ゲームファンド ときめきメモリアル
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ゲームファンド ときめきメモリアルとは、ゲームソフト会社であるコナミが2000年に発行した投資信託。ときメモファンドの通称で知られる。投資信託の形態は、バミューダ籍オープンドエンド型契約型証券投資信託となっている。発売元はマネックス証券。
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[編集] 概要
2000年11月から12月にかけて募集され、1口10,000円、10口から購入可能だった。集められた信託資産は、SPCである、ときめきカンパニーリミテッドが発行する社債に投資され、当該SPCは調達した資金を元に、コナミを営業者とする匿名組合の出資を行う。この資金は『ときめきメモリアル3 ~約束のあの場所で~』(以下、ときメモ3)と、『ときめきメモリアル Girl's Side』(以下、ときメモGS)の開発資金に当てられた。
償還額は、『ときメモ3』と『ときメモGS』の発売180日後の最終出荷本数に応じて、決定する仕組みであった。10口保有で希望者は『ときメモ3』のエンディングスクロール(スタッフロールが終わった後に表示される)に名前を載せることができ、20口保有でときメモ3の限定版(一般販売されたものと外装ケースの色が異なる)がもらえるという特典が付けられた。
特定のテレビゲームソフトの開発資金を「投資信託」という形で調達するというのはゲーム業界初の試みで、ゲーム業界からはもちろん、それ以外の業界からも大きな注目を集めた。
[編集] 結果
募集総額は12億円であったが、実際に申し込みがあったのは2,783件・7.7億円に留まり、ときメモ3やときメモGSの展開に厳しい影響を与える遠因になってしまった。その後、2003年2月に10,000円に対して10,088円が償還され、投資家にとって大変厳しい結果となった。投資のプロからは、リスクの高さやその割にリターンが少ないことを指摘する声があったが、結果的にそういった声が現実となってしまった。
「厳密には、元本割れには当たらない」…というのがコナミの主張であるが、償還額からは手数料や税金が差し引かれることもあり、投資家の期待収益を確保できたとはいえないとの指摘もある。 また、償還額が出荷本数によって決定するため、元本割れを避けるべく無理な出荷をしたために、小売店側での過剰在庫を生じ、実売価格の下落を招いたとの指摘もある。
他に指摘されている事としては、ケイマン諸島(タックス・ヘイヴン地域)に特別目的会社を設立するなど、当時の法制度上で成立させるためとはいえ、ファンドの規模に対してかなり無理を重ねたため、ファンド維持手数料が出資額の8%にもなり、これが結果的に償還額の悪化に結びついたとの声がある。
この厳しい結果が尾を引いたことや、テレビゲーム自体の人気低下もあって、その後ゲームファンドに目立った動きはなくなってしまった。
[編集] その他
ファンドの利益結果について、畑健二郎が読切漫画「ハヤテの如く!」において、「ときメモファンドが元本割れした」と取られかねない表現をし、『週刊少年サンデー』に掲載されたため、コナミが抗議し、小学館が謝罪するという事があった。(登場キャラクターである誘拐犯が、その借金の原因として「ときめもファンド」の名を叫んでいた)
[編集] 関連項目
- ときめきメモリアル
- ときめきメモリアル2
- 萌え株
- アイドルファンド
- アニメファンド
- 映画ファンド
ときめきメモリアル | |
【本編作品】 | 1 - 2 - 3 - GS - GS2nd |
【シリーズ作品】 | 1ドラマシリーズ - 2Substories |
【ONLINE】 | ゲーム - アニメ |
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