野望は潰えてしまう。ZAC2097年死去。そのあとをルドルフが受け継いだ。

ルドルフ・ゲアカルト・ツェッペリン３世

ゾイドファンブック1、4に登場。ガイロス皇帝の死により唯一の肉親として10歳の幼さで帝位を継承、ガイロス皇帝に即位するも摂政となったプロイツェン元帥の傀儡であった。だが、英雄ガイロスの血を受け継いだ聡明な人間であり、パイロットとしても非凡な才を持っていた。ZAC2101年、プロイツェン一派が帝国首都ヴァルハラで反乱を起こした時、ルドルフは囚われの身となり、皇帝官邸内の格納庫でプロイツェンと対峙していた。そしてプロイツェンに対して決闘を申し込み、皇帝専用機であるセイバータイガーゴールドを選んだ。最初から勝機の無い戦いだが、首都爆破用だったブラッディーデスザウラーの起爆装置の末端であるパイプを一本でも引きちぎって一人でも多くの兵や民間人を救うために決闘を挑んだのだった。だが、ゾイドの性能差とパイロットとしての経験でかなうはずが無くあっというまに頭部をデスザウラーの爪で締め付けられてしまった。その時、シュバルツ操縦のアイアンコングが飛び込んでルドルフを救い、爪からもがくように脱出したルドルフは爪や牙でやみくもにパイプを引きちぎった。ルドルフが引きちぎったパイプが僅かとは言え犠牲を抑えヘリック・ガイロス連合軍は全滅を免れた。

乗機：セイバータイガーゴールド

カール・リヒテン・シュバルツ

ゾイドファンブック1、4に登場。ガイロス帝国陸軍少佐（のちに中佐に昇進）プロイツェン一派とは敵対関係にあるガイロス帝国の名門軍閥であるシュバルツ家の当主。ガイロス帝国国防軍の至宝と謳われるほど優秀な若き指揮官であり、ゾイド装甲部隊を率いた電撃戦を得意とし、自ら最前線に立って戦う勇敢なパイロットでもあり、帝国と皇帝に忠義をつくす忠誠心厚き男である。そう言った性格からカールのイメージは第二次世界大戦時代のプロシア貴族出身のドイツ軍将校だと推察できる。ZAC2099年に勃発した第二次大陸間戦争については懐疑的だったが、軍人としての節を曲げないゆえにその心情を押し殺し、戦いの指揮を執った。ZAC2101年9月、暗黒大陸での戦いの最中、彼は共和国軍の陣営を訪れ、共和国陸軍中佐ロブ・ハーマンと極秘の会談を行った。その時、帝国軍がシュバルツ暗殺を狙って襲撃。ハーマンは脱出を促すが、カールは自ら迎撃に出て襲撃者ヨハン・ホルスト・シュタウフィン軍曹と戦うが撃破されてしまい、重傷を負う。その後、戦争の終結とプロイツェン打倒のため、ヘリック共和国と手を組み、帝都ヴァルハラへ共和国軍と共に進軍し、皇帝官邸攻撃の指揮官となる。官邸内に突入後、指揮を部下に任せ、自身は皇帝ルドルフを救うため、官邸内の地下通路を逆行し格納庫へたどり着き、プロイツェン操縦のブラッディーデスザウラーの口腔内にビームガトリング砲を撃ちこんだ。だが、プロイツェンは瀕死の中、起爆スイッチを押して自爆。彼はルドルフをかばいながら格納庫の床に思い切りコングの拳を叩きつけ、格納庫下のシェルターに逃れ、二人とも助かった。

乗機：アイアンコングSS、セイバータイガーSS

リッツ・ルンシュデット

ゾイドファンブック2に登場。ガイロス帝国陸軍中尉。ゾイドを操縦することに魅せられ、国防軍に入隊。一応、軍人だが争うことや殺すことを嫌ったため、テストパイロットの道を選んだ。どんな状況においても常に沈着冷静なのでアイスマンの異名を持つ。ZAC2100年初頭、オーガノイドシステムを搭載した新型ゾイド、ジェノザウラーが開発され、そのテストパイロットとして本国から西方大陸エウロペへ派遣され、ジェノザウラーと強化改造されたレッドホーンとセイバータイガーと模擬戦闘を行い、圧勝した。ZAC2100年3月、帝国軍はより完全なオーガノイドシステムのデータを得るため、古代遺跡が多数存在する南エウロペ大陸へ派兵。彼もこれに従い、南エウロペ大陸にあるガリル遺跡へ向かった。一方、共和国軍のアーサー・ボーグマン少佐も帝国軍より先に古代遺跡のデータを持ち帰る任務を受け、ガリル遺跡に向かっていた。そして遺跡の奥深くでリッツ操縦のジェノザウラーと遭遇し交戦。偶然にもジェノザウラーが倒れた方向に培養カプセルを発見。リッツはカプセルの中から未知のゾイド核を引きずり出した。アーサーは阻止しようとしたが、彼は荷電粒子砲を天井に向けて発射し、大穴を開けて脱出。未知のゾイド核を持ち帰った。その後、帝国軍はブレードライガーに対抗するため、ジェノザウラーを強化しジェノブレイカーとなる。リッツはジェノブレイカーに乗り、共和国軍の追撃をふりきる増援として派遣された。そしてヘスペリデス湖に架かる橋を破壊し、敗走する友軍を共和国軍から守り抜いた。ZAC2100年9月、共和国軍がウルトラザウルスを中心とする「デストロイヤー兵団」を編成し、帝国軍の西方大陸の本拠地であるニクシー基地へ進撃。帝国軍は阻止するため、決死隊を編成。彼のジェノブレイカーもこれに加わり出撃した。その途中、アーサーの操縦するブレードライガーと遭遇し、交戦。その最中、両者とも無惨に破壊された両軍のゾイドの残骸が転がる異様な場所に迷い込んでいた。突如、残骸の山からデススティンガーが姿を現し、ブレードとジェノブレイカーに襲いかかった。二人は一致協力してデススティンガーと戦い倒すもののアーサーの乗るブレードはデススティンガーに蜂の巣にされてしまう。彼はデススティンガーの巣を破壊し、名も知らない共和国軍パイロット（アーサー）の墓標を作って弔った後、オーガノイドシステム計画を止めると決意し、どこへともなく姿を消した。帝国軍の記録にはただ「生死不明」とだけある。

乗機：ジェノザウラー、ジェノブレイカー

ズィクナー・フォイヤー

ゾイドファンブック3に登場。ガイロス帝国陸軍大尉。後にネオゼネバス皇帝となるヴォルフ・ムーロアに影のように付き従っており、絶対的な忠誠を誓っている腹心である。暗黒大陸戦争時、閃光師団のレイ・グレックと交戦中のヴォルフを逃がすため、デスザウラー復活のために作られた実験機、ブラッディーデーモンに乗り込みレイと閃光師団と戦う。レイは逃げたヴォルフを追おうとするがズィクナーに阻まれる。レイはホバーカーゴに引き返して無秩序に装備したライガーゼロをもってズィクナーと戦い、荷電粒子砲を放ってオーバーロードを起こしたブラッディーデーモンを撃破する。レイはコックピットの無事を確認し、ズィクナーにいろいろ聞き出そうと考えたその時、ヴォルフが引き返してズィクナーを救出。鉄竜騎兵団本隊と合流し、中央大陸デルポイを目指した。

乗機：ブラッディーデーモン

[編集] ネオゼネバス帝国

ギュンター・プロイツェン

ゾイドファンブック1、3、4に登場。名門プロイツェン家の長男として生まれるが、真の父はゼネバスであり、プロイツェンもその事実を知っていた。ガイロス帝国軍元帥であり、ガイロス皇帝の死後、新帝ルドルフの後見として摂政に任じられる。惑星Zi大異変後の帝国を再建した功労者で帝国民衆からの支持は絶大であり、その背景を利用して政敵を次々と粛清。議会を掌握し、権力者となった。そして第一次大陸間戦争の決着をつけるため、ヘリック共和国に対し宣戦布告。だが、その真の目的はヘリック、ガイロス双方とも共倒れさせ、ゼネバス帝国を復活させることであった。ゼネバス帝国の復活を息子ヴォルフに託し、帝国首都ヴァルハラにてヘリック・ガイロス連合軍共々道連れに自爆して果てた。

乗機：ブラッディーデスザウラー

ヴォルフ・ムーロア

ゾイドファンブック3、4、ゾイドファンブックEXvol.8に登場。ギュンター・プロイツェンの息子で後継者として育成されてきた。父の遺志を継いでネオゼネバス帝国2代皇帝となり、鉄竜騎兵団を率いてデルポイ大陸帰還と制圧を果たす。だが、ヘリック共和国軍残党、ガイロス帝国、さらには東方大陸（ZOITEC）の同盟を敵に回し全土戦争を繰り広げることになった。父親を彷彿とさせる酷薄な美貌と幼馴染みを死地に送り出す果断さの持ち主だが、その心根は正反対で指導者に不向きと言われるまでに優しい性格である。伝統的な仮想敵であるガイロス帝国との対決姿勢を明確にした施政方針はデルポイ民衆からそれなりの支持を得たが、無人キメラブロックスを中核とした軍編成など急進的な政策はZOITECとの決裂と共和国の復権を招いてしまった。レオマスターに迫る才覚を持つゾイド乗りでもあり、レイ・グレックとは因縁の死闘を繰り広げるが、指導者と掛け持ちゆえの経験不足は終始拭えなかった。