ガイロス帝国

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ガイロス帝国（-ていこく）は、玩具シリーズ「ゾイド」に登場する惑星Ziに在る架空国家。首都はヴァルハラ。

[編集] 概要

中央大陸デルポイから見て北西に位置する暗黒大陸ニクスを本拠地とする軍事国家。かつては暗黒軍と名乗っていた。中央大陸の地底族の長であったガイロス（ゼネバス皇帝の伯父にあたる人物）が建国に関与したとされている。ゼネバス帝国とも交流があった。首都は大異変前は大陸南西部のダークネス（現チェピン）だったが、大異変後は大陸北東部のヴァルハラに遷都している。

デルポイよりはるかに国土の生産力が劣るニクスにありながら、科学技術にて常に優位に立つ強国である。デルポイの人々が唯一「外敵」として恐れ警戒する相手であり、反ガイロスを明確にするネオゼネバス帝国への民衆の支持はニクスに対する侵略の恐怖の裏返しでもある。ニクスの人々は火山活動が安定した温暖で豊かな土地を渇望しており、それが南下を促す動機となっている。

国土が北の果てにあり、登場人物の名前やゲルマン神話（北欧神話）にちなんだ地名、軍の規律を重んじる点などがドイツ系国家のような印象を持たせている。なお、国旗は赤地と黒地の二種類がある。旧時代の国章は黒い縁の黄緑色のシールドに黒い飛竜を横向きにした意匠で現行の国章は緑色の宝玉をはめこんだ宝剣を擁き、翼を広げた赤い飛竜である。

旧シリーズにおいてはガイロス皇帝が武力により複数の国家を従えているとされていた。新シリーズにおいてはギュンター・プロイツェンが摂政（皇帝の後見人）として国政を壟断しており、国家元首（この場合は皇帝）に権力が集中する専制である。一方で、議会が存在しており、プロイツェンが政敵を粛清しその掌握に務めていたことが言及されている。また、プロイツェンが実質的な私設軍として保有するプロイツェンナイツに政治警察としての権限とデスザウラーをも含む圧倒的戦力を与えていた点や、プロイツェンに並ぶ名家の出とされるカール・リヒテン・シュバルツ中佐が独断でヘリック共和国と停戦を結び、その呼びかけにより国防軍全体が戦闘を停止したといった描写から、貴族ら有力者や軍閥が強大な権限を持っていることが見て取れる。

[編集] 歴史

ZAC2039年、ゼネバス皇帝の亡命を受け入れ、ゼネバス帝国を援助する。しかし、ZAC2051年、ヘリック共和国軍の手によってニカイドス島に追い詰められたゼネバス帝国軍を救出するもののゼネバスを裏切り、ゼネバス軍の将兵とゾイドを吸収し、ヘリック共和国に対し宣戦布告し、第一次大陸間戦争勃発。以後は暗黒大陸に上陸してきた共和国軍と交戦するもののZAC2056年の惑星Zi大異変によって戦争は決着がつかないまま終結。国土は荒廃し、暗黒大陸は「ニクス」と「テュルク」の東西二つに分断された。

ZAC2097年、ガイロス皇帝（前述した地底族のガイロスとは別人）の死により10歳の皇太子ルドルフ・ツェッペリンが皇位継承、ギュンター・プロイツェン元帥（実はゼネバス皇帝の遺児）が摂政（後見人）となる。ガイロス帝国国防軍と帝国議会を掌握したプロイツェンはヘリック共和国に対し、宣戦布告。暗黒大陸と中央大陸とを繋ぐ回廊にあたる西方大陸エウロペに侵攻。これを受けて共和国軍も西方大陸へ派兵し、第二次大陸間戦争（西方大陸戦争）が勃発する。当初はガイロス帝国が優勢であったが、次第に国力に優る共和国軍に押されはじめ、本国ニクス大陸へ撤退。戦いは本土決戦（暗黒大陸戦争）へと移行する。両軍の血みどろの消耗戦の中、摂政ギュンター・プロイツェン元帥が帝都ヴァルハラで反乱を決行。ルドルフ皇帝を拘束し、自らの出自を明かすと共にネオゼネバス帝国の建国を宣言。ガイロス軍とヘリック軍は電撃的に休戦協定を締結し、協同して皇帝ならびに帝都奪還作戦を展開する。しかし、これこそネオゼネバス軍本隊を中央大陸に送り出すためのプロイツェンの陽動作戦であり、最終的にプロイツェンとプロイツェン騎士団（プロイツェンナイツ・通称PK師団）は帝都及びヘリック・ガイロス連合軍もろとも自爆して果てた。ルドルフはシュバルツ中佐に救われ、からくも一命を取り留めた。その後は共和国の同盟国としてネオゼネバス帝国と戦っていくこととなる。だが、本土決戦で被った打撃から回復できず、裏方に徹しているも、共和国に凱龍輝の素体であるバーサークフューラー野生体の提供などの援助を行った。

[編集] 軍隊

ガイロス帝国の軍隊（国防軍）は、高い技術力に裏打ちされた強力な兵器と主力ゾイドであるアイアンコングやレッドホーン、最大の生産数を誇るモルガなど数多くの陸戦ゾイドを擁し、陸軍主導の編成である。電撃戦を展開する主力部隊の機動力は共和国軍を凌駕し、外地への急速展開を可能とするホエールカイザーやホエールキングといった巨大飛行輸送艦の開発にも注力しており、敵地の制圧・占領という目的が鮮明である。空軍がそれに次ぐ戦力だが、ギル・ベイダー、ガン・ギャラドといった超強力なゾイドを保有していた第一次大陸間戦争ではむしろ空軍のほうが最強であった。現在はレドラー、ザバット、ホエールキングが配備されており、第一次大陸間戦争の頃と比較すれば弱体化しているが、戦闘機、UCAV機、輸送機と一通り揃っているので決して見劣りしない戦力である。そして海軍が一番貧弱（中型ゾイド中心でウルトラザウルスのような大型艦が存在しない）。ただし、西方大陸戦争後期以降からシンカー、ウォディックの大量配備により大幅な強化が進んでいる。

[編集] 主な地名

暗黒大陸ニクス（ギリシャ神話の夜の女神ニクスが語源）
カオスケイプ（旧称ブラッディゲート。流血の門と言う意味。ニフル湿原南端に位置する拠点）
マイズマーシ（旧称デビルメイズ。悪魔の迷路と言う意味。カオスケイプから北西に離れた場所に位置する拠点）
ゴッドクライ（神の叫びと言う意味。巨大な亀裂が走った峡谷地帯。現在、この地名は無い）
リバーオブリベンジ（逆襲の河と言う意味。現在、この地名は無い）
チェピン（旧称ダークネス。ガイロス帝国旧首都。遷都後も軍事上の拠点はなおもここに置かれている。ニフル湿原西端に位置する都市）
ヴァルハラ（北欧神話の主神オーディンの居城の名が語源。アース平野の東に位置する都市。現ガイロス帝国首都。3000万の人口を擁する大都市）
ウプサラ（スウェーデンの都市名が語源。アース平野北部に位置する都市）
セスリムニル（北欧神話の女神フレイヤの居館の名が語源。第二次大陸間戦争で最も激しい市街戦が行われた。ヴァーヌ平野東端に位置する都市）
ユミール（北欧神話に登場する巨人ユミルが語源。鉄竜騎兵団アイゼンドラグーンの本拠地があった。ミッド平野の南に位置する拠点）
トリム高地（北欧神話に登場する巨人トリムが語源。ニクス大陸中央部に位置する高地）
ニフル湿原（北欧神話のニヴルヘイム「霧の国」が語源。ニクス大陸南部に広がる湿原地帯。第一次大陸間戦争ではこのあたりとビフレスト平原が戦場になった）
ビフロスト平原（北欧神話のビフレスト「虹の橋」が語源。トリム高地の西側に広がる平原）
グニタ高原（北欧神話に登場する荒野の地名が語源。ミッド平野の北に広がる高原地帯）
ヨツン平野（北欧神話のヨトゥンヘイム「巨人族の国」が語源。ムスペル山脈の北に広がる平野）
ミッド平野（北欧神話のミズガルズ「人間の国」が語源。ニクス大陸南西部に広がる平野）
アース平野（北欧神話のアースガルズ「アース神族の国」が語源。ニクス大陸北東部に広がる平野）
ヴァーヌ平野（北欧神話のヴァン神族が語源。ゲフィオン山脈の南に広がる平野）
ヴィグリド平原（北欧神話における神々の最終戦争ラグナロクの舞台と予言される土地。アース平野の西隣に広がる平原）
ヴィグリド湖（ヴィグリド平原内に位置する湖）
ウルド湖（北欧神話のウルズの泉が語源。ビフロスト平原とトリム高地の間に位置する湖）
ミミール湖（北欧神話のミミルの泉が語源。ニフル湿原とミッド平野の間に位置する湖）
イグドラシル山脈（北欧神話のユグドラシル「世界樹」が語源。ニクス大陸の南北に伸びた山脈）
ムスペル山脈（北欧神話のムスペルヘイム「灼熱の国」が語源。ニクス大陸西部に伸びた山脈）
ゲフィオン山脈（北欧神話の女神フレイヤの別名が語源。ニクス大陸東部に伸びた山脈）
アウドムラ半島（北欧神話に登場する牝牛の名が語源。ニクス大陸の西端に位置する半島）
エントランス湾（入口と言う意味。第一次大陸間戦争時、暗黒大陸に上陸したヘリック共和国が命名し、橋頭堡として湾岸と沖合いに基地を建設。ビフロスト平原の南に位置する湾）
ブラックラスト（別名「黒の砂漠」ヨツン平野の東に広がる砂漠地帯）
暗黒大陸ティルク（トルコが語源だと思われる。惑星Zi大異変による分断後、命名された大陸）
トローヤ（古代ギリシャの都市トロイが語源だと思われる。ティルク大陸の東に位置するガイロス帝国発祥の地。現在、廃墟となっている）
トロン（語源不明。ブラックラスト北部に位置する都市）