デストロイア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デストロイア (Destoroyah) は、1995年に公開された特撮映画『ゴジラvsデストロイア』に登場した架空の怪獣。劇中での命名者は物理化学者の伊集院博士(辰己琢郎)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 特徴
もともとは25億年前、地球上に酸素が殆どなかった頃の先カンブリア時代に生きていたとされる甲殻類の生物で、古代の地層で眠っていたが、1954年にゴジラに対して使用されたオキシジェンデストロイヤーが無酸素状態を作ったために復活し、異常進化して怪獣「デストロイア」となる。
微小体、幼体、集合体、飛行体、完全体へと変化する。形態を変化させるのは映画『ゴジラ対ヘドラ』に登場するヘドラと似ている。また『ガメラ2 レギオン襲来』に登場したレギオンとの類似性を指摘される事もある(公開は「ガメラ2」が後だが、小怪獣群が巨大怪獣に纏わりつくアイデア自体は古く、「ガメラ2」の専売特許でもない)。
戦闘能力自体は非常に高く、不死身の体を持っているのだが、如何せん、劇中における暴走状態のゴジラでは相手が悪く、それなりに善戦はしたものの、やや強敵としての印象が弱い怪獣となってしまった。
[編集] 各形態の解説
[編集] 微小体
水族館の水槽内に出現、ミクロオキシゲンの作用で一瞬にして魚を骨に溶かした。ビデオ映像のコンピュータ解析から存在が発覚。形態は三葉虫に酷似。一部資料では「クロール体」とも言われている。
- 全長:2ミリメートル~30センチメートル
- 体重:1.5キログラム(最大時)
[編集] 幼体
東京湾横断道路の工事現場に出現。大きさは大人の人間程度で、ミクロオキシゲンを放射して数多くのものを分解、消滅させてしまう。工事現場の機材などを消滅させ、有明クリーンセンターを占拠。突入した警視庁(対ゲリラ)特殊部隊SUMPと交戦し、多大な被害を与えるも無反動砲や火炎放射器によって一部が撃破された。
- 全長:2~18メートル
- 体重:350キログラム~260トン
[編集] 集合体
東京港湾部に出現した幼体が集まり、合体して誕生した形態。その姿形は幼体を巨大化し、触手を2本生やした風体である。口から放射するミクロオキシゲンは、オキシジェンデストロイヤーにパワーアップ。タガメが強酸を獲物の体内に抽入して内部を溶かすのと酷似する攻撃をゴジラジュニアに行い、かなり優勢に戦いを進めたが、隙をついたジュニアの攻撃で形勢が逆転。飛翔体になり逃げようとしたがジュニアの熱線をまともに受け品川の火力発電所に突っ込み爆発に巻き込まれた。しかし…。
また、ゴジラとの交戦時に完全体が複数の集合体に分離し、ゴジラに集中攻撃を浴びせたが、ほとんど効果がなかった。このときの集合体は、ジュニアとの対戦時に比べ小さなものになっている。
ゴジラジュニアとの対決時のスーツアクターは柳田英一。
- 全長:60メートル
- 全高:40メートル
- 体重:1万5千トン
[編集] 飛行体
集合体が空中を飛ぶ際変形した形態だが、顔は完全体に酷似している。集合体に生える両の触手と胴体の間に膜が形成され、主翼となる。飛翔体とも言われる。
- 全長:65メートル
- 翼長:80メートル
- 体重:1万5千トン
[編集] 完全体
デストロイアの最終形態。甲殻類のようであった集合体までと異なり、2本足で立つ脊椎動物のような姿をしている。品川の火力発電所の炎の中から出現、羽田空港に飛来し、先に自ら痛めつけたゴジラジュニアを空中から落としトドメを刺したが、それがゴジラの怒りを呼ぶ結果となり、さらに巨大な熱を発生したゴジラによって圧倒される。
怒り狂い暴走するゴジラに対してはオキシジェン・デストロイヤーすらもまったく通用しなかった。それまで嬉々として攻撃を楽しむ風情だったが、ハイパー熱線で顔面を吹き飛ばされるに至り初めて死の恐怖を感じ、空中に逃げた隙にスーパーX3や自衛隊の冷凍メーサー戦車の攻撃によって撃ち落とされ、絶命した(残念ながらカットされているが、この後再び立ち上がり自衛隊の冷凍弾を受ける中、最後の死闘を繰り広げているシーンも撮影されている)。
集合体に分離して数で敵を圧倒したり、尾から相手のエネルギーを奪いつつ引きずり回したり、弱った相手を空中から地面に落として息の根を止めるなど卑怯な戦術の目立つ怪獣であった。
スーツアクターは播谷亮。
- 全長:230メートル
- 全高:120メートル
- 翼長:210メートル
- 体重:8万トン