クロノクルセイド
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クロノクルセイド(英字表記: CHRNO CRUSADE 、サブタイトル: Mary Magdalene )は森山大輔による漫画作品、およびそれを原作とするテレビアニメ。小説も1冊ある。
目次 |
[編集] 作品概要
富士見書房のメディアミックス系漫画雑誌、月刊コミックドラゴンおよび月刊ドラゴンエイジに連載された。連載期間は『コミックドラゴン』掲載分が1999年1月号から2003年4月号まで。『ドラゴンエイジ』掲載分が2003年5月号から2004年6月号まで。移籍理由は角川書店系列企業において過剰創刊されていたメディアミックス系雑誌の再整理のため。なお連載時は両雑誌のどちらにおいても看板連載作品となった。
角川書店より『ドラゴンコミックス』レーベルにてコミックス発刊。全8巻。
2003年から2004年までフジテレビ系列においてアニメ化もされた。
原作(コミック)連載終了の時期とアニメ放映終了の時期がほぼ同じという珍しい作品。
なお、タイトル故にエニックス社(現スクウェア・エニックス)のゲーム作品である『クロノ・トリガー』および『クロノ・クロス』と関連性があるように勘違いされることが多い(特に『クロノ・クロス』は連載期間中の発売作品であったため、そのように誤解されることが多い)のだが、両作品とは作者が違うため、関連性は全く無いことに留意されたい。
また主人公ロゼットの風貌とGUILTY GEAR XXのキャラクターの一人、ブリジットの風貌がかなり似ているが、こちらも全く関連は無い。(作品としてはGUILTY GEAR XXのほうが後発)
[編集] ストーリー
第一次世界大戦終結後の1920年代。それはまだ現代よりも夜の闇が濃かった時代。 アメリカ合衆国は大戦による軍需景気に湧き、同国に生きる人間たちはその繁栄を謳歌しながら、自らの持つ「心の闇」に捕らわれていた。 好景気と投資によるにわか成金。マフィア・カジノ・禁酒法……。 その光と闇に狭間に乗じて、ヒトの心の弱さを突き、暗躍する者たちがいた。 悪魔と呼ばれる人外たちである。
宗教改革の時代において魔女狩りに端を発し、当時の宗派を超えて集った有志の人々によって設立された「マグダラ修道会」は「学問として魔女・魔法の本質を知る」ことと「その知識を利用し、悪しき者の災禍より人々を守り救う」事を目的とする、国家からの信頼も篤い悪魔退治(エクソシスト・悪魔祓い)を専門に行うプロテスタント系キリスト教教団である。 マグダラ修道会ニューヨーク支部に在籍する、悪魔祓い専門のシスターロゼット・クリストファは、相棒であるクロノと共に激動と繁栄と闇に満ちた米国を駆け巡る。それは、かつて悪魔アイオーンによって連れ去られた弟ヨシュア・クリストファを取り戻す為。この事は2人にとって忘れえぬ大きな影でもあった。
1914年に起こった海難事故により両親を失いセブンスベル孤児院に引き取られたクリストファ姉弟は、1920年に近くの森の地下遺跡(霊廟)で自らを悪魔と名乗る少年クロノと出会う。だが姉弟はそんな事を気にする風もなく彼を遊び仲間に交えた。クロノも当初は当惑していたものの、姉弟との交流に心を開き安らぎを感じるようになる。だがクロノはかつて自らが犯した過ちとソレによって起こされた悲しみを原因として、自ら力を封じた悪魔だった。彼が解放された事でその存在はかつての仲間であるアイオーンに知られる事となり、そのために地上代行者という「力(天上の「魂の大河」アストラル・ラインを制御する力。主には治癒能力の形で発現する)を持つ存在」であるヨシュアが目をつけられることとなる。そしてアイオーンの企みによってセブンスベル孤児院は時を止められ、ヨシュアは連れ去られる。ロゼットはクロノによって辛くも被害を免れたが、ただ一人の生き残りとなってしまった。
自分たちの身に降りかかったこの災禍に対抗する術を問うロゼットにクロノは自らの持つ「悪魔の力」の解放を語る。しかし、それはロゼットがクロノの「契約者」となり、自らの「魂の時間」を彼に与えることで力を引き出すという事。すなわちクロノが本来の力を使えば使うほどロゼットの寿命が縮まっていく、という事を意味していた。 ロゼットは迷わなかった。弟を助け出す術を得るため、彼女はクロノの契約者となる。そして自分を保護したユアン・レミントン神父の属するマグダラ修道会に入り、悪魔祓いとして修行を積む事で自身の戦う術を身につけようとする。一方でクロノ自身もまたマグダラの管理下に置かれ、普段はロゼットの助手として悪魔祓いを手伝うことになる。
悪魔祓いの任務を続ける中、ロゼットとクロノは後見人であるレミントン神父や上司であるシスター・ケイト、武器開発の「長老(エルダー)」であるエドワード・ハミルトンに見守られ、ヨシュアと同じ地上代行者で後に後輩ともなるアズマリアや宝石使い(宝石に精霊を封じ使役する能力者)サテラなどの仲間と出会い、彼らと共に世の人々に害を成す悪魔たちやアイオーン一派と戦っていく事になる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主な登場人物
(担当声優はアニメ版/ドラマCD版)
- ドラマCD版キャストはマリン・エンタテインメントより2000年~2001年に発売されたドラマCDのものである。
[編集] 主人公
- マグダラ修道会に所属する問題児シスター。1908年生まれのため物語当時(1924年)は16歳。シスターに似合わぬ破天荒で活動的な性格をしており、いわゆる「悩む前に突っ走る」性格。良く言えば「くよくよせず、明るく優しい」性格とも言える。修道会きっての壊し屋(クラッシャー)であり、彼女が出動すれば必ず何かとんでもない物が大破する。そのため彼女の活動は始末書と共に報告されることも数多く、上司の頭痛・胃痛のタネと化している。
- 胸に常時(とはいえ就寝時・入浴時は除く)懐中時計をぶら下げている。これはクロノとの契約の証であり、同時に彼の「悪魔の力」の半強制的な封印でもある。これもまた上司たちの頭痛のタネ(と言うよりも、憂慮事項)になる時がある。クロノの力を使う毎に彼女の寿命は削られ、本人も「30歳までは生きられない」と明言していた。
- 銃を武器として操り、特殊な弾丸を放って悪魔退治を行う。弾丸には連射可能な「聖油弾、聖弾(セイクリッド)」と、単発で強力な「福音弾(ゴスペル)」がある。
- 後半で「四聖文字砲(テトラグラマトン)」という更に強力な武器を装備する。
- 原作
- 最終戦でパンデモニウムに乗り込み、ヨシュアやアズマリア、他の地上代行者を解放する。その後クロノによって地上に降ろされ、離れ離れとなった。1932年の3月に24歳で没しており、彼女の墓の位置は自身の遺言により公表されていない(そのため、現代において縁の者は誰一人として墓参はできないハズなのだが、なぜか毎年、彼女の命日には必ず花束が手向けられているという)。単行本書き下ろしで、死の直前にクロノと再会を果たす。
- アニメ
- ロゼットは普通の人間ではなく、聖女マリアの生まれ変わりという設定になっている。それ故に最後の地上代行者として終盤でアイオーンに拉致され、傀儡となり世界を混乱に陥れた。最後の聖痕を受けた際に正気を取り戻し、クロノの封印を解いてアイオーンとの決着を着けた。その後、残りわずかの余生をクロノと二人きりで過ごす。生への渇望も虚しく、間もなくして田舎の小さな家で、寄り添うように眠っているところを発見される。
- 原作のロゼットは作品タイトルの通り、ヨシュアやアズマリアを救う騎士(クルセイド)的な存在であるのに対して、アニメ版では囚われたお姫様の様な扱いとなっている。
- 普段はロゼットの助手をしている少年だが、実は彼女と契約を交わしている悪魔。どこまでも気弱でおとなしく優しい、悪魔らしからぬ性格をしている。かつてやむなき事情でアイオーンと共に魔界に反旗を翻し罪人(とがびと)となったため、魔界の悪魔たちから命を狙われている。一方でその後ある出来事が元でアイオーンたちとも離反したため、彼らからも狙われることとなってしまった。悪魔の力の証である尖角(ホーン)を折っているため「折れた尖角」とも呼ばれている。他の二つ名として「罪人クロノ」「爵位剥奪者」など。ロゼットの寿命を消費し、本来の力を出すときは少年の姿から大人の姿へと変身する。
- 何かにつけて契約者であるロゼットを気にかけている。かつて自らの過ちで「大事な人」を失ったため、二度と同じ過ちを繰り返さぬことを自らと過去に失った人に対して誓っているようである。またロゼットの事もただ単に契約者としてだけではなく、自分の側にいる「大事な人」として認識しているようである。
- 原作
- 最終決戦で一人、過去との決着をつけるためにロゼットを置いてアイオーンの元に向かい戦うことになる。その際に必ず帰る誓いをロゼットに約束。後のロゼットはそれを生きる目的とした。その約束はロゼットの臨終間際である1932年の3月に果たされることになる。ただ、マグダラ修道会の記録上では1924年にマグダラの手によって処刑されたこと(最終決戦前、レンミントン牧師との一騎打ちにて)になっている。
- アニメ
- ヨシュアを解放するものの、同時に時間凍結され一時戦線を離脱。その後魂の存在となったマグダレーナの力を借りて復活し、アイオーンと決着を付ける。その際に聖女化したロゼットの血を何度も浴びてしまい、癒えることのない苦痛と戦いながらロゼットと共に最期の時を過ごした。
[編集] 仲間
- ファティマの予言に記された「御使い」であるとされる少女。(ここで言うファティマの予言はあくまでも作中内におけるものであり、実際のものとは大きく異なる。実際のファティマの予言についてはファティマの聖母の項を参照すること。さらに、当作はファティマ予言が完全公開された2000年5月以前に執筆されたものであることに留意されたし)物語当時は12歳のため1912年生まれと推察できる。「博愛」の力を司る地上代行者(アポスルズ)の一人。悪魔崇拝者によって(名目上の養女として)捕らわれていたところをロゼットとクロノに救われ、その後2人の強い生き様に大きな憧れを抱くようになり、悪魔祓いの見習いとして彼らの下に就く事になる。
- 自らの唄う歌(要するに魂からの声)によって地上代行者としての能力を発現することが出来る。幼い頃からの不遇(地上代行者は総じて力の代償として幼少期より不遇にさらされる)により、自分の生や意志をあっさりと諦めてしまうきらいがあったが、ロゼットたちに出会うことで考え方が変わっていく。その後は一種の天然ボケ娘へとキャラクターがシフトしていく事に。
- 原作
- 物語途中で罪人たちに拉致され、アストラル体を操る地上代行者として操られる。しかしロゼットによって再び救われた。なお物語全話終了後、全ての地上代行者から能力は消え去っている。なお1998年に老齢にて没している。また、この世界の現代においては彼女の血縁の手によって「ヘンドリック財団」が設立されている。
- アニメ
- 運命という大波の前では彼女の力はあまりにも無力であった。サテラ、クロノ、そしてロゼットの最期を看取ることとなる。しかし彼女たちが必死で歩んできた人生に報いるためにも、シスターとなって今自分のいる激動の時代を懸命に生きることを誓う。
サテラ・ハーベンハイト(声優:根谷美智子)
- ロゼットたちが任務中に知り合ったイケイケのねーちゃん(原作ではショタコンの気があり、クロノにちょっかいをだしていた)。アイオーン一派によって襲われた宝石使いの一族・ハーベンハイト家の最後の生き残りで、「宝石の魔女(ヘクセン・デア・ユヴェール)」の通り名で知られる。幼き日に見た「尖角の無い悪魔」を仇と狙っている。当初はクロノがそれと勘違いするが、実はそれは自らの尖角を武器に作り変えたアイオーンだった。また、アイオーンによって連れ去られた姉フロレット・ハーベンハイトを探している。ある意味でロゼットと対を成すキャラ。
- 原作
- 最終決戦においてフィオレとなった姉・フロレットを取り戻そうと説得を試みるも、逆に姉の死を自ら確信する事となり、結果として自らをフィオレと共に宝石に結晶化させ相討ちの形で封印することになる。その後、結晶化が解けぬまま1994年にオレゴンのニューポート海岸に姉と共に打ち上げられ、それを「ヘンドリック財団」が回収し研究。1999年2月に結晶化が解け、その後のロゼットたちの生き様をアズマリアの生前の遺言を交えた記録映像で教えられる。最終的にロゼットの墓の前で仲間に恥じないよう自らの未来を生きることを誓い、現代もどこかの片隅で生活しているはずである。
- アニメ
- ヨシュアを連れて逃亡したフィオレを引き離す為、異次元の結界にてフィオレと対峙する。しかしフィオレは既に人ではなく、記憶が取り戻せないのならば、と自らと共に刃で貫く。結界が解けた現世でアズマリアの歌を聴きながら逝く。
[編集] マグダラ修道会
ケイト・ヴァレンタイン(声優:榊原良子/アニメ版と同じ)
- マグダラ修道会N.Y.支部の実働エクソシスト統括者。シスター・ケイト。ロゼットの直接的な上司。いつもロゼットの破天荒な行動に振り回されて気苦労の耐えない毎日を送っている。とても厳しい人だが、その半面で部下想いの優しい女性。
- アニメ版ではそうでもないが、原作版では体力勝負のエクソシスト統括者らしく密かにロゼットに負けず劣らずの肉体派。特に連載初期ではロゼットに対して見事な関節技(変形コブラツイスト)を決めており、さらにはサブミッションフルコースなる荒業まで保持しているようである。
- マグダラ修道会N.Y.支部に所属する牧師で修道騎士(一般エクソシストの上位にいる特別なエクソシスト)。ロゼットとクロノの保護後見人であり、孤児であるロゼットの親代わりにして憧れの人。飄々として苦労を感じさせない性格。常にロゼットとクロノを見守り、時にその成長を助け、時に範を示し、時に導き、時に心を鬼にして辛くあたる、まさしく「親代わり」の存在である。どう見ても20代にしか見えないが、実際はかなりの歳を重ねている。
- 原作
- 彼の超人的な能力は、悪魔の生体組織「群体(レギオン)」を体に移植しているからである。しかしその代償として体のメンテナンスを長老にしてもらわなければならない。また、意識が途切れると「群体」の侵食が起こる為、眠ることすら許されない。全てが終わった後はメンテナンスを止め、修道騎士も引退し、残りの余生を一介の牧師として過ごす。
- アニメ
- 天から遣わされた「天使」である。ニューヨークからサンフランシスコの距離をも一瞬で移動できる能力をもつ。しかし最後は神がもたらした運命を呪い、その罪滅ぼしとしてヨシュアを引き取る。永遠に歳をとることがなく、ラストシーンは混迷に満ちた世界に絶望して落ちぶれた彼の前に、更なる絶望が襲う事で幕が下ろされる。
エドワード・ハミルトン(声優:西村知道)
- マグダラ修道会N.Y.支部の兵装開発主任。通称・長老(エルダー)。クロノはロゼットの助手だが、所属的には彼の預かり(悪魔研究の参考資料的扱いとして)になっている。
- 頭はいいが、タチの悪い色ボケクソジジイ。しかしロゼットたちエクソシストの兵装は殆どが彼の手によるもので、そういう意味ではマグダラには欠かせぬ真の天才でもある。
アンナ(声優:増田ゆき)/ メアリ(声優:小暮英麻)/ クレア(声優:力丸乃りこ)
- ロゼットの同僚のシスターたち。主にアニメで出番が多い下位クラスのエクソシストでもある。基本的にケイトの、時にはレミントンの配下でロゼットたちの戦いを支援する。なおアニメでのクレジットにはそれぞれの名前に「シスター」がつく。
ジャック・ギリアム(声優:松本大)
- マグダラ修道会サンフランシスコ支部の牧師で修道騎士。支部の代表的存在。
エリザベス
- 原作のみのキャラ。マグダラに入ってからできたロゼットとクロノの初めての友人。14歳の時に脱会し、その後医者となり末期のロゼットの担当医として全力を尽くした。
[編集] 罪人サイド
- 全ての元凶を作った悪魔。罪人たちのリーダーでもある。この世の真理に触れ、世界の狂ったシステムを改築しようと行動する。そのために自ら尖角(ホーン)を折り、パンデモニウムとの関係を断ち切った。原作とアニメでは雰囲気がかなり異なる。
- 原作
- 目的のために仲間を犠牲にする非情さを持ち合わせているが、ないがしろにしている訳ではなく、時にはお茶目な面も覗かせるなど、どことなく紳士的な雰囲気を持っている。パンデモニウムで成人の儀式を受けた際に「世界の真理」を知り、この世の全てに絶望する。そのことがきっかけでパンデモニウムから離反、行動を起こすようになる。クロノの事を兄弟と呼ぶが、その理由は彼らはパンデモニウムの中枢(制御)ユニットとなった女性を母親に持つ双子(兄:アイオーン、弟:クロノ)であったためである。最終決戦でクロノとパンデモニウムと共に宇宙の彼方へ消える。その後の消息は不明。
- アニメ
- ロゼットやサテラにキスを強要したり、組み敷こうとしたりする色情魔である。誰も信頼することなく、己の真意を一人で抱えたまま「自由を得る」という名目を掲げて罪人たちを束ねる。最終的にクロノによって殺されるが、ラストシーンで姿を現すなど、恐らくはアイオーンの一人勝ちだったと思われる。
- ロゼットの弟。他人の怪我を治すという不思議な能力を持っていた。幼少時は病弱で、ロゼットに世話をかけさせている事に強いコンプレックスを抱いていた。アイオーンから強い体を得られるという誘惑を受けて、クロノの尖角(ホーン)を身に付ける。その強大な力の反動で自我を半分失い、自分たちの住む孤児院の時を止め(尖角を手に入れて身に付けた、元はクロノの特殊能力)、アイオーンと共に姿を消す。
- アズマリアと同じ「御使い」と呼ばれる地上代行者(アポスルズ)である。
- 原作
- ロゼットが尖角を撃ったと同時に正気を取り戻し、自ら尖角を折る。全てが終わった後、贖罪のためにマグダラの牧師として活動。ロゼットが没する前後にアズマリアと結ばれる。
- アニメ
- クロノに尖角を折られた衝撃で精神が崩壊。記憶を失い、心が子供化してしまう。その後神への信仰を捨てたレミントンと共に生活する。
フィオレ/フロレット・ハーベンハイト(声優:桑谷夏子/堀江由衣)
- 常にヨシュアの傍に寄り添っているメイド少女。サテラと同じく「魔石使い」であるのは、彼女の実の姉だからである。どんな時でもヨシュアの事を第一に考え、彼に害を及ぼすなら上司(?)に当たる罪人でも許さない姿勢をとる。彼に恋慕と、妹の姿を重ねている為と思われる。
- 原作
- 最終決戦でサテラと共に石化するが、ヘンドリック財団の尽力によって蘇生に成功(シェーダのお陰?)。その後姿を消す。ロゼットの墓前に誓いを立てるサテラをシェーダと共に見届けていることから、一緒には居られずとも妹を気遣っている模様。
- アニメ
- 精神が崩壊したヨシュアを連れての逃亡中、サテラによって異次元の結界へ送り込まれる。そこでサテラ共々刃に貫かれ、記憶を取り戻すと同時に体が霧散する。
リゼール(声優:沢海陽子)
- 下半身が蜘蛛の姿をした女悪魔。罪人の一人。最初にロゼットに接触してきた咎人で、アイオーンに想いを寄せている。その為、彼が執着するヨシュアの事を快く思っておらず、そのヨシュアが所望するロゼットの事も少なからず憎んでいた。最期はロゼットの福音弾(ゴスペル)によって葬られる。
- 元々蜘蛛の姿をしていた訳ではなく、過去にとある事故によって半身を失い、その補完を行うために蜘蛛の姿になった。
ジェナイ(声優:遠近孝一)
- 罪人の一人。最も残忍な性格をしており、人間であるヨシュアやフィオレの事をあまり快く思っていない。その反面同族意識は高く、リゼールが死んだことを聞かされると誰よりも憤慨していた。それ故、裏切ったクロノを強く敵視していた。
- リゼールと同様、過去の事故で両目を失い、常に布で覆われている。
- 原作
- 最終戦の混乱の最中に死亡。
- アニメ
- 「贖罪の儀式」の後、デュフォーの圧倒的な力の前に敗れ去る。
シェーダ(声優:笹本優子)
- ネコ耳が特徴の罪人。頭脳労働派を自負しており、罪人たちの拠点「楽園(エデン)」の管理者。ロゼットの持つ懐中時計「アストラル集束制御ユニット」を設計、製作したのも彼女である。また、原作とアニメで最も性格が違っている人物。
- 原作
- とても人懐っこく、ヨシュアや連れ去られたアズマリアともすぐに打ち解けている。優しい性格をしているので、拉致してしまった地上代行者たちに何度も謝ったり、元は仲間であったアイオーンとクロノが対立している事に心を痛めたりしている。唯一最後まで生き残った罪人で、復活したフィオレと共に現代で生活している模様。
- アニメ
- 明るい性格はそのままに、悪魔らしい狡猾さを備えた人物となっている。作者の愛を受けていた原作とは違い、「贖罪の儀式」後かなりぞんざいな最期を迎える。
ヴィド(声優:木村雅史)
- 体格の良い罪人。大体がジェナイと共に行動しており、知的で落ち着いた性格と相まって、感情的になりやすい彼を制止する役にまわっている。
- 原作
- アイオーンの事を王と称えており、心底敬愛していると思われる。ジェナイ同様クロノを強く敵視しているが、アイオーンの命によって攻撃されても本気で戦うことはしなかった。また、最終決戦の場面ではクロノを導いたりしてくれたりした。乱戦の末に死亡する。
- アニメ
- ジェナイと共に自由に行動している。マグダラ・追っ手の混成軍との戦闘の折、ジェナイを庇ってロゼットの福音弾を受け、致命傷を負わされたところをカルヴによって葬られる。
[編集] その他
公爵デュフォー(声優:若本規夫)
- 罪人たちの追っ手側のリーダー。その力はアイオーンやクロノをも凌ぐ。
- 原作
- 最終決戦の場で登場し、アイオーンを一瞬で戦闘不能にした。しかし、パンデモニウムに注がれたアストラル体の氾濫によって動きを拘束され、アイオーンに殺害された。
- アニメ
- 罪人たちを追い詰めるためマグダラと手を組む。意外に巧く連携をとっていたが、ロゼットが浚われ人間側に動揺が走ったことをきっかけに同盟解消。自分たちだけでアイオーンを捕らえようとするが、聖女化したロゼットの血を浴びて消滅する。
子爵ボルゾ(声優:江川央生)
子爵レライエ(声優:家中宏)
- クロノに敗れ、消滅寸前だったところをリカルド・ヘンドリックとの契約により生きながらえる。
- 当初こそリカルドの命に従いアズマリアを監視していたがクロノとの再会により翻意。収束機で集めたアズマリアの力を自らに注ぎ、契約の鎖を破壊、リカルドを殺害する。
- 激戦の末心臓を真の姿を現したクロノに貫かれ爆死。
リカルド・ヘンドリック(声優:家弓家正)
- アズマリアの養父。裏の世界では知られた悪魔使い。
- 世界大戦で死んだ妻を蘇らせる、ただそれだけの為にアズマリアの力を利用した、ある意味哀れな男。
- 肺病を病み、自分には時間がない事を悟り焦ったのをレライエにつけこまれる。
カルヴ(声優:うすいたかやす) 罪人たちの追っ手。巨大なブタの姿をした悪魔。
- 原作
- クロノを追ってきたが、ロゼットたちの連携の前に敗れる。
- アニメ
- 共同戦線を張っている内に人間たちのことを気に入ってしまう。戦闘の際に修道士たちを守るため、ヴィドを道連れに死亡する。
グーリオ(声優:中田雅之) 同じく罪人たちの追っ手。理性的な悪魔。
- 原作
- カルヴと共にクロノを追ってきたが、レミントン率いる精鋭の救援部隊に捕獲される。
- アニメ
- 共同戦線を張っている時は人間の姿をしていた。同盟解消後、デュフォー同様聖女化したロゼットの血を浴び死亡。最後の力を振り絞ってクロノたちに助言を残す。
シュタイナー・ミュンヒハウゼン(声優:丸山詠二)
- ハーベンハイト家の執事。孤児となってからもサテラに誠心誠意仕えてくれていた。
- ロゼットたちが居候した時にも何かと世話を焼いてくれた。
- 原作
- 最終決戦には参加せず、ロゼット達4人が写った最初で最後の写真を所持しながら待つ。
- ロゼット死亡時にはまだ存命。腰痛に悩んでいる、とロゼットに手紙を書いていた。
- アニメ
- 原作より出番が多かった。特にアズマリアと仲が良く、ダンスを一緒に踊ったりしたが、その後ジェナイに殺害される。
マグダレーナ(声優:川上とも子)
- 50年前にクロノとアイオーンが対立する原因となった女性。物事の全てを見通す「事象視」の能力を持つ聖女としてマグダラ修道会に保護されていたのを、クロノが連れ出した。ずっとクロノに焦がれており、クロノも次第に惹かれていく。その後アイオーンはクロノに、彼女を殺すように命じるがクロノは拒否。結果クロノがアイオーンに殺されかける。瀕死のクロノを救うため契約によって自らの命を差し出し、死亡する。
- 原作
- パンデモニウムの首を捜索するための探知機としての役目を担わされていた。当初でこそ罪人たちに疎ましがられていたが、恐れずに普通に接するため、次第にジェナイやリゼールたちとも家族のように打ち解けていく。しかしパンデモニウムの首が覚醒した際に意識を汚染され、「世界の真理」の情報が漏れることを恐れたアイオーンはクロノに殺害を命じる。原作側ではすぐに死亡したのではなく、クロノとの契約により衰弱しながらもしばらくは逃亡生活を続けていた。だが最終的には追いつかれ、アイオーンの手によって殺害される。
- アニメ
- 彼女の存在は聖女の偽者として、アイオーンの計画を防ぐ為に神から遣わされたワナであった。そのことに気付いたアイオーンはクロノに彼女を殺させようとする。
スリム
- 小説版に出てきたオリジナルキャラ。
- 飛行機による大西洋単独無着陸飛行を目指す青年。「スリム」は愛称で、ラスト近くでの彼の自己紹介によるとチャールズ・リンドバーグのようである。
- 原作ではエピローグで名前のみ登場。手紙の束の一つを見てロゼットが「スリムだ、懐かしい!」と発言している。
- 写真からすると再会もしている様子。
グーリオ
[編集] アニメ
2003年11月24日~2004年6月9日にフジテレビ系列で放送。全24話。
[編集] スタッフ
- 企画:安田猛、小川洋、鈴木怪男、酒匂暢彦、石川真一郎
- 監督:紅優
- 副監督:神戸洋行
- シリーズ構成:冨岡淳広
- キャラクターデザイン/総作画監督:黒田和也
- モンスターデザイン:神戸洋行
- メカニックデザイン:川原智弘
- 銃器デザイン:村松尚雄
- 美術設定:平澤晃弘(スタジオ美峰)
- 美術監督:野崎俊郎(スタジオHoo Bow)
- 色彩設計:鈴木依里
- CGIディレクター:武山篤
- 3DCG:松浦裕暁
- 2DCG:南條洋介
- 撮影監督:鎌田克明(スタジオトゥインクル)
- 編集:廣瀬清志
- 音楽:七瀬光
- 音響監督:鶴岡陽太
- 音響効果:倉橋裕宗
- 音響制作:楽音舎
- 音楽制作:ランティス
- プロデュース協力:中嶋嘉美(ビッグショット)
- プロデューサー:高瀬敦也、若松剛、冨岡重明、武智恒雄
- 制作協力:ビッグショット
- アニメーション制作:GONZO DIGIMATION
- 制作:フジテレビ、福音弾(製作委員会)
[編集] 放送内容
- シスターロゼット
- 契約者
- 御使い
- 罪人
- 修道騎士
- 宝石の魔女
- 悪魔
- 傀儡
- ヨシュア
- 尖角
- けだもの
- 聖夜
- 姉
- 祈り
- 追手
- 信仰者
- 共犯者たち
- 四人
- 首
- 毒
- マグダレーナ
- さよなら
- ノイズ
- クロノ
[編集] 主題歌
[編集] コミック版とアニメ版の相違点
中盤まではストーリー展開がほぼ同じであったが、アニメ放映時には原作は終盤とはいえ未完結状態であったこともあり、それ以降はストーリーも設定も大きく異なっている。原作の方はそれほどでもないが、アニメではキリスト教における様々な書物や伝説を独自に解釈して制作されているためである。
ストーリーのラスト
- 原作
- 悲しい結末の中にも、未来への希望が見られたラストである。(単行本書き下ろしのラストエピソードは雑誌掲載時に終わらせきれなかった物語を帰結させた。ファンの間では概ね高評価を受けている。)
- アニメ
- 最後のロゼットとクロノのやりとりの評価は高い。しかし専門用語を多発されて少々分かりにくい上、締めくくりが「我々は神の示す道の前で、ただ呆然と時代を見ているしかない・・・」といった夢も希望もないものであったため、ファンの間では半ば黒歴史化している。
パンデモニウムと悪魔
- 原作
- 最終的にパンデモニウムは地球外からの移民船、悪魔はその移民である事が明らかにされた。アイオーンは悪魔も神も人が社会を構築していくための方便であるとし、それらの存在を否定した。
- アニメ
- 一方のアニメ版は悪魔は悪魔として確立されており、また神の存在も示唆していた。悪魔は人間を堕落させないように天によって作られ、また人間を恐怖させることで神への信仰を続けさせるための存在であるとしている。
アイオーンの目的
- 原作
- パンデモニウムの成人の儀式を受けた際「世界の真理」に触れ、世界を構築するシステムの全てを憎むようになる。地上代行者を集めてアストラルラインを操り、パンデモニウムにそれを注ぎ込むことでレギオンを氾濫させ世界を再構築させることが目的であった。仲間、特にクロノにも真理を教えなかったのは、その内容があまりにも悲惨であったため、彼なりの弟への優しさからだったのだろう。
- アニメ
- 不明瞭な点が多く、はっきりとは読み取れない(記述者の読解力と知識不足のせい?)。言葉だけを並べるなら「自由を得るため」「ファティマ第2の予言の実現」「黙示録のもう1つの結末を描く」などが挙げられる。
- 「贖罪の儀式」を行って世界を混乱に陥れた後、それに伴って聖女化したロゼットを操り更なる混沌を作り上げようとした。凡そは彼の目論見通りになったのだが、クロノに殺された時に「エロイ、エロイ、 ラマ、サバクダニ(神よ、神よ、なぜ私を見捨てたのですか)」という言葉を残すなど、行動理由が読み取りにくい。
- (訂正・補完があったらお願いします)
[編集] 補足事項
本作のアルファベット表記はChrno Crusadeであるが、北米版のコミック及びアニメ放送ではChrono Crusadeと表記されている。 懐中時計がキーアイテムであることから、「クロノ」とはギリシア語で時間を意味するクロノス (chronos) に由来する接頭辞chrono-(例: クロノメーター)であるとみるのが妥当であり、chrno-という綴りは奇異なものと受け止められている。en:Chrono Crusade#Triviaも参照。
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