クレイマー、クレイマー
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クレイマー、クレイマー | |
監督 | ロバート・ベントン |
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製作 | スタンリー・R・ジャッフェ |
脚本 | ロバート・ベントン |
出演者 | ダスティン・ホフマン メリル・ストリープ ジャスティン・ヘンリー ジェーン・アレクサンダー |
音楽 | ヘンリー・パーセル アントニオ・ヴィヴァルディ |
撮影 | ネストール・アルメンドロス |
編集 | ジェリー・グリーンバーグ |
配給 | コロムビア映画 |
公開 | 1979年12月8日(米国) 1980年4月(日本) |
上映時間 | 105分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
allcinema | |
キネ旬DB | |
IMDb | |
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『クレイマー、クレイマー』(Kramer vs. Kramer)は、1979年に公開されたアメリカ映画である。『俺たちに明日はない』『スーパーマン』で脚本家として活躍してきたロバート・ベントンがアメリカの作家・アヴェリー・コーマンの小説を映画化。『卒業』、『真夜中のカーボーイ』、『大統領の陰謀』などの作品で演技派俳優として知られるダスティン・ホフマンを主人公に、『ディア・ハンター』でアカデミー助演女優賞にノミネートされたメリル・ストリープを妻役に迎え、自立を求め家を出る妻と、取り残された夫と息子に起こるさまざまな問題を描いた。当時アメリカ国内において社会問題となっていた離婚・養育権を真正面から捉えたこの作品は国内外で映画評論家と観衆双方の高い評価を獲得。第52回アカデミー賞で作品賞を受賞したのを始め数多くの映画賞を受賞した。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
仕事第一の会社員・テッドが家に帰ると妻のジョアンナは別れを告げてきた。はじめは冗談だと思っていたテッドであったが、翌日会社から自宅に電話をかけても誰も出ないことから初めて事の重大さに気づき、その日から生活は一変した。息子であるビリーの分まで朝食を作り、ビリーを学校まで送った後自らは急いでタクシーで会社へ向かう。順調に進んでいた会社の仕事も家まで持ち帰る羽目になり、かまってもらえない寂しさからビリーはその仕事を邪魔するかのように振舞う。そんな二人はまるで噛み合わず、とても父子とは思えないような有様であったが時間とともに二人の絆は深まっていった。
そんなある日、不注意からビリーがジャングルジムから転落し大怪我を負ってしまう。追い討ちをかけるかのようにテッドは失業。さらに、1年以上連絡のなかったジョアンナがビリーの養育権を主張し、テッドを提訴。弁護士に相談するも、失業中のテッドが養育権を勝ち取る見込みはほとんどない。裁判前にようやく仕事にありつけたテッドであったが、それまで仕事ばかりで家庭を顧みなかったというジョアンナの主張に反論できず、裁判では苦戦を強いられた。結局ビリーの養育権はジョアンナの手に渡ることとなり、ビリーの存在が生きがいであったテッドは狂乱状態に陥る。
ビリーをジョアンナに引き渡す日の朝、テッドは最初の頃こそうまく作れなかったフレンチトーストを難なく作り上げ、ビリーと二人で最後の朝食をとった。ジョアンナが来るのを待つ二人であったがジョアンナからの電話でテッドが階下に降りると彼女は思いつめたかのように呟く。「ビリーのためを思えば連れていくのはよくない。彼の家はここよ」。エレベーターに乗り込むジョアンナをテッドは見守るのであった。
[編集] スタッフ
- 製作:スタンリー・R・ジャフィ
- 監督:ロバート・ベントン
- 原作:エイヴァリー・コーマン
- 脚色:ロバート・ベントン
- 撮影:ネストル・アルメンドロス
- 編集:ジェリー・グリーンバーグ
- 美術:ポール・シルバート
- 音楽:ヘンリー・パーセル / アントニオ・ヴィヴァルディ
[編集] キャスト
- テッド:ダスティン・ホフマン
- ジョアンナ:メリル・ストリープ
- マーガレット:ジェーン・アレグザンダー
- ビリー:ジャスティン・ヘンリー
[編集] 裏話
- アイスクリームのシーンや、グラスを割るなどダスティン・ホフマンのアイディアが随所に存在する。その為、ベントン監督はダスティンに「共同脚本クレジットを」と提案するが、ダスティンは「監督の脚本だから」と断った。脚本もアカデミーを受賞したのでダスティンは後年になって「アカデミー脚本賞も取れたのに」と笑って語っている。
- ビリー役のジャスティン・ヘンリーはわずか8歳でアカデミー助演男優賞にノミネートされた。史上最年少である。
[編集] 受賞歴
[編集] 第52回アカデミー賞
- 作品賞
- 監督賞・・・ロバート・ベントン
- 主演男優賞・・・ダスティン・ホフマン
- 助演女優賞・・・メリル・ストリープ
- 脚色賞・・・ロバート・ベントン
以下ノミネート
- 助演男優賞・・・ジャスティン・ヘンリー
- 助演女優賞・・・ジェーン・アレクサンダー
- 編集賞・・・ジェリー・グリーンバーグ
[編集] 第37回ゴールデン・グローブ賞
- 作品賞
- 脚本賞・・・ロバート・ベントン
- 主演男優賞・・・ダスティン・ホフマン
- 助演女優賞・・・メリル・ストリープ
[編集] 第14回全米批評家協会賞
- 監督賞・・・ロバート・ベントン
- 主演男優賞・・・ダスティン・ホフマン
- 助演女優賞・・・メリル・ストリープ
[編集] 第45回NY批評家協会賞
- 作品賞
- 主演男優賞・・・ダスティン・ホフマン
- 助演女優賞・・・メリル・ストリープ
[編集] 第5回LA批評家協会賞
- 作品賞
- 監督賞・・・ロバート・ベントン
- 脚本賞・・・ロバート・ベントン
- 主演男優賞・・・ダスティン・ホフマン
- 助演女優賞・・・メリル・ストリープ
[編集] その他
- 第23回ブルーリボン賞 外国作品賞
- 第53回キネマ旬報賞 委員選出外国語映画部門第1位、読者選出外国語映画部門第1位
[編集] 日本語吹替
1961: ウエスト・サイド物語 | 1962: アラビアのロレンス | 1963: トム・ジョーンズの華麗な冒険 | 1964: マイ・フェア・レディ | 1965: サウンド・オブ・ミュージック | |