ネストール・アルメンドロス
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ネストール・アルメンドロス(Néstor Almendros, 1930年 - 1992年)はスペインのバルセロナ生まれの映画キャメラマン、撮影監督.
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[編集] プロフィール
幼少時代に、フランシス・フランコ政権のファシズムを恐れた両親と共にキューバに移住する。教育映画の製作に携わった際に 映画撮影に関心を持ち、スペインの国立映画学校に留学するも、充分な教育を得られなかったことに業を煮やし、ニューヨークやパリを転々としながら、独学で映画撮影を学ぶ。やがて、訪れたパリで、エリック・ロメールの元でカメラマンを務めたことがきっかけとなり、フランソワ・トリュフォーや、ジャン・エスタージュといったヌーヴェルヴァーグ派の映画作家と親交を深め、その作品を数多く担当した。自然光をたくみに使い、映画、絵画、写真などの博識な芸術知識を活かした斬新で芸術的な映像美は注目を集め、特にフランソワ・トリュフォーとのコンビネーションは、フランス国内のみならず、海外でも評判を集めた。
また、70年代からはアメリカ映画にも進出、撮影を担当した1978年の「天国の日々」でのリアリスティックで芸術的な映像美によりアカデミー撮影賞を受賞した。その後も、ロバート・ベントン、マイク・ニコルズ、マーティン・スコセッシなどとコンビを組み、特に、ロバート・ベントンとは、社会現象ともなった1979年の「クレイマー・クレイマー」や1984年に二度目のアカデミー撮影賞を受賞した「プレイス・イン・ザ・ハート」を初め、5本の作品を担当している。
穏やかな人柄とともに複数の言語を流暢に操る豊かな教養の持ち主であり、自伝「キャメラを持った男」を執筆した際には、自身の撮影技法を初心者にもわかりやすく解説し、各国の翻訳に大しては監修、校正なども行った。
1992年、ニューヨークで急死。
[編集] 作品
[編集] 撮影
- パリ、ところどころ
- コレクションする女
- ワイルド・レーサー
- モア
- モード家の一夜
- 野性の少年
- 家庭
- クレールの膝
- 恋のエチュード
- 谷
- 愛の昼下がり
- にんじん
- 珍鳥
- 太陽の女たち
- 放浪紳士チャーリー
- イディ・アミン・ダダ
- 僕の小さな恋人たちむ
- コック・ファイター
- アデルの恋の物語
- 女主人
- O公爵夫人
- 木立の中の日々
- 性転換
- 恋愛日記
- ココ・言葉を話すゴリラ
- ジョルジュ・ポンピドー・センター
- これからの人生
- 天国の日々
- ゴーイング・サウス
- 緑色の部屋
- 聖杯伝説
- 逃げさる恋
- クレイマー・クレイマー
- 青い珊瑚礁
- 終電車
- 殺意の香り
- ソフィーの選択
- 浜辺のポーリーヌ
- 日曜日が待ち遠しい
- プレイス・イン・ザ・ハート
- 心みだれて
- 消えたセクシー・ショット
- ニューヨーク・ストーリー
- イマジン・ジョン・レノン
- ビリー・バスケイド
[編集] 著作
- 「キャメラを持った男」武田潔訳 筑摩書房