ストップ!! ひばりくん!
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ストップ!! ひばりくん! | |
---|---|
ジャンル | ギャグ・ラブコメ・少年漫画 |
漫画 | |
作者 | 江口寿史 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
連載期間 | 1981年45号 - 1983年51号 |
巻数 | 4冊 (JC) 3冊(完全版・双葉社) 2冊(文庫版・双葉社) 4冊(ジャンプリミックス版・集英社) 2冊(文庫版・ホーム社) |
テレビアニメ | |
監督 | 久岡敬史(ディレクター) |
アニメーション制作 | 東映アニメーション |
放送局 | フジテレビ系列 |
放送期間 | 1983年5月20日 - 1984年1月27日 |
話数 | 35話 |
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『ストップ!! ひばりくん!』は江口寿史のギャグ漫画作品。作者の代表作であり、1980年代を代表するギャグ漫画でもある。
目次 |
[編集] 概要
「週刊少年ジャンプ」誌上において昭和56年45号から昭和58年51号まで連載。『ひのまる劇場』に続く作者3作目となる連載作品。単行本はジャンプコミックスより全4巻。後に様々な形で再販されている(#単行本参照)。
当時ラブコメディーが全盛を誇っている事を憂いた江口が、ラブコメをちゃかす事でアンチテーゼとし、ヒロインを「女装した男の子」にしたことで強烈なギャグとなった作品。連載当時は、江口寿史の画力が飛躍的に上昇していた時期で、江口が気合を入れてひばりくんを可愛らしく描けば描くほどギャグの破壊力が増すという幸運な相乗作用をもたらしていた。
作画のレベルを保つことが困難だったのか、あるいは設定に無理があったのか、江口が盛んに原稿を落とすようになったのもこの作品からで、また未完のまま連載を放棄したのもこの作品が最初となる。これらの理由としては、男であるヒロインを可愛く描きすぎ、さらには当初頭で考えていた内容とは異なってしまった為に、本人でも描き進める事が困難となったからだと後に語っている。また『爆発ディナーショー』ではただ単純に当時の絵柄に飽きたとも語っている。
結局江口は、最終回間際にアンディー・ウォーホルが出ていたCMのパロディで「ゲンコー(原稿)真っ白…キレイ」と言ったり、「白いワニが出たのでしばらく休みます。」と謎のコメントを書いて事実上打ち切ってしまった。最終話は『メイキング ひばりくん』の題で、その内容は江口がひばりくんの原稿を描こうにも描けなくなってしまい、ついには原稿を落としてしまう、と言う自虐ネタであった。ラストシーンはネタを探しに江口が逃げ出すところで終わっており、この時点で雑誌連載は終了。というのは間違いで、実際は「少年誌は死んだ」と血の涙を流す熱血風の謎の新キャラが登場し、それを見た耕作とひばりが驚く回が最後のジャンプ掲載話である。
当時非常にヒットした作品である事から続編を望む声も多いが、結末が描かれなかったおかげで、連載終了から20年以上が経過した今でも十分に面白い、魅力的な作品となっているとも言われている。作者自身が『ひのまる劇場』とこの作品を「その内なんとかしなきゃな」とも言ってはいるものの、近年江口はせいぜい数ページの物しか漫画を描いておらず、ページを使ったストーリー展開が必要な続編が描かれる可能性は非常に低いといわざるを得ない。
1983年には、東映動画によりアニメ化(全35話)もされ、フジテレビ系で放映されている。 アニメのエンディング曲で、若き頃の布袋寅泰がギターを弾いている。世に出る前のサイドワークとしてファンの間で有名である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
母を亡くし天涯孤独の身となった少年耕作は、遺言に従い、母の古い友人・大空いばりの家に身を寄せる事になる。しかし事もあろうに大空家は「関東大空組」、つまりヤクザであり、いばりはその組長であった。
身の危険を感じて逃げようとする耕作の前に美少女が現れにっこり微笑んだ。一目惚れしてしまった耕作は大空家で生活する決心をしたが、それが運の尽きだった。つばめ・つぐみ・すずめと美人ぞろいの大空家の姉妹の中で、耕作が最初に会った一番の美少女・ひばりは実は男だったのだ。
ひばりは学校では女で通しており家族以外はその秘密を知らない。その上ひばりが耕作を好きになったそぶりを見せ、積極的にアタックしてくる有様。ひばりの引き起こす騒動に巻き込まれて耕作の気の休まる暇もない日々が続く。
[編集] 主な登場人物
- 坂本 耕作(さかもと こうさく)
- 作品の主人公。成り行きで大空家の一員として生活することになる。優しく一本気な九州男児(熊本県出身)だが、女の子に弱い。
- 大空 ひばり(おおぞら -)
- 美少女の容姿を持つ男の子。肩書き上は大空家「長男」。耕作が大空家に越してきた直後から猛アタックをかける。ひばりが男であることは大空家関係者以外には知られておらず、ひばりは才色兼備な学園のアイドルとして生活を送っている。
- 大空 いばり
- 関東大空組組長にして大空四姉妹 (?) の父親。組の唯一の跡取りであるはずのひばりの奇行に日々心労が絶えない。嘗て耕作の母に惚れていて、彼女の死後孤児となった耕作を引き取る。
- 大空 つぐみ
- 大空家長女。早くに母親を亡くしている妹弟たちの母親代わりとして世話をしている。
- 大空 つばめ
- 大空家次女で、ひばりの2才年上。ヘアスタイル以外はひばりと瓜二つ。ひばりが女の子として学校に通うのを苦々しく思っているが、男だと知れると自分にも迷惑が被るので、水泳その他でひばりの正体がバレそうになると、変装して身代わりをしている。
- 大空 すずめ
- 大空家三女。おませな小学生。ヒラメ顔の男を見ると泣き出す。
- サブ
- 関東大空組若頭。つぐみに惚れている。
- 政二(せいじ)
- 関東大空組組員。強面だが気が小さい。耕作及び大空家の世話係として行動。朝、奇抜な格好で耕作を目覚めさせ、驚かす事を生き甲斐にしている。
- 椎名(しいな)
- 耕作とひばりのクラスメイトで、ひばりに惚れている(もちろんひばりが男だとは知らない)。そのため耕作に何かと因縁をつけてくる。ボクシング部に所属しており、当初は耕作よりも強かったが、徐々に差を詰められるようになっている。
- 可愛 理絵(かわい りえ)
- 耕作と椎名が所属するボクシング部のマネージャー。耕作が一目惚れをするが、理絵自身は椎名に恋心を抱いている。
- 梶 みつを(かじ -)
- つばめの同級生で、つばめに強引に迫ってくる暑苦しい男(その行動はほとんどストーカー)。ボクシング部キャプテン。弟や妹がいるが、全員同じ顔をしている。
- 高円寺 さゆり(こうえんじ -)
- 耕作に惚れ、耕作の身辺を探っているうちにひばりの秘密を知り、暴こうとするが失敗する。モデルは『薬師丸ひろ子』で、作中でも薬師丸ひろ子が主演した映画のパロディーが描かれている。
- 白智 小五郎(しらとも こごろう)
- 高円寺さゆりに雇われた探偵。ひばりの秘密を探り、さゆりに報告する。『ひのまる劇場』の元主人公。
[編集] その他
- 後日談で、江口がとあるゲイバーに連れて行かれたとき、江口の傍にいたホステスが、江口が「ひばりくん」を描いていたことを知ると突然泣き出し、「私は『ひばりくん』を読んで"この道"に入ったんです」と言われたらしい。当然江口本人はそんなつもりでひばりくんを描いたわけではなかったので、えらい迷惑した、と語っている。
[編集] TVアニメ
1983年5月20日から1984年1月27日までフジテレビ系で放映された(全35話)。元々原作のストックが少なかった為、すぐに原作のエピソードを使い切ってしまい、後半は他の江口作品のストーリーを転用したり、オリジナルストーリーを製作したりしている。また、全話収録のDVDセットが発売されている。ただ、ローカルセールス扱いだったため、自社製作番組優先等の理由や、その作品内容から放送に難色を示した局もあり、基幹局でも放送しなかった地域(テレビ新広島・テレビ西日本等)や、時差ネットしている地域があった(東海テレビ、関西テレビ等)。
[編集] 声の出演
[編集] 単行本
過去5度にわたって刊行されている。
- ジャンプコミックス版 全4巻 集英社 1982年~1984年
- ハードカバー完全版 全3巻 双葉社 1991年
- 文庫版 全2巻 双葉社 1995年
- ジャンプリミックス版 全4巻 集英社 2001年
- 文庫版 全2巻 ホーム社 2004年
- ホーム社刊行の文庫版で一応の全編完全収録となった。
[編集] 関連項目
- いずれも今作と同じく未完のまま投げ出された江口作品。
[編集] 外部リンク
- 大空恋慕(ファンサイトのひとつ)
フジテレビ系 金曜19:00枠 | ||
---|---|---|
前番組 | ストップ!! ひばりくん! | 次番組 |
ぼくパタリロ! | みゆき ※木曜19:30から移動 |